韓国の美容医療の免税は終了したのか|条文の期限と、終わったあとの費用の見方【2026年】

費用・比較公開日:2026-08-31 最終更新:2026-08-31

「韓国の美容医療の免税、終わったらしいですね」——渡韓を予定されている方から、この夏いちばん多く聞かれた言葉です。そして同じ週に、別の方からはこう聞かれました。「まだ使えると書いてあるページを見たのですが、どちらが本当ですか」と。

同じ制度について、正反対の情報が同時に流れています。どちらかが嘘をついているわけではなく、書かれた時期が違うだけ、というのが実際のところです。制度には期限が決められていて、その期限をまたいで書かれた記事が、いま同じ検索結果のなかに並んでしまっています。

この記事では、まず「終了」という言葉が条文の上でどういう状態を指すのかをはっきりさせます。そのうえで、渡韓を控えた方にとっていちばん実務的な話——制度が使えない前提で、費用をどう受け取り、どう確認すればよいのかを整理します。金額そのものはクリニックとメニューによって変わりますので、ここでは金額が決まる仕組みと、当日の確認のしかたに絞ってお話しします。

租税特例制限法第107条の3の条文原文。期限部分が黄色で強調されている
第107条の3。黄色く示した部分に「2025年12月31日まで」と書かれています

「終了した」という情報は、どこまで正しいのか

先に結論を書きます。条文そのものは、いまも法律のなかに残っています。 削除されたわけではありません。残っているのは条文で、切れているのは適用の期限です。

韓国の租税特例制限法という法律の第107条の3に、外国人観光客が美容目的の医療を受けたときの付加価値税——日本の消費税にあたる税金——の還付について定めた規定があります。その条文のなかに「2025年12月31日まで」という日付が書かれていて、2026年8月31日時点で確認できる最新の版にも、その日付がそのまま残っています。

つまり正確な言い方は、次のようになります。

  • 「廃止された」——正確ではありません。条文は残っています
  • 「終了した」——実務上はこの表現でおおむね合っています。適用の期限が過ぎた状態です
  • 「まだ使える」——2026年8月31日時点で確認できる条文からは、そう読み取れません

この違いは言葉遊びではありません。延長の改正が入れば、条文はそのまま生き返るという構造だからです。実際にこの規定は、期限が来るたびに延長されてきた経緯があります。制度の詳しい中身と条文の全文については、免税制度そのものを条文から確認した記事にまとめてありますので、根拠を細かく追いたい方はそちらをご覧ください。

条文の改正の履歴から分かること

期限の後ろには、改正の履歴が並んでいます。

条文末尾の改正履歴。2016年から2022年まで6回の改正日が黄色で強調されている
黄色く示した部分が改正の履歴です。2016年・2017年・2018年・2019年・2020年・2022年と、6回にわたって改正されてきたことが分かります

2016年、2017年、2018年、2019年、2020年、2022年。6回にわたって改正されてきました。 もともと期限つきで始まり、期限が近づくたびに延ばされてきた、という性格の規定です。

ここから読み取れることを、正直に整理します。

読み取れること読み取れないこと
期限つきの規定として運用されてきました今後また延長されるかどうか
過去に6回、期限が延ばされています延長される場合の時期や条件
2026年8月31日時点で延長の規定は見当たりません遡って適用されるかどうか

将来のことは書けません。「そのうち復活します」と書いてある案内を見かけたら、その根拠がどこにあるのかを確かめたほうがよいと思います。少なくとも、2026年8月31日時点で公開されている条文には、その根拠になる記述は見当たりませんでした。

「終了した」と「もともと対象ではなかった」は別の話です

ここが、いちばん誤解の多いところです。

この制度は、そもそもすべての渡韓者・すべてのクリニックが対象だったわけではありません。下位の規則である施行令のほうで、条件がはっきり決められていました。

条件内容
受ける場所外国人患者の受け入れ機関として登録した医療機関に限られていました
施術の種類付加価値税が免除されない医療、つまり美容目的で課税される施術が対象でした
必要な書類医療機関が発行する医療用役供給確認書が必要でした
期限医療を受けた日から3か月以内に、還付窓口へ提出することとされていました

ですので、期限が切れる前に渡韓された方のなかにも、「登録していないクリニックだったので対象外だった」「書類をもらっていなかったので手続きできなかった」というケースが実際にありました。「終了したから受けられない」と「条件を満たしていないから受けられない」は、まったく別の理由です。

どの施術が課税対象として扱われるのかについては免税の対象になっていた施術の範囲に、書類と窓口の流れについては手続きの流れを条文から追った記事に、それぞれ条文の画像とあわせてまとめてあります。

