「シミ取りは免税の対象になりますか」「肌管理でも税金は戻ってきますか」——このご質問には、韓国の法令の条文がかなりはっきりと答えを出しています。
先に結論を書きます。肌管理として日本の方が受ける施術の多くは、条文のうえでは対象に入っていました。 シミ治療、ニキビ治療、医療脱毛、毛穴の施術、肌再生、美白、抗老化の施術——これらは条文に名指しで並んでいます。
ただし前提として、この還付制度そのものの期限が2025年12月31日で切れています。詳しくは韓国の美容医療の免税はいつまでかにまとめました。この記事では「どの施術が対象という整理だったのか」を、条文にそって見ていきます。制度の考え方そのものは、いま価格表を読むときにも役立ちます。
対象を決めていたのは「課税されるかどうか」でした
還付の対象は、条文では「付加価値税が免除されない医療」と書かれていました。回りくどい言い方ですが、意味はこうです。
韓国では、治療が目的の医療には付加価値税がかかりません。 一方で、美容が目的の施術には付加価値税がかかります。 還付制度は、この「かかっている分」を外国人観光客に返す仕組みでした。ですので「対象かどうか」は「その施術に税金がかかっているかどうか」と同じ問いになります。
そして、どの施術に税金がかかるのかは、韓国の「付加価値税法施行令」という規則の第35条が決めています。

条文に並んでいる施術(皮膚科系)
第35条の第1号は「医師などが提供する医療は非課税」と定めたうえで、ただし書きで「次のものは除く」——つまり課税になるもの——を並べています。そのうち皮膚科でよく受ける施術がまとまっているのが、次の部分です。

韓国語の法令用語のままでは分かりにくいので、日本でよく使われる施術名との対応にしました。
| 条文の韓国語表記 | 意味 | 日本でよく言う施術名 |
|---|---|---|
| 기미 치료술 | シミ治療術 | シミ取り・ピコトーニング・レーザートーニング |
| 여드름 치료술 | ニキビ治療術 | ニキビ治療 |
| 제모술 | 脱毛術 | 医療脱毛 |
| 모공축소술 | 毛穴縮小術 | 毛穴治療・ポテンツァ |
| 피부재생술 | 皮膚再生術 | 肌再生・リジュラン・ジュベルック |
| 피부미백술 | 皮膚美白術 | 美白・白玉点滴 |
| 항노화치료술 | 抗老化治療術 | リフトアップ・ハイフ・インモード |
| 지방융해술 | 脂肪溶解術 | 脂肪溶解注射 |
| 탈모치료술 / 모발이식술 | 薄毛治療術/植毛術 | 薄毛治療・植毛 |
| 문신술 및 문신제거술 | タトゥー術および除去術 | アートメイク・タトゥー除去 |
| 색소모반・주근깨・흑색점 | 色素母斑・そばかす・黒色点 | しみ・そばかす関連の治療 |
日本の方が「肌管理」と呼んで受けている施術の中心は、この一覧にほぼ収まります。つまり肌管理は、条文のうえでは課税される施術であり、還付制度の対象になる側でした。
条文に並んでいる施術(手術系)
同じただし書きのひとつ前には、手術にあたるものが並んでいます。

こちらも課税される側、つまり還付制度の対象になる側でした。ただし条文には除外もあります。乳がん手術にともなう乳房再建、手術による後遺症の治療、先天性の奇形の再建手術、腫瘍を取り除いたあとの再建手術は、治療目的として非課税とされています。
逆に、対象にならなかったもの
ここまでの裏返しになりますが、治療が目的の医療は非課税なので、還付の対象にもなりませんでした。
たとえば、皮膚の疾患そのものの治療、健康保険の対象になるような診療がこれにあたります。同じ皮膚科に行っても、受ける内容によって扱いが変わる、ということです。
※ 個別の施術がどちらに入るかの最終的な判断は、施術を行う医療機関が行います。同じ名前の施術でも、目的や診断によって扱いが変わる場合があります。
いま価格表を見るときに、この整理が役立ちます
制度が使えない状態であっても、この「課税か非課税か」の考え方を知っておくと、韓国のクリニックの価格表が読みやすくなります。
日本の方が受ける施術の大半は課税される側です。ということは、表示価格に付加価値税が含まれているかどうかで、実際に支払う金額が変わります。 韓国のクリニックでは税込み表示と税別表示が混在していますので、カウンセリングの場で「この金額に付加価値税は含まれていますか」と確認しておくと安心です。
また、日本語の案内記事の中には、還付制度があった時期に書かれたまま残っているものがあります。「免税になります」と書かれていたら、その記事がいつ書かれたものかを見てください。
日本語では、どこまで確認できるのか
税や費用の話は、施術そのものの説明より一段むずかしい話題です。日本語対応をうたっているクリニックでも、その中身には幅があります。
- 常勤の日本人スタッフや通訳がいる——費用の内訳や税の扱いまで、その場で確認できます
- 日本語窓口が予約対応のみ——当日の会計では通じないことがあります
- 翻訳アプリ——施術の説明はできても、金額の条件を詰める場面では行き違いが起きやすくなります
実際に利用した方の声にも、この差ははっきり出ています。
「日本語が通じるので安心してカウンセリングや施術を受けられました」
「完璧な日本語による丁寧な説明で施術も痛みもなくあっという間に終わりました」
一方で、こうした声もあります。
「説明がないまま」
予約の段階で「会計のときも日本語で確認できますか」と聞いておくと、そのクリニックの日本語対応がどの段階までのものか、かなり分かります。日本語対応の見分け方は韓国の美容クリニックは日本語で受けられるかにもまとめています。
よくある質問
Q. 肌管理は免税の対象だったのですか。
条文のうえでは、肌管理として受ける施術の多くが対象になる側でした。付加価値税法施行令第35条には、シミ治療術、ニキビ治療術、脱毛術、毛穴縮小術、皮膚再生術、皮膚美白術、抗老化治療術が課税されるものとして名指しで並んでいます。ただし還付制度そのものの期限は2025年12月31日で切れています。
Q. 美容皮膚科で受ける施術は、すべて対象だったのですか。
すべてではありません。判断の基準は「治療が目的か、美容が目的か」です。美容目的の施術には付加価値税がかかり、還付の対象になる側でした。治療目的の医療は非課税で、対象外でした。
Q. 医療脱毛も対象でしたか。
条文には「제모술(脱毛術)」が課税されるものとして明記されています。したがって対象になる側でした。
Q. 治療目的かどうかは、誰が決めるのですか。
施術を行う医療機関が判断します。同じ名前の施術でも、目的や診断によって扱いが変わる場合がありますので、気になる場合はカウンセリングの際に直接ご確認ください。
Q. いまは還付を受けられますか。
条文上の期限は2025年12月31日までとなっており、2026年8月31日時点で延長の規定は確認できません。詳しくは韓国の美容医療の免税はいつまでかをご覧ください。
この記事の情報源
韓国の国家法令情報センターで公開されている法令の原文を直接確認して書いています。掲載した画像はいずれもその原文の画面です。
- 付加価値税法施行令 第35条(면세하는 의료보건 용역의 범위)/2026年2月27日施行版(大統領令第36133号)
- 租税特例制限法 第107条の3/2026年6月2日施行版(法律第21738号)
- 租税特例制限法施行令 第109条の3/2026年7月1日施行版(大統領令第36423号)
※ 本記事は2026年8月31日時点で確認できた条文にもとづく整理であり、税務上の助言ではありません。個別の判断については医療機関または税務の専門家にご確認ください。