ダーマペンそのものの説明は、日本語でもたくさん読める時代になりました。針の本数、肌に穴をあけて再生を促す仕組み、いっしょに入れる薬剤の話まで、調べれば一通りは出てきます。それでも渡韓を決めたあとに残るのは、もう少し手前の疑問だと思います。当日、その場で何が起きて、自分は何を決めることになるのか。
この記事は、韓国の美容皮膚科でダーマペンを受ける「一日」を、受付からクリニックを出るまで順番に並べたものです。施術の理屈ではなく、その日に自分が判断しなければならない場所を先に見ておくための内容とお考えください。
順番に見ていくと分かるのですが、日本と大きく違うのは施術そのものではありません。決める順番と、決める相手が違います。 そこを知らないまま入ると、気づいたときには内容が決まっていた、ということが起こります。逆に言えば、流れさえ頭に入っていれば、言葉が完璧でなくても自分の判断を差し込めます。

まず、「美容皮膚科で受ける」という言い方が指しているもの

日本語で「美容皮膚科」と書くと、一つの科の名前のように聞こえます。ただ韓国で実際に足を運ぶと、看板に書かれている表現は一様ではありません。皮膚科をうたっているところ、肌管理を前面に出しているところ、いくつもの施術をまとめて扱っているところが、同じ通りに並んでいます。
ここで大事なのは、看板の言葉から中身を読み取ろうとしないことです。名前の付け方は自由度が高く、外から見ただけでは体制が分かりません。分かるのは、実際に受け付けてもらってからの進み方のほうです。
そして進み方には、韓国でかなり共通した型があります。カウンセリングを担当する方が最初に出てきて、そこで内容と金額の話をし、そのあとで施術に入る、という順番です。日本の感覚だと医師の診察が先に来ますが、韓国では相談の担当者が先に立つことが多く、この一点を知っているかどうかで当日の落ち着き方がまったく違います。
カウンセリングの場そのものの進み方は韓国のカウンセリングの流れをまとめたページで詳しく整理していますので、あわせてご覧ください。この記事では、そこから先の「ダーマペンの当日」に絞ります。
受付からアフターケアまで、一日の流れ
実際の順番を並べます。クリニックによって前後することはありますが、大枠はこの形です。
| 段階 | 何が行われるか | ここで自分が決めること |
|---|---|---|
| 受付 | 用紙の記入、体調や薬の申告 | 飲んでいる薬・アレルギー・過去の施術を正確に伝える |
| 肌の確認 | 状態を見てもらう。機器で撮影することもあります | 気になっている場所を具体的に指し示す |
| カウンセリング | 内容の提案と、金額の提示 | 受けるものと受けないものを、ここで決めます |
| 会計または予約金 | 支払いの段取り | 表示に税が入っているかを確認する |
| 麻酔クリーム | 塗って、効くまで待ちます | 待ち時間の目安を聞いておく |
| 施術 | 針を当てていきます | 痛みや熱さを、その場で伝える |
| 直後のケア | 鎮静や、塗るものの処置 | 何を塗ってもらったのかを聞く |
| 説明 | 帰ってからの過ごし方 | 文字で受け取れるかを確認します |
この表で太字にした二か所が、当日の要になります。内容が決まるのはカウンセリングの場であり、持ち帰るのは説明です。施術そのものは、その二つに挟まれた時間だと考えていただくと、優先順位がはっきりします。
実際に受けた方の声にも、この流れがそのまま出ています。
「まず店内が広くて綺麗すぎました、、!! 受付と施術は階が違うのでエレベーターで移動します。 待ち時間も全然なく、スタッフの方もみんな優しいです。 スムーズな案内が嬉しかったです! インモードを受けましたが、少しアザができたので効果を信じたいです! 最後は化粧水と日焼け止めまで塗ってくれて神でした!!」
受付と施術のフロアが分かれている、という記述に注目してください。規模の大きいところでは移動が入ります。予約の時間だけを見て次の予定を詰めると、移動と待機の分だけ押します。 ダーマペンは麻酔クリームを塗って待つ時間が入りますので、前後にはゆとりを持たせておくほうが安全です。
