韓国のクリニックを選ぶとき、口コミや料金は調べても、そのクリニックが外国人患者を受け入れる資格を持っているかまで確認される方は多くありません。
じつはこれは、韓国の公式サイトで誰でも無料で、登録なしに調べられます。しかも1分ほどで終わります。この記事では、実際の画面を載せながら、どこを押してどこを見るのかを順番に説明します。
この確認は、日本語の情報にはほとんど出てきません。日本国内で書かれた記事は、韓国の公式サイトを実際に操作していないためです。逆に言えば、押す場所さえ分かれば誰にでもできる確認が、そのまま抜け落ちているということになります。
なぜ確認する意味があるのか

韓国では、外国人患者を受け入れようとする医療機関に登録の義務があります。根拠は「医療海外進出および外国人患者誘致支援に関する法律」第6条第1項です。登録の要件には、診療科目ごとの専門医が1名以上いること、賠償責任保険に加入していることなどが含まれます。
つまり登録の有無は、専門医がいるか・保険に入っているかを、韓国の行政が一度確認したかどうかの目安になります。口コミでは分からない部分です。
もうひとつ、登録には2つの区分があります。ここを知っておくと、検索結果を読み違えません。
| 区分 | 何を指すか |
|---|---|
| 誘致医療機関 | 外国人患者を受け入れる医療機関そのもの。行こうとしているクリニックはこちらです |
| 誘致事業者 | 患者を医療機関につなぐ側の事業者。医療機関ではありません |
探しているのは前者です。検索結果に出てきたものが医療機関かどうかは、あとで説明する「기관구분」(機関区分)の欄で見分けられます。
なお、この登録は付加価値税の還付制度の条件にもなっていました。還付制度そのものの期限は2025年12月31日で切れていますが、登録の枠組み自体は続いています。
※ 登録がないクリニックが違法である、という意味ではありません。外国人患者の受け入れを行わないのであれば、登録の義務はありません。あくまで「外国人の受け入れ体制を届け出ているか」の確認です。
調べかた(実際の画面)
手順1 公式サイトを開いて「유치기관현황」を押します
韓国保健産業振興院が運営する メディカルコリア(medicalkorea.or.kr) を開きます。画面の上のほうに並んでいるメニューのうち、赤枠の「유치기관현황」(誘致機関現況)を押します。

このページには全体の数も出ています。撮影した時点では、誘致医療機関4,322か所・誘致事業者2,805か所・合計7,127か所が登録されており、2025年の外国人患者の受け入れ実績は2,011,822人と表示されていました。
手順2 クリニックの韓国語名を入れて「조회」を押します
小さな窓が開きます。入力欄にクリニックの韓国語の名前を入れて、右の「조회」(照会)を押します。

韓国語の名前が分からないときは、グーグルマップやネイバー地図でそのクリニックを検索すると、韓国語の表記が出てきます。それをそのままコピーして貼り付けてください。
一部だけ入れても検索できます。上の画面では「피부과」(皮膚科)と入れています。
検索の画面そのものは、とても簡素な作りです。

入力欄にクリニックの韓国語名を入れると、こうなります。
「조회」の右にある「검색옵션」(検索オプション)を押すと、条件をしぼって探すこともできます。名前だけでうまく見つからないときの逃げ道になりますので、覚えておいてください。
手順3 「상태」の欄を見ます
結果が一覧で出ます。見るべきなのは、左から2つめの「상태」(状態)の欄です。

