韓国でリジュランを予約しようとすると、同じクリニックのメニューに「機械打ち」と「手打ち」が別々に並んでいて、金額も違う——この時点で手が止まってしまう方が、とても多くいらっしゃいます。
日本語の情報を探すと、どちらが良いという書き方をしているものが見つかります。ただ、実際に韓国のクリニックの料金表を並べてみると、同じ「機械打ち」という言葉でも、クリニックによって指しているものが違うことが分かります。ですので、どちらが優れているかを決めるより先に、目の前のメニューが何を指しているのかを確認するほうが、はるかに実用的です。
この記事では、二つの打ち方の違いがどこにあるのか、料金表を比べるときに何をそろえればよいのか、使われる製剤を韓国の公式サイトでどう確認するのか、そして日本語でどこまで聞けるのかを整理します。金額そのものは、クリニック・時期・量によって動きますので、この記事では書きません。代わりに、金額が決まる仕組みをお伝えします。

「機械打ち」「手打ち」という言い方が指しているもの
まず、この二つの言葉が何を分けているのかを整理します。分けているのは薬剤そのものではなく、入れ方です。
手打ちは、医師や看護師の方が注射器を持って、一か所ずつ手で入れていく方法を指します。入れる深さも、入れる間隔も、施術する方の手の判断で決まります。
機械打ちは、専用の機器に薬剤をセットし、深さと間隔を設定して入れていく方法を指します。機器を肌に当てて動かしていく形になりますので、一定の条件で入っていくことになります。
ここまでは分かりやすいのですが、実務ではもう一段ややこしくなります。クリニックによって、機械打ちのメニューに使う機器も、設定できる項目も違います。 さらに、同じ機器を使っていても「何回押すか」「どのくらいの範囲に入れるか」が違えば、実際に入る薬剤の量が変わります。ですので、「機械打ちですか、手打ちですか」だけを聞いても、比較の材料としては足りません。
聞くべきことは、次の三つです。
| 聞くこと | そのまま使える聞き方 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 入れ方 | 「これは手で入れる方法ですか、機器を使う方法ですか」 | メニューの前提が分かります |
| 薬剤の量 | 「1回で使う薬剤の量は、何本分にあたりますか」 | 金額を比べる土台がそろいます |
| 範囲 | 「顔のどの範囲に入れますか。首や目の周りは別料金でしょうか」 | 追加費用が出るかどうか分かります |
このうち薬剤の量が、いちばん重要です。理由は次の章でお伝えします。
もう一点だけ補足します。日本語の情報のなかには、機械を使う方法を一律に「広い範囲に均一に入る」、手で入れる方法を一律に「気になるところに集中して入れられる」と説明しているものがあります。方向性としては理解しやすい説明ですが、実際にどう入るかは、設定と施術する方の判断で変わります。 ですので、この説明をそのまま自分の場合に当てはめず、「私の肌の状態では、どちらをどういう理由ですすめますか」と、目の前の医師に理由を聞いていただくほうが確実です。
料金表で本当に見るべきなのは、打ち方ではなく「量」です

日本の方が韓国の料金表を見て混乱される最大の原因は、同じ施術名なのに前提となる量が書かれていないことにあります。打ち方の違いよりも、この差のほうが金額に効きます。
金額を動かしている要素を整理すると、次のようになります。
| 要素 | どう効くか | 確認の仕方 |
|---|---|---|
| 薬剤の量 | 1回に使う本数が多いほど金額は上がります | 「1回で何本使いますか」と本数で聞きます |
| 回数 | 単発の価格か、複数回のセット価格かで見え方がまったく変わります | 「これは1回の金額ですか、セットの金額ですか」 |
| 部位 | 顔だけか、首や目の周りを含むかで変わります | 「この金額に含まれる範囲を教えてください」 |
| 麻酔 | 別料金のところと、含まれているところがあります | 「麻酔代は含まれていますか」 |
| 初回価格 | 初回だけの価格が表示されていることがあります | 「2回目以降はいくらになりますか」 |
| 税の扱い | 表示が税込みか税別かはクリニックによって違います | 「この金額は税込みでしょうか」 |
この六つをそろえないまま金額だけを比べると、ほぼ確実にずれます。 安く見えたところが1回分の量が少なかった、というのはよくある話です。逆に、高く見えたところに麻酔と薬が含まれていた、ということもあります。
初回価格にも一言だけ触れておきます。韓国のクリニックの料金表には、初回だけの価格が大きく表示されていることがあります。複数回受けることを考えている場合、初回の金額だけで判断すると総額が想定と合わなくなります。「2回目以降はいくらになりますか」を必ずセットで聞いてください。
