「韓国に行くのですが、どの施術がおすすめですか」。渡韓の前にいちばん多く聞かれる質問です。そして、いちばん答えにくい質問でもあります。
日本語で検索すると、おすすめ施術のランキング記事がたくさん出てきます。ただ、その順位は書いた人の事情で決まっていることがほとんどです。人気の順なのか、紹介できる範囲の順なのか、書きやすい順なのかは、読む側からは分かりません。しかも、そのランキングには「あなたの渡韓が何泊なのか」「翌日に予定があるのか」という情報が入っていません。
韓国の現場で見ていると、満足して帰る方と、そうでない方の差は、選んだ施術の種類ではなく、選ぶ順番にあります。人気の施術から選んでしまうと、日程に合わないものを選び、当日になって組み替えることになります。この記事では、順番のほうを整理します。

ランキングから選ぶと、たいてい合わない理由
まず前提として、韓国で外国人が受けられる施術の選択肢は、日本で想像するよりずっと多くあります。上の画像は韓国保健産業振興院の公式サイトの表示で、外国人患者を受け入れる登録をしている医療機関の数が出ています。誘致医療機関だけで4,322か所、合計で7,127か所という規模です。
これだけの数があるということは、メニューの並びも院ごとに違うということです。ある院で人気の名前が、別の院では置かれていないこともあります。ランキング記事に出ていた施術名を持って行っても、その院に同じ名前のメニューがあるとは限りません。
もうひとつ、日本語のランキング記事は「効果が出るまでの期間」や「見た目に出る期間」を、渡韓の日程と結びつけて書いていません。ここが実務ではいちばん重要です。翌日に空港へ向かう予定の方と、5日間ソウルにいる方では、選べるものがそもそも違います。
ですので、選ぶ順番はこうなります。
- 悩み——何を気にしているのかを1つか2つに絞ります
- ダウンタイム——見た目に出てもよい日数を決めます
- 日程——渡韓の何日目に入れるかを決めます
- クリニック——日本語で相談できる条件で絞ります
施術名が出てくるのは、この4つが決まったあとです。順番を逆にすると、必ずどこかで無理が出ます。
悩み別に、相談の入口を整理します
まず1つめの「悩み」です。ここで大事なのは、悩みを1つか2つに絞ることです。全部を1回の渡韓で解決しようとすると、予算も日程も足りなくなります。
| 気になっていること | カウンセリングで候補に挙がりやすい方向 | 補足 |
|---|---|---|
| シミ・そばかす | レーザー系の相談が入口になることが多い部分です | 数の多さや深さで案内が変わります |
| 毛穴・ニキビ跡 | 肌に細かく刺激を入れる系統の相談になりやすい部分です | 複数回を前提に案内されることがあります |
| 肌のハリ・乾燥 | 注入系や肌管理の相談として並ぶことが多い部分です | 単発でも受けやすい部類です |
| たるみ・輪郭の印象 | 引き上げ系の機器の相談が入口になります | 施術後の感じ方に個人差があります |
| 赤み・肌の敏感さ | まず状態を落ち着ける方向の相談になります | 刺激の強い施術を避ける判断もあります |
| しわ・表情の癖 | 注射系の相談が入口になります | 量の調整が必要になることがあります |
この表は「この悩みならこの施術」という対応表ではありません。 相談の入口がどのあたりになるか、という地図です。実際に何を受けるかは、肌を見てもらってから決まります。
悩みを絞るときのこつは、「気になる部分」ではなく「気になる場面」で考えることです。「毛穴が気になる」より「メイクをしたあと、夕方に写真を撮られるのがいや」のほうが、相談の材料としてはずっと役に立ちます。前者だと施術名の話になりますが、後者だと肌の状態と生活の話になり、提案の幅が広がります。
もうひとつ、優先順位を1位まで決めておいてください。 カウンセリングでは、たいてい複数の候補が出てきます。そのときに「いちばん気にしているのはこれです」と言える方は、選ぶのに迷いません。全部が同じくらい気になると答えると、全部が候補として残り、結局その場で決められなくなります。
肌管理まわりで具体的に何が並んでいるかは韓国の肌管理のおすすめの選び方にまとめていますので、悩みが肌の質感にある方はそちらもご覧ください。
ダウンタイムで先に絞ると、失敗が減ります
2つめが、実は最大の分かれ目です。「見た目に出てもよい日が何日あるか」を先に決めてください。
渡韓の予定は人によってまったく違います。友人との旅行なのか、ひとりで来るのか、帰国の翌日に出勤なのか。これによって選べる範囲が変わります。
- 見た目に出したくない——当日中に外出できる範囲のメニューから選ぶことになります
- 数日なら出てもよい——選択肢がかなり広がります
- 帰国後しばらく在宅——選べる範囲がもっとも広い状態です
ここを決めずにカウンセリングに行くと、提案されたものを断る基準がなくなります。逆に、最初に「明後日の朝に帰国します。写真を撮る予定もあります」と伝えれば、その条件に合うものだけを出してもらえます。
