韓国のアートメイクは免税の対象だったのか|条文の一覧と、いま美容クリニックの会計で確認すること【2026年】

日本語・サポート公開日:2026-08-31 最終更新:2026-08-31

「韓国でアートメイクを受けたら、税金が戻ってくると聞きました」——渡韓の準備をしている方から、こういうご質問をいただくことがあります。日本語で書かれた案内のなかに「免税」という言葉が出てくるためです。

先に結論を書きます。この還付制度の根拠となる韓国の法律の条文には「2025年12月31日まで」と書かれており、2026年8月31日時点で確認できる最新の条文にも、延長の規定は見当たりません。 ですので、いま渡韓してアートメイクを受けても、この制度による還付は受けられない状態です。

そのうえで、この記事では「どういう組み立てだったのか」を条文にそって整理します。仕組みを知っておくと、いま目の前にある案内が古い情報なのかどうかを、自分で見分けられるようになるからです。そして後半では、制度が使えない前提で、会計の前に何を確認すればよいのかを書きます。免税という言葉そのものの整理は韓国の美容医療の免税はいつまでかにまとめてあります。

付加価値税法施行令の法令ヘッダー
韓国「付加価値税法施行令」。美容を目的とした施術がどう扱われるかは、この法令に定めがあります

条文の一覧に「タトゥー術」は並んでいます

まず、アートメイクが税のうえでどう扱われているかからです。

韓国では、治療が目的の医療には付加価値税がかかりません。 一方で、美容が目的の施術には付加価値税がかかります。 どの施術が課税されるのかは「付加価値税法施行令」の第35条が決めています。第1号は「医師などが提供する医療は非課税」と定めたうえで、ただし書きで「次のものは除く」——つまり課税になるもの——を並べる形になっています。

付加価値税法施行令第35条第1号ナ目。課税対象の施術名が黄色で強調されている
黄色く示した部分。色素母斑・そばかす・黒色点・シミ治療術、ニキビ治療術、脱毛術、薄毛治療術、植毛術、タトゥー術およびタトゥー除去術、ピアッシング、脂肪溶解術、皮膚再生術、皮膚美白術、抗老化治療術および毛穴縮小術

この一覧のなかに「문신술 및 문신제거술」——日本語にすると「タトゥー術およびタトゥー除去術」——が入っています。アートメイクは、条文の言葉に置き換えるとこの分類にあたります。

つまり、アートメイクは課税される側の施術という整理です。そして還付制度は「付加価値税が免除されない医療」、すなわち課税されている分を外国人観光客に返す仕組みでしたので、制度が生きていた時期には、対象になる側に入っていたということになります。どの施術が課税の側だったのかの一覧は韓国の肌管理は免税の対象だったのかにまとめました。

条文の韓国語表記日本語にすると日本でよく言う呼び名
문신술タトゥー術アートメイク
문신제거술タトゥー除去術アートメイクの除去
피어싱술ピアッシングピアスの穴あけ
제모술脱毛術医療脱毛
기미 치료술シミ治療術シミ取り
※ この対応は、条文の言葉と一般的な呼び名を並べたものです。個別の施術がどの分類にあたるかの最終的な判断は、施術を行う医療機関が行います。

ただし、還付の期限は2025年12月31日で切れています

課税される側だったからといって、いま還付が受けられるわけではありません。還付制度そのものに期限があるためです。

根拠は「租税特例制限法(조세특례제한법)」という法律の、第107条の3にあたる条文です。

租税特例制限法第107条の3の条文原文。期限部分が黄色で強調されている
第107条の3。黄色く示した部分に「2025년 12월 31일까지(2025年12月31日まで)」と書かれています

黄色く示した部分が期限です。韓国語で「2025년 12월 31일까지」、日本語にすると「2025年12月31日まで」となります。この日までに提供を受けた医療について還付できる、という書き方です。

大事なのは、廃止されたのではなく、延長されていないという点です。条文は法律に残っていますが、適用の期限が切れたまま、延長の改正が入っていない状態です。この制度は過去に何度も期限つきで延長されてきた経緯がありますので、今後どうなるかは、この記事の執筆時点では分かりません。

「もう終わった」という情報も、「まだあるはず」という情報も、どちらもこの状態の一面を見て言っているものだと考えられます。

対象は「登録した医療機関」に限られていました

アートメイクの場合、もう一つ知っておいていただきたい条件があります。制度が生きていた時期であっても、どこで受けても対象になったわけではありません。

条文では、対象になる医療機関は「医療海外進出および外国人患者誘致支援に関する法律にもとづき登録した医療機関」とされていました。つまり、韓国で外国人患者の受け入れ機関として登録の手続きを済ませた医療機関に限られていた、ということです。

ここがアートメイクで見落とされやすいところです。同じ「アートメイク」という言葉で案内されていても、受ける場所の種類はさまざまです。登録した医療機関で受けるのか、そうでないのかによって、制度が生きていた時期でも扱いが分かれていました。

