「韓国の口角ボトックスは、いくらくらいですか」。渡韓を考えている方から、この形の質問をよくいただきます。日本語で検索すると目安の金額を書いた記事が出てきますが、その数字を持ってカウンセリングに座ると、たいてい話がかみ合いません。
理由は単純です。口角のボトックスには、そのまま当てはめられる一つの値段が存在しないからです。 打つ単位の数が違い、使う製剤が違い、ほかの部位と一緒に受けるかどうかでも見積もりの形が変わります。さらに表示価格に付加価値税が含まれているかどうかも、クリニックによって異なります。
そこでこのページでは、金額を並べるかわりに、その金額がどうやって組み立てられているのかを整理します。組み立てが分かっていれば、目の前に出てきた見積もりが自分の条件に合っているかどうかを、その場で判断できます。製剤については韓国の公的なデータベースで確認できますので、その手順もあわせて載せます。

口角のボトックスは、どこに何をする施術なのか
口角のボトックスは、口の端が下がって見えることが気になる方に対して、口元まわりの筋肉のはたらきを抑える目的で提案されることのある施術です。表情のくせや左右差をふまえて、どこにどれだけ打つかを医師が判断します。
ここで大事なのは、打つ場所と量が人によって違うという点です。顔の形も、筋肉の使い方も、気になっている見え方も一人ひとり違います。ですから、他の方が受けた内容と自分の内容が同じになるとは限りません。
相談するときは、施術名から入るより、気になっている見え方から伝えるほうが話が早く進みます。「口角のボトックスをお願いします」ではなく、「口の端が下がって見えるのが気になっています」という伝え方です。前者だと、その施術が本当に合っているかどうかの検討が飛ばされてしまうことがあります。後者であれば、別の選択肢を含めた提案が返ってくる余地が残ります。
そして、この「人によって違う」という性質が、そのまま値段の話につながります。内容が一定でないものに、一定の値段はつけられないからです。
値段が一つに決まらない、5つの理由
見積もりを動かしているのは、おもに次の5つです。
| 要素 | 何が変わるか |
|---|---|
| 使う単位の数 | 量が変われば、薬剤の費用が変わります |
| 製剤の種類 | 製品によって仕入れの条件が違います |
| ほかの部位との組み合わせ | 同時に打つ場合、料金表の適用が変わることがあります |
| 条件つきの価格 | 初回限定や期間限定の案内があります |
| 表示価格と税 | 付加価値税を含む表示かどうかで最後の金額が変わります |
日本語の記事に載っている「目安」は、このうちどの条件で出た数字なのかが書かれていないことがほとんどです。条件の書かれていない数字は、比較の材料にはなりにくいと考えています。
同じ考え方は部位を問わず当てはまりますので、ボトックス全体の金額の見方は相場の決まり方をまとめたページに、美容医療全体の価格の組み立ては価格の決まり方をまとめたページに整理しています。
「単位」を抜きにすると、比較になりません
ボトックスの費用の話は、量を抜きにすると成立しません。韓国の公的なデータベースで承認されている製品を見ると、この事情がよく分かります。

一覧を見ると、同じシリーズの製品が単位ごとに分かれて登録されていることが分かります。つまり、薬剤そのものが量を単位で扱う前提になっているということです。
ですので、カウンセリングで金額を聞くときは、必ず「何単位でこの金額ですか」を添えてください。単位の数が分からないまま金額だけを比べると、量の違う二つを比べていることになります。
なお、必要な単位の数は、打つ場所や目的、その方の状態によって医師が判断します。事前に自分で決められるものではありませんので、カウンセリングで「私の場合は何単位の見込みですか」と聞き、その数字と金額をセットで受け取るのが確実です。
日本語の記事や口コミで見かける金額を持っていく場合も、同じ聞き方が使えます。「この金額を見たのですが、これは何単位の話でしょうか」と聞けば、前提の違いをその場で埋められます。数字を否定されたと受け取られることもありませんので、話を始めるきっかけとしても使いやすい聞き方です。
製剤は、公的なデータベースで確認できます
韓国では、承認されている医薬品を誰でも検索できるようになっています。先ほど載せた検索画面がその窓口です。使い方は次の3つの手順です。
- 韓国の食品医薬品安全処が運営する医薬品情報の検索画面を開きます
- 製品名の欄に「보툴리눔」(ボツリヌス)と入力して検索します
- 一覧に出てくる製品名・企業名・承認番号・承認日を確認します
カウンセリングで製剤名を教えてもらえたら、その名前をこの一覧で確認できます。韓国語の画面ですが、製品名を入れて押すだけですので、翻訳機能を使えば十分に確認できます。