制度が使えない前提で、費用をどう受け取るか

ここからが実務の話です。還付を当てにできない以上、最初に提示される金額の受け取り方を変える必要があります。

いちばん大きいのは、税込みか税別かの確認です。韓国のクリニックの価格表示は、税込みのところと税別のところが混在しています。以前は「あとで戻ってくる分がある」と考える余地がありましたが、いまはその前提が使えません。

確認しておきたいことを並べます。

確認する項目なぜ必要か
表示価格が税込みかどうか同じ数字でも、最終的な支払額が変わります
今日受ける分の総額単価の合計と請求額が一致しない場合があります
麻酔代・薬代が含まれるか別建てになっていることがあります
追加を勧められた分の金額その場で足された施術は、見積もりの外にあります
支払い方法による差現金とカードで扱いが違う場合があります

最後の項目については、支払い方法ごとの扱いをまとめた記事に詳しく書いています。当日になってから確認すると慌てますので、予約の段階で聞いておくほうが落ち着いて判断できます。

総額で受け取るための、聞き方の型

「安くしてください」ではなく、「いくらになるのかを先に教えてください」と聞くのが要点です。値段の交渉ではなく、数字を確定させる作業だと考えていただくと分かりやすいと思います。

そのまま使える聞き方を並べます。日本語対応のあるクリニックなら、この形で通じます。

場面伝える言葉
予約するとき「今日受ける予定の分の総額を、税込みで先に教えてください」
カウンセリングのとき「この金額は付加価値税を含みますか」
追加を勧められたとき「それを足すと、合計はいくらになりますか」
予算に上限があるとき「今日の上限はこの金額です。その範囲で組んでください」
会計の前「明細を見せていただけますか」

このなかでいちばん効くのは、予算の上限を先に言ってしまうことです。韓国では、医師の診察の前にカウンセラー(室長と呼ばれます)が相談に入り、悩みを聞いたうえでメニューを組む流れが一般的です。この段階で上限を伝えておくと、その範囲で提案してもらえます。上限を言わないまま進むと、いくらでも足せる前提で話が組まれてしまいます。

実際の利用者の声にも、価格の納得感と説明の丁寧さがセットで語られています。

「丁寧だし、安いし、院内も綺麗でいつも利用しています!日本語通訳の方もいるので初めての方でも安心して施術を受けることができると思います!」
「ありがとうございました。
スタッフも優しく日本語も通じて話しやすかったです。
たくさんメニューもあり安いしまよいました。
ウルセラも安くて日本でするよりよかったです。
またきたいです。ありがとうございました。」

「メニューが多くて迷った」というのは、実際によく起きることです。迷う場面が来ると分かっていれば、先に上限を決めておく意味も伝わりやすいと思います。

情報の日付を見分ける——古い案内の見つけ方

「免税されます」と書かれた日本語の案内は、いまも検索結果に残っています。書いた方が嘘をついているのではなく、制度があった時期に書かれたまま更新されていないというだけのことが多いです。

見分け方は単純です。

  • 記事の日付を探してください。 2025年より前の日付であれば、いまの状況とは違う可能性があります
  • 日付がどこにも書かれていない案内は、判断材料が足りません。 内容の正しさ以前に、いつの話なのかが分かりません
  • 「〜まで」という期限が書かれているか確認してください。 期限つきの制度を紹介するのに期限が書かれていない場合、元の条文を見ていない可能性があります
  • クリニックの案内ページも同じです。 更新されていないページが残っていることがあります

そして、いちばん確実なのは条文そのものを見ることです。韓国の法令は国家法令情報センターで無料で公開されていて、誰でも読めます。韓国語ですが、条文の日付部分は数字なので、翻訳を通さなくても「2025년 12월 31일」という表記は見つけられます。

会計の場で、実際によく起きること

現地で戸惑いやすい場面を、先に挙げておきます。

カウンセリングで聞いた金額と、会計の金額が違う。 施術中に追加された分、麻酔の追加、当日のキャンペーン適用の有無など、理由はいくつかあります。明細を出してもらえば、どこで差がついたのかは分かります。

施術室に入ってから内容が変わる。 相談の場で決めた内容と、実際に施術室で行われることの間に差が出る場合があります。金額に納得していても、いま何をされているのか分からない時間があると不安が残ります。施術中に説明があるかどうかは、予約のときに聞いておける項目のひとつです。

相談の入口で希望を言えたかどうかで、提案の中身が変わります。 悩みを先に言葉にしておくと、その範囲で組んでもらえます。

「元々の顔悩みをカウンセラーの方にお伝えしたら、最適なプランを提案してくれました。」

伝えたから提案が返ってきた、という順番です。金額の話も同じで、こちらが上限を出せば、その範囲での組み立てが返ってきます。

説明が分かりやすいだけで、体験がまったく変わります。 逆の声も紹介します。

「待ち時間も少なくて、皆さん親切でした。説明もわかりやすかったので安心して施術出来ました。」

費用の話は、施術の説明よりも一段むずかしい話題です。それでも「分かりやすかった」と書かれる対応は実際にあります。説明の丁寧さは、料金の安さとは別の軸で選べる部分です。どちらを優先するかは人によって違いますので、自分がどちらを大事にしたいのかを先に決めておくと、クリニック選びの迷いが減ります。

