韓国のクリニックの料金表を見ると、ダーマペンの欄がいくつも並んでいることがあります。名前は似ているのに金額が違う。しかも、日本語のまとめ記事で見た金額とも合わない。ここで戸惑う方はとても多いです。
理由ははっきりしています。ダーマペンは「機械の名前」であって、「メニューの名前」ではないからです。同じ機械を使っていても、どの深さで、何回通して、どの範囲に、どんな薬剤を組み合わせるかで、中身がまったく変わります。値段はその中身についていますので、名前だけを見比べても比較になりません。
この記事では、具体的な金額はお伝えしません。相場を数字で書いてしまうと、条件の違う方が同じ数字を持って行くことになり、かえって混乱するためです。かわりに、その金額が何によって決まっているのか、料金表と見積もりのどこを見ればよいのかを整理します。仕組みが分かれば、目の前の見積もりを自分で読めるようになります。

料金表が読みにくくなる理由
まず、なぜ比べにくいのかを分解します。原因は五つあります。
一つ目は、名前の付け方が自由なことです。 クリニックごとに独自のメニュー名がついていて、そこにダーマペンが含まれていることがあります。「肌管理コース」という名前の中身が、実はダーマペンと鎮静のケアの組み合わせだった、ということが起こります。
二つ目は、薬剤が別立てになっていることです。 針を通すこと自体の料金と、そのときに入れる薬剤の料金が分かれている場合があります。この場合、料金表の数字は「針を通す分だけ」の金額です。
三つ目は、回数の扱いです。 一回分の金額なのか、数回まとめた金額なのかが、表からは読み取れないことがあります。
四つ目は、税の表示です。 韓国では美容を目的とした施術は課税の対象として扱われます。表示が税別であれば、支払いは表示より上がります。
五つ目として、日本語の案内と韓国語の料金表が一致しないことがあります。 日本語で用意されている案内は、分かりやすさを優先して項目をまとめている場合があります。細かい条件は韓国語の表のほうに書かれていることがありますので、金額に幅があると感じたときは、韓国語の表を見せてもらって指さしで確認するのが確実です。数字と単位は、言葉が分からなくても読めます。
この五つを頭に置いて料金表を見ると、「どこが分からないのか」がはっきりします。分からない場所が特定できれば、あとは聞くだけです。
値段を動かす七つの条件
見積もりの金額は、次の七つで動きます。カウンセリングで確認するときの順番としても、この並びが使いやすいと思います。
| 条件 | 何が変わるか |
|---|---|
| 針を進める深さ | 深いほど負担も所要時間も増え、金額に反映されやすくなります |
| 通す回数(何度重ねるか) | 重ねるほど時間がかかり、金額が上がります |
| 施術の範囲 | 顔全体か、頬だけか、首まで含めるかで変わります |
| 組み合わせる薬剤の種類 | 何を入れるかで単価が変わります |
| 薬剤の量 | 量が単位で決まっている場合、量が増えれば金額も増えます |
| 薬剤の入れ方 | 塗って浸透させるのか、注入するのかで扱いが変わります |
| 担当する人 | 医師が行うか、看護師が行うかで区分している場合があります |
ここで大事なのは、七つのうち五つが「量」の話だという点です。深さ、回数、範囲、薬剤の量。つまりダーマペンの値段は、施術の「濃さ」に比例して動きます。安いメニューと高いメニューの差は、多くの場合、質の差ではなく量の差です。
ですので、「安いほうを選んだら効果がない」とも限りませんし、「高いほうが自分に必要」とも限りません。 自分の肌の状態に対して、どのくらいの濃さが適切かを決めるのがカウンセリングの役割になります。
「一回いくら」の中に、何が含まれているか
同じ「一回」でも、含まれる範囲が違います。ここが見積もりのいちばんの落とし穴です。
| 項目 | 含まれていることが多い | 別料金になりやすい |
|---|---|---|
| 麻酔クリーム | 含まれる場合が多いです | 種類を上げると別になることがあります |
| 施術後の鎮静ケア | 簡単なものは含まれます | 機械を使う鎮静は別のことがあります |
| 塗る薬剤 | 基本のものは含まれます | 指定の薬剤は別立てです |
| 注入する薬剤 | 別立てが基本です | 量によって加算されます |
| 施術後のパックや軟膏 | 当日分は含まれることがあります | 持ち帰り分は別です |
| 再診・経過の確認 | 滞在中の相談は無料のことがあります | 別の施術になると当然別です |
この表は「よくある形」であって、決まりではありません。クリニックごとに線の引き方が違います。 ですので、比較するときは金額だけを並べず、「この金額に何が入っていますか」を必ず聞いてください。
聞き方としては、「終わって帰るまでに払う総額を教えてください」が最も確実です。項目ごとに聞くと聞き漏らしが出ますが、この聞き方であれば一つの数字が返ってきます。値段の決まり方の全体像は肌管理の値段はどう決まるかでも扱っていますので、ほかの施術と一緒に考える方はそちらもご覧ください。
