韓国の美容クリニックの値段は、いつ確定するのか|予約前から会計までの4つの場面で確かめること

費用・比較公開日:2026-08-31 最終更新:2026-08-31

「韓国の美容クリニックの値段は、だいたいどのくらいですか」——渡韓を考えている方から、いちばん多くいただく質問です。ところが、この質問にひとつの数字でお答えすると、現地でほぼ確実にずれます。

理由ははっきりしています。韓国のクリニックで言う「値段」は、ひとつの数字ではないからです。 料金表に出ている数字、カウンセリングのあとに提示される見積もりの数字、会計のときに実際に支払う数字。この三つは別のもので、しかも順番に確定していきます。日本の感覚で「表示されている価格がそのまま支払額」と思って行くと、この段差でつまずきます。

ですのでこの記事では、具体的な金額は書きません。金額はクリニック・メニュー・時期・為替で動きますし、ここに書いた数字は読んでいただく頃には変わっている可能性が高いからです。かわりに、値段がどの場面で動き、いつ確定するのかを時間軸で分解します。そして場面ごとに、日本語でどう確認すればよいのかを添えます。仕組みが分かっていれば、当日ひとりでも金額を自分で握れます。

韓国の付加価値税法施行令の法令ヘッダー
韓国「付加価値税法施行令」。美容を目的とした施術は、韓国では課税の対象として扱われます。表示が税込みかどうかで支払額が変わります

「値段」は三つの数字に分かれています

まず、言葉を分けておきます。ここを混ぜたまま比べると、いくら調べても答えが出ません。

数字誰が出すか何に対する金額かずれが生まれる原因
表示価格クリニックの料金表・案内ページメニュー1件の基準の金額単位・回数・部位の前提が書かれていないことがある
見積もりカウンセラーまたは医師実際に受ける組み合わせの金額肌を見たうえで内容が変わる/複数回分がまとまる
請求額受付・会計その日に支払う金額税の扱い・当日追加分・支払方法による差

表示価格は「入口の数字」です。ここには、あなたの肌の状態も、必要な回数も、麻酔をどうするかも入っていません。ですから表示価格どうしを横に並べても、比較としてはほとんど機能しません。

見積もりは「あなたの数字」です。ここで初めて、部位・回数・薬剤の量・付帯するケアが決まります。値段の話でいちばん大事なのはこの場面で、後戻りしやすいのもこの場面です。

請求額は「確定した数字」です。ここで初めて気づくずれ、たとえば税の扱いや支払方法による差は、その場で直すのが難しくなります。だからこそ、前の二つの場面で潰しておく必要があります。

場面①:予約する前——「何の値段なのか」を特定します

予約前にできることは、金額を下げる交渉ではありません。その数字が何に対する金額なのかを特定することです。ここを詰めておくと、当日の会話がまったく変わります。

見ておきたいのは次の四点です。

一つ目は、単位です。 同じ施術名でも、1回あたりなのか、ショット数や本数あたりなのか、範囲あたりなのかで数え方が違います。数え方が違う数字は、そもそも比べられません。

二つ目は、回数の前提です。 表示が1回分なのか、複数回のセット価格を回数で割ったものなのかで、見え方はまったく変わります。セット価格は「まとめて申し込むこと」が条件になっていることがあります。

三つ目は、初回だけの金額かどうかです。 初めての方向けの金額が表示されている場合、次に受けるときの金額は別です。一度きりの渡韓なら関係ありませんが、続けて通うつもりなら、二回目以降の金額を先に聞いておくほうが計画が立ちます。

四つ目は、税の扱いです。 韓国では、美容を目的とした施術は課税の対象として扱われます。表示が税込みか税別かで、支払額は変わります。この点は法令の側から整理していますので、韓国の美容医療の価格はどう決まるのかもあわせてご覧ください。

