「韓国 美容 ツアー」と検索すると、パッケージ商品の広告から個人のブログまで、いろいろな情報が並びます。ただ、そこで語られている「ツアー」が具体的に何を指しているのかは、実はバラバラです。
飛行機とホテルと施術がひとまとめになった旅行商品を指していることもあれば、予約と通訳だけを代行してくれるサービスを指していることもあります。この違いを分からないまま申し込むと、「思っていたものと違った」という結果になりやすいです。
この記事では、韓国で実際に行われている形を3つに分けて整理し、それぞれお金がどこで発生しているのか、日本語と通訳はどうつくのか、そしてどういう方にどれが向いているのかを正直に書いていきます。
※この記事に出てくる金額は、判断の目安を示すための概算です。為替は1,000ウォン=約110円で計算していますが、レートも施術料金も変動します。必ず最新の為替と、クリニックからの見積もりでご確認ください。
「美容ツアー」と呼ばれているものは、実は3種類あります
① 旅行会社のパッケージ型
航空券・宿泊・クリニックでの施術・送迎までが、ひとつの商品としてまとまっている形です。申し込み先は旅行会社になります。日程がすでに決まっているので、自分で組み立てる手間はほとんどかかりません。
そのかわり、受けられる施術はあらかじめ決められた内容から選ぶ形になりがちで、カウンセリングの結果「別の施術のほうが合っています」となったときに、変更の自由度が低いことがあります。
② 医療コーディネーター(仲介)型
渡航は自分で手配して、クリニックの予約・通訳・当日の付き添いだけを頼む形です。日本語での事前相談に乗ってくれるところも多く、いまいちばん一般的な形かもしれません。
こちらは施術内容の相談ができる分、①より柔軟です。ただし、後で書くとおり、手数料がどこに載っているのかが見えにくいという注意点があります。
③ 個人手配(クリニックに直接)
自分で航空券とホテルを取り、クリニックの予約も直接入れる形です。最近は公式の案内窓口を日本語で持っているクリニックが増えていて、予約そのものは驚くほど簡単に取れるようになりました。
「ホテルに近かったのでLINEで予約して行きました。日本語の通訳さんがいて、カウンセリングも横で通訳してくれて安心でした。」
このように、直接予約しても通訳がついてくれる場合があります。つまり「通訳が欲しいから仲介を通す」という判断が、必ずしも必要とは限らないということになります。
| ① パッケージ型 | ② 仲介型 | ③ 個人手配 | |
|---|---|---|---|
| 申し込み先 | 旅行会社 | コーディネーター | クリニックに直接 |
| 渡航手配 | 含まれる | 自分で | 自分で |
| 施術の選択 | 決められた範囲から | 相談しながら | 自由 |
| 日本語 | ほぼ確実につく | ほぼ確実につく | クリニックによる |
| 手間 | いちばん少ない | 少ない | いちばん多い |
| 費用の見えやすさ | 総額で分かる | 内訳が見えにくいことがある | いちばん見えやすい |
韓国には「外国人患者を集める側」を登録させる法律があります
ここが、日本国内の情報ではあまり触れられていない部分です。
韓国には「医療海外進出及び外国人患者誘致支援に関する法律」という法律があり、外国人患者を誘致しようとする医療機関、そして医療機関以外で誘致を行おうとする事業者は、いずれも市・道知事への登録が義務づけられています(同法第6条)。登録には有効期間があり、登録日から3年とされています。
さらに、登録した医療機関と事業者は、発行された登録証を誰でも見られるように院内または事業所内に掲示しなければならないと定められています(同法第8条)。手数料についても、保健福祉部長官が告示した手数料率の範囲を超える手数料を要求してはならないという制限があります(同法第9条)。登録せずに外国人患者を誘致した場合の罰則も置かれています(同法第28条)。
つまり、仲介を使うかどうかを検討するときは、「その事業者が登録されているか」を確認できる仕組みが韓国側に用意されているということになります。個人が運営する紹介アカウントと、登録された事業者では立場が違います。申し込む前に登録の有無を尋ねてみてください。まっとうな事業者であれば答えられる質問です。
※ここに挙げた条文は韓国の法令です。制度の運用や細目は改正されることがありますので、実際の判断は最新の情報でご確認ください。
料金はどこで発生しているのか
手数料は、表に出ないことが多いです