製剤ごとの違いや、確認の詳しい手順は製剤を承認一覧で確かめたページにまとめてあります。
製剤名を教えてもらう聞き方は、「今日使うのはどの製品ですか」で十分です。名前が出てこない場合は、その場で無理に決めず、いったん持ち帰る判断をしてもよいと思います。
なお、製剤が違えば金額が変わることはありますが、金額の高い製剤が自分に合っているとは限りません。 何を使うかは、目的や打つ場所をふまえて医療機関が判断する部分です。ですので、価格の高さを基準に選ぶのではなく、「なぜこの製品を選んだのか」を説明してもらうほうが、判断の材料になります。
ほかの部位と一緒に受けると、見積もりの形が変わります
口角だけを単独で受ける方もいますが、ほかの部位と同じ日にまとめて受ける方も多くいらっしゃいます。実際の口コミにも、複数の部位を同じ日に受けた記録が残っています。
「ピコシュアトーニングと眉間ボト、脇脱毛とワキボトやってきた!室長が超丁寧にカウンセリングしてくれたし、日本語でも対応してくれるからかなり良かった🩷」
このように複数の施術を組み合わせると、料金表の適用の仕方が変わることがあります。部位ごとの合計になる場合もあれば、まとめた案内が用意されている場合もあります。
ここでも確認は一言です。「今日の合計はいくらになりますか」。部位ごとの金額を一つずつ足していくより、合計を先に出してもらったほうが、予算の判断が早くなります。
可能であれば、その合計を紙か画面に書いて見せてもらってください。金額のやりとりは、口頭だけだと聞き間違いが起こります。数字が目の前にあれば、通訳の方を介する場合でも認識のずれが起きにくくなります。
予算の伝え方も、結果に効いてきます。合計の上限を先に伝えておくと、その範囲で組み立てた提案が返ってきやすくなります。逆に金額の話を後回しにすると、提案が出そろってから削る作業になり、時間がかかります。
条件つきの価格には、条件がついています
韓国のクリニックでは、初回限定の価格や、その時期だけの案内が用意されていることがあります。開院したばかりの時期に、記念の案内が出ることもあります。
「ナ室長にカウンセリングして頂きましたがとても丁寧で良かったです!オープン記念のプレゼントも頂きました🥹」
こうした価格は、それ自体に問題があるわけではありません。ただ、次の3つを確認しておかないと、帰国後の計画が立てられなくなります。
- この金額は今日だけの条件ですか
- 2回目からは、いくらになりますか
- 次に来るときも、同じ条件は使えますか
とくに二番目が大切です。ボトックスは効果が続く期間があり、繰り返すことを前提に考える方が多い施術です。初回の金額だけで判断すると、2回目以降の予定が立てられません。
表示価格に、付加価値税が含まれているかどうか
韓国では、美容を目的とした施術が課税の対象として扱われています。根拠となる規定は法令に定められており、原文を確認できます。

つまり、韓国のクリニックの表示価格には、税を含むものと含まないものの両方がありうるということです。ここを確認しないまま合計を計算すると、会計のときに想定と違う数字が出てきます。
聞き方は「この金額は付加価値税を含みますか」で十分です。カウンセリングの最初に一度聞いておけば、その日に出てくる数字を全部同じ土台で受け取れます。どの施術が課税の対象として扱われてきたのかは、条文で施術ごとに確認したページに整理しています。
カウンセリングで確認したい5つの質問
ここまでの内容を、そのまま質問の形にまとめます。どれも短く聞けるものばかりです。
| # | 質問 | この質問で分かること |
|---|---|---|
| 1 | 私の場合、何単位の見込みですか | 量と金額の対応 |
| 2 | 使う製剤はどの製品ですか | 公的な一覧で確認できるかどうか |
| 3 | この金額は付加価値税を含みますか | 最後に払う金額 |
| 4 | 今日の合計はいくらになりますか | 組み合わせたときの総額 |
| 5 | 2回目からはいくらになりますか | 続けるときの計画 |
この5つに具体的な答えが返ってくれば、値段の話はほぼ終わります。逆に、答えが返ってこない項目があるまま進めると、あとから差が出やすくなります。
質問は、施術が始まる前にまとめて聞いてしまうのがおすすめです。着替えたあとや、麻酔クリームを塗ったあとになると、聞きにくい雰囲気になることがあります。
なお、効果が思ったほど出なかったと感じたときに、追加で調整してもらえるのかどうかも、あわせて聞いておくと安心です。追加の調整に費用がかかるのか、期間の決まりがあるのかは、クリニックごとに違います。
会計のときと、手元に残す書類
金額の確認は、会計の場面で終わりになります。ここで残すものを決めておくと、帰国後に困りません。