| 表示 | 読みかた |
|---|---|
| 유지 | 維持。登録が有効な状態です |
| 그 외の表示 | 取り下げ・取消などの場合があります。表示された文字をそのまま翻訳して確認してください |
一覧には「기관구분」(機関区分)と「지역」(地域)も出ます。機関区分は「의원」が日本でいう診療所、「병원」が病院にあたります。地域は「서울」がソウル、「경기」が京畿道、「인천」が仁川です。同じ名前のクリニックが複数ある場合は、この地域の欄で見分けられます。
※ この検索は取り下げ・取消になったものも含めて返ってきます。ですので0件だった場合は「登録の記録がない」と読めます。ただし登録番号や有効期限までは公開されていません。
一覧に出てくる韓国語の読みかた
結果の一覧は韓国語のままです。よく出てくる語だけ拾っておけば読めます。
| 韓国語 | 読みかた | 意味 |
|---|---|---|
| 기관명 | 機関名 | 登録されている正式名称 |
| 상태 | 状態 | 登録が生きているかどうか |
| 유지 | 維持 | 登録が有効な状態です |
| 기관구분 | 機関区分 | 医療機関か、事業者か |
| 의원 | 医院 | 日本でいう診療所にあたります |
| 병원 | 病院 | 日本でいう病院にあたります |
| 지역 | 地域 | 所在する広域自治体 |
| 조회 | 照会 | 検索を実行するボタン |
| 검색옵션 | 検索オプション | 条件をしぼる画面 |
地域の欄には広域自治体の名前が入ります。美容クリニックを探す方が目にしやすいものを挙げておきます。
| 韓国語 | 日本語 |
|---|---|
| 서울 | ソウル |
| 경기 | 京畿道 |
| 인천 | 仁川 |
| 부산 | 釜山 |
| 대구 | 大邱 |
| 제주 | 済州 |
ブラウザの翻訳機能を使えば日本語で表示されますが、翻訳は語によって不安定になります。列の名前だけは韓国語のまま覚えておくほうが、確実に読み違えません。
韓国語の名前をどう調べるか
このサイトは韓国語の名前で検索します。日本語やカタカナの表記では出てきません。名前を調べる方法を、確実な順に並べます。
| 方法 | 手順 | 確実さ |
|---|---|---|
| 地図アプリ | グーグルマップやネイバー地図でクリニックを開くと、韓国語の正式名称が出ます | 高い |
| 韓国語版の公式サイト | ページの下部に、韓国語の正式名称が書かれていることがあります | 高い |
| 領収書や控え | すでに行ったことがある場合、控えに韓国語名が入っています | 高い |
| 予約サイトの表記 | 日本語向けの予約サイトが韓国語名を併記していることがあります | 中くらい |
コピーして貼り付けるのが、いちばん安全です。手で打ち直すと、似た文字を取り違えて0件になることがあります。
もうひとつ、日本語の案内名と韓国語の登録名は一致しないことが多いという点を押さえておいてください。日本語では「◯◯クリニック」と案内されていても、登録上は診療科目と「의원」がついた形になっていることがよくあります。
| 日本語でよく見る表記 | 韓国語の登録名によくある形 |
|---|---|
| ◯◯クリニック | ◯◯의원 / ◯◯피부과의원 |
| ◯◯皮膚科 | ◯◯피부과의원 |
| ◯◯病院 | ◯◯병원 |
| ◯◯クリニック 江南院 | ◯◯의원(支店名は登録名に入らないことがあります) |
検索するときの注意点
支店名まで入れると出ないことがあります。 「◯◯피부과의원 강남점」のように支店名まで入れて0件になるときは、「◯◯피부과」だけで検索し直してみてください。
「의원」と「병원」で表記が違います。 日本語の案内では「クリニック」とまとめられていても、韓国語の正式名称は「의원」で登録されていることが多くあります。
同じ名前が複数出たときは地域で見分けます。 韓国では同じブランド名のクリニックが各地にあります。「지역」の欄で、行こうとしている場所と合っているか確認してください。
うまく出てこないときの対処を、症状ごとにまとめます。
| こうなったら | たぶんこれが原因です | こうしてみてください |
|---|---|---|
| 0件になる | 支店名まで入れている | 支店名を外し、本院の名前だけで検索します |
| 0件になる | カタカナや日本語で入れている | 韓国語の名前をコピーして貼り付けます |
| 0件になる | 「クリニック」の語で探している | 「의원」がついた韓国語の登録名で探します |
| 0件になる | 文字の打ち間違い | 手打ちをやめて、地図アプリからコピーします |
| 件数が多すぎる | 「피부과」だけなど、一般名で検索している | 固有の部分を足すか、「검색옵션」で条件をしぼります |
| 同じ名前が並ぶ | 同じブランドの別の院 | 「지역」の欄で、行く予定の場所と突き合わせます |
| 名前は合うのに場所が違う | 同名の別のクリニック | 地図アプリで住所を確認し、地域が一致するものを選びます |
支店を持つクリニックは、日本の方の口コミでもよく混ざります。
「いつも江南店に行っていましたが、今回初めて明洞で利用しました。先生が施術について一つ一つ丁寧に説明してくれたので安心できました」
「釜山店は行った事あったけど明洞店は初。」
同じブランドでも、店舗ごとにスタッフも設備も違います。口コミを読むときは、どの店舗について書かれたものかを見てください。 登録の確認も同じで、行く予定の店舗がある地域で探す必要があります。エリアごとの違いは江南エリアのガイドと明洞エリアのガイドにまとめました。
登録から分かること、分からないこと
確認できたあと、その結果をどう受け取るかも整理しておきます。ここを混同すると、登録があることを過大に読んでしまいます。
| 登録から分かること | 登録では分からないこと |
|---|---|