「紹介料は無料です」と案内されることがあります。これは嘘とは限らず、利用者から取らずにクリニック側から受け取っているという形があり得るからです。上に書いたとおり、手数料率には制限が設けられていますが、いくら発生しているのかが利用者に明示されるとは限りません。
ですから、手数料の金額を推測しようとするより、比べ方を変えるほうが確実です。「同じ施術を、クリニックの窓口に直接聞いたらいくらになるか」を確認して、仲介経由の提示額と並べる。 これだけで、自分が何に対して払っているのかが見えます。
差額が出たとしても、それが悪いわけではありません。通訳と付き添いと事前相談に対する対価だと納得できるなら、払う価値があります。判断できる材料を持っているかどうかが問題です。
施術費に「定価」はありません
もうひとつ、日本の感覚とずれやすい点があります。韓国の美容医療の料金は、メニュー名だけでは決まりません。
- 本数(糸リフトの本数、リジュランのcc数)
- 範囲(顔全体か、部分か)
- ショット数(ハイフやレーザーの照射数)
- 製剤・機器の種類(同じ名前でも扱う製剤が違うことがあります)
これらで金額が動きます。ですから「ハイフはいくらですか」という質問には、本来は一意に答えられません。見積もりを取るときは、数量まで含めて文字で残してもらうことをおすすめします。
実際、金額を具体的に書き残している方の口コミもあります。
「シミ取り放題60分を施術しました。250,000ウォンです。初めのカウンセリングから日本人の方が対応してくれるので、英語も韓国語もできなくても問題なし」
このように、内容と時間と金額がセットになっていると、比較ができます。
費用の目安 — 2泊3日で並べてみます
判断の材料として、渡航費と施術費を分けて置いてみます。いずれも目安であり、時期やクリニックによって大きく動きます。
渡航費(2泊3日・ひとりあたりの目安)
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 航空券(往復・時期で大きく変動) | 30,000〜80,000円 |
| 宿泊(2泊) | 16,000〜40,000円 |
| 現地交通・食費 | 15,000〜25,000円 |
| 渡航費 合計 | 約61,000〜145,000円 |
施術費(1回あたりの目安)
| 施術 | 目安(ウォン) | 目安(円) |
|---|---|---|
| 肌管理(洗浄+鎮静の基本的な組み合わせ) | 80,000〜200,000 | 約8,800〜22,000円 |
| 水光注射 | 100,000〜300,000 | 約11,000〜33,000円 |
| リジュラン | 150,000〜400,000 | 約16,500〜44,000円 |
| ポテンツァ | 200,000〜600,000 | 約22,000〜66,000円 |
| ピコトーニング(1回) | 50,000〜150,000 | 約5,500〜16,500円 |
| ハイフ(ショット数による) | 200,000〜700,000 | 約22,000〜77,000円 |
| 小顔注射・ボトックス | 30,000〜300,000 | 約3,300〜33,000円 |
ここで大事なのは、渡航費のほうが施術費より高くなる場合があるという点です。施術ひとつのために飛行機に乗るのであれば、日本国内で受けたほうが総額で安く済むことは十分にあり得ます。「韓国だから必ず安い」とは言えません。逆に、もともと旅行の予定があって、その合間にクリニックへ寄るのであれば、追加の渡航費はほぼ発生しません。費用は施術単価ではなく総額で考えてください。
日本語と通訳 — ツアーを選ぶ最大の理由は、ここです
費用の話をしてきましたが、実際に「ツアーや仲介を使ってよかった」と語られる理由のほとんどは、金額ではなく言葉です。
韓国では、医療通訳について国の側でも仕組みが整えられていて、先ほどの法律には、外国人患者と国内の医療従事者との意思疎通を支援するため、医療通訳サービス提供人材の養成や医療通訳能力の検定を行うことができると定められています(同法第13条)。通訳が個人の善意だけに任されているわけではありません。
実際の口コミでも、通訳の存在が満足度を大きく左右しています。
「日本語対応の方がカウンセリングから付いてくれて通訳をしてくれ話が分かりやすかったです。施術中も大丈夫ですか?と聞いてくださり先生に伝えてくれて安心できました。」
「日本語通訳の方は丁寧で上品な日本語を話され、スタッフ教育の行き届いた質の高いクリニックです。初めての美容クリニックだった母も大満足でした。」
