「事前に聞いていた料金と、会計のときの金額が違った」。渡韓して施術を受けた方から、ときどきこうしたお話をうかがいます。そして詳しく聞いてみると、多くの場合、どちらかが間違っていたわけではありません。見ていた段階が違っていたというだけのことが、ほとんどです。
ボトックスの料金は、予約をした時点では確定していません。価格表に出ている数字、問い合わせでいただく見積もり、カウンセリングで決まる内容、そして会計で出る総額。この四つはそれぞれ別のものであり、後ろの段階になるほど確定に近づきます。
この記事では、料金がどの段階で、何によって動くのかを順番に整理します。金額そのものは書きません。書いた瞬間に条件つきの数字になってしまいますし、実際の金額は使う量が決まるまで出ないためです。代わりに、各段階で何を確認し、何を手元に残しておけばよいかをまとめました。

料金は、四つの段階を通って確定します
まず全体像です。予約から会計までのあいだに、料金は次の四つの段階を通ります。
| 段階 | 何が分かるか | 確定の度合い |
|---|---|---|
| ① 価格表・案内ページ | メニューの並びと、金額の考え方 | 目安です |
| ② 事前の問い合わせ | 希望を伝えたうえでの見積もり | 条件つきです |
| ③ カウンセリング | 打つ部位・単位数・製剤が決まります | ほぼ確定します |
| ④ 会計 | 追加分と税を含めた総額 | 確定します |
大事なのは、①と②は「まだ決まっていない」段階だという点です。ここで見た数字を「決まった料金」として受け取ってしまうと、③で内容が具体化したときに差を感じることになります。
逆に言えば、①と②の段階では金額そのものよりも、金額の決まり方を聞いておくほうが役に立ちます。 何を基準に数えるのか、何が含まれて何が含まれないのか。ここが分かっていれば、③で提示された内容を落ち着いて判断できます。
段階①——価格表に出ている数字は、何の数字なのか
クリニックのページやアプリに並んでいる金額は、たいていの場合「標準的な内容を受けた場合の目安」です。ここには、次のような前提が隠れています。
- 何単位を使う前提の金額なのか
- どの製剤を使う前提なのか
- 一回分なのか、複数回をまとめた金額なのか
- 初回だけの条件が付いているのか
- 表示に付加価値税が含まれているのか
これらが明記されている場合もありますし、書かれていない場合もあります。書かれていない項目は、そのまま「まだ決まっていない項目」だと考えてください。
この段階でやっておくとよいのは、金額をメモすることではなく、メニュー名をそのままメモしておくことです。韓国語のメニュー名を控えておくと、問い合わせのときにもカウンセリングのときにも、同じものを指して話ができます。行き違いがかなり減ります。
金額の考え方そのものについては韓国のボトックスの相場は何で決まるのかで整理していますので、あわせてご覧ください。
段階②——問い合わせでもらう見積もりは、条件つきです
予約の前に、希望を伝えて見積もりをいただくことができます。日本語で対応いただける窓口も増えています。
ただし、この段階の見積もりには必ず条件が付いています。「実際に見てみないと、必要な量は決まらない」ためです。ですので、返ってくる金額は「この内容であれば、この金額になります」という形になります。
この段階で聞いておきたいのは、次の四つです。
- その金額は何単位を使う前提か
- 麻酔やアフターケアの費用は含まれるか
- 表示は税込みか税別か
- 当日に内容が変わる可能性はどこにあるか
四つ目がとくに大事です。「変わる可能性がある部分」を先に聞いておくと、当日その説明が出てきても驚きません。 逆に、ここを聞かずに行くと、変更の提案そのものが不信につながってしまうことがあります。
実際に、事前の相談で内容を一緒に決められたという声もあります。
「日本語で親切に教えて頂き、相談しながら内容を決める事ができました。お得なプランも提案してもらいした。院内は清潔でドリンクも無料でした。」
見積もりをいただいたら、その文面はそのまま残しておいてください。当日、同じ内容を指して話ができます。
段階③——カウンセリングで、料金が実質的に決まります
ここが本番です。ボトックスの料金は、打つ量が決まった瞬間に決まります。 そして打つ量は、実際に顔の動きを見て、筋肉の状態を確認したうえで決まります。
カウンセリングで決まるのは、おおむね次の項目です。
| 決まること | 料金への影響 |
|---|---|
| 打つ部位と、その範囲 | 範囲が広がれば量が増えます |
| 使う単位の数 | 料金の中心になる要素です |
| 使う製剤 | 製剤によって金額が変わります |
| 同時に受ける他の施術の有無 | 組み合わせで見積もりの形が変わります |
| 次回の予定 | 継続する場合の考え方が変わります |
