「せっかく韓国まで行くのだから、リジュランもジュベルックもスキンボトックスも、まとめて受けてしまいたい」——渡韓の日程を組んでいる方から、いちばんよく届くのがこの相談です。三つとも日本語の記事でよく見かける名前で、どれも「肌そのものを底上げする」といった説明のされ方をするため、まとめて受けたくなるのは自然なことだと思います。
ただ、この三つは名前が並んでいるだけで、実際には入れるものが違い、入れる深さが違い、金額の数え方まで違います。 ここを分けずに「全部お願いします」と伝えてしまうと、当日のカウンセリングで話が長くなり、結局その場の判断で決めることになりがちです。
この記事では、金額そのものではなく、三つをどう並べて考えるかを整理します。具体的な料金はクリニックごとに前提が違うため、この記事では扱いません。代わりに、順番・間隔・数え方という、どこで受けても共通して効いてくる部分を書きます。あわせて、使われる製剤が韓国で承認されたものかどうかを、ご自身で確かめる方法もご紹介します。

三つは「入れるもの」も「入れる深さ」も違います
まず、三つの位置づけを分けておきます。ここが混ざったままだと、あとの話がすべて曖昧になります。
| 呼び方 | 使われる製剤の系統 | 案内されることの多い目的 | 量の数え方 |
|---|---|---|---|
| リジュラン | ポリデオキシリボヌクレオチドナトリウムを用いた注射剤 | 肌そのものの状態を底上げする | cc・本 |
| ジュベルック | ポリ乳酸を用いた製剤として案内されるもの | ハリやキメに向けた土台づくり | cc・本 |
| スキンボトックス | ボツリヌストキシン製剤を浅い層に細かく分けて入れる方法 | 毛穴や皮脂、きめの印象 | 単位(ユニット) |
表のいちばん右の列に注目してください。数え方がそろっていません。 リジュランとジュベルックは「何cc入れたか」「何本使ったか」で数えるのに対し、スキンボトックスは「何単位使ったか」で数えます。この時点で、三つを横に並べて「どれが安いか」を比べることには無理があります。
もうひとつ、入れる深さも違います。リジュランやジュベルックは肌の土台に向けて入れるものとして案内され、スキンボトックスは筋肉をしっかり動かす目的ではなく、浅い層に薄く広く入れる方法として案内されます。同じ「注射」でも、狙っている層が違うということです。
それぞれの中身については、韓国のリジュランの種類と回数とジュベルックの仕組みと回数設計で個別にまとめています。この記事は、その三つを同じ日程に並べるときの話に絞ります。
同じ日にまとめて受けられるのか
結論から書きますと、「受けられるかどうかはクリニックの判断による」というのが正直なところです。ここを断定している記事を見かけたら、少し慎重に読んだほうがよいと思います。実際に判断の材料になるのは、次のようなところです。
- 当日の肌の状態 — 乾燥や炎症が強い日は、その日のうちに全部は難しいと言われることがあります
- 部位が重なるかどうか — 同じ場所に別々のものを重ねて入れるのか、部位を分けるのかで話が変わります
- 針を使うものが重なるか — 針を使う施術が続くと、当日の見た目に出る要素が積み上がります
- その日の残り時間 — 麻酔クリームを塗って効くまで待つ時間が、施術ごとに発生します
実際に韓国で受けた方の声にも、その場で相談しながら決めた様子が残っています。
「トリプルトーニングとオンダンリフトを受けました。自分の予算と肌悩みやダウンタイムの期間等に合わせて施術内容を相談しながら決めることができました。」
この方は別の施術の組み合わせですが、予算・悩み・ダウンタイムの三つを並べて相談したという点が参考になります。組み合わせを決めるときに見るべきものが、この三つだからです。
順番はどこで決まるのか
三つを同じ日に受ける場合、順番は基本的にカウンセリングで決まります。ご自身で決めていく話ではありません。ただ、「なぜその順番なのか」を聞いておくことはできます。
聞き方としては、次のような形が伝わりやすいと思います。
- 「今日は、どういう順番で受けますか」
- 「この順番にする理由を教えてください」
- 「途中で休む時間はありますか。全部でどのくらいかかりますか」
順番そのものについては、韓国で複数の施術を受けるときの順番の考え方で別途まとめています。ここで大事なのは、順番を自分で組もうとしないことです。当日の肌の状態を見たうえでの判断なので、事前に決めきることには意味がありません。
「4cc」のような量の表示が意味すること