ただし、ここで見落とされがちな点があります。「日本語対応」と書かれていても、中身は同じではありません。 日本人スタッフが常駐している場合もあれば、通訳が同席する場合、翻訳アプリでやり取りする場合もあり、どれも同じ言葉で案内されます。
そして、カウンセリングは日本語でも、施術室に入ると担当者が変わることがあります。仲介を使う場合も同じで、「予約までは日本語、当日は現地スタッフ任せ」という形があり得ます。
確認すべき質問はひとつです。「カウンセリングだけでなく、施術中も日本語で対応してもらえますか」。 これを申し込み前に聞いておけば、ほとんどの行き違いは防げます。
カウンセラー(室長)が最初に出てくる、韓国特有の流れ
もうひとつ、日本から来た方が戸惑いやすいのが、当日の順番です。
日本では医師の診察が先に来ることが多いのですが、韓国では先にカウンセラー(室長と呼ばれます)が出てきて、悩みと予算を聞き、メニューを組み立てるという流れが一般的です。
「日本語の上手なナ室長さんにとてもお世話になりました!日本のスタッフの方もいて日本語OKでした。」
この流れは、慣れると合理的です。予算を先に伝えれば、その範囲で組んでくれるからです。
「担当していただいたカウンセラーさんも、ゴリゴリのアップセルなく、予算内でサクサクと決まったのがありがたかったです。」
反対に、予算を言わないまま「おすすめを教えてください」と聞くと、上限のない提案になりやすいです。実際、こういう声もあります。
「予約したメニューよりも高いものを2つ提示されて、どちらかから選んでくださいと言われた。(中略)予約した画面と金額を見せるとようやく引き下がってくれた」
予約時の画面と金額を消さずに残しておくこと。 これがいちばん確実な自衛になります。パッケージや仲介を通した場合も同じで、申し込み時の書面を持っていってください。
なお、韓国では複数の施術を同じ日にまとめて受けるのが一般的です。ダウンタイムを1回にまとめられるという利点があり、渡航して受ける方とは相性がよい進め方です。
「まとめて施術できるプランを提案してもらい思い切って受診しました。一度に複数除去できたのでダウンタイムも一回で済み、コスパも大満足です。」
どちらが向いているか
| こういう方 | 向いている形 | 理由 |
|---|---|---|
| 渡韓そのものが初めて | ① パッケージ型 | 手配を考えなくて済みます |
| 受けたい施術が決まっていない | ② 仲介型 | 事前に日本語で相談できます |
| 受けたい施術が決まっている | ③ 個人手配 | 中間の費用が乗りません |
| 何度か渡韓している | ③ 個人手配 | 直接予約のほうが早いです |
| 旅行のついでに寄りたい | ②または③ | 日程を自分で握れます |
| 言葉がとにかく不安 | ①または② | 付き添いが確実につきます |
申し込む前に、この6つだけは確認してください
- 登録された事業者かどうか(仲介を使う場合)
- 総額に何が含まれているか — 施術費・通訳・送迎・宿泊のどこまでか
- 施術の変更ができるか — カウンセリングで内容が変わったときの扱い
- 数量が明記された見積もりか — 本数・ショット数・cc数まで
- 施術中も日本語が通じるか — カウンセリングだけで判断しない
- 帰国後に不安が出たときの連絡先があるか
最後の項目は見落とされがちですが、大事です。韓国では、外国人患者の事前・事後の管理について情報通信技術を活用できることが法律に定められています(同法第16条)。ただ、実際に対応しているかどうかはクリニックや事業者によって違いますので、必ず事前にご確認ください。
まとめ
「美容ツアー」という言葉はひとつでも、中身は①パッケージ型・②仲介型・③個人手配の3つに分かれていて、費用の出どころも自由度も違います。まず、自分が申し込もうとしているのがどれなのかをはっきりさせてください。
そのうえで、判断の順番はこうなります。受けたい施術をだいたい決める → 数量まで書かれた見積もりを取る → 渡航費を足して総額で見る → 施術中まで日本語が通じるかを確認する。
施術ひとつのためだけに渡航するなら、日本で受けたほうが総額では安く収まることもあります。逆に、複数の施術をまとめたい方や、もともと旅行の予定がある方にとっては、韓国が有利になりやすいです。そして仲介を使うのであれば、登録の有無を確認すること。韓国側に制度がある以上、使わない手はありません。
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※この記事は情報提供を目的としたものであり、診断や治療の代わりになるものではありません。施術の適応やリスクについては、必ず医師のカウンセリングでご確認ください。