「手打ちのほうが高いと聞きました」「手打ちの相場は、だいたいどのくらいですか」——リジュランについて調べている方から、この二つはよく一緒に届きます。検索すれば金額らしい数字はいくつも出てきますが、並べてみると幅が大きく、どれを自分の基準にすればよいのか分からなくなります。
先に、いちばん大事なところを書きます。「手打ちの相場」という一つの数字は、現地にもありません。 打ち方が同じでも、使う薬剤の種類、一回に使う量、打つ範囲、そして何回受ける前提なのかによって、提示される金額が変わるからです。「手打ち」という言葉は打ち方を説明しているだけで、金額を決めている条件のうちの一つにすぎません。
ですのでこの記事では、具体的な金額は書きません。条件のそろっていない数字をいくら集めても、比べたことにならないためです。かわりに、金額を組み立てている条件を一つずつ分解して、メニュー表と見積もりのどこを見れば「自分の場合はいくらになるのか」が見えてくるのかを整理します。施術そのものの中身については韓国のリジュランに、注射全般の見積もりの読み方についてはリジュラン注射はいくらにまとめてありますので、あわせてご覧いただければと思います。

「手打ち」とは、どの部分を指している言葉なのか
日本語で「手打ち」と呼ばれているのは、施術者が注射器を持って、一か所ずつ手で刺していく入れ方のことです。これに対して、専用の機械に針を装着し、決まった深さと間隔で連続して刺していく入れ方があります。こちらは「機械打ち」「水光注射器で入れる」といった言い方をされます。
同じ薬剤でも、この入れ方の違いによって、一回にかかる時間、痛みの感じ方、そして料金表での並び方が変わってきます。手で一か所ずつ刺していく方法は、施術者が刺す位置と深さをその都度決めていく作業になりますので、時間と人の手がかかります。金額の差として現れやすいのは、まずこの部分です。
ここで注意していただきたいのは、メニュー表を見ただけでは、どちらの入れ方なのか分からない場合があるという点です。韓国のクリニックの料金表には、薬剤の名前と量だけが書かれていて、入れ方までは書かれていないことがあります。機械の名前が書かれていれば機械打ちだと分かりますが、書かれていない場合は、カウンセリングで直接確認するのが確実です。予約の時点で「手打ちを希望しています」と伝えておくと、当日の行き違いを減らせます。
もうひとつ、「手打ちのほうが必ず高い」とも限りません。使う薬剤の量が少なければ、手打ちでも金額は小さくなりますし、機械打ちでも量が多ければ大きくなります。打ち方だけで高い安いは決まらない、というのがこの記事の出発点です。
「相場」を調べても、数字がそろわない理由
相場を調べたときに数字がばらつくのは、それぞれの数字が指しているものが違うからです。実際に見かける数字には、次のような性格の違いが混ざっています。
一つめは、一回あたりの金額なのか、回数をまとめた金額なのかの違いです。まとめた金額を回数で割れば一回あたりは小さく見えますし、逆に一回だけの金額は割高に見えます。同じクリニックの中でも、両方の示し方が並んでいることがあります。
二つめは、初めて来た方向けの金額なのか、通常の金額なのかの違いです。初回に限った案内は目立つ場所に置かれることが多く、検索したときにも上位で目に入りやすくなります。ところが二回目以降の金額は同じ場所に書かれていないことがあり、そこだけを見て相場だと考えると、続けたときの総額が見えなくなります。
三つめは、その金額に税が含まれているかどうかの違いです。韓国では美容を目的とした施術は課税の対象として扱われており、表示が税込みか税別かはクリニックの方針によって異なります。
四つめは、体験談に書かれた金額がいつのものかという点です。書かれた時期が古ければ、いまの案内とは違っている可能性があります。他の方の体験談は、金額そのものよりも「どういう条件で受けたのか」が書かれているかどうかを見てください。
つまり相場という言葉でひとまとめにされている数字は、条件のそろっていない集まりです。ですので、金額そのものを覚えるよりも、条件をそろえて聞き直す方法を持っているほうが、結果的に損をしにくくなります。