登録の有無は、韓国政府が公開している公式サイトで、誰でも無料で確認できます。

メディカルコリア公式サイトのトップ画面。登録機関数と外国人患者の受け入れ実績が表示されている
韓国保健産業振興院が運営する公式サイト。外国人患者の受け入れ登録をした医療機関は、ここで誰でも無料で確認できます

公式サイトでは、登録した医療機関の一覧を照会できます。韓国語のみのサイトですが、押す場所と入力する場所は決まっていますので、韓国語が読めなくても確認できます。

この確認は、還付制度とは関係なく、いまでも意味があります。行き先が外国人患者の受け入れ登録をしているかどうかは、何かあったときの連絡経路を確かめる材料にもなるからです。確認の手順は韓国のクリニックの登録を確認する方法にまとめました。

「免税」という言葉には、三つの別のものが混ざっています

渡韓すると「免税」という言葉を一日のうちに何度も見かけます。ところが、それぞれ指しているものが違います。

見かける場面何の話なのかアートメイクとの関係
空港や街の免税店買い物にかかる税の制度です医療とは別の制度です
クリニックの「非課税」表示治療目的の医療に税がかからないという意味です美容目的のアートメイクは課税される側です
外国人観光客向けの還付課税された分を返す制度です期限が2025年12月31日で切れています

この三つが日本語ではどれも「免税」と訳されるため、混ざって伝わります。目の前の案内がどれを指しているのかを見分けるだけで、かなり整理されます。 この見分け方は韓国の美容皮膚科で「免税」と言われたらにも書きました。

いま、会計の前に確認する四つのこと

制度が使えない状態である以上、費用の見方を切り替えたほうが安全です。確認することは、次の四つに絞られます。

  1. 表示が税込みか税別か — 「この金額に付加価値税は含まれていますか」
  2. 今日払う合計 — 「今日払う合計はいくらになりますか」
  3. 別料金になるもの — 「麻酔や、持ち帰る薬は別料金ですか」
  4. 明細 — 「明細をもらえますか」

韓国のクリニックの価格表示は、税込みのところと税別のところが混在しています。以前は「あとで還付されるから」と考える余地がありましたが、いまはその前提が使えません。カウンセリングの場で一言確認するだけで、想定外の差を防げます。

そして、アートメイクにはもう一つ、金額を動かす条件があります。リタッチが含まれるかどうかです。色の残り方には個人差がありますので、一度で仕上げきらず、あとで足す組み立てになることがあります。

  1. リタッチの条件 — 「この金額に、リタッチは何回まで、いつまで含まれますか」

税の話と回数の話は別ですが、どちらも「結局いくら払うのか」を決める条件という点では同じです。片方だけ確認しても、総額は見えてきません。

「免税されます」と書かれた案内を見かけたら

日本語で書かれた案内記事のなかには、制度があった時期に書かれたまま更新されていないものが残っています。判断の手順は簡単です。

  • 書かれた日付を見ます — 2025年より前のものであれば、いまの状況とは違う可能性があります
  • どの免税の話かを見ます — 買い物の話なのか、医療の還付の話なのかで別の制度です
  • 登録医療機関という条件に触れているかを見ます — 触れていない案内は、制度の一部しか説明していないことになります

もう一つ、見分けの材料になるのが金額の書き方です。還付を前提にした案内は、「実質いくらになります」という言い方をしていることがあります。この「実質」という言葉が出てきたら、何を差し引いた後の数字なのかを確かめてください。還付の分を差し引いた金額であれば、いまはその前提が使えません。

そのうえで、その場で聞いてしまうのがいちばん早いと思います。「この案内にある免税は、いまも受けられますか」と尋ねて、答えがはっきりしない場合は、還付を前提にしない金額で判断してください。

除去のときも、同じ考え方になります

条文の一覧には「문신술」だけでなく「문신제거술」——タトゥー除去術——も並んでいます。つまり、入れるときも消すときも、税のうえでは同じ課税される側という整理です。

除去を考えている方に、費用の面でお伝えしておきたいことがあります。除去は、一度で終わるとはかぎりません。 入っている色の濃さ、範囲、深さによって回数が変わりますので、「一回いくら」という金額だけでは総額が見えてきません。ですので、聞く順番は入れるときと同じになります。

  1. 範囲を確定します — 「どこからどこまでを消す想定ですか」
  2. 回数の見込みを聞きます — 「何回くらいかかる見込みですか」
  3. 一回ごとの金額と、間隔を聞きます — 「次はどれくらい空けますか」
  4. 税と付帯を確定します — 「この金額に付加価値税は含まれていますか」

とくに三つめの「間隔」は、渡韓の回数に直結します。次の回までに期間を空ける必要がある場合、一度の渡韓では終わらないことになりますので、日程と航空券の計画にも関わってきます。

