韓国の肌管理や美容皮膚科は免税の対象だったのか|法令の条文で施術ごとに確認しました

日本語・サポート公開日:2026-08-31 最終更新:2026-09-14

「シミ取りは免税の対象になりますか」「肌管理でも税金は戻ってきますか」——このご質問には、韓国の法令の条文がかなりはっきりと答えを出しています。

先に結論を書きます。肌管理として日本の方が受ける施術の多くは、条文のうえでは対象に入っていました。 シミ治療、ニキビ治療、医療脱毛、毛穴の施術、肌再生、美白、抗老化の施術——これらは条文に名指しで並んでいます。

ただし前提として、この還付制度そのものの期限が2025年12月31日で切れています。詳しくは韓国の美容医療の免税はいつまでかにまとめました。この記事では「どの施術が対象という整理だったのか」を、条文にそって見ていきます。制度の考え方そのものは、いま価格表を読むときにも役立ちます。

「対象だったのか」を知る意味は、いまも残っています。韓国のクリニックの価格表は、税込みのところと税別のところが混ざっています。どの施術が税のかかる側なのかが分かっていれば、表示された金額から実際に払う額を見積もれます。 この記事は、そのための下地としても読めます。

対象を決めていたのは「課税されるかどうか」でした

還付の対象は、条文では「付加価値税が免除されない医療」と書かれていました。回りくどい言い方ですが、意味はこうです。

韓国では、治療が目的の医療には付加価値税がかかりません。 一方で、美容が目的の施術には付加価値税がかかります。 還付制度は、この「かかっている分」を外国人観光客に返す仕組みでした。ですので「対象かどうか」は「その施術に税金がかかっているかどうか」と同じ問いになります。

そして、どの施術に税金がかかるのかは、韓国の「付加価値税法施行令」という規則の第35条が決めています。

付加価値税法施行令の法令ヘッダー
韓国「付加価値税法施行令」。2026年2月27日施行の版です

条文に並んでいる施術(皮膚科系)

第35条の第1号は「医師などが提供する医療は非課税」と定めたうえで、ただし書きで「次のものは除く」——つまり課税になるもの——を並べています。そのうち皮膚科でよく受ける施術がまとまっているのが、次の部分です。

付加価値税法施行令第35条第1号ナ目。課税対象の施術名が黄色で強調されている
黄色く示した部分。色素母斑・そばかす・黒色点・シミ治療術、ニキビ治療術、脱毛術、薄毛治療術、植毛術、タトゥー術およびタトゥー除去術、ピアッシング、脂肪溶解術、皮膚再生術、皮膚美白術、抗老化治療術および毛穴縮小術

韓国語の法令用語のままでは分かりにくいので、日本でよく使われる施術名との対応にしました。

条文の韓国語表記意味日本でよく言う施術名
기미 치료술シミ治療術シミ取り・ピコトーニング・レーザートーニング
여드름 치료술ニキビ治療術ニキビ治療
제모술脱毛術医療脱毛
모공축소술毛穴縮小術毛穴治療・ポテンツァ
피부재생술皮膚再生術肌再生・リジュラン・ジュベルック
피부미백술皮膚美白術美白・白玉点滴
항노화치료술抗老化治療術リフトアップ・ハイフ・インモード
지방융해술脂肪溶解術脂肪溶解注射
탈모치료술 / 모발이식술薄毛治療術/植毛術薄毛治療・植毛
문신술 및 문신제거술タトゥー術および除去術アートメイク・タトゥー除去
색소모반・주근깨・흑색점色素母斑・そばかす・黒色点しみ・そばかす関連の治療

日本の方が「肌管理」と呼んで受けている施術の中心は、この一覧にほぼ収まります。つまり肌管理は、条文のうえでは課税される施術であり、還付制度の対象になる側でした。

ここで注意していただきたいのは、条文に並んでいるのは「施術の名前」であって、機器やブランドの名前ではないという点です。日本の方が名前で覚えている施術は、条文の言葉に置き換えると、たいてい上の表のどれかに落ちます。