金額を組み立てている6つの条件
手打ちの見積もりは、おおよそ次の六つの条件の組み合わせで決まっています。カウンセリングで金額を聞くときは、この六つを一つずつ埋めていくと、比較のできる形になります。
| 条件 | 何が変わるのか | カウンセリングでの聞き方 |
|---|---|---|
| ① 薬剤の種類 | 同じ名前でも、種類によって想定される使い方が違います | 「どの種類を使いますか。ほかの選択肢もありますか」 |
| ② 一回に使う量 | 量が増えれば金額も増えます | 「今日は何本(何cc)使う想定ですか」 |
| ③ 打つ範囲 | 顔全体か、部分か、首まで含むかで変わります | 「この金額に含まれるのは、どこまでの範囲ですか」 |
| ④ 回数の前提 | 一回の金額か、まとめた金額かで見え方が変わります | 「これは一回の金額ですか、回数をまとめた金額ですか」 |
| ⑤ 初回かどうか | 初回だけの案内は、二回目以降と金額が違うことがあります | 「次に来たときは、同じ金額になりますか」 |
| ⑥ 表示に含まれる範囲 | 麻酔・薬・アフターケア・再診が別料金のことがあります | 「この金額のほかに、当日かかるものはありますか」 |
この表は、そのままメモとして持っていっていただいて構いません。六つの答えが埋まった見積もりであれば、別のクリニックの見積もりと並べたときに、はじめて比較の意味が出てきます。逆に、どれか一つでも空欄のままだと、その部分に差が隠れることになります。
「1回」の中身——薬剤の量と打つ範囲
六つの条件のうち、金額をいちばん大きく動かすのは②の量と③の範囲です。ここを飛ばしたまま「一回いくら」を比べても、ほとんど意味がありません。
量の示し方には、注射器の本数で示す場合と、薬剤の容量で示す場合があります。どちらの示し方であっても、「今日は、どれだけ使いますか」という一言で確認できます。 提示された金額が、あらかじめ決まった量のものなのか、それとも当日の相談で量を決めていくものなのかも、あわせて聞いておくと安心です。量が当日に増えれば、金額も増えます。
範囲については、「顔」という言葉の線引きが人によって違うことに注意が必要です。額と首を含むのか、目の周りを含むのか、頬だけなのか。ここが曖昧なまま進むと、施術のあとで「そこは範囲外でした」という話になりかねません。気になっている場所を、鏡を見ながら指で示して伝えるのがいちばん確実です。言葉が通じにくい場面でも、指し示すことは通じます。
そしてもうひとつ、量を増やす提案を受けることもあります。提案そのものは悪いことではありませんが、その場で決めなければいけないものではありません。 「今日は予定していた量でお願いします」と伝えることは、まったく失礼にあたりません。予算をあらかじめ伝えておくことも、遠慮すべきことではありません。
手打ちと機械打ちは、どこで金額の見え方が変わるのか
二つの入れ方を並べるときに、何がそろっていて何が違うのかを整理しておきます。ここでも金額そのものではなく、金額の見え方が変わる部分を書きます。
| 見る場所 | 手打ちの場合 | 機械で入れる場合 |
|---|---|---|
| 料金表での書かれ方 | 薬剤名と量で示されることが多いです | 機械の名前が一緒に書かれることがあります |
| 一回にかかる時間 | 一か所ずつ刺していくため、時間がかかる傾向があります | 連続して刺していくため、比較的短くなる傾向があります |
| 量の決まり方 | その場で足したり減らしたりしやすい形です | あらかじめ決まった量で組まれていることがあります |
| 追加が起きやすい場面 | 量を足すとき | ほかの施術と組み合わせるとき |
| 見積もりで確認したいこと | 本数(容量)と範囲 | 機械の名前と、薬剤の量 |
この表で言いたいのは、両者は「同じものの高い版と安い版」ではないということです。入れ方が違えば、当日の流れも、量の決まり方も違います。ですので、二つを比べるときは金額だけを横に並べるのではなく、量と範囲をそろえたうえで比べてください。同じ量・同じ範囲でそろえて比べたときに残った差が、入れ方による差だと考えられます。