誰が針を当てるのか — ここは必ず聞いてください
当日いちばん確認しておく価値があるのが、この点だと考えています。
ダーマペンは、機器を肌の上で動かしていく施術です。当てる速さ、重ねる回数、力の入れ方によって、同じ設定でも仕上がりと赤みの出方が変わります。つまり担当する方の手つきが結果に直接効く種類の施術です。
ですので、予約の段階でも当日でも構いませんので、次のように聞いてみてください。
- 「今日は、どなたが施術を担当されますか」
- 「先生が診てから始めていただけますか」
- 「途中で痛みが強いときは、どうお伝えすればよいですか」
三つ目が特に大事です。施術中は目を閉じていることが多く、状況が見えません。声をかけてよい合図を先に決めておくだけで、当日の安心感がまったく違います。
「丁寧でした。 痛いかどうかも常に聞いてくださるので親切に感じました。 悩みを真剣に聞いてくださったので、また伺いたいです。」
この声のように、施術中に確認しながら進めてもらえるかどうかは、体験の質を大きく左右します。痛みの感じ方そのものは人によって違いますが、伝えられる状態かどうかは、事前の一言でつくれます。 痛みの全体像については韓国の美容医療の痛みについてにまとめています。
深さ・回数・範囲 — その日の中身を決める三つ
ダーマペンという名前は、受ける内容を特定しません。同じ名前でも、当日の中身は次の三つで変わります。
針を入れる深さ。 肌の状態や部位に合わせて調整されるものです。数値そのものは診た方の判断になりますので、こちらが指定するものではありません。ただ「今日はどのくらいの深さで進めますか」と聞いておくと、赤みがどのくらい出るのかの見当がつきます。
当てる回数、重ねる層。 一度通して終わりなのか、気になる場所だけ重ねるのか。ここで所要時間もダウンタイムも変わります。
範囲。 顔全体なのか、頬だけなのか、首まで入るのか。「一回」という言葉が指す範囲は、クリニックごとに違います。 ここを揃えずに他と比べても、比較になりません。
この三つは、料金の組み立てにもそのまま効いてきます。当日その場で見積もりを受け取る前に、金額の側からも一度整理しておくと、判断が速くなります。
そして、この三つはいずれもカウンセリングの場で決まります。 施術台に上がってからでは変えにくくなりますので、疑問はその前に出し切ってください。
麻酔クリームは、待ち時間ごと予定に入れてください
ダーマペンでは、多くの場合、施術の前に麻酔のクリームを塗って一定時間置きます。この待ち時間が、当日の所要時間を押し上げる主な要因です。
ここで一つ、知っておくと安心できることがあります。韓国では、麻酔に使われる製剤が公的な承認の仕組みで管理されていて、その一覧は誰でも確認できます。

画面のとおり、製剤ごとに企業名と許可番号、許可日まで公開されています。塗るものについて不安があるときは、「何を塗りますか」と名前を聞いておけば、あとから自分で調べられるということです。その場で調べる必要はありません。名前をメモしておくだけで十分です。
当日の実務としては、次の二点を確認しておくと予定が立ちます。
- クリームを塗ってから施術に入るまで、どのくらい置くのか
- その待ち時間のあいだ、院内で待つのか、外に出てもよいのか
二つ目は意外と見落とされます。外に出られる場合は近くで休めますが、院内で待つ場合はその時間ごと拘束されます。次の予定との間隔は、施術時間ではなく「入ってから出るまで」で見てください。
いっしょに入れるものがあるかどうかで、その日は別の施術になります
韓国のメニューを見ていると、ダーマペンの名前の後ろに別の言葉がついていることがよくあります。開いた肌の状態に合わせて、何かを入れる、あるいは塗るという組み立てです。
ここで押さえておきたいのは、「何を入れるか」で当日の内容も金額も変わるという一点です。名前が同じでも、中身は別物になります。