日本でよく聞く名前近い条文の分類
ピコトーニング・レーザートーニング기미 치료술(シミ治療術)
ポテンツァ・ダーマペン모공축소술(毛穴縮小術)/피부재생술(皮膚再生術)
リジュラン・ジュベルック피부재생술(皮膚再生術)
白玉点滴・美白の施術피부미백술(皮膚美白術)
ハイフ・インモード・オンダリフト항노화치료술(抗老化治療術)
医療脱毛제모술(脱毛術)
アートメイク문신술(タトゥー術)
小顔注射・脂肪溶解の注射지방융해술(脂肪溶解術)
※ この対応は、条文の言葉と一般的な呼び名を並べたものです。個別の施術がどの分類にあたるかの最終的な判断は、施術を行う医療機関が行います。

新しい機器や新しい呼び名の施術が出てきても、条文が名前ごとに増えるわけではありません。「その施術が何をするものか」で分類される、という組み立てになっています。代表的な施術ごとの解説は韓国のポテンツァ、韓国のリジュラン、韓国のハイフにまとめています。

条文に並んでいる施術(手術系)

同じただし書きのひとつ前には、手術にあたるものが並んでいます。

付加価値税法施行令第35条第1号カ目。手術系の施術名が並ぶ
二重まぶたの手術、鼻の手術、豊胸・縮小術、脂肪吸引術、しわ取り術、輪郭の手術、歯のホワイトニングやラミネートなどが並んでいます

こちらも課税される側、つまり還付制度の対象になる側でした。ただし条文には除外もあります。乳がん手術にともなう乳房再建、手術による後遺症の治療、先天性の奇形の再建手術、腫瘍を取り除いたあとの再建手術は、治療目的として非課税とされています。

逆に、対象にならなかったもの

ここまでの裏返しになりますが、治療が目的の医療は非課税なので、還付の対象にもなりませんでした。

たとえば、皮膚の疾患そのものの治療、健康保険の対象になるような診療がこれにあたります。同じ皮膚科に行っても、受ける内容によって扱いが変わる、ということです。

※ 個別の施術がどちらに入るかの最終的な判断は、施術を行う医療機関が行います。同じ名前の施術でも、目的や診断によって扱いが変わる場合があります。

治療目的と美容目的は、どこで分かれるのか

ここがいちばん分かりにくいところです。同じ悩みでも、扱いが変わることがあります。

悩み治療として扱われうる場合美容として扱われる場合
ニキビ炎症のある状態そのものを治す診療落ち着いたあとの跡を整える施術
色むら疾患としての診断がついている場合色を明るく整えることが目的の施術
脱毛・薄毛疾患としての診断がついている場合見た目を整えることが目的の施術
傷あと手術の後遺症の治療など見た目を整えるための施術

分ける基準は「どの機械を使ったか」ではなく、「何のために行ったか」です。同じ名前の施術でも、診断がついているかどうかで扱いが変わります。

※ どちらにあたるかは、診察した医療機関が判断します。この表は考え方の整理であり、個別の判断を示すものではありません。

日本から渡韓して受ける美容目的の施術は、そのほとんどが右の列に入ります。ですので、表示価格に税がのっているかどうかを確認する意味がある、ということになります。

いま価格表を見るときに、この整理が役立ちます

韓国の租税特例制限法施行令第109条の3の条文原文
韓国の法令原文。外国人患者の受け入れ登録をした医療機関だけが対象とされていました

制度が使えない状態であっても、この「課税か非課税か」の考え方を知っておくと、韓国のクリニックの価格表が読みやすくなります。

日本の方が受ける施術の大半は課税される側です。ということは、表示価格に付加価値税が含まれているかどうかで、実際に支払う金額が変わります。 韓国のクリニックでは税込み表示と税別表示が混在していますので、カウンセリングの場で「この金額に付加価値税は含まれていますか」と確認しておくと安心です。