予約の問い合わせで送る文章は、長く書く必要はありません。「この金額は何回分ですか」「税込みでしょうか」「初回のみの金額でしょうか」。この三つを日本語で送っておくだけで、当日の前提がそろいます。

返信の内容そのものより、どう答えてくれたかを見てください。単位や税の扱いをその場で答えてもらえるクリニックは、当日の会計でも同じように説明してもらえる可能性が高くなります。逆に、質問した項目に触れないまま来院をすすめられた場合は、当日も同じやりとりになりやすい、と考えておくと心の準備ができます。

もうひとつ、予約前に決めておきたいのが優先順位です。受けたいものが三つあるとき、そのうちどれを今回必ず受けるのかを先に決めておくと、見積もりが予算を超えたときに削る順番で迷いません。現地で初めて考えると、たいてい全部やる方向に流れます。

場面②:カウンセリング——見積もりが作られる場所です

ここが本番です。韓国のクリニックでは、料金表の金額をそのまま受けるより、カウンセリングで組み立て直すほうが一般的です。 肌の状態を見てから、施術の種類や順番、回数が決まっていきます。

この場面でおすすめしたいのは、予算を先に伝えることです。日本では言いにくく感じる方が多いのですが、韓国のカウンセリングでは珍しいことではありません。予算を先に置くと、その範囲でどう組むかという話に変わり、選べる幅はむしろ広がります。

金額の相談そのものを、丁寧に受けてもらえたという声もあります。

「通訳さんが同席していただき大変わかりやすく細かいカウンセリングをしていただきました!金額の相談も受けていただき感謝です。」

見積もりが出てきたら、その場で次の四点を確認します。

  1. この金額に含まれるものは何か(麻酔、施術後のパック、塗り薬、再診)
  2. この金額は何回分か。回数が減った場合はどうなるか
  3. 税込みか税別か
  4. 今日決めなければならないものはあるか

四つ目が意外と大事です。その場で全部を決める必要はありません。 迷うものがあれば「今日は一つだけにして、様子を見てから考えます」と伝えて構いません。断ることそのものが失礼にあたる場面ではありませんし、見積もりを持ち帰って考えたいと言うのも普通のことです。

値段を動かす条件そのものを分解した記事もありますので、組み立ての前に読んでおくと役に立ちます。肌管理の値段はどう決まるのかで、六つの条件を整理しています。

場面③:施術の直前——金額が増えやすいのはここです

見積もりが決まったあと、施術台に上がる直前にもう一段、金額が動く場面があります。麻酔の追加、鎮静のケア、施術後のパック、持ち帰りの塗り薬。どれも必要な場合はありますが、その場で提案されると、断りづらくなります。

判断の基準はひとつです。「これは今日やらないと困るものですか」と聞いてください。困らないものであれば、次の機会で構いません。

無理な提案がなく、使う製剤を目の前で確認させてもらえたという声もあります。

「ジュニョンさんがとても親切でした!アップセルもなく、親身に聞いてくれます。また、他のスタッフも親切でした!日本でも韓国でもボトックスを打っていますが、開封してシリンジに移すまで見せてくれました。安心できました。浅い部位に打たれている感じもありましたが、様子を見てみます。効果があったら、またリピします。」

この方が書かれているように、製剤の開封を見せてもらえるかどうかは、その場で確認できる材料です。何を使うのかを聞くことは、失礼な質問ではありません。

この場面で増えやすいものを、あらかじめ知っておくと落ち着いて判断できます。麻酔クリームの追加、施術範囲の拡大、当日限りの割引がつく回数券、持ち帰りのケア用品。どれも中身としては珍しいものではありませんが、共通しているのは「その場で決めることになる」という点です。

対処はひとつだけ覚えておけば足ります。「今日はこの見積もりの範囲でお願いします」と言い切ることです。追加を断ったからといって、施術の内容が変わるわけではありません。