比べるときのコツは、金額を先に聞かないことです。「1回で何本、どの範囲に、何回のコースで、麻酔込みでいくらですか」と条件を先に言い切ってから金額を聞くと、そろった数字が返ってきます。手打ちの費用の考え方については手打ちの相場の見方にも整理しています。
使われる製剤が何かは、韓国の公式サイトで確認できます
「何を入れるのか分からないまま受けるのが不安です」というご相談も、よくいただきます。これについては、韓国側に公開されている確認手段があります。
韓国の食品医薬品安全処は、医薬品の承認情報を誰でも検索できる形で公開しています。製品名や成分名を入れて検索すると、製品名・企業名・許可番号・許可日までが一覧で表示されます。

この記事の最初に載せた画面が、その検索結果の例です。ポリデオキシリボヌクレオチドナトリウムを含む製品が、企業名と許可番号、許可日つきで並んでいます。
使い方としては、カウンセリングのときに「使う製品の名前を教えてください」と聞き、その名前を控えて後から検索する、という流れになります。製品名は韓国語ですので、書いてもらうか、写真を撮らせてもらうのが確実です。ここで名前を教えることをためらわれた場合は、その反応自体が一つの判断材料になります。
なお、承認の一覧に載っていることは、その施術がご自身に合うということを意味しません。「韓国で承認された製剤かどうか」が分かるだけです。ご自身に適しているかどうかは、必ず医師の診察でご判断ください。
麻酔の有無で、当日の所要時間が変わります
見落とされやすいのが、当日どのくらい時間がかかるかです。予定を詰めて渡韓される方ほど、ここで無理が出ます。
注射で入れる施術では、麻酔のクリームを塗って効くまで待つ時間が発生することがあります。この待ち時間は施術そのものの時間には含まれませんので、「施術は◯分です」という案内だけを聞いていると、実際の滞在時間と合いません。
聞き方は、「受付から出るまでで、どのくらいを見ておけばよいですか」です。この聞き方であれば、待ち時間も、施術後に少し休む時間も含めた答えが返ってきます。渡韓中は移動もありますので、予定は詰めすぎないほうが安全です。
実際に受けられた方の声には、日本語での聞き取りが丁寧だったことに触れているものがあります。
「アート眉を希望していた友人と来ました。私は肌の施術を希望し、先生と相談してフラクセルをしました。とてもよかったので再訪し、今度はリジュランをしました。日本語を話せる方がいて、毎回丁寧にヒアリングしてくれるのでおすすめです!」
「初めてのクリニックでスキンケアを依頼してみました。少し不安もありましたが日本語が堪能なスタッフも多く、安心してお任せできました。」
当日に追加の提案を受けたときの考え方
韓国のクリニックでは、カウンセリングの場で別のメニューを提案されることがあります。肌の状態を見たうえでの提案であることも多いのですが、予定していた金額から大きく離れてしまうことも起こり得ます。
実際に、こういう声もあります。
「これやるなら、これも足さないと意味ないと言われてどんどん高くなって予定してた金額より倍以上になってしまった😵」
一方で、押し売りがなかったという声も同じくらい見られます。
「カウンセリングのヒョンジュさんがとても親切で、こちらの要望に合わせて提案してくれます。」
同じ国の、同じような立地のクリニックでも、この差が出ます。ですので、提案を受けること自体を警戒するより、自分の側にルールを作っておくほうが実際的です。
- 予算の上限を、渡韓前に金額で決めておきます
- その場で即答せず、「一度考えます」と言えるようにしておきます
- 追加を受ける場合も、当日ではなく次回にまわす選択肢を持っておきます
- 提案されたメニューの名前を控え、後から調べられるようにしておきます
特に有効なのが、「今日はこれだけと決めてきました」と最初に伝えてしまう方法です。カウンセリングの冒頭で予算と目的を先に言っておくと、その範囲での提案になりやすくなります。同じ日に複数の施術を重ねる場合の考え方は同時施術の考え方も参考になさってください。
受けたあとの過ごし方は、予約の前に聞いておきます
注射で入れる施術では、当日から数日の過ごし方について案内が出ることがあります。ところがこの案内は、施術が終わってから口頭で伝えられることが多く、帰国してから「これはしてよかったのだろうか」と分からなくなるという状況が起こりがちです。
ですので、予約の段階か、遅くとも施術前のカウンセリングで、次の項目を確認しておいてください。可能であれば、口頭ではなく紙かメッセージで受け取っておかれると確実です。
| 確認する項目 | 具体的な聞き方 |
|---|---|
