たるみが気になってウルセラを調べはじめると、必ずどこかで「麻酔」の話にぶつかります。日本語の体験談には「痛かった」という記述も「思ったより平気だった」という記述も両方あって、読めば読むほど、自分がどちらになるのか分からなくなってきます。
そして、韓国の情報を読んでいると「睡眠麻酔」という言葉が出てきます。日本語ではあまり使わない言い方なので、ここでつまずく方が多いようです。この言葉が何を指しているのかは、案内する側によって幅があります。 だからこそ、言葉のまま受け取らずに、中身を確認する必要があります。
この記事では、麻酔について渡韓の前に確認できることを整理します。痛みの程度を保証する記事ではありませんし、特定の方法をすすめる記事でもありません。カウンセリングの場で、自分に必要な質問ができるようにするための材料です。

「睡眠麻酔」という言葉の中身を、まず確認します
韓国語では「수면마취」という言葉が使われ、日本語の案内でも「睡眠麻酔」と訳されて出てくることがあります。ただ、この言葉は方法の名前というより、状態のイメージを表す言い方として使われている面があります。
問題は、同じ言葉を使っていても、指している中身がそろわないことです。ですので、この言葉が出てきたら、次のように聞き返すことをおすすめします。
- ×「睡眠麻酔はできますか」——言葉のやりとりで終わってしまいます
- ○「その麻酔は、どういう方法で、当日どういう状態になりますか」——中身の説明が返ってきます
さらに踏み込むなら、こう聞きます。
- 「意識はある状態ですか、それとも眠っている状態ですか」
- 「終わったあと、自分で歩いて帰れますか」
- 「その日のうちに移動や食事の予定を入れても大丈夫ですか」
- 「付き添いは必要ですか」
答えが具体的に返ってくるかどうかが、そのまま判断の材料になります。言葉の翻訳で満足せず、当日どうなるのかを聞く——これがいちばん確実な方法です。麻酔の重さによっては、その日の予定の組み方まで変わってきます。
麻酔の製剤は、韓国では公開されています

もうひとつ、確認できることがあります。韓国では医薬品の承認情報が公開されていて、誰でも無料で検索できます。
冒頭に掲げた画面は、承認一覧を「리도카인」(リドカイン)という成分名で検索した結果です。左から順に、番号・製品名・企業名・承認番号・承認日が並んでいます。製品名を見ていくと、「크림」(クリーム)という言葉が付いたものが複数あることが分かります。承認日は2010年のものから2020年のものまで確認できます。
ここから読み取れるのは、麻酔に使われる製剤にもいろいろな形のものがあり、それぞれが個別に承認されているということです。塗るタイプのものが承認一覧に並んでいる、という事実は、画面を見れば確認できます。
使い方はこうなります。
- カウンセリングで名前が出た製剤を、その場で韓国語の表記のまま書いてもらう
- 承認の一覧でその名前を検索し、承認されたものかどうかを見る
- 自分に使ってよいかどうかは、医師の説明で確認する
三つ目が本体です。公開された情報で確認できるのは、制度上の位置づけまでになります。アレルギーの有無や既往のことは、必ずご自身から伝えて、医師に判断してもらってください。
麻酔について、確認しておく項目
カウンセリングで聞く内容を、あらかじめ整理しておきます。順番に聞いていけば、当日の想定違いをほぼ防げます。
| 確認する項目 | 具体的な聞き方 |
|---|---|
| 麻酔の有無 | この施術に麻酔は使いますか |
| 方法 | 塗るものですか、それ以外の方法ですか |
| 当日の状態 | 意識はある状態ですか |
| 所要時間 | 麻酔の待ち時間を含めて、全体でどれくらいかかりますか |
| 終わったあと | 自分で歩いて帰れますか。付き添いは必要ですか |
| 予定への影響 | そのあと移動や食事の予定を入れても大丈夫ですか |
| 費用 | 麻酔の費用は施術の金額に含まれますか |
| 伝えるべきこと | 持病やアレルギーで、先に伝えるべきことはありますか |
このうち、七つ目の費用は聞き忘れが多い項目です。麻酔が別会計になっている場合、比較していた金額の前提が変わってしまいます。予約の連絡の段階で、麻酔を含めた総額を確認しておくと安心です。
そして八つ目は、こちらから先に出すべき情報です。聞かれるのを待つのではなく、持病・服用中の薬・過去のアレルギーは、最初に伝えてしまってください。
痛みについて、記録から分かること
痛みの感じ方には個人差がありますので、「痛くない」と書くことはできません。ただ、実際に受けた方の記録を読むと、痛みそのものより、痛みへの向き合われ方のほうが印象に残るという傾向が見えます。