場面④:会計——表示と請求の差が出るところです

最後が会計です。ここで確認しておきたいのは、次の三点です。

税の扱いです。 韓国では、美容を目的とした施術は課税の対象になります。下の画像は、その分類を定めた法令の原文です。

韓国の付加価値税法施行令第35条ナ目。美容目的の施術名が黄色で強調されている
韓国の法令原文。シミ治療術・ニキビ治療術・毛穴縮小術・皮膚再生術などが「美容目的」に分類されています

なお、外国人観光客への還付の制度については、条文の期限が切れたまま延長の規定が確認できない状態です。詳しくは免税(付加価値税の還付)はいつまでかにまとめています。「あとで戻ってくる」という前提で予算を組まないほうが安全です。

支払方法による差です。 現金とカード、両替のタイミング、日本のカードで決済したときの為替の扱い。これらは同じ金額でも最終的な負担が変わる部分です。支払い方法とタイミングに整理しています。

明細です。 何にいくらかかったのかが行ごとに分かる明細をもらっておくと、次に渡韓するときの比較材料になります。二回目以降の値段の話が、ここから一気に具体的になります。

同じ施術なのに、人によって値段が違って見える理由

「知人はこの金額だったのに、自分の見積もりは違う」という相談もよくいただきます。次の条件のどれかが違えば、金額は変わります。

条件どう変わるか
数え方の単位1回・ショット数・本数・容量・部位のどれで数えるかで金額が変わります
回数のまとめ方単発と複数回のセットでは、1回あたりの金額が変わります
初回か、二回目以降か初めての方向けの金額が設定されていることがあります
部位の範囲「顔全体」に首やまぶたが入るかどうかで内容が変わります
薬剤や製剤の種類同じ施術名でも、使うものが違えば金額が変わります
付帯するケア麻酔・パック・塗り薬・再診が含まれるかどうかで差が出ます
支払方法と為替現金・カード・両替のタイミングで最終的な負担が変わります

ここで大事なのは、どれも不当な差ではないという点です。条件が違えば金額が違うのは当然で、問題になるのは条件を確認しないまま金額だけを比べてしまうことです。

日程の組み方でも、支払う金額は動きます

見落とされやすいのが、日程と値段の関係です。同じ内容でも、一日にまとめるか、滞在中に分けるか、次の渡韓に回すかで、総額の意味が変わります。

一日にまとめる場合、まとめて申し込むことを前提にした金額が案内されることがあります。移動や待ち時間の負担も一度で済みます。その一方で、肌の反応を見てから次を決める、という進め方ができません。合わなかったときに、まとめた分だけ選び直しがきかなくなります。

滞在中に分ける場合は、初日に受けた施術の経過を見てから二回目を決められます。反応が出やすい方や、初めての方には向いた組み方です。ただし予約枠が二回分必要になりますし、施術によっては間隔をあける必要があります。

次の渡韓に回す場合、そのとき適用される金額は初回向けのものではなくなります。ここで効いてくるのが、先ほどの「二回目以降はいくらか」という質問です。続ける前提があるなら、初回の金額だけを見て決めないほうが結果的に安く収まります。

組み方向いている方先に確認すること
一日にまとめる受ける内容が決まっている方まとめた場合の条件と、途中で減らせるかどうか
滞在中に分ける初めての方・反応を見たい方間隔の指定と、二回目の予約枠
次の渡韓に回す続けて通う予定のある方二回目以降の金額と、期限のある割引かどうか

「安い」と言われたとき、何を確かめるか

「安かった」という感想は、その方の条件での話です。実際、決めている施術があるなら通いやすいという書き方をされている方もいます。

「いつもお世話になっています。やりたい施術が決まっている方ならここのクリニックはお値段も安く通いやすいです。先生やスタッフの方も日本語を少し話せます。VIP会員になると、個室で快適に施術を受けることが出来ますが、普通のお客様は麻酔クリーム中、椅子に座って待機します。」

この文章には、金額以外の情報がいくつも入っています。すでに受ける施術が決まっている方に向いていること、待機の環境は会員の種別で違うこと。 「安い」という一語だけを取り出すと、この前提が落ちます。

