「ジュベルックとポテンツァを同じ日にまとめて受けたいのですが、値段はどのくらいになりますか」——渡韓前のご相談で、ここ最近とくに増えているのがこの組み合わせについての質問です。片方は注射で入れていくスキンブースター、もう片方は極細の針と高周波を使う機器の施術として案内されていますので、狙っている層も、必要になる回数の考え方も違います。だからこそ「せっかく渡韓するのだから、まとめて受けたほうが効率がよいのでは」と考える方が多いのだと思います。
ところが調べはじめると、金額がまったくそろいません。二つを単純に足した数字が出てくることもあれば、まとめると割安になると書かれていることもあり、逆に「同じ日には受けないほうがよい」と書かれていることもあります。読めば読むほど分からなくなる、という声をよくいただきます。
理由はわりとはっきりしています。この二つは、そもそも料金を数える単位が違うからです。 片方は「どれだけ入れたか」で、もう片方は「どこに、どれだけ当てたか」で数えます。単位の違うものを足し算した結果を横に並べているので、数字がそろわないのはむしろ当然でした。
この記事では、具体的な金額は書きません。金額はクリニック・メニュー・時期によって動きますので、ここに数字を書いてもすぐ古くなりますし、実際に提示される見積もりのほうがはるかに正確です。かわりに、見積もりがどういう順番で組み立てられているのかを分解します。組み立ての順番が分かっていれば、カウンセリングで出てきた数字をご自身で読み解けるようになります。

まず、韓国ではどちらも「課税される施術」に入ります
値段の話に入る前に、前提をひとつだけ確認させてください。韓国の付加価値税法施行令の第35条には、美容を目的とした施術の名前が具体的に並んでいます。上の画像がその原文です。皮膚再生術、毛穴縮小術、抗老化治療術、シミ治療術、ニキビ治療術といった表現が並んでいます。
ここに分類される施術は、韓国では税がかかる扱いになります。つまり、提示された金額が税込みなのか税別なのかで、最終的に支払う額が変わります。 二つの施術をまとめて受ける場合、金額そのものが大きくなりますので、この差も比例して大きくなります。
「一緒に受けるといくらですか」と聞く前に、「その金額は税込みですか」と一言添えていただくだけで、あとから生じる想定外の差をかなり防げます。
数え方の単位が、そもそも違います
二つの施術は、料金の数え方の考え方から違います。整理すると、次のようになります。
| ジュベルック | ポテンツァ | |
|---|---|---|
| 大きな分類 | 注射で入れるスキンブースター | 針と高周波を使う機器の施術 |
| 何を単位に数えるか | 入れた量(本数・容量) | 当てた範囲と回数(部位・ショット) |
| 変わりやすい条件 | 製剤の種類、希釈のしかた、入れる層 | 使う針の種類、当てる部位、出力の設定 |
| 回数の考え方 | 数回に分けて間隔をあけることが多い | 数回に分けて間隔をあけることが多い |
| 料金が動く主因 | 量が増えれば金額も動きます | 範囲が広がれば金額も動きます |
この表で伝えたいのは、「一回いくら」で固定されている施術ではないという点です。同じ名前のメニューでも、量や範囲が変われば金額が変わります。ですので、他の方の口コミに書かれていた金額と、ご自身に提示される金額が違っていても、それだけでは高い・安いの判断はできません。
それぞれの施術そのものについては、ジュベルックの内容と回数の考え方とポテンツァの内容・痛み・ダウンタイムのページで詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。
見積もりが組み立てられる順番
カウンセリングで金額が提示されるまでの流れは、多くの場合こういう順番になります。順番を知っておくと、どこで数字が動いたのかが分かります。
第一段階:悩みの確認。 どこが気になるのか、いつまでにどうなりたいのかを聞かれます。ここで渡韓の日程を伝えておくと、そのあとの提案が現実的なものになります。
第二段階:施術の割りふり。 悩みに対して、どの施術をどの役割で使うかが決まります。二つを組み合わせる提案が出てくるのは、たいていこの段階です。
第三段階:量と範囲の決定。 ここが金額を決める中心です。どれだけ入れるのか、どこまで当てるのか。この二つが決まらないかぎり、金額は出てきません。
第四段階:回数の設計。 一回で終える形にするのか、複数回に分けるのか。分ける場合は、渡韓のたびに受けるのか、次回以降は日本で続けるのかまで含めて考えることになります。
第五段階:付帯するものの確認。 麻酔、施術後のケア、処方される薬、次の来院が必要かどうか。ここが見積もりに含まれているかどうかは、クリニックによって扱いが違います。
つまり、金額が出てくるのは第三段階以降です。 それより前の時点で「いくらですか」と聞いても、正確な答えが返ってこないのは仕組み上そうなっているためです。
まとめて提示されたときに、何がまとまっているのか
二つの施術を同じ日に受ける場合、見積もりが一つの数字にまとめられて出てくることがあります。このとき、何がまとまっていて何が残っているのかを分けて考えると、比較ができるようになります。