また、日本語の案内記事の中には、還付制度があった時期に書かれたまま残っているものがあります。「免税になります」と書かれていたら、その記事がいつ書かれたものかを見てください。

価格表を読むときの手順にすると、次の4つです。

  1. 表示が税込みか税別かを聞きます——「この金額に付加価値税は含まれていますか」
  2. 今日払う合計を聞きます——単価の足し算と合わないことがあります
  3. 別料金になるものを聞きます——麻酔、アフターケアの薬、追加の照射など
  4. 明細をもらいます——帰国後に見返す材料になります

イベント価格やキャンペーン価格が出ている場合も、確認することは同じです。

「イベント中でリーズナブルな価格で対応いただきました。」

安く受けられること自体は、珍しくありません。ただしその価格に何が含まれているかは、価格表からは読み取れません。金額の考え方は韓国の美容医療はなぜ安いのかと韓国の肌管理の料金比較にまとめました。

カウンセリングで聞いておきたいこと

韓国の医療海外進出法第13条。外国人患者と医療人の円滑な意思疎通を支援するためという部分が強調されている
韓国の医療海外進出法第13条。保健福祉部長官は、外国人患者と韓国の医療人との円滑な意思疎通を支援するため、医療通訳人材の育成と医療通訳能力の検定を行うことができると定められています

税や費用にかかわる質問を、日本語でそのまま使える形にしました。

聞くこと日本語での言い方
税の扱い「この金額に付加価値税は含まれていますか」
合計「今日払う合計はいくらになりますか」
別料金「麻酔やアフターケアの薬は別料金ですか」
追加「途中で追加になる可能性はありますか」
削れるもの「今日やらなくてよいものはありますか」
明細「明細をもらえますか」

このうち5つめは、聞きにくいようでいて、答え方にその場の姿勢が出る質問です。

「カウンセリングは丁寧で自分の気になるところも聞いてくれて、しなくていい施術は必要ないと教えてくれる」
「院長も他のスタッフの方もみなさん優しくて日本語も通じて、プラスのおすすめも全くされないので安心して利用できます!」

一方で、価格の手ごろさと満足度を分けて書いている口コミもあります。

「とても綺麗なクリニックで快適でした。お手頃なメニューも多くて良心的です。ポテンツァとボトックスをお願いしましたが効果もしっかり出ていて大満足です。」

金額だけで決めるのではなく、何にいくら払っているかを自分で説明できる状態にしてから受けるのが、いちばん後悔の少ないやり方です。

帰国してから見返すために、残しておくもの

制度が使えるかどうかにかかわらず、記録は残しておく価値があります。

  • 明細——何にいくら払ったかが分かります。次回の比較の基準になります
  • 施術名の控え——日本語の呼び名と、可能であれば韓国語の表記も
  • 使った製剤の名前——同じものを次回も選ぶか、変えるかの判断に使えます
  • 経過の写真——同じ場所・同じ明るさで撮ると、比べやすくなります
  • クリニックの連絡先——帰国後に気になることが出たときの窓口です

日本の医療機関に相談する場合も、この控えがあると話が早く進みます。「韓国で何かを受けた」ではなく「いつ、何を、どれだけ受けた」と言えることが大切です。

日本語では、どこまで確認できるのか

税や費用の話は、施術そのものの説明より一段むずかしい話題です。日本語対応をうたっているクリニックでも、その中身には幅があります。

  • 常勤の日本人スタッフや通訳がいる——費用の内訳や税の扱いまで、その場で確認できます
  • 日本語窓口が予約対応のみ——当日の会計では通じないことがあります
  • 翻訳アプリ——施術の説明はできても、金額の条件を詰める場面では行き違いが起きやすくなります