回数の数え方 — 単発・回数券・パッケージ
ダーマペンは、一回で完結する施術ではありません。間隔を空けて重ねる前提のものですので、料金も回数と結びついています。
- 単発 — 一回ごとに支払います。渡韓が一回きりの場合はこの形になります
- 回数券 — 複数回分をまとめて先に支払います。一回あたりは下がることが多いです
- パッケージ — ほかの施術と組み合わせた形でまとまっています
渡韓して受ける場合に気をつけたいのが、回数券の有効期限と、使い切れるかどうかです。次にいつ渡韓できるか分からない状態でまとめて購入すると、残りが使えなくなることがあります。有効期限、譲渡の可否、返金の条件は、購入の前に確認してください。
また、系列に複数の店舗があるクリニックであれば、別の店舗で使えるかどうかも確認しておくと、次の渡韓のときに選択肢が広がります。
初回価格やキャンペーン表示の読み方
料金表やSNSの案内で目立つ金額が出ているとき、それが初回に限った価格であることがあります。二回目以降は通常価格に戻りますので、回数を重ねる前提で考えているなら、通常価格のほうを基準にしたほうが実際に近くなります。
時期によって案内が変わることもあります。実際に、そうした時期に当たった方の口コミもあります。
「上半期決算で、とてもお得に施術できました!」
こうした時期に当たるかどうかは運の要素が大きいところです。渡韓の日程をそれに合わせるのは現実的ではありませんので、あくまで「当たったら幸運」くらいに考えておくのがよいと思います。
確認しておきたいのは、次の三点です。
- その金額は初回のみか、何回目まで有効か
- 期間の限定があるか、いつまでか
- 別のキャンペーンとの併用ができるか
表示が税込みかどうかは、必ず確認してください
韓国では、美容を目的とした施術は課税の対象として扱われます。上に載せた法令の画面に並んでいるのは、その課税対象として分類されている施術名です。
料金の表示が税込みか税別かは、クリニックによって異なります。表示だけでは判断できませんので、口頭で確認するのが確実です。 「この金額は付加価値税を含んでいますか」と一言聞くだけで済みます。
支払いの手段によっても、当日の手間が変わります。カードが使えるか、現金のほうが有利な条件があるか、両替をいつしておくか。このあたりは支払い方法の実際にまとめてあります。
見積もりを、その場で確定させる聞き方
カウンセリングでは、提案を受けたあとに金額の話になります。ここでのやり取りが、当日の満足度をかなり左右します。
順番としては、次のように進めると迷いにくくなります。
- いまの肌の状態について、どう見えているかを聞く — 提案の根拠が分かります
- 提案されたものが何回必要かを聞く — 一回で終わるのか、続ける前提かが分かります
- 今日受ける分の総額を聞く — ここで数字を確定させます
- 今日でなくてよいものがあるかを聞く — 優先順位が分かります
- 決めたものだけを紙か画面で確認する — 行き違いを防げます
実際に、この形で進められた方の口コミがあります。
「相談自体も丁寧にして頂けて希望した施術のみを受けられました。」
希望したものだけを受けられた、とわざわざ書かれているということは、そうならない場合もあるという裏返しでもあります。断ることは失礼ではありませんので、「今日はこれだけにします」と言える準備をしておいてください。
一方で、提案そのものが有益な場合もあります。
「先生に丁寧にカウンセリングしていただき、今まで知らなかった肌の問題点や今後どのようにケアしていったらよいかよく知ることができました。」
自分では気づいていなかった状態を指摘してもらえることもあります。提案を全部断るのではなく、今日受けるものと、次回に回すものに分けるという考え方をすると、判断しやすくなります。
なお、ダーマペンそのものの内容や、ほかの施術との違いについては韓国のダーマペンで扱っていますので、施術の中身から知りたい方はそちらをご覧ください。
二つの見積もりを比べるときの、共通の物差し
複数のクリニックで相談した場合、金額をそのまま並べても比較になりません。条件がそろっていないためです。次の五つをそろえてから並べると、はじめて比べられる形になります。
| そろえる項目 | 聞き方の例 |
|---|---|
| 範囲 | 「これは顔全体ですか。首も入りますか」 |
| 通す回数 | 「何度重ねますか」 |
| 薬剤の種類 | 「何を入れますか。基本のものですか」 |
| 薬剤の量 | 「量はどのくらいですか。増やすといくら上がりますか」 |
| 税の扱い | 「この金額は付加価値税を含んでいますか」 |
この五つを埋めた表を自分で作っておくと、二つ目のクリニックで同じ質問をするだけで比較ができます。紙に書いて持っていくと、通訳の方に見せるだけで済みますので、言葉の負担も減ります。