「アイウルセラとニキビの治療をしてもらいました。ニキビ圧出は少し痛みましたが、今後治っていくといいなーと思います。」
「私が施術したサーマクール600Sは痛みかありました。目元にたるみにコラーゲンを入れて凹みも減り良かったなぁと思います」
どちらも痛みがあったことをそのまま書いています。そのうえで、次のような記録もあります。
「施術中も痛みに寄り添った声がけしてくださるのもとても良かったです。」
痛みがあるかどうかと、痛みに配慮してもらえるかどうかは、別の話です。後者は、予約の段階で聞いておけます。「施術中に痛みが強いとき、途中で伝えても大丈夫ですか」と聞いてみてください。答え方に、その医療機関の姿勢が出ます。痛みについての考え方は施術の痛みをどう考えるかでも整理しています。
費用のなかで、麻酔がどう扱われるか
金額そのものは、医療機関ごと・時期ごと・状態ごとに変わります。ここで整理するのは、何によって金額が動くのかという仕組みです。
| 決まり方の要素 | 確認すること |
|---|---|
| 照射の数え方 | 数で数えるのか、部位で数えるのか |
| 範囲 | 顔全体か、あご下や目のまわりなど部分か |
| 回数 | 今回だけか、複数回の計画か |
| 麻酔 | 麻酔の費用が含まれるか、別会計か |
| アフターケア | 処置後のパックや薬が含まれるか |
| 初回価格かどうか | その金額が初回限定か、二回目以降も同じか |
| 税の扱い | 表示されている金額が税込みか税別か |
最後の「税の扱い」については、韓国の法令に手がかりがあります。
黄色く示された部分には、美容を目的とする施術の名前が並んでいます。末尾のあたりに「항노화치료술」(抗老化治療術)という言葉が入っていることが読み取れます。韓国では、治療を目的とする医療と、美容を目的とする施術とで税の扱いが分かれており、こうした施術は後者の側に名前が挙がっています。
ですので、表示価格が税込みなのか税別なのかは、必ず確認しておきたい項目になります。金額の見方はウルセラの料金をどう比べるかでも扱っています。
当日の流れと、所要時間の見積もり

麻酔が入る施術では、麻酔そのものの時間と待ち時間が加わります。ですので、施術の時間だけを聞いていると、当日の予定がずれます。
実際の記録には、受付から終了までの時間を書いているものがあります。
「シルファームの施術でカウンセリングから終了まで1.5時間ほど。」
このように、カウンセリングから会計までを通した時間で聞いておくのが確実です。その日のうちに移動や別の予定が入っているなら、なおさらです。
また、当日はカウンセリングで撮影が入ることがあります。
「顔の撮影があり、普段鏡で見ている角度以外から、撮影でしたので意外に顔の弛みを感じました。」
自分では見ていない角度を見せられると、その場で気持ちが動きます。予算の上限と、今回受ける範囲を先に決めておくと、落ち着いて判断できます。決めておくのは金額の上限だけで十分です。
受け入れの体制を確認する
もうひとつ、予約の前に確認できることがあります。韓国では、外国から来た患者を受け入れる医療機関について登録の仕組みがあり、その状況が公式サイトで公開されています。

見るのは、左から二番目の「상태」(状態)の列です。「유지」(維持)と表示されていれば、登録が有効な状態だと読み取れます。ただし、これは日本語が通じることを示すものではありません。外国から来た方の受け入れについて、制度上の届け出をしているという事実が分かるだけです。麻酔のように、こちらの体調や既往を正確に伝える必要がある場面では、この確認と、次に書く日本語の確認を両方しておくことをおすすめします。
体験談の「痛かった」を、どう読むか
麻酔について調べていると、体験談の痛みの記述に強く引っ張られます。ただ、痛みの記述は条件が書かれていないと比較できないという性質があります。同じ施術名でも、範囲が違い、照射の数が違い、麻酔の有無が違えば、感じ方が違って当たり前だからです。
読むときは、痛みの一言だけでなく、次の点が書かれているかを見てください。
| 体験談で拾うとよい情報 | なぜ拾うのか |
|---|---|
| 麻酔を使ったかどうか | 麻酔ありとなしでは前提が違います |
| 受けた範囲 | 顔全体と部分では負担が違います |
| 何回目か | 二回目以降は身構え方が変わります |
| 書かれた時期 | 体制も設定も変わります |
| 日本語で受けたかどうか | 説明の理解度が違ってきます |
条件が書かれていない「痛かった」は、残念ながら判断の材料にはなりません。逆に、条件つきで書かれている記録は、少ない数でも役に立ちます。
そして、いちばん条件のそろった記録は、ご自身の一回目です。麻酔の有無、範囲、所要時間、痛みの感じ方、総額まで書き残しておけば、次回の渡韓では自分の基準として使えます。