痛みの感じ方についても、入れ方によって違いが出るところです。この点は痛みについての記事にまとめてありますので、心配な方はそちらもご覧ください。麻酔クリームを使うかどうか、その費用が金額に含まれるかどうかも、見積もりの段階で確認しておきたい項目です。

表示価格に含まれるもの、含まれないもの
見積もりの金額と、当日に支払う金額がずれる原因のほとんどは、この部分にあります。表示に含まれている範囲がクリニックごとに違うためです。
| 項目 | 含まれていることが多いもの | 別になっていることがあるもの |
|---|---|---|
| 麻酔クリーム | 施術料に含む形 | 別料金として案内される場合があります |
| 施術後のケア | 当日のパックや鎮静を含む形 | 追加のケアは別メニューのことがあります |
| 処方される薬 | ― | 別会計になることがあります |
| 再診・経過の確認 | ― | 別料金や、次回の予約が必要な場合があります |
| 税 | 税込みで表示 | 税別で表示され、会計時に加算される場合があります |
税については、韓国の付加価値税法施行令に、美容を目的とした施術が課税の対象として並んでいます。冒頭に載せた法令の画面がその条文で、皮膚の再生を目的とした施術や、しみ・毛穴に対する施術などが具体的に挙げられています。課税されること自体は前提ですので、確認すべきなのは「表示の金額に、その税が含まれているかどうか」です。
聞き方はとても簡単で、「この金額は、税を含んでいますか」の一言で足ります。この質問は失礼にはあたりませんし、韓国では日常的にやりとりされている確認です。会計の場面で驚かないために、カウンセリングの段階で聞いておくことをおすすめします。
当日に金額が動きやすい場面
実際に金額が予定より増えるのは、たいてい決まった場面です。あらかじめ知っておくだけで、その場の判断がずいぶん楽になります。
一つめは、カウンセリングで別のメニューを提案されたときです。肌の状態を見たうえでの提案であることも多いのですが、予約したものと違う金額帯のものを示されたときは、いったん立ち止まってよい場面です。
実際に、こうした声もあります。
「アップセルがしつこかった。
予約したメニューよりも高いものを2つ提示されて、どちらかから選んでくださいと言われた。
元々予約していたものでやりたいですと伝えると、それだとより高くなるから今提示したものの方がいいと言われた。」
このようなときに効くのは、予約したときの画面や金額を見せることです。何を予約したのかが目に見える形で残っていれば、話は早く終わります。予約の記録は、当日まで消さずに残しておいてください。
二つめは、量を足す提案を受けたときです。前の項目で書いたとおり、量は金額に直結します。「今日は予定の量でお願いします」と伝えれば済む話です。
三つめは、組み合わせのメニューを勧められたときです。組み合わせること自体は珍しくありませんが、合計金額と、それぞれの内訳を分けて聞いておくと、あとで比べやすくなります。
一方で、必要な範囲の提案にとどめてくれるクリニックもあります。
「到着すると待つことなく、すぐに案内してくださり、カウンセリングも丁寧で、料金も
良心的なのに施術も大満足です!先生も楽しい方で和みました(^^)」
同じ「提案」でも、受け取り方はずいぶん違います。違いが出るのは、理由が説明されているかどうかと、断ったあとの対応の部分です。
見積もりを受け取ったときに確認する5つのこと
最後に、実務としての確認項目をまとめます。この五つを埋めておけば、その見積もりは他と比べられる形になります。
- これは一回の金額ですか、それとも回数をまとめた金額ですか。 まとめた金額なら、何回分なのかまで聞いてください。
- 今日使う量は、どれだけですか。 本数でも容量でも構いません。数字で答えてもらってください。
- この金額に含まれる範囲は、どこまでですか。 顔の範囲、首を含むかどうかまで確認します。