ですので、提案を受けたときは次のように聞いてください。
- 「今日は、ダーマペン単独ですか。何かいっしょに入りますか」
- 「入るものの名前を教えてください」
- 「それは今日の金額に含まれていますか、別ですか」
三つ目まで聞いておくと、会計での行き違いが起きません。名前を聞いておけば、あとから自分で確認することもできます。
「押し売りもなく、日本語で対応できるスタッフの方が丁寧に対応してくれました。 施術も丁寧に行なってくださり、直後から肌がワントーン明るくなり、きめが細かくなったような効果がありました。 また来たいです。」
この声の「押し売りもなく」という部分は、韓国のカウンセリングを語るときによく出てくる言葉です。提案が多いこと自体は珍しくありません。提案を受けたうえで、その場で減らせるかどうかが実際のところの分かれ目になります。断りにくさを感じたときは、「今日はこれだけにします」と言い切ってしまって差し支えありません。
韓国の制度のうえでは、どう扱われている施術なのか

費用の話に入る前に、前提を一つだけ共有させてください。冒頭に載せた法令の画面です。
韓国の付加価値税法施行令には、美容を目的とした施術の名前が並んだ条文があります。そこには「피부재생술(皮膚再生術)」「모공축소술(毛穴縮小術)」「여드름 치료술(ニキビ治療術)」といった表現が含まれています。肌の再生や毛穴を目的とした施術は、韓国では課税の対象として整理されているということです。
これが実務にどう効くかというと、表示された金額に税が入っているかどうかで、支払う額が変わるということです。韓国のクリニックの価格表示は、税込みのところと税別のところが混在しています。
ですので、金額を提示されたら一言だけ確認してください。
「この金額は、付加価値税を含みますか」
この確認は、失礼にはあたりません。むしろ、後になって話が食い違うほうがお互いに困ります。この記事では具体的な金額には触れませんが、金額が決まる仕組みについては韓国のダーマペンの値段はどう決まるのかにまとめています。
終わったあと、その日のうちに受け取っておくもの
施術が終わると、鎮静や塗る処置をして、帰ってからの過ごし方の説明があります。この説明が、いちばん取りこぼしやすい部分です。
理由は単純で、終わったあとは気が緩むからです。肌はひりつき、赤みも出ていて、早く帰りたい状態になっています。そこで口頭だけの説明を受けても、翌日には半分も残りません。
そこで、次の四つは形にして持ち帰ってください。
| 受け取るもの | なぜ必要か |
|---|---|
| 施術の名前と、入れたものの名前 | 次に受けるとき、同じ条件で比べられます |
| 洗顔や化粧を再開してよい時期 | 自己判断で早めると、赤みが長引くことがあります |
| 日焼け対策の指示 | 施術後の肌は光に敏感になります |
| 変化があったときの連絡先 | 帰国後に相談できる相手を先に決めておきます |
四つ目が特に大事です。帰国してから気になることが出てくるのは珍しくありません。 そのときに連絡できる先が決まっていないと、どこにも聞けないまま数日過ごすことになります。連絡の手段が日本語で使えるかどうかも、あわせて確認しておいてください。
帰る日から逆算して、いつ受けるか
ダーマペンは、施術の直後に赤みが出るのが通常です。どのくらい続くかは深さや回数、肌の状態によって変わりますので、一律には言えません。言えるのは、日程の組み方のほうです。
| 滞在の日数 | 現実的な入れ方 |
|---|---|
| 二泊三日 | 到着した日か、翌日の午前に入れます。最終日は避けます |
| 三泊四日 | 二日目までに済ませ、後半は落ち着かせる時間にあてます |
| 五日以上 | 前半に入れて、後半に別の予定を組む余地ができます |
共通する考え方は一つです。帰国日に近づけないこと。 飛行機の中は乾燥しますし、空港では日差しを浴びる場面もあります。落ち着かせる時間を現地で確保しておくほうが、結果として楽です。