- 明細を受け取れるか——何をいくらで受けたかが分かる書類です
- 製剤名や単位が書かれているか——次に受けるときの比較の基準になります
- 支払い手段——使えるカードの種類や、現金のみの扱いがあるかを事前に確認しておくと安心です
- 控えの保管——帰国後に日本の医療機関へ相談する場合、受けた内容を説明する材料になります
とくに二番目は、続けて受ける方には大切です。前回の単位と製剤が分かっていれば、次のカウンセリングは「前回と同じで」から始められます。記録がないと、毎回はじめから説明することになります。
次の予定を立てるために、聞いておくこと
ボトックスは、一度受けて終わりという前提の施術ではありません。ですので、当日のうちに次の見通しまで聞いておくと、渡韓の計画が立てやすくなります。
| 質問 | この質問で決まること |
|---|---|
| 効果の出方を判断するのは、いつごろですか | 感想を決めるタイミング |
| 次に受けるとしたら、どのくらい先ですか | 次回の渡韓の目安 |
| そのときも、同じ内容で受けられますか | 次の見積もりの前提 |
| 気になることが出たら、どこへ連絡すればよいですか | 帰国後の窓口 |
四番目は、渡韓して受ける場合にとくに大切です。帰国してしまえば、その場に戻ることはできません。連絡の手段が用意されているかどうかは、値段と同じくらい確認しておきたい項目だと考えています。
日本語では、どこまで確認できるのか
ここまでの5つの質問は、すべて言葉で聞くものです。単位も、製剤名も、税の扱いも、料金表を見ているだけでは分かりません。ですので、日本語がどの段階まで届くかが、そのまま値段の分かりやすさになります。
日本語対応には幅があります。
- 通訳の方がカウンセリングに同席する——単位や製剤名、税の扱いまでその場で確認できます
- 日本語のできるスタッフが受付や案内にいる——予約や当日の案内は問題ありませんが、金額の条件を詰める場面は別のことがあります
- 予約の連絡だけ日本語——会計のときに通じず、その場で確認できないことがあります
金額にかかわる話は、あとから取り返しがつきません。予約の段階で「会計のときも日本語で確認できますか」と聞いておくと、当日の安心感が変わります。
「ナ室長さんの丁寧なカウンセリングを受けて、初めての施術も安心して受けることが出来ました。きちんと日本語も伝わったので、また来院したいと思います。」
案内が丁寧だったという声の多くは、こうした場面での対応について書かれています。金額の説明が日本語で届くかどうかは、施術の説明が届くかどうかと同じくらい大切です。
「受付の方も日本語が堪能ですぐに案内してくれてよかったです。待ち時間も短く良かったです。」
会計後に日本語の明細を受け取れるかどうかも、あわせて確認しておくとよいと思います。手元に記録が残っていれば、帰国後に見返すこともできます。
よくある質問
Q. 口角のボトックスの目安の金額を教えてもらえますか。
このページでは確定した金額を書いていません。単位の数、製剤、組み合わせ、条件つきの価格、税の扱いによって変わるためです。目安を知りたい場合は、カウンセリングで「何単位でいくらか」「税込みか」をセットで出してもらうのが確実です。
Q. 単位が少なければ、必ず安くなりますか。
薬剤の量が減れば、その分の費用は変わります。ただし、必要な単位の数は目的と状態によって医師が判断するものですので、金額を下げるために量を減らすという考え方はおすすめできません。まず必要な量を聞き、そのうえで金額を確認してください。
Q. 製剤の名前を教えてもらえないことはありますか。
教えてもらえるのが一般的です。もし答えが返ってこない場合は、その場で決めずに持ち帰る判断をしてよいと思います。韓国では承認されている医薬品を公的なデータベースで検索できますので、名前が分かれば自分でも確認できます。
Q. ほかの部位と一緒に受けたほうが、得になりますか。
まとめた案内が用意されていることはありますが、必ず安くなるとは限りません。合計金額と、それぞれの部位の内訳を両方出してもらい、比べて判断してください。
Q. 効果が思ったほど出なかったときは、追加できますか。
追加の調整に対応しているかどうか、その場合の費用や期間の決まりは、クリニックによって違います。施術を受ける前に「追加の調整はできますか」「その場合の費用はどうなりますか」を確認しておくことをおすすめします。
※ 本記事は、公開されている日本語の口コミと韓国の法令・公的データベースの情報をもとに、現地から情報を整理したものです。医療上の助言ではなく、特定の医療機関を推奨するものでもありません。施術の適応や費用、リスクについては、必ず医療機関で直接ご確認ください。