料金表を見ていると、「◯cc」「◯本」「◯単位」といった数字が並びます。この数字は使った量であって、得られる結果ではありません。ここを取り違えると、後から納得しづらくなります。
実際、量を増やしたのに満足できなかった、という声も残っています。
「リードルブースター4ccしたけど、全く効果なし。」
「結構高かったから他のクリニックで色々出来たなと思い後悔。」
この方は別のスキンブースターについて書いていますが、量が多い=効果が大きい、とは限らないという点は共通しています。カウンセリングでは、量を増やす提案を受けたときに「なぜこの量なのか」「量を増やすと何が変わるのか」を、その場で聞いておくことをおすすめします。答えが返ってこない場合は、その日は決めずに持ち帰る、という選択もあります。
金額の組み立て方そのものについては、同時に受けたときの費用の考え方もあわせてご覧ください。
回数と間隔——一度の渡韓で終わる前提を置かない
三つとも、一度で完結するものとして案内されることは多くありません。回数を重ねる前提で組まれているメニューが一般的です。そうなると、渡韓の日程との相性が問題になります。
確認しておきたいのは、次の項目です。
| 確認すること | カウンセリングでの聞き方 |
|---|---|
| 何回を想定しているか | 「全部で何回受けることを想定していますか」 |
| 次はいつ頃か | 「次はどのくらい空けてから受けるのがよいですか」 |
| 次回も同じ内容か | 「次のときも、今日と同じ内容ですか。変わりますか」 |
| 日本でも続けられるか | 「日本で似た施術を受ける場合、何を伝えればよいですか」 |
| 回数券の期限 | 「まとめて申し込んだ場合、有効期限はいつまでですか」 |
とくに最後の項目は、渡韓でしか受けられない方にとって重要です。まとめて申し込むと一回あたりの金額が下がる案内をされることがありますが、次に韓国へ来られるのがいつかを先に決めていないと、使いきれない可能性があります。
ダウンタイムが重なる、という見落とし
三つを同じ日に受けると、それぞれのダウンタイムも重なります。これは意外と見落とされやすいところです。
| 出やすいもの | 予定に影響しやすい場面 |
|---|---|
| 針のあと・赤み | 撮影のある日、人と会う予定 |
| 内出血 | 化粧で隠しにくい部位に出た場合 |
| むくみ・腫れ | 翌日に大事な予定がある場合 |
| ひりつき | その日のうちの入浴や飲酒 |
どのくらい続くかは、受けた内容と体質によって差があります。期間を数字で断定している情報は、そのまま受け取らないほうが安全です。 渡韓の予定に組み込むときは、施術日と帰国日のあいだに何日あるかを先に確認し、そのうえで「この日程で受けて大丈夫ですか」と聞いてみてください。
使われる製剤を、自分で確かめる方法があります
日本語の情報だけで判断すると、どうしても「そう聞いた」で止まってしまいます。ただ、韓国では医薬品の承認情報が公開されていて、日本にいるうちから誰でも確認できます。

スキンボトックスで使われるボツリヌストキシン製剤を調べると、次のような一覧が出てきます。

ここで分かるのは、同じ製剤でも単位ごとに別の品目として登録されているという点です。スキンボトックスの金額が単位で数えられるのは、この登録の仕方と対応しています。「何単位使いますか」と聞くことに意味があるのは、そのためです。
リジュランに使われる成分についても、記事の冒頭に載せた画面のとおり、複数の企業の製品が承認番号と承認日つきで並んでいます。カウンセリングで製品名を教えてもらえれば、あとから照合することもできます。
施術の分類は、韓国の法令にも書かれています
もうひとつ、金額の見え方に関わる話です。韓国では、美容を目的とした施術は課税の対象として扱われます。これは法令に具体的な施術名まで書かれています。


黄色く示された部分に、皮膚再生術・皮膚美白術・抗老化治療術・毛穴縮小術といった施術名が並んでいます。ここに入るものは課税の対象になりますので、料金表の数字が税込みなのか税別なのかで、支払う金額が変わります。
三つをまとめて受ける場合、金額も大きくなりますから、この差も相応に大きくなります。カウンセリングで金額の話になったときに、「この金額は付加価値税を含みますか」と一言確認しておくと、会計のときに驚かずに済みます。
渡韓の日程には、どう入れるのがよいのか
三つを組み合わせる場合、当日の所要時間は思っているより長くなります。麻酔クリームを塗って効くまで待つ時間が施術ごとに発生しますし、カウンセリングそのものにも時間がかかります。ここを短く見積もると、そのあとの予定が全部ずれます。