渡韓の日程に、麻酔をどう組み込むか
麻酔が入る施術は、その日の予定の立て方にも影響します。日程を組むときの考え方を、三つに分けて整理します。
到着日に入れるかどうか。 移動の疲れが残っている日に受けるかどうかは、考えどころです。体調について正確に伝えられる状態かどうかも、あわせて考えておきたいところです。
帰国日の前日に入れるかどうか。 翌日に長い移動が控えている場合、施術後の注意事項と重ならないかを確認しておきます。麻酔の方法によっては、その日のうちの行動に制限が出ることがあります。
同じ日に別の施術を入れるかどうか。 麻酔の待ち時間が加わる分、全体の時間はのびます。ほかの予定を入れる前に、カウンセリングから会計までを通した所要時間を聞いておいてください。
いずれの場合も、日程表を先に見せてしまうのがいちばん早い方法です。こちらの事情が分かれば、その中で成立する形を提案してもらえますし、無理のある組み立てなら、その理由まで説明してもらえます。滞在日数と帰国日、そして当日ほかに予定があるかどうか——この三つを最初に伝えるだけで、相談の質はかなり変わります。
日本語では、どこまで確認できるのか
麻酔の話は、日本語で聞けるかどうかが最も効いてくる場面だと思います。持病、服用中の薬、過去のアレルギー、痛みの強さ——どれも、伝わり方ひとつで判断が変わる内容です。
日本語対応には段階があります。
- 常勤の日本人スタッフや通訳がいる——麻酔の方法も、当日の状態も、その場で確認できます
- 予約や受付までが日本語——カウンセリングや施術中には通じないことがあります
- 翻訳アプリでの対応——大枠は伝わりますが、体調や既往の確認では取りこぼしが出やすくなります
翻訳アプリは便利ですが、施術中に手が使えない場面では役に立ちません。麻酔が入る施術では、この点がとくに重要になります。施術中に何かを伝えたいとき、どうすればよいのかを、先に聞いておいてください。
予約の連絡では、次の一文を送っておくと確実です。「麻酔について、持病やアレルギーのことを日本語で相談したいのですが、対応していただけますか」。この質問への答え方で、その医療機関の日本語対応がどの段階までのものか、かなりの部分が分かります。日本語で受けられる施術の探し方はウルセラを日本語で受けるにはや超音波を使うリフトアップの受け方も参考になります。
よくある質問
Q. 「睡眠麻酔」とは何のことですか。
韓国語の「수면마취」を日本語に訳した言い方で、案内のなかで使われることがあります。ただし、この言葉が具体的にどの方法を指すのかは、案内する側によって幅があります。言葉のままで判断せず、「どういう方法で、当日どういう状態になりますか」と中身をたずねることをおすすめします。
Q. 麻酔に使われる薬が韓国で認められたものか、自分で調べられますか。
調べられます。韓国の食品医薬品安全処が医薬品の承認一覧を公開しており、成分名や製品名で検索すると、製品名・企業名・承認番号・承認日まで表示されます。ただし、そこで分かるのは承認の有無までで、ご自身に使ってよいかどうかは医師の判断になります。
Q. 麻酔の費用は施術の金額に含まれますか。
医療機関によって違いますので、確認が必要です。麻酔が別会計になっている場合、比べていた金額の前提が変わってしまいます。予約の連絡の段階で、麻酔とアフターケアを含めた総額を聞いておくことをおすすめします。
Q. 施術のあと、すぐに移動しても大丈夫ですか。
麻酔の方法によって答えが変わりますので、一律には言えません。「終わったあと自分で歩いて帰れますか」「付き添いは必要ですか」「そのあと予定を入れても大丈夫ですか」の三つを、カウンセリングで確認しておいてください。帰国日の前日に受ける場合は、とくに確認をおすすめします。
Q. 持病や飲んでいる薬は、伝えたほうがよいですか。
必ず先に伝えてください。聞かれるのを待つのではなく、こちらから最初に出す情報だとお考えください。日本語で伝えられるかどうかが不安な場合は、薬の名前を書いた紙を用意しておくか、予約の連絡の段階で日本語での相談が可能かを確認しておくと安心です。
この記事で確認した資料
- 韓国の食品医薬品安全処が公開している医薬品の承認一覧(成分名での検索結果画面)
- 韓国「付加価値税法施行令」第35条の条文原文
- 韓国保健産業振興院が運営する公式サイトの誘致機関の照会結果画面
- 実際に韓国の医療機関を利用した日本語話者の記録
※ 本記事は、公開されている資料の画面と、実際に利用した方の記録をもとに整理したものであり、診断や治療の助言ではありません。麻酔の適否や方法は、体質・持病・服用中の薬によって一人ひとり異なります。実際の判断は、必ず医療機関でのカウンセリングでご確認ください。