ここで注意していただきたいのは、ダウンタイムの長さは施術の種類だけでは決まらないという点です。同じ施術でも、出力の強さや打つ量によって変わりますし、もともとの肌の状態にも左右されます。ですので、「この施術ならダウンタイムは何日」と記事の数字を覚えていくのではなく、カウンセリングで自分の条件を伝えて聞くのが正確です。
伝え方も具体的なほうが通じます。「ダウンタイムは短いほうがいいです」ではなく、「明後日の午前に空港に向かいます。その日は人と会う予定があります」と言えば、そこから逆算した提案が出てきます。
ダウンタイムを避けたい場合の考え方はダウンタイムの少ない施術の選び方にまとめています。
1回の渡韓に、いくつまで入れられるのか
3つめの日程です。ここでよくある失敗が、詰め込みすぎです。
せっかく来たのだからと、1日に複数の施術を入れる方は多くいらっしゃいます。組み合わせ自体は珍しいことではありませんし、実際に同じ日に複数受けている方もいます。ただ、次の3点だけは押さえてください。
- 同じ日に組めるかどうかは、医師が判断します——希望どおりに組めないこともあります
- 腫れや赤みが出る場所が増えます——1つずつなら気にならなくても、重なると目立ちます
- 当日の総額が積み上がります——1つずつの金額では安く見えても、合計は別です
もうひとつ、予備日を1日残すという考え方も持っておいてください。当日の肌の状態によっては、受けられないと判断されることがあります。生理の周期や日焼けの状態、飲んでいる薬によっても変わります。予定を詰め切っていると、その場で受けるか受けないかを迫られることになります。1日余裕があれば、翌日に回すという選択ができます。
そして、順番にも意味があります。同じ日に複数受ける場合、どれを先にするかで受けやすさが変わることがあります。順番の考え方は韓国で複数の施術を受けるときの順番にまとめました。
急いでいる事情がある場合は、それも伝えてください。伝えれば対応してもらえることもあります。
「日本語が話せる方にカウンセリングして頂いたので詳しく丁寧に伝えることができました! 予定があって急ぎがいいと伝えたところ、混んでいたのに早く終わらせてもらいました🥹 素早い施術ですぐ終わりました!」
ただし、これは「言えば早くなる」という話ではありません。言葉が通じたから、事情が伝わったという話です。ここが次の章につながります。
「決めてから行く」より「決められる状態で行く」
日本の方は、事前にしっかり調べてから予約する方が多い印象があります。それ自体はよいことです。ただ、予約の時点で施術を確定させてしまうと、当日に調整できなくなります。
肌の状態は、その日によっても違います。現地で見てもらった結果、別の提案が出てくることもあります。そのときに変更できる余地を残しておくと、結果的によい選択になります。
「初心者にも優しく丁寧に教えていただけてすごく良かったです。 通訳さんいるので日本人でもやりたいこと伝えれば色々提案してその中で選べます。」
この「提案してその中で選べます」という状態が、いちばん望ましい形です。決め打ちで行くのではなく、候補を2つか3つ持って行って、その場で選ぶ。これができると満足度が上がります。
そして、減らす提案をしてくれるかどうかも見てください。
「クリニックとは思えないくらいに、綺麗かつ清潔かつ、待時間も楽しめる。 カウンセリングは丁寧で自分の気になるところも聞いてくれて、しなくていい施術は必要ないと教えてくれる」
すすめられたものを全部受ける必要はありません。しなくてよいものを、しなくてよいと言ってくれるか。 これは、カウンセリングを受ければその場で分かります。分からないまま進むとしたら、それは言葉が通じていないということです。
クリニックそのものの選び方は韓国の美容クリニックの選び方に条件を整理してあります。
費用の見方——「安い」の中身をそろえてください
施術を選ぶ段になると、必ず金額の比較が出てきます。ここでも順番が大切です。金額は最後に見てください。 先に金額から入ると、悩みにも日程にも合っていないメニューを選ぶことになります。
そのうえで、金額を見るときは次の4つをそろえてから比べます。
| そろえる項目 | 確認する言い方 |
|---|---|
| 回数 | 「これは1回分の金額ですか、セットの金額ですか」 |
| 範囲 | 「顔のどこまでが含まれますか」 |
| 付随費用 | 「麻酔や、あとから使う薬の代金は別ですか」 |
| 税 | 「この金額は付加価値税を含みますか」 |
とくに最後の税は、日本の方が見落としやすい部分です。韓国では美容を目的とした施術に付加価値税が課税され、表示のしかたはクリニックによって違います。税込みで書いてある院と、税別で書いてある院が並んでいる状態です。同じ数字に見えても、最後に払う額は変わります。