| 項目 | まとまりやすいもの | 別に残りやすいもの |
|---|---|---|
| 施術そのもの | 二つ分をひとつの提示にまとめる形 | 施術ごとに分けた提示のまま |
| 麻酔 | 一回分にまとめられることがあります | 施術ごとに必要になる場合があります |
| 施術後のケア | まとめて含まれることがあります | 追加のメニューとして別立てのことがあります |
| 処方される薬 | 含まれることは多くありません | 別会計になることが一般的です |
| 再診・経過確認 | 含まれる場合があります | 次回来院時に別途となる場合があります |
| 税の扱い | 全体に対してかかります | 表示が税別のままのことがあります |
大切なのは、「まとめると安くなる」という言い方だけでは、何が安くなったのか分からないという点です。施術そのものの提示が変わったのか、付帯するものが含まれるようになったのか。この二つはまったく意味が違います。前者は内容が同じまま金額が動いたということですが、後者は含まれる範囲が変わったということですので、比較の土台が変わります。
追加の提案が出てきたときの受け止め方
同じ日に二つを受ける相談をすると、その場でもう一つ提案が加わることがあります。これは韓国のクリニックにかぎった話ではありませんが、渡韓中は「せっかくだから」という気持ちが働きやすく、金額が想定を超えやすい場面ではあります。
実際の利用者の声を見ると、この場面の受け止め方には幅があります。
「アクアピールで予約し診察した結果LDMも一緒にと勧められてうけたので料金が予定よりも高くなりましたが皆さんとても親切で施術も気持ちよく満足です。」
この方は、金額が予定より上がったことをきちんと認識したうえで、その内容に納得されています。問題は金額が上がったこと自体ではなく、上がった理由を理解しないまま進むことです。
一方で、こういう声もあります。
「自分に必要か不必要な施術か最適なものをきちんと答えて下さります。他メニューの強要などもありません。」
「とてもカウンセリングが丁寧でした。伝えた悩みと予算をお伝えした中で、どの施術があっているかをご提案していただけました。」
共通しているのは、予算を先に伝えているという点です。金額の上限を最初に言葉にしておくと、提案そのものがその範囲で組み立てられます。「予算はこのくらいで考えています。その中で優先順位をつけてもらえますか」という伝え方は、断る手間も減らしてくれます。
もし提案された内容が予算を超える場合は、その場で全部を決めなくても構いません。「今日はこちらだけにして、残りは次の渡韓のときに考えます」と伝えるのは、まったく失礼にあたりません。施術を受ける順番の考え方については、どの施術から受けるとよいかのページでも整理しています。
表示されている金額の外にあるもの
見積もりの数字だけを見比べていると、抜けやすい項目があります。総額で考えるために、次のものを確認しておくと安心です。
| 確認すること | 聞き方の例 |
|---|---|
| 税の扱い | この金額は付加価値税を含んでいますか |
| 麻酔 | 麻酔のクリームや注射は含まれていますか |
| 施術後のケア | 当日のケアと、持ち帰る薬は含まれていますか |
| 追加が生じる場面 | 当日、量や範囲が増える可能性はありますか |
| 次の来院 | 経過を見る来院は必要ですか。その費用はどうなりますか |
| 支払いの手段 | 現地通貨・カードのどちらで支払えますか |
とくに四つ目の「当日、量や範囲が増える可能性はありますか」は、事前の見積もりと当日の会計がずれる原因になりやすい部分です。実際に診てからでないと決められないことは確かにありますが、どういう場合に増えるのかだけでも先に聞いておけば、心の準備ができます。
会計までの流れがはっきりしているクリニックでは、この段階で戸惑うことは少ないようです。
「院内はとても清潔でインテリアもおしゃれ。到着してから案内・説明・会計まで全てがスムーズで、待ち時間がほとんどなく快適でした。」
数字をそろえて比べるための整理表
複数のクリニックで見積もりをもらった場合、そのままでは比較になりません。次の項目に分解してから並べると、はじめて同じ土俵に乗ります。
- 施術ごとに、何をどれだけ(量・範囲)
- 回数を何回として計算しているか
- 麻酔が含まれているか
- 施術後のケアと薬が含まれているか
- 税込みか税別か
- 次の来院の費用がどうなるか
この六つがそろって、はじめて「どちらが自分の条件に合うか」が見えてきます。逆に言えば、この六つのうち一つでも不明なままの見積もりは、比較の材料にはなりません。 値段の決まり方そのものについては、ジュベルックの値段がどう決まるかのページでさらに細かく分解していますので、あわせてお読みいただくと分かりやすいと思います。
同じ日にまとめる前に、決めておきたいこと
金額の話とは別に、日程の面でも先に決めておいたほうがよいことがあります。
帰国日までの余裕です。 二つの施術を同じ日に受けると、肌の反応が重なります。どのくらいで落ち着くかは個人差が大きいところですので、帰国の前日に詰め込む形は避けておくほうが安心です。