段階ごとに、費用の話がどこまで進むかを並べると、次のようになります。

段階施術の説明税・金額の内訳追加を断る
常勤の通訳・日本人スタッフ日本語日本語で確認できますその場で伝えられます
通訳が予約制予約した時間のみ会計の時間に通訳がいないことがあります難しい場面があります
日本語の分かるスタッフが少しいる単語が中心金額の数字は通じます理由まで伝えるのは難しくなります
翻訳アプリアプリ越し数字は伝わります行き違いが起きやすくなります

金額を聞き取るだけなら、どの段階でもできます。差が出るのは、断る・保留する・持ち帰るという意思を伝える場面です。

実際に利用した方の声にも、この差ははっきり出ています。

「日本語が通じるので安心してカウンセリングや施術を受けられました」

「完璧な日本語による丁寧な説明で施術も痛みもなくあっという間に終わりました」

一方で、こうした声もあります。

「説明がないまま」

予約の段階で「会計のときも日本語で確認できますか」と聞いておくと、そのクリニックの日本語対応がどの段階までのものか、かなり分かります。日本語対応の見分け方は韓国の美容クリニックは日本語で受けられるかにもまとめています。

よくある質問

Q. 肌管理は免税の対象だったのですか。

条文のうえでは、肌管理として受ける施術の多くが対象になる側でした。付加価値税法施行令第35条には、シミ治療術、ニキビ治療術、脱毛術、毛穴縮小術、皮膚再生術、皮膚美白術、抗老化治療術が課税されるものとして名指しで並んでいます。ただし還付制度そのものの期限は2025年12月31日で切れています。

Q. 美容皮膚科で受ける施術は、すべて対象だったのですか。

すべてではありません。判断の基準は「治療が目的か、美容が目的か」です。美容目的の施術には付加価値税がかかり、還付の対象になる側でした。治療目的の医療は非課税で、対象外でした。

Q. 医療脱毛も対象でしたか。

条文には「제모술(脱毛術)」が課税されるものとして明記されています。したがって対象になる側でした。

Q. 治療目的かどうかは、誰が決めるのですか。

施術を行う医療機関が判断します。同じ名前の施術でも、目的や診断によって扱いが変わる場合がありますので、気になる場合はカウンセリングの際に直接ご確認ください。

Q. いまは還付を受けられますか。

条文上の期限は2025年12月31日までとなっており、2026年8月31日時点で延長の規定は確認できません。詳しくは韓国の美容医療の免税はいつまでかをご覧ください。

Q. 条文に名前のない施術は、対象外だったのですか。

条文は施術の名前を並べていますが、新しい呼び名の施術がすべて載っているわけではありません。判断は「何のために行った施術か」で行われます。個別の扱いは医療機関にご確認ください。

Q. アートメイクは対象でしたか。

条文には「문신술 및 문신제거술(タトゥー術およびタトゥー除去術)」が課税されるものとして並んでいます。したがって対象になる側でした。

Q. 表示価格が税込みかどうかを見分ける方法はありますか。

表示だけでは分からないことが多いので、カウンセリングの場で直接お聞きください。「この金額に付加価値税は含まれていますか」と聞けば伝わります。

Q. 韓国語の施術名を控えておく意味はありますか。

あります。日本語の呼び名はクリニックによって違いますが、韓国語の表記が分かっていれば、次に別のところで相談するときにも同じ内容を伝えられます。

この記事の情報源

韓国の国家法令情報センターで公開されている法令の原文を直接確認して書いています。掲載した画像はいずれもその原文の画面です。

  • 付加価値税法施行令 第35条(면세하는 의료보건 용역의 범위)/2026年2月27日施行版(大統領令第36133号)
  • 租税特例制限法 第107条の3/2026年6月2日施行版(法律第21738号)
  • 租税特例制限法施行令 第109条の3/2026年7月1日施行版(大統領令第36423号)
※ 本記事は2026年8月31日時点で確認できた条文にもとづく整理であり、税務上の助言ではありません。個別の判断については医療機関または税務の専門家にご確認ください。

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