比べるときに一つだけ注意があります。安いほうが条件も軽いことが多い、という点です。範囲が狭かったり、通す回数が少なかったりします。数字だけを見て「こちらのほうが得だ」と判断すると、中身の違いを見落とします。
渡韓の日程と、回数の設計は一緒に考えます
ダーマペンは間隔を空けて重ねる前提の施術ですので、費用の設計は渡韓の頻度と切り離せません。
- 渡韓が一回きりの予定 — 単発で受け、その一回で無理をしない設計にするほうが安全です
- 数か月おきに渡韓する予定 — 渡韓のたびに一回ずつ重ねる形が組めます
- 短期間に二回来られる予定 — 間隔の条件を確認したうえで、二回目を組み込めることがあります
ここで確認しておきたいのが、次に受けられるようになるまでの間隔です。肌の状態や施術の濃さによって変わりますので、その場で聞いておくと、次の渡韓の計画が立てやすくなります。
また、滞在中に別の施術も受ける予定がある場合は、同じ日に重ねられるか、日をずらす必要があるかも確認してください。組み合わせによっては間隔を空けたほうがよいものがあります。この確認を先にしておくと、滞在の日程そのものが変わることがあります。
日本語では、どこまで確認できるのか
費用の話は、施術の説明よりも一段むずかしい話題です。単語だけでは足りず、条件のやり取りが必要になります。「この金額は何回分ですか」「薬剤の量を増やすといくら上がりますか」——こうした質問は、翻訳アプリでは行き違いが起きやすい部類です。
確認しておきたいのは、次の三つの場面で日本語が使えるかどうかです。
| 場面 | 確認すること |
|---|---|
| カウンセリング | 提案の理由と、回数の見通しを日本語で聞けるか |
| 金額の確定 | 総額と、含まれるものの内訳を日本語で確認できるか |
| 会計 | 実際に払う場面で、金額の食い違いを確認できるか |
このうち、会計の場面まで日本語が続くかどうかが分かれ目になります。相談は通訳の方がついてくださっても、会計は別の担当者ということがあるためです。
実際に、納得できるまで対応してもらえたという声もあります。
「カウンセリングには日本語が話せる通訳の方もいて、質問に丁寧に納得のいくまで対応してもらえた。」
「納得のいくまで」という部分が大事です。金額の話は、一度で理解できなくても当然ですので、分かるまで聞いてよい場面です。通訳の体制については日本語で受けられるかで詳しく整理しています。
よくある質問
Q. 日本と韓国では、ダーマペンの値段はどのくらい違いますか。
金額の比較をこの記事では出していません。条件をそろえないと比較にならないためです。比べたい場合は、深さ・通す回数・範囲・組み合わせる薬剤とその量、この四つをそろえたうえで、税込みの総額で並べてください。条件がそろっていない比較は、数字が動くばかりで判断の役に立ちません。
Q. 安いメニューは効果が弱いのですか。
安いメニューは、多くの場合「量」が少ない設計になっています。深さが浅い、通す回数が少ない、範囲が狭い、薬剤が基本のものだけ、といった形です。肌への負担も軽くなりますので、初めての方や、ダウンタイムを取れない方には合っていることもあります。必要な濃さは肌の状態で決まりますので、金額の高低だけでは判断できません。
Q. 薬剤は追加したほうがよいのでしょうか。
目的によります。針を通すこと自体を目的にするのか、薬剤を届けることを目的にするのかで、必要な組み合わせが変わります。追加をすすめられた場合は、「それを入れると何が変わりますか」「今日入れないとどうなりますか」の二つを聞いてみてください。答えを聞いてから決めても遅くありません。追加をその場で決めきれない場合は、「今日は基本の内容でお願いします」と伝えれば済みます。次の渡韓のときに、前回の結果を見てから足すこともできますので、初回から全部を入れる必要はありません。
Q. 回数券は買ったほうが得ですか。
一回あたりの金額は下がることが多いです。ただし、渡韓して受ける場合は使い切れるかどうかが問題になります。有効期限、次の渡韓の予定、系列店で使えるかどうか。この三つが確認できてからでも判断は間に合います。その場で決めなければならない条件になっているときは、いったん保留にするのが安全です。
Q. 見積もりより当日の支払いが増えることはありますか。
起こりえます。薬剤の量が増えた場合、麻酔の種類を変えた場合、施術後のケアを追加した場合などです。防ぐ方法は一つで、カウンセリングの段階で「今日払う総額」を確定させ、そこから増える可能性があるものを先に聞いておくことです。増える条件を知っていれば、その場で判断できます。増える条件が事前に分かっていれば、当日は判断するだけで済みます。
※ 本記事は費用が決まる仕組みを整理したものであり、金額の目安を示すものではありません。実際の費用は施術の内容・回数・薬剤・範囲、および各医療機関の設定によって変わります。支払い前に必ず総額と内訳をご確認ください。