この場で確認しておきたいのが、「今日の合計はいくらになりますか」という一言です。項目ごとの金額を聞くより、合計を先に聞いたほうが確実です。合計を聞いたうえで、内訳を確認していく順番のほうが、話が早く進みます。
もう一つ、打つ前に確認することも大切です。打ってしまったあとでは、量を戻すことができません。提示された内容に迷いがあるときは、その場で保留にしてかまいません。「今日は額だけにして、エラは次回に相談したいです」という伝え方は、まったく失礼にあたりません。
丁寧に説明していただけたという声は、多くいただきます。
「ナ室長にカウンセリングしていただきました!とっても丁寧でわかりやすく、日本語で対応していただきました。とても綺麗なクリニックでおすすめです」
カウンセリングで、そのまま口に出してよい言葉
料金の確認は、遠慮が入るほど曖昧になります。次の言い方は、そのまま口に出していただいて差し支えありません。通訳の方が入っている場合も、この形であれば短く訳していただけます。
| 場面 | 伝える言葉 | 何のために聞くか |
|---|---|---|
| 内容が決まったとき | 「今日の合計はいくらになりますか」 | 会計での照合の基準になります |
| 追加を提案されたとき | 「その分で、いくら増えますか」 | 増える前に判断できます |
| 表示を見たとき | 「この金額は付加価値税を含みますか」 | 最後の金額が変わる要素です |
| 迷いが残るとき | 「今日は一部位だけにして、残りは次回に相談したいです」 | 保留を伝える定型の言い方です |
| 帰る前 | 「今日の内容を、書いたものでいただけますか」 | 次回の基準としてそのまま残ります |
いちばん下の一言が、意外と抜けやすいところです。書いたものが残っていれば、次のカウンセリングを「前回の続き」から始められます。
段階④——会計。ここで初めて総額になります
会計で確認するのは、次の三点です。
① 事前に聞いた合計と一致しているか。 一致していない場合は、その場で理由を確認してください。追加の施術を受けた、単位を増やした、といった理由であれば納得できます。心当たりがない場合は、その場で聞くのがいちばん早い解決になります。
② 付加価値税の扱い。 韓国では、治療を目的とした医療には付加価値税がかかりませんが、美容を目的とした施術は課税の対象として扱われています。法令には、美容目的として扱われる施術の名前が具体的に並んでいます。

そのため、表示価格が税込みかどうかで最後の金額が変わります。カウンセリングの段階で確認していれば、会計で驚くことはありません。
③ 支払いの方法と、明細の受け取り。 使える支払い方法は施設によって違います。事前に確認しておくと安心です。支払い方法の選び方は支払い方法の考え方、支払うタイミングについては支払いのタイミングで整理しました。
受付から会計までの案内が、日本語で最後まで通ったという声もあります。
「受付からカウンセリングまでとても丁寧に対応してくださいました! カウンセリングは通訳さんもついていて安心してカウンセリングすることができました!」
「聞いた金額」と「請求された金額」がずれる場面
実際にずれが生じやすいのは、次の場面です。あらかじめ知っておくと、当日の判断がしやすくなります。
単位を増やした場合。 カウンセリングで「もう少し入れたほうが左右のバランスが取りやすい」と提案されることがあります。提案自体は理にかなっていることが多いのですが、単位が増えれば金額も増えます。増える前に金額を確認してください。
部位を追加した場合。 当日その場で気になる部位を追加すると、当然、金額が加わります。追加するかどうかは、その日の予算枠に照らして決めてください。
製剤を変えた場合。 希望していた製剤が使えず、別の製剤になる場合があります。金額が変わることがありますので、その場で確認してください。
麻酔やアフターケアが別立ての場合。 施術の料金に含まれる場合と、別に加算される場合があります。段階②で聞いておくと、ここでずれません。
条件つきの金額の条件を満たさなかった場合。 初回限定やセットの条件から外れると、通常の金額に戻ります。条件の内容は、適用される前に確認しておいてください。
各段階で、手元に残しておく記録
料金の話は、記憶に頼らないほうが確実です。段階ごとに残しておくものを整理します。
| 段階 | 残しておくもの | 使いみち |
|---|---|---|
| ① 価格表 | メニュー名(韓国語のまま) | 問い合わせとカウンセリングで同じものを指せます |
| ② 問い合わせ | やり取りの文面 | 当日、同じ内容を指して話せます |
| ③ カウンセリング | 部位・単位数・製剤名・合計 | 会計での照合と、次回の基準になります |
| ④ 会計 | 明細・支払い方法 | 帰国後の確認と、次回の予算立てに使えます |