日程を組むときに、次の順で考えると整理しやすいと思います。
| 順番 | 決めること | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 帰国日 | 施術日から何日空くかで、受けられる内容の幅が変わります |
| 2 | 施術日 | 帰国日の直前に入れると、当日の見た目のまま飛行機に乗ることになります |
| 3 | 予約の時間帯 | 午前に入れておくと、当日の予定を組み直す余地が残ります |
| 4 | その日の他の予定 | 撮影や会食は、施術日と別の日に置いたほうが安心です |
とくに三番目は見落とされがちです。午後の遅い時間に予約を入れると、カウンセリングが長引いた場合に、その日の他の予定をすべて諦めることになります。実際に受けた方のなかには、出たい時間を先に伝えておいた、という方もいらっしゃいます。
なお、渡韓中に無理なく組めるかどうかは、受ける内容だけでなく、宿からクリニックまでの移動時間にも左右されます。初めての方は、初日に詰め込まず、二日目以降に置いておくと余裕が生まれます。
日本語では、どこまで確認できるのか
ここまで書いてきた確認事項は、どれも言葉が通じることが前提になっています。「順番の理由を聞く」「量を増やす理由を聞く」「税込みか聞く」——これらは、施術の説明より一段こみ入った会話です。
日本語対応をうたっているクリニックでも、対応の中身には幅があります。予約のやりとりだけ日本語で、当日は通訳が入らない、という形もあります。組み合わせを相談する日は、その場で判断する場面が多くなるので、ここは事前に確かめておいたほうが安心です。
実際に受けた方の声には、提案の受け方まで含めて書かれているものがあります。
「私はニキビ跡と毛穴が気になったので、ポテンツァ+赤ちゃん注射をオススメしてもらいました!」
「日本語で詳しくカウンセリングをして頂き、スムーズに施術していただきました!」
組み合わせを決める日は、こうした「相談ができたかどうか」が満足度を左右します。予約の段階で、次のように聞いておくことをおすすめします。
- 「当日は、日本語で相談できる方が同席しますか」
- 「金額の説明も日本語で受けられますか」
- 「施術の途中でも、日本語で伝えられますか」
なお、三つとも「はい」と返ってくるとは限りません。どこまでが日本語で、どこからが翻訳アプリになるのかが分かれば、それで十分です。当日に驚かずに済みます。
よくある質問
Q. 三つを同じ日に受けるのと、日を分けるのでは、どちらがよいのですか。
どちらがよいかは、その日の肌の状態・部位の重なり・残り時間によって変わりますので、一律には決められません。渡韓の日程が短い方は同じ日にまとめたくなりますが、当日の見た目に出る要素が積み上がる点は先に確認しておいたほうが安全です。カウンセリングで「今日まとめて受けた場合、明日はどう見えますか」と聞いてみてください。
Q. 料金表を三つ並べて比べたのに、どれが安いのか分かりません。
数え方がそろっていないためです。リジュランやジュベルックはccや本で、スキンボトックスは単位で数えられることが多く、そもそも同じ物差しに乗っていません。比べる場合は、金額ではなく「一回あたり何を何回受けるか」をそろえてから並べてみてください。
Q. 量を増やすと、それだけ効果も上がりますか。
量は使った分量を表す数字であって、結果を保証するものではありません。増やす提案を受けたときは、その場で「増やすと何が変わりますか」と聞いて、説明を聞いたうえで判断されることをおすすめします。
Q. 使う製剤の名前を、事前に知ることはできますか。
カウンセリングで製品名を教えてもらえることがあります。教えてもらえた場合は、韓国の食品医薬品安全処が公開している承認一覧で、承認番号や承認日まで確認できます。日本にいるうちから調べられますので、気になる方は事前に見ておくとよいと思います。
Q. 帰国後に何かあった場合は、どうすればよいですか。
受ける前に、連絡先と連絡手段を確認しておいてください。「帰国後に気になることがあった場合、どこに連絡すればよいですか」「日本語で連絡できますか」の二点を聞いておくと、あとで困りにくくなります。あわせて、当日に受けた施術名と使った量を控えておくと、日本の医療機関に相談するときにも役立ちます。
※ 本記事は、韓国で公開されている法令および医薬品の承認情報を確認したうえで、施術の選び方を一般的に整理したものです。医学的な助言ではなく、特定の施術や医療機関をおすすめするものでもありません。実際に受けるかどうかの判断や、体質・既往歴にかかわる相談は、必ず医療機関でお願いいたします。