以前は外国人観光客向けの還付制度がありましたが、条文上の期限は2025年12月31日までで、2026年8月時点で延長の規定は見当たりません。還付を前提にした予算の組み方は、いまはできないとお考えください。
当日までに、決めておくとよいこと
最後に、渡韓前に手元でまとめておくと当日が楽になるものを挙げます。紙でもスマートフォンのメモでもかまいません。日本語のままで大丈夫です。
- 気になっていることを1つか2つ(順位もつけておきます)
- 見た目に出てもよい日数(帰国日と、その後の予定も書きます)
- 今回使える上限の金額(総額で書きます)
- 受けたくないこと(痛みが強いものは避けたい、など)
- 今回だけなのか、また来られるのか
この5つを最初にカウンセリングで見せてしまうのがおすすめです。順番に聞かれて答えるよりも早く、こちらの前提が正確に伝わります。伝わっていれば、出てくる提案の精度が上がります。
そして、この5つはどれも日本語で書ける内容です。翻訳して持っていく必要はありません。日本語が通じる窓口があるかどうかを先に確かめておけば、メモを見せるだけで話が始まります。
日本語では、どこまで確認できるのか
ここまでの話は、すべて言葉が通じることが前提です。悩みを伝え、日程を伝え、提案を聞いて、断るところは断る。この一連のやりとりが日本語でできるかどうかが、施術の選択そのものを左右します。
日本語対応には段階があります。
- 常勤の日本人スタッフや通訳がいる——カウンセリングから施術中、会計まで通ります
- 予約や受付だけ日本語——施術中の細かいやりとりでは通じないことがあります
- 翻訳アプリで対応——一般的な説明は足りても、条件を詰める場面では行き違いが起きます
実際の声を見ると、最初から最後まで通じたかどうかが、そのまま満足度になっています。
「初めて利用しました。アクアピールとブラックヘッドケアの施術を行いました。今まで行った皮膚科の中で1番いいと感じました!最初から最後まで日本語ができる方がいてくださって丁寧で安心して過ごせました。またここを利用したいと思います。」
「院内はとても広く清潔感のあるクリニックで、カウンセリングも施術中も、通訳の方が着いてくださるので安心して受けることが出来ました。 色々トラブルがあったのですがとても丁寧に優しく対応して下さいました。 待ち時間もなくスムーズでしたし、仕上がりに関しても満足しています。 また韓国へ行った際にはぜひお願いしたいです。」
2つめの方は「色々トラブルがあった」と書いていらっしゃいます。それでも満足で終わっているのは、トラブルが起きたときに話が通じたからです。何も起きない前提で選ぶのではなく、何か起きたときに話ができるかどうかで選ぶ。これが現地から見た、いちばん現実的な選び方です。
もっと言えば、通じるかどうかは受ける施術の選び方まで変えます。 言葉に不安があると、こちらから質問できなくなり、出された提案をそのまま受けることになります。逆に日本語で細かく話せる環境であれば、「これは今回はやめておきます」「こちらを先にしたいです」と組み替えられます。同じクリニックでも、日本語で話せるかどうかで受けられる選択肢の幅が変わる、ということです。
予約のときの確認は、次の一言で足ります。「カウンセリングと施術中の両方で、日本語で聞けますか」。
よくある質問
Q. 人気の施術を選んでおけば間違いないですか。
人気があることと、その方の悩みや日程に合っていることは別の話です。とくに見た目に出る期間は施術によって違うため、帰国後の予定と合わない施術を選ぶと後悔につながります。悩みとダウンタイムを先に決めてから候補を絞ってください。
Q. 1回の渡韓で、いくつまで受けられますか。
一律の上限はありませんが、同じ日に組めるかどうかは医師の判断になります。複数受けるほど腫れや赤みが重なり、当日の総額も積み上がります。優先順位を決めて、上から順に相談するのが確実です。
Q. 予約のときに施術を決めておくべきですか。
候補を2つか3つに絞っておくのはおすすめですが、1つに確定させる必要はありません。当日に肌の状態を見てもらったうえで決められる状態にしておくと、より合った選択になります。
Q. すすめられた施術は断ってもよいのですか。
断ってかまいません。予算や日程の都合を伝えれば、その範囲で提案し直してもらえます。断ったことで対応が変わるようなクリニックであれば、そもそも合っていないと考えたほうがよいと思います。
Q. 日本語が話せないと厳しいですか。
韓国語が話せなくても受けられるクリニックは多くあります。ただし日本語対応の段階には幅がありますので、予約のときに「カウンセリングと施術中の両方で日本語が使えますか」と確認しておくと安心です。
※ 本記事は、韓国の公開情報と、実際に韓国のクリニックを利用された方の口コミにもとづく情報の整理であり、特定の施術やクリニックをすすめるものではありません。効果やリスク、見た目に出る期間には個人差があります。実際の判断は必ず診察を受けたうえで、医療機関にご確認ください。