必要のないものは必要ないと伝えてもらえた、という声もあります。

「カウンセリングが日本語で対応してくれます!丁寧で、必要ないものは必要ないとはっきり伝えてくれます。料金も良心的で、日本人でも安心して来店できます。あと院内がキレイ。」

値段の納得は、金額の大小そのものよりも、提案の理由が説明されたかどうかで決まることが多いように見えます。

見積もりを比べるときの、正しい並べ方

複数のクリニックで見積もりをもらったとき、そのまま金額を並べても比較になりません。次の順で整えます。

  1. 単位をそろえます。 ショット数や容量が違えば、同じ単位に直します
  2. 回数をそろえます。 1回あたりの金額に直してから比べます
  3. 含まれる範囲を書き出します。 麻酔・パック・薬・再診の有無を並べます
  4. 税の扱いをそろえます。 税込みに統一します
  5. 二回目以降の金額を足します。 続ける前提なら、次回価格まで含めて考えます

ここまでそろえて、初めて「どちらが自分にとって安いか」が見えてきます。逆に言えば、ここをそろえないまま出した結論は、あとで動きます。

日本語では、どこまで確認できるのか

値段の話は、施術の説明よりも一段むずかしい話題です。数字と条件が同時に出てきますし、その場で判断を求められます。ですので、日本語対応がどの段階まで用意されているのかは、予約の前に確かめておく価値があります。

対応にはいくつかの段階があります。

  • 常勤の日本人スタッフや通訳がいる——見積もりの内訳から税の扱いまで、その場で確認できます
  • 日本語窓口が予約対応のみ——当日の会計の場では通じないことがあります
  • 翻訳アプリで対応——施術の説明はできても、金額の条件を詰める場面では行き違いが起きやすくなります

予約の段階で日本語対応があると、当日の流れそのものが軽くなります。

「お手頃価格で施術が受けられるので、気になっていたものをいくつかお願いしました。予約も日本語対応で安心できました。当日の施術もスムーズで助かりました。ありがとうございます!」

予約のときに送っておくとよい一文があります。「会計のときも日本語で内訳を確認できますか」。この問いへの答え方で、そのクリニックの日本語対応がどの段階までのものか、かなり分かります。

よくある質問

Q. 韓国の美容クリニックの値段の目安を知りたいのですが。

目安として書かれている金額は、単位・回数・部位・製剤・税の扱いのどれかが違えば、そのまま当てはまりません。金額の数字を集めるより、この記事の四つの場面で条件をそろえるほうが、結果として自分の支払額に近づきます。

Q. 表示されている価格は税込みですか。

クリニックによって違います。韓国では美容を目的とした施術は課税の対象として扱われるため、税込みか税別かで支払額が変わります。予約の問い合わせの時点で確認しておくことをおすすめします。

Q. カウンセリングで提示された金額は、その場で決めないといけませんか。

いいえ。持ち帰って考えたいと伝えて構いません。当日に決める必要があるものと、次の機会でよいものを分けて聞くと、判断しやすくなります。

Q. 当日になって金額が増えることはありますか。

あります。麻酔の追加、施術後のケア、持ち帰りの薬などが後から加わる場合です。見積もりの段階で「これ以外にかかるものはありますか」と一度聞いておくと、増える余地を先に潰せます。

Q. 外国人向けの還付を前提に予算を組んでも大丈夫ですか。

条文上の期限は2025年12月31日までとなっており、2026年8月31日時点で確認できる最新の条文にも延長の規定は見当たりません。還付を前提にしない予算で組むほうが安全です。

※ 本記事は2026年8月31日時点で確認できた情報にもとづく整理であり、特定の医療機関やその料金を保証・推奨するものではありません。金額の条件は医療機関ごとに異なります。実際の費用や施術の適否については、受診する医療機関にご確認ください。

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