写真を撮る予定や、人と会う予定がある方は、その日から逆算してください。
日本語では、どこまで確認できるのか
ここまで読んでいただくと、当日に確認する項目がかなりあることが分かると思います。そうすると次に出てくるのが、「これを全部、日本語で聞けるのか」という不安です。
正直に書きます。場面によって、届き方が変わります。
- 予約のやりとり——文字でのやりとりが中心になるため、比較的通じやすい場面です
- カウンセリング——日本語のできる担当者や通訳が入ることが多く、ここは通じることが多い場面です
- 施術中——担当が代わるため、ここで途切れることがあります
- 会計——金額の条件を詰める場面は、言葉の精度がいちばん要ります
つまり、同じクリニックでも場面ごとに段階が違うということです。日本語対応の段階の見分け方は韓国の美容クリニックの日本語対応は何段階かで詳しく整理しています。
実際に受けた方の声を、二つ挙げます。
「初めて利用しました。アクアピールとブラックヘッドケアの施術を行いました。今まで行った皮膚科の中で1番いいと感じました!最初から最後まで日本語ができる方がいてくださって丁寧で安心して過ごせました。またここを利用したいと思います。」
「最初から最後まで」と書かれているのが要点です。逆に言えば、そう書かれていない口コミは、途中までだった可能性があるということになります。口コミを読むときは、日本語が届いた範囲がどこまでと書かれているかを見てください。
予約の段階で送っておくと確実な質問を、そのまま使える形にしておきます。
「施術中も日本語で確認できますか。お会計のときも日本語でお願いできますか」
この二文への答え方で、どの段階の対応なのかがかなり分かります。「はい、日本語対応があります」とだけ返ってくる場合は、もう一歩踏み込んで聞いてみてください。
なお、そのクリニックが外国からの患者の受け入れについて韓国の制度上の登録をしているかどうかは、公式サイトで誰でも無料で確認できます。日本語対応そのものを保証するものではありませんが、外国から来る方を受け入れる前提で体制を整えているかを見る材料の一つにはなります。

よくある質問
Q. 当日に予約なしで受けられますか。
時間帯によっては受け付けてもらえることもありますが、確実ではありません。ダーマペンは麻酔クリームを塗って置く時間が入るため、枠の取り方が読みにくい施術です。予約をしてから向かうほうが、待ち時間の面でも安心です。
Q. 針の深さは、自分で指定できますか。
指定するものではなく、肌の状態や部位を見たうえで判断されるものです。こちらからお願いできるのは「赤みをできるだけ抑えたい」「明日も予定がある」といった条件のほうです。条件を先に伝えておくと、その範囲で調整してもらえます。
Q. 施術のあと、すぐに化粧をしてもよいですか。
その日の内容によって変わりますので、必ずその場で確認してください。自己判断で早めると、赤みが長引くことがあります。洗顔と化粧を再開してよい時期は、口頭ではなく文字で受け取っておくことをおすすめします。
Q. 同じ渡韓の期間中に、二回受けてもよいですか。
間隔の取り方は肌の状態によりますので、一律には言えません。二回入れたい場合は、最初のカウンセリングの時点で「滞在中にもう一度受けたい」と伝えて、間隔を含めて設計してもらってください。あとから足すより、先に相談したほうがきれいに収まります。
Q. 麻酔クリームで肌が赤くなることはありますか。
反応の出方には個人差があります。過去に麻酔で不調が出たことがある方や、アレルギーのある方は、受付の申告の段階で必ず伝えてください。塗る製剤の名前を聞いておけば、あとから韓国の食品医薬品安全処の公開情報で確認することもできます。
※ 本記事は、渡韓してダーマペンを受ける際の当日の進み方と確認事項を整理したものであり、医学的な助言ではありません。施術の適否、針の深さや回数、施術後の過ごし方の判断は、必ず診察した医療機関の指示に従ってください。掲載した法令および公開情報の画面は2026年8月31日時点で確認できたものです。