還付を前提に予算を組んでいた方へ

以前の情報をもとに予定を立てていた方は、予算の考え方を一度組み直しておくと安心です。難しい計算は必要ありません。「戻ってくる分」を数えるのをやめて、出ていく分だけで並べ直す、それだけです。

組み直すときの順番を挙げます。

順番やること
1受けたい施術を、優先度の高い順に並べます
2それぞれについて、税込みの総額を問い合わせます
3上から足していき、上限に届いたところで線を引きます
4線から下は「次の渡韓に回す」と決めておきます
5上限とは別に、追加が出たとき用の余白を少し残します

線を先に引いておくのが要点です。現地では、その場で追加を勧められる場面が必ずと言っていいほどあります。悪意のある勧め方ばかりではなく、肌を見たうえでの提案であることも多いのですが、判断の基準を持たないまま現地で決めると、あとから振り返って納得しづらくなります。

もうひとつ、為替のことも頭の隅に置いておいてください。ウォンで提示された金額を日本円に換算するタイミングは、支払いの方法によって変わります。カードの場合は決済のときのレートが使われますので、カウンセリングで換算した金額とぴったり同じにはなりません。円換算はあくまで概算、と考えておくほうが気持ちが楽です。

日本語では、どこまで確認できるのか

税金や会計の話を日本語で詰められるかどうかは、日本語対応の深さによって変わります。同じ「日本語対応可」でも、中身には幅があります。

対応の段階費用の確認がどこまでできるか
日本人スタッフや常勤の通訳がいる内訳・税込みかどうか・追加分まで、その場で確認できます
日本語ができる相談窓口が予約対応のみ予約時の質問には答えてもらえますが、当日の会計では通じないことがあります
翻訳アプリでの対応施術の説明は進みますが、金額の条件を詰める場面では行き違いが起きやすくなります

見分け方はひとつです。予約の段階で、「会計のときも日本語で確認できますか」と聞いてみてください。この質問への答え方で、その施設の日本語対応がどの段階までのものか、かなり分かります。「はい、大丈夫です」だけで終わる場合は、もう一段だけ踏み込んで「日本語のスタッフの方は、会計の時間帯もいらっしゃいますか」と聞くと、実態が見えてきます。

文章で送っておくのも有効です。多くのクリニックが日本語での問い合わせを受け付けています。口頭で聞いたことは記憶に頼るしかありませんが、文章なら残ります。「今日受ける分の総額を税込みで教えてください」という一文を送っておくだけで、当日の会話がずいぶん楽になります。

よくある質問

Q. 2026年に渡韓した場合、還付は受けられますか。

条文上の期限は2025年12月31日までとなっていて、2026年8月31日時点で確認できる最新の条文にも延長の規定は見当たりません。したがって、現時点では受けられない状態だとお考えください。

Q. 「免税されます」と書いてあるページを見つけましたが、どちらを信じればよいですか。

そのページに書かれた日付を確認してください。制度には期限がありましたので、期限より前に書かれた案内は、当時としては正しい内容だったということになります。最終的な根拠は条文ですので、条文の日付を確認するのがいちばん確実です。

Q. 今後また延長される可能性はありますか。

過去に6回延長されてきた経緯はありますが、今後どうなるかは現時点では分かりません。予定を立てるうえでは、還付がない前提で費用を見ておくほうが安全だと思います。

Q. 買い物の免税とは違うのですか。

違います。空港や店舗での買い物にかかわる免税や還付は別の制度にもとづくもので、ここで説明しているのは医療を受けた場合の付加価値税の還付についての規定です。

Q. 制度がない今、費用の面で確認すべきことは何ですか。

表示価格が税込みかどうか、今日受ける分の総額はいくらか、麻酔代や薬代が別建てになっていないか、この三つです。カウンセリングの場で「税込みの総額を先に教えてください」と伝えるのが、いちばん行き違いの少ない聞き方です。

この記事で確認した条文

  • 租税特例制限法 第107条の3/2026年6月2日施行版
  • 租税特例制限法施行令 第109条の3/2026年7月1日施行版

いずれも韓国の国家法令情報センターで公開されている原文を直接確認しています。掲載した画像は、その原文の画面です。

※ 本記事は2026年8月31日時点で確認できた条文にもとづく情報の整理であり、税務上の助言ではありません。制度は改正される場合があります。実際の手続きや個別の判断については、医療機関または税務の専門家にご確認ください。

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