とくに③の記録は、二回目以降にそのまま効いてきます。前回の単位数と製剤が分かっていれば、次のカウンセリングで「前回と同じで」と伝えることができます。この一言が言えるかどうかで、二回目の負担がまったく変わります。
事前に金額を確かめる具体的な手順はクリニックで値段を確認する方法にまとめています。部位別の考え方は口角ボトックスの値段の決まり方もご参照ください。
当日の流れのなかで、料金が動く場面
料金は、当日の流れのどこでも一様に動くわけではありません。動く場面は決まっています。
| 当日の場面 | ここで動くもの | ここで言っておく一言 |
|---|---|---|
| 受付・問診票 | まだ動きません | 事前のやり取りの画面を開いておきます |
| カウンセリング前半 | 打つ部位と、その範囲 | 「気になっているのはここです」 |
| カウンセリング後半 | 単位数・製剤・合計 | 「今日の合計はいくらになりますか」 |
| 施術室に入る前 | 追加の提案が出ることがあります | 「増える分を先に教えてください」 |
| 施術後・会計 | 追加分と税を含めた総額 | 「聞いていた合計と同じか確認させてください」 |
この並びで見ていただくと分かるように、金額が動く場面は、施術室に入る前でほぼ終わります。 部屋に入ってからは、内容を変える相談がしにくくなりますし、打ってしまえば戻せません。ですので「確認は部屋に入る前に済ませる」と決めておくと、当日その場で迷わずに済みます。
予算の枠を先に伝えておくという方法
料金の話でもう一つお伝えしたいのが、予算の枠を先に伝えるという方法です。これは値切ることとは違います。「今日はこのくらいの範囲で組みたいです」と伝えることで、その範囲で優先順位をつけた提案をいただける、という意味です。
短い滞在で複数の施術を受けたい方ほど、この伝え方が効きます。限られた予算のなかで何を優先するかは、こちらの希望がなければ相手には分かりません。先に伝えておくと、提案の形が変わります。
清潔さや施設の雰囲気を含めて、落ち着いて相談できたという声もあります。
「初めて利用しました。店内は清潔感がありとても綺麗でした。スタッフの方も丁寧で話しやすかったです。また利用したいと思います。」
なお、予算の枠は「これ以上は出せません」という言い方より、「今日はこの範囲で優先順位をつけたいです」という言い方のほうが、相談として伝わりやすいように思います。
日本と前提が違うところ
日本の感覚のまま韓国の料金の案内を見ると、噛み合わない部分がいくつか出てきます。あらかじめ知っておくと、当日の受け止め方が変わります。
表示のしかたが揃っていません。 日本では税を含んだ表示で揃っていることが多いのですが、韓国では表示のしかたが施設ごとに分かれます。安く見える表示と高く見える表示が、中身としては同じということもあり得ます。比べるときは、単位の数・製剤・税の扱いという条件をそろえてから比べてください。
通院を前提にできません。 日本で受けるのであれば、気になったところを後日もう一度みていただくことができます。渡韓の場合、滞在の日程が終われば、その場に戻ることができません。打ち足しを次の渡韓まで待つ前提で量を決めるのか、滞在中にもう一度寄れる日を残しておくのか。この前提の違いが、当日の判断にそのまま出ます。
相談の場が、そのまま金額の場でもあります。 日本では、医療の話は診察室、金額の話は受付、という分かれ方をしていることが多いように思います。韓国では、カウンセリングの場で内容と金額の両方が決まる形が一般的です。ですので、その場で金額の話を出すことは失礼にあたりません。むしろ、そこで聞かなければ聞く場がなくなってしまいます。
滞在の日程そのものの組み立て方については渡韓の日程の考え方もあわせてご覧ください。
帰国してから、やっておくとよいこと
会計が終われば、その日の料金の話は終わります。ただ、次の渡韓のための材料は、ここで作られます。帰国して落ち着いた時点で、次の三つだけまとめておいてください。
- 明細と、カウンセリングで書いていただいた内容を、一つの場所に保存する
- 打った部位と単位数、製剤の名前を、ご自身の言葉でメモに書き直す
- 効果の出方と、戻ってきたと感じた時期を、あとから書き足せる形にしておく
三つ目は、次回の量を決めるときの根拠になります。前回どのくらい続いたかが分かっていれば、次のカウンセリングは相談が具体的になります。 続き方そのものについてはボトックスの持続期間で整理しています。
日本語では、どこまで確認できるのか
ここまで書いてきた四つの段階のうち、日本語対応の差がいちばん出るのは③のカウンセリングと④の会計です。