- 税は含まれていますか。 含まれていない場合、会計でいくら加算されるのかも聞いておきます。
- 次に来たときも、同じ金額ですか。 初回だけの案内である場合、続けたときの総額が変わってきます。
そして、見積もりは総額で受け取ってください。 施術の単価だけでなく、麻酔、薬、当日のケアまで含めた合計を紙か画面で示してもらうと、行き違いが起きにくくなります。数字が目の前にあれば、言葉が完璧に通じなくても確認ができます。
日本語では、どこまで確認できるのか
ここまで書いてきた確認は、すべて言葉のやりとりです。ですので、いちばん現実的な不安は「そもそもこれを日本語で聞けるのか」という点だと思います。
日本語対応をうたっているクリニックでも、その中身には段階があります。金額の話は、施術の説明よりも一段こまかいやりとりになりますので、どの段階の対応なのかを先に知っておくと安心です。
- 通訳や日本人スタッフがカウンセリングに同席する——量や範囲、税の扱いまで、その場で確認できます
- 予約と受付だけ日本語で、施術中は通じない——事前に確認を済ませておく必要があります
- 翻訳アプリでのやりとり——短い質問には向きますが、金額の条件を詰める場面では時間がかかります
実際に利用された方の声を見ると、この差ははっきり出ています。
「日本語が上手な通訳の方が、カウンセリングをサポートしてくれるので不安が少ないです。
また、押し売りではなく、本当に必要な施術を予算の範囲でお勧めしてくれました。」
「丁寧にカウンセリングしてもらい、日本語しか話せない私にはとても良かったです。
常に通訳の方がいたので、安心して受けることが出来ました。
待ち時間もなく、スタッフの方の人数も多いため、スムーズに案内してもらえます。」
予約の段階で「カウンセリングと会計のときも、日本語で確認できますか」と一言聞いておくと、その答え方でどの段階の対応なのかがかなり分かります。日本語対応の見分け方については日本語対応についてにも整理しました。
よくある質問
Q. 手打ちのほうが、機械で入れるより高いのですか。
打ち方だけでは決まりません。同じ量・同じ範囲でそろえて比べたときには、一か所ずつ手で刺していく方法のほうが時間と人の手がかかるぶん、金額に差が出ることがあります。ただし量が違えば、その差は簡単に逆転します。比べるときは、まず量と範囲をそろえてください。
Q. 相場を先に知っておきたいのですが、目安はありませんか。
この記事では金額を書いていません。条件のそろっていない数字をお伝えしても、実際の見積もりとずれてしまうためです。かわりに、カウンセリングで六つの条件を埋めて総額を出してもらう方法を書きました。その総額こそが、ご自身にとっての基準になります。
Q. 予約したメニューと違うものを勧められたら、断ってもよいのですか。
かまいません。「今日は予約したものでお願いします」と伝えるだけで十分です。予約したときの画面や金額を見せると、話が早く済みます。理由を説明したうえで提案してくれるクリニックであれば、断ったあとも対応は変わらないはずです。
Q. 量は、多いほうがよいのですか。
量と結果の関係は、肌の状態やお悩みによって変わりますので、一律には言えません。ここでお伝えできるのは、量が増えれば金額も増えるということと、その判断は医師の説明を聞いたうえでご自身で決めてよいということです。
Q. 表示価格に税が含まれているかは、どう確かめますか。
「この金額は税を含んでいますか」と直接聞くのがいちばん早い方法です。韓国では美容を目的とした施術は課税の対象として扱われていますので、税がかかること自体は前提になります。含まれていない場合は、加算後の総額を出してもらってください。
※ 本記事は、韓国でリジュランを手打ちで受ける場合の金額の決まり方を整理したものであり、具体的な金額や特定の医療機関を示すものではありません。施術の適応・使用する薬剤・回数・費用については、必ず受診されるクリニックでご確認ください。掲載した口コミは、実際に韓国のクリニックを利用された方が公開している日本語の投稿から引用しています。