※ 何回必要になるかは、実際の状態を診察したうえでの判断になります。回数の見込みは、あくまで見込みとして受け取ってください。

帰国してから見返すために、残しておくもの

還付が受けられるかどうかにかかわらず、記録は残しておく価値があります。制度が今後どうなるかは分かりませんし、次に来るときの基準にもなるからです。

  • 明細 — 何にいくら払ったかが分かります。税込みか税別かも、ここで確認できます
  • 施術名の控え — 日本語の呼び名と、可能であれば韓国語の表記も
  • 使った色素や薬剤の名前 — 次回同じものを選ぶかどうかの判断に使えます
  • リタッチの条件 — 何回まで、いつまでかを書いたもの
  • クリニックの連絡先 — 帰国後に気になることが出たときの窓口です

日本の医療機関に相談する場合も、この控えがあると話が早く進みます。「韓国で何かを受けた」ではなく「いつ、何を、どこに、どれだけ受けた」と言えることが大切です。

日本語では、どこまで確認できるのか

税や費用の話は、施術の説明よりも一段むずかしい話題です。日本語対応をうたっているクリニックでも、対応の中身には幅があります。

段階施術の説明税・金額の内訳追加を断る
常勤の日本人スタッフ・通訳がいる日本語で受けられますその場で確認できます意思を伝えられます
通訳が予約制予約した時間のみ日本語です会計の時間に通訳がいないことがあります難しい場面があります
日本語の分かるスタッフが少しいる単語が中心になります数字は通じます理由まで伝えるのは難しくなります
翻訳アプリアプリ越しになります数字は伝わります行き違いが起きやすくなります

金額の数字を聞き取るだけなら、どの段階でもできます。差が出るのは、税込みかどうかを確かめる場面と、追加を保留する場面です。どちらも「はい/いいえ」だけでは終わらないやりとりになります。

実際に韓国のクリニックを利用した方の声にも、この差ははっきり出ています。

「初めて行きましたが日本語通訳が常時いて安心でした。
受付、カウンセラー、先生共に丁寧。

施術中何があれば通訳スタッフが来てくれたので助かった。」

「受付からカウンセリングまでとても丁寧に対応してくださいました!

カウンセリングは通訳さんもついていて安心してカウンセリングすることができました!」

説明を受けたうえで納得できたという声も、多く見られます。

「初めて来店して分からないことが多かったのですが丁寧に説明をしていただいて安心して任せられました。アクアピーリング、ララピーリング、LDM6分をしました。とても満足しました。」
「丁寧に接客してくれて良かったです。安心して施術を受けることができました。施設もとても綺麗です。説明も分かりやすかったです。また来たいと思いました。」

費用にかかわる話は、あとから取り返しがつきません。予約の段階で「会計のときも日本語で確認できますか」と聞いておくことをおすすめします。この一言に対する答え方で、そのクリニックの日本語対応がどの段階までのものか、かなり分かります。

よくある質問

Q. 2026年にアートメイクを受けた場合、還付は受けられますか。

条文上の期限は2025年12月31日までとなっており、2026年8月31日時点で確認できる最新の条文にも延長の規定は見当たりません。したがって、現時点では受けられない状態です。

Q. アートメイクは、そもそも対象になる施術だったのですか。

条文のうえでは対象になる側でした。付加価値税法施行令第35条の課税対象の一覧に「문신술 및 문신제거술(タトゥー術およびタトゥー除去術)」が並んでいます。還付制度は課税されている分を返す仕組みでしたので、課税される側の施術が対象という組み立てでした。

Q. どこで受けても対象だったのですか。

いいえ。条文では、外国人患者の受け入れ機関として登録した医療機関で受けた医療が対象とされていました。登録の有無は、韓国政府が公開している公式サイトで無料で確認できます。

Q. 空港で手続きする免税とは違うものですか。

違います。買い物の免税や還付は別の制度にもとづくもので、ここで説明しているのは医療を受けた場合の付加価値税の還付についての規定です。日本語ではどちらも「免税」と訳されるため、混ざって伝わりやすくなっています。

Q. いま費用を確認するときは、何を聞けばよいですか。

「この金額に付加価値税は含まれていますか」「今日払う合計はいくらになりますか」「麻酔や持ち帰る薬は別料金ですか」「リタッチは何回まで含まれますか」の四つを、この順で聞いてください。還付を前提にしない金額で判断するのが安全です。

※ 本記事は2026年8月31日時点で確認できた条文にもとづく情報の整理であり、税務上の助言ではありません。制度は改正される場合があります。実際の手続きや個別の判断については、医療機関または税務の専門家にご確認ください。

クリニック選びで迷っていませんか?

ご希望の施術・渡韓予定日をお送りいただければ、日本語対応の状況を含めてご案内します。

無料で相談する
関連記事