| 外国人患者の受け入れを行政に届け出ている | 日本語が通じるかどうか |
| 診療科目ごとの専門医がいることを一度確認されている | 当日どの医師が担当するか |
| 賠償責任保険に加入していることを一度確認されている | 料金が適正かどうか |
| 登録がいまも維持されているか | 施術の内容や、口コミに書かれた体験 |
つまりこの確認は、候補をしぼる材料のひとつであって、それだけで決めるものではありません。登録を確かめたうえで、日本語対応と料金の出し方を別に確認する、という二段構えになります。有名かどうかで選ぶ場合の基準は韓国の有名クリニックを選ぶときの基準に、事前に避けられる失敗は韓国で美容医療を後悔しないためににまとめています。
予約のときに、日本語で確認できること
登録の有無はご自身で調べられますが、そこから先――日本語がどこまで通じるかは、聞いてみないと分かりません。
問い合わせのときに、次の3つを日本語で聞いてみると、対応の段階がかなり見えます。
- カウンセリングは日本語で受けられますか
- 会計のときも日本語で確認できますか
- 通訳の方は常勤ですか、それとも予約が必要ですか
3つめがいちばん差が出ます。常勤の通訳がいるところと、事前予約制のところでは、当日の安心感がまったく違います。
実際に利用された方の声にも、この差は出ています。
「日本語が通じるので安心してカウンセリングや施術を受けられました」
「日本語が話せる方が多いのでスムーズで助かりました」
一方で、こうした声もあります。
「説明がないまま」
日本語対応の見分け方は韓国の美容クリニックは日本語で受けられるかに、クリニック選びの考え方は韓国の美容クリニックの選び方にまとめています。
日本語では、どこまで確認できるのか
登録の確認まではご自身でできます。ここから先――当日どこまで日本語で進むのかには、はっきりと段階があります。
| 段階 | 予約 | カウンセリング | 施術中の声かけ | 会計・明細 |
|---|---|---|---|---|
| 常勤の通訳・日本人スタッフ | 日本語 | 日本語 | 日本語 | 日本語 |
| 通訳が予約制 | 日本語 | 予約した時間のみ | 場合によります | 通じないことがあります |
| 日本語の分かるスタッフが少しいる | 日本語 | 単語が中心 | 短い声かけのみ | 難しい場面があります |
| 翻訳アプリ | 文面のやりとり | アプリ越し | ほとんどありません | 行き違いが起きやすくなります |
実際に受けた方の書き方にも、この段階の差が出ています。
「通訳さんいるので日本人でもやりたいこと伝えれば色々提案してその中で選べます。」
「提案してその中で選べる」というのは、表のいちばん上の段階です。一方で、こう書かれている場合もあります。
「先生やスタッフの方も日本語を少し話せます。」
「少し話せます」は、施術名の確認までは進むけれど、条件を詰める場面では届かないことがある、という段階です。どちらが良い悪いという話ではなく、自分が何を相談したいのかによって、必要な段階が変わります。 費用の条件まで詰めたいのであれば、上の段階が要ります。
「アクセスも良く、安心できるクリニックだと思うので渡韓での美容が初めての方にもおすすめできます。」
はじめての渡韓であれば、登録の確認と日本語の段階の確認を、両方すませておくと安心です。日本語対応の段階は韓国の美容クリニックの日本語対応の段階にくわしくまとめました。
よくある質問
Q. 登録の確認に費用やログインは必要ですか。
必要ありません。メディカルコリアの「유치기관현황」から、誰でも無料で検索できます。
Q. サイトが韓国語しかありませんが、大丈夫ですか。
押す場所と見る場所は決まっていますので、この記事の画面のとおりに進めれば確認できます。ブラウザの翻訳機能を使うと、項目名も日本語で表示されます。
Q. 検索して0件でした。行かないほうがよいですか。
0件は「登録の記録が見つからない」という意味です。外国人患者の受け入れを行っていない場合は登録の義務がありませんので、それだけで問題があるとは言えません。気になる場合は、クリニックに直接確認してください。
Q. 「유지」以外の表示が出ました。
取り下げや取消などの場合があります。表示された韓国語をそのまま翻訳して内容をご確認ください。
Q. 登録があれば日本語が通じますか。
別の話です。登録は外国人患者の受け入れ体制についての届け出であり、日本語対応の有無を保証するものではありません。日本語については予約のときに直接確認してください。
Q. 誘致医療機関と誘致事業者は、どう違いますか。
誘致医療機関は外国人患者を受け入れる医療機関そのもので、誘致事業者は患者を医療機関につなぐ側の事業者です。行こうとしているクリニックを探す場合は、前者にあたるかどうかを「기관구분」の欄で確認してください。
Q. 支店ごとに登録されているのですか。
登録は機関の単位で行われます。同じブランドでも所在地が違えば別の機関として扱われますので、「지역」の欄で、行く予定の場所と一致するかを確認してください。
Q. 韓国語の名前が分からないまま調べる方法はありますか。
「피부과」のように診療科目だけを入れて検索し、地域でしぼり込む方法があります。ただし件数が多くなりますので、地図アプリで韓国語の正式名称をコピーするほうが早く終わります。
Q. 一度確認すれば、それでよいですか。
表示は確認した時点のものです。登録の状態は変わることがありますので、渡韓の直前にもう一度見ておくと確実です。
この記事の情報源
- メディカルコリア(韓国保健産業振興院)「유치기관현황」検索画面/2026年8月31日に実際に操作して撮影
- 医療海外進出および外国人患者誘致支援に関する法律 第6条第1項(誘致機関の登録義務)
※ 本記事は2026年8月31日時点の画面と制度にもとづく案内です。サイトの画面構成や制度は変更される場合があります。個別の医療機関についての判断は、直接お問い合わせのうえご自身でお願いします。