優先順位です。 「どちらか一つしか受けられないとしたら、どちらを選びますか」という質問に、ご自身で答えを持っておいてください。当日に時間や体調の都合で片方だけになった場合、その場で迷わずに済みます。
次の渡韓の予定です。 回数を分ける設計になった場合、次にいつ来られるかで組み立てが変わります。半年後なのか、一年後なのか、あるいは未定なのか。ここを伝えておくと、提案の現実味が変わってきます。
「同じ日にまとめる」以外の組み方もあります
ご相談を受けていて感じるのは、「同じ日にまとめる」以外の選択肢が最初から検討されていないことが多い、という点です。渡韓の日程は限られていますので、そう考えるのは自然なのですが、組み方はいくつかあります。
一つ目は、日を分ける組み方です。 二泊三日の滞在でも、初日と最終日に分けることはできます。同じ日に重ねるより肌の反応が読みやすくなりますし、初日の様子を見てから二つ目の内容を微調整してもらえる可能性もあります。金額の面では、日を分けたからといって高くなるとはかぎりません。まとめた提示が受けられなくなる場合もありますので、そこは確認が必要です。
二つ目は、今回は片方だけにする組み方です。 初めての渡韓であれば、これがいちばん安全だと思います。どちらか一方を受けてみて、痛みの感じ方、肌の反応、クリニックとの相性を確かめてから、次の渡韓でもう一方を足す。この組み方であれば、合わなかったときの損失が半分で済みます。
三つ目は、範囲を絞る組み方です。 二つとも受けたいけれど予算に収めたい場合、それぞれの範囲を狭めるという調整のしかたがあります。顔全体ではなく気になる部分だけに絞る、という形です。ただし範囲を狭めると仕上がりの印象が変わることもありますので、その点はカウンセリングで確認してください。
どの組み方を選ぶにしても、「今回の渡韓で何を確かめたいのか」を先に決めておくと、判断がぶれません。効果を確かめたいのか、クリニックとの相性を確かめたいのか、それとも短期間で仕上げたいのか。目的によって、最適な組み方は変わります。
日本語では、どこまで確認できるのか
金額の話は、施術の説明よりも一段むずかしい話題です。数と条件が組み合わさりますし、あとから「そういう意味だと思わなかった」では取り返しがつきません。日本語対応をうたっているクリニックでも、対応の中身には幅があります。
- 常勤の日本人スタッフや通訳の方がいる——量・範囲・税の扱いまで、その場で確認できます
- 予約の窓口だけが日本語対応——当日の会計の場面では通じないことがあります
- 翻訳のしくみで対応——施術の説明はできても、金額の条件を詰める場面では行き違いが起きやすくなります
確認のしかたとして確実なのは、予約の段階で文字に残しておくことです。「会計のときも日本語で確認できますか」と一言送っておけば、その返事の書き方だけでも、日本語対応がどの段階までのものかがかなり分かります。日本語対応の見分け方については、日本語対応の実際のページで詳しくまとめています。
もうひとつ、当日に使える方法があります。提示された金額を、その場で紙かスマートフォンの画面に書いて見せていただくことです。数字は言葉より誤解が生まれにくいので、言語に自信がない場合でも確実に確認できます。
よくある質問
Q. 二つを同じ日に受けると、合計金額は安くなりますか。
まとめて提示される形になるクリニックもありますが、必ず安くなるとはかぎりません。大切なのは、まとまったことで何が含まれるようになったのかを確認することです。施術そのものの提示が変わったのか、麻酔やケアが含まれるようになったのかで、意味がまったく違います。
Q. 事前にメッセージで金額を教えてもらえますか。
おおよその範囲を教えてもらえることはあります。ただし、金額は入れる量や当てる範囲が決まってはじめて確定しますので、実際に診てからでないと最終的な数字は出てきません。事前に聞いた数字は「目安」として受け取り、当日にあらためて確認してください。
Q. 当日になって金額が上がることはありますか。
量や範囲が当日に決まる施術ですので、その可能性はあります。防ぐ方法は二つあります。ひとつは予算の上限を最初に伝えておくこと。もうひとつは「当日に増える可能性がある場合は、その前に一度説明してください」と先に頼んでおくことです。
Q. 回数はまとめて申し込んだほうがよいですか。
渡韓の頻度によります。次にいつ来られるか分からない場合、まとめて申し込んだ分を使い切れないことがあります。有効期限があるかどうか、途中で受けられなくなった場合にどうなるかを、申し込む前に必ず確認してください。
Q. 日本で受ける場合と比べるには、何を見ればよいですか。
金額だけを並べても比較にはなりません。同じ量・同じ範囲・同じ回数に条件をそろえたうえで、渡航にかかる費用と日数を足して考えてください。そのうえで、経過を見てもらう来院がどちらで可能かという点も、判断の材料になります。
※ 本記事は、韓国で提示される見積もりの組み立て方を整理したものであり、特定のクリニックや施術をすすめるものではありません。金額・メニュー・回数の設計はクリニックごとに異なります。実際の施術の適否や費用については、必ず医療機関でご確認ください。