| 洗顔とメイク | 「いつから普段どおりで大丈夫でしょうか」 |
| 入浴とサウナ | 「湯船に入れるのはいつからでしょうか」 |
| 運動と飲酒 | 「控えたほうがよい期間はありますか」 |
| 日焼け対策 | 「特に気をつける期間はありますか」 |
| 赤みや腫れが出た場合 | 「どのくらいまでなら様子を見てよいですか」 |
| 帰国後の連絡先 | 「日本語で連絡できる窓口はありますか」 |
いちばん大事なのは、最後の二つです。 現地にいるあいだは担当の方に聞けますが、帰国後は聞ける相手がいません。どこまでが想定内の経過で、どこからが相談すべき状態なのかを先に聞いておくと、帰国後の不安がずいぶん減ります。あわせて、日本国内で相談できる医療機関を調べておかれることをおすすめします。
痛みの感じ方には個人差がありますので、当日つらいと感じたらその場で伝えてください。
そのクリニックが受け入れ登録をしているかは、無料で確認できます
韓国には、外国から来た患者を受け入れる医療機関の登録制度があります。要件を満たして登録した医療機関は、韓国保健産業振興院が運営する公式サイトで誰でも無料で照会できます。

一覧には、状態・商号・代表者名・連絡先・機関区分・地域が並びます。状態の欄が「유지」であれば、その登録が維持されている状態を指します。
この登録があることは、日本語対応の質を保証するものではありません。ただ、外国から来る患者を受け入れる前提で体制を整えているという一つの手がかりにはなります。確認の手順は登録の確認方法で画面ごとに説明しています。
日本語では、どこまで確認できるのか
ここまでお伝えしてきた確認事項は、量・回数・範囲・麻酔・税という、どれも条件を詰める話です。これは施術の説明よりも一段むずかしい日本語のやり取りになります。
日本語対応をうたっているクリニックでも、実際の体制には段階があります。
- 常勤の日本人スタッフや通訳の方がいる——本数や範囲、含まれない費用まで、その場で確認できます
- 日本語の窓口が予約対応のみ——予約は日本語で取れても、当日の説明や会計では通じないことがあります
- 翻訳アプリで対応——大まかな内容は伝わりますが、条件を細かく詰める場面では行き違いが起きやすくなります
見分けるための質問を一つだけ挙げるとすれば、「1回で使う本数と、この金額に含まれない費用を、日本語で説明していただけますか」です。この質問に具体的な数字で返ってくるか、確認しますと返ってくるか、質問自体が伝わらないかで、当日の状況がかなり見えます。
もう一つ、韓国では最初にカウンセラーの方が対応し、そのあとに医師が出てくる流れが一般的です。この流れ自体は珍しいものではありませんが、医師と直接話せる時間があるかどうかは事前に確認しておかれるとよいと思います。予約の問い合わせのときに、日本語で一言添えて確認しておくとよいと思います。
よくある質問
Q. 機械打ちと手打ちでは、どちらが良いのでしょうか。
どちらが優れているかを一律に決めることはできません。入れ方が違うだけで、使う薬剤の量、入れる範囲、回数によって結果も金額も変わります。カウンセリングでは、どちらかを選ぶ前に「私の肌の状態だと、どちらをどういう理由ですすめますか」と理由を聞いてみてください。
Q. 韓国のほうが日本より安いのでしょうか。
金額はクリニック・時期・薬剤の量によって動きますので、比較の数字を書くことはいたしません。比べる場合は、1回に使う本数、範囲、回数、麻酔と税の扱いをそろえてから比べてください。条件がそろっていない比較は、実際の支払額とずれてしまいます。
Q. 何回受ければよいですか。
回数の目安は肌の状態や目的によって変わりますので、断定はできません。ただ料金表を見るときは、その金額が1回分なのか、複数回のセットなのかを必ず確認してください。ここを取り違えると、総額の見積もりが大きくずれます。
Q. 使われる製品が何か、事前に分かりますか。
カウンセリングで製品名を聞き、その名前を控えておけば、韓国の食品医薬品安全処が公開している一覧でご自身で確認できます。ただし、承認されているかどうかが分かるだけであり、ご自身に適しているかどうかは医師の診察でご判断ください。
Q. 渡韓の何日目に受けるのがよいでしょうか。
施術後の経過の出方は個人差がありますので、日数を断定してお伝えすることはいたしません。日程の考え方としては、帰国日の直前ではなく、何かあったときに現地で相談できる日を残しておくほうが安全です。詳しくはリジュランの基本の整理もご覧ください。
※ 本記事は費用が決まる仕組みと確認事項の整理であり、医学的な助言ではありません。施術の適否や効果、リスクについては必ず医師の診察を受けてご判断ください。掲載した公的サイトの内容は執筆時点で確認できたものです。