②の問い合わせまでは、文章でのやり取りになりますので、翻訳を使ってもある程度は成立します。ところが③と④は、その場で数字と条件が同時に動きます。単位を増やすかどうか、金額がいくら変わるか、税が含まれるか。この判断を、その場で理解したうえで決める必要があります。
日本語対応には段階があります。予約の問い合わせだけ日本語という体制と、カウンセリングと会計まで日本語が通る体制では、料金の場面でできることがまったく違います。詳しくは日本語対応の段階で整理しています。
予約のときに、次のように聞いてみてください。「カウンセリングと会計のときも、日本語で確認できますか」。この一言の答え方で、③と④で日本語が使えるかどうかが分かります。「予約は日本語で承ります」という返答だけの場合は、当日の体制を追加で確認されることをおすすめします。
問い合わせの段階から会計まで、日本語で通ったという声もあります。
「#ppeummyeongdong #globalmyeongdong 予約するとき通訳さんがとても親切でした。来院してからもカウンセリングで男性の通訳さんがついてくれて、日本語も上手でした。料金もとてもお得でした。」
もう一つ、当日の体制として確認しておきたいのが、通訳の方がどこまで同席されるかです。カウンセリングだけ同席される形と、施術の前後や会計まで通して同席される形があります。料金の確認は会計の場面まで続きますので、後者であれば、追加が出たときにもその場で聞けます。
料金にかかわる話は、あとから取り返しがつきません。打つ前に、支払う前に、その場で確認できる体制かどうか。 ここを予約の段階で見極めておくと、当日の安心感がまったく違います。
よくある質問
Q. 予約の時点で、料金を確定させることはできますか。
確定はできません。ボトックスの料金は使う単位の数で動きますし、単位の数は実際に顔の動きを見たうえで決まるためです。ただし、「この内容であればこの金額」という条件つきの見積もりは、事前にいただけることが多いです。その見積もりを残しておいて、当日に照らし合わせる形が確実です。
Q. カウンセリングで提案された内容を、その場で断ってもよいですか。
問題ありません。打ってしまったあとでは量を戻せませんので、迷いがある状態で進めないほうが安全です。「今日は一部位だけにして、残りは次回に相談したいです」という伝え方は、通常の相談として受け止められます。
Q. 会計の金額が、聞いていた金額と違いました。どうすればよいですか。
その場で理由を確認してください。単位を増やした、部位を追加した、条件つきの金額の条件から外れた、といった理由であれば説明していただけます。帰国してからでは確認が難しくなりますので、その場での確認をおすすめします。
Q. 表示価格に付加価値税が含まれているかは、どう聞けばよいですか。
「この金額は付加価値税を含みますか」と、そのまま聞いていただければ通じます。韓国では美容を目的とした施術は課税の対象として扱われており、表示のしかたは施設によって異なります。カウンセリングの段階で確認しておくと、会計で差を感じることがなくなります。
Q. 次回のために、何を記録しておけばよいですか。
打った部位とその範囲、使った単位の数、製剤の名前、そして合計の四つです。この四つがあれば、次回のカウンセリングで前回を基準に相談できます。会計の明細を写真に撮っておくだけでも、かなり役に立ちます。
Q. 事前の見積もりと、当日の提案が食い違ったときはどうすればよいですか。
まず、食い違いそのものは珍しいことではありません。見てから決まる部分があるためです。大切なのは、なぜ変わるのかを聞いたうえで決めることです。見積もりのやり取りの画面をその場で開いて「事前にはこの内容でうかがっていました」と示すと、話がまっすぐ進みます。そのうえで納得できなければ、当日は見送っても差し支えありません。
Q. 通訳の方がいる場合、料金の話も通訳していただけますか。
多くの場合、内容の説明と料金の説明はひと続きで進みますので、そのまま通していただけます。ご心配であれば、予約のときに「カウンセリングと会計のときも通訳の方に入っていただけますか」と聞いておくと確実です。同席の範囲は施設によって違いますので、当日ではなく事前の確認をおすすめします。
Q. 複数の施術を同じ日に受ける場合、料金の確認はどうすればよいですか。
施術ごとの金額を一つずつ聞くより、先に「今日の合計」を聞いてから内訳に入るほうが早く進みます。組み合わせの見積もりは、単独で受けた場合の金額を足したものとは形が変わることがあるためです。合計を先に押さえておけば、内訳のどこを削るかという相談もしやすくなります。
※ 本記事は、韓国で施術を受けることを検討されている方に向けて、料金が確定していく過程を構造として整理したものです。具体的な費用は施設・施術内容・使用する製剤・単位数によって異なり、この記事では金額を提示していません。実際の金額、施術の適否、支払いの条件については、医療機関でのカウンセリングでご確認ください。