「渡韓して肌管理を受けると、結局のところ何円かかるのでしょうか」——渡韓を考えはじめた方から、いちばん多くいただくのがこの質問です。ところが調べても調べても数字が一つに決まらず、かえって不安になってしまったという声もよく聞きます。
先に、いちばん大事なところを書きます。この質問に、事前に一つの数字で答えられる人はいません。 金額は「どの施術を、どの範囲に、何回受けるか」が決まった時点ではじめて確定するもので、その中身はカウンセリングを受けてみないと決まらないからです。裏を返せば、中身さえ決まれば金額はきちんと確定します。曖昧なまま当日を迎えることにはなりません。
ですのでこの記事では、具体的な金額を並べるのではなく、金額がどの順番で決まっていくのか、そして他の方が書いている「何円」を自分に当てはめてよいのかどうかを見分ける方法を整理します。読み終えたときに、ご自身の渡韓の総額を自分で数えられるようになっていることを目指しています。

「何円」の答えが一つに決まらない、三つの理由
理由は三つあります。順に見ていきます。
一つめは、同じ施術名でも中身が違うことです。同じ機器を使う施術であっても、当てる範囲が顔全体なのか一部なのか、照射の回数がいくつなのか、使う薬剤の量がどれくらいなのかで、金額の前提が変わります。価格表に並んでいるのは「ある条件のときの金額」であって、その条件はお一人ずつ違います。ここを同じものとして比べてしまうと、数字がばらばらに見えます。
二つめは、必要な回数が人によって違うことです。肌の悩みには、一度で区切りがつくものと、間隔をあけて複数回受けることを前提にするものがあります。一回分の金額だけを見て予算を組むと、二回目以降が視野から抜け落ちます。渡韓の場合、二回目を次の渡韓に回すのか、今回の滞在中に入れるのかでも、総額の見え方が変わります。
三つめは、渡韓という旅程そのものにお金がかかることです。施術の代金だけを見ていると、往復の航空券、宿泊、現地での移動、滞在中の食事といった部分が数え漏れます。あとから「今回は何円かかった」と振り返るときには、ほとんどの方がこちらも含めて数えています。つまり、施術の価格を調べているのに、頭の中では旅費込みの数字と比べてしまっている、というずれが起きやすいところです。
この三つが混ざったまま検索すると、出てくる数字がばらばらに見えます。ばらばらなのではなく、前提の違う数字が並んでいるだけです。前提をそろえれば、数字はきちんと比べられるようになります。
費用がどのような層に分かれているのかについては、費用の内訳を層ごとに分けて考える記事に別途まとめています。
誰かの「何円」を、自分に当てはめてよいか
体験談やSNSで見かける金額は、参考になります。ただし、そのまま自分の予算にできるかどうかは別の話です。読むときには、次の点が書かれているかどうかを見てください。
| 体験談に書かれていること | 自分の予算に当てはめられるか |
|---|---|
| 施術名だけ | 当てはめられません。範囲・回数・量が分からないためです |
| 施術名と、受けた範囲や回数 | 条件が近ければ目安になります |
| 施術名と範囲に加えて、受けた時期 | 目安になります。ただし価格は改定されることがあります |
| 「セット」「パッケージ」という書き方だけ | 中身が分からないため、比べる材料にはなりません |
| 旅費まで含んだ総額だけ | 旅程が違えば変わります。内訳が分かれば使えます |
もう一つ、見落とされやすい点があります。体験談に書かれた金額は、その方の肌の状態に対して提案された内容の金額です。同じ言葉で悩みを表していても、状態は人によって違います。同じ「シミが気になる」でも、数、範囲、深さ、これまでに受けた施術の有無によって、提案される内容は変わります。
実際の口コミにも、金額が「提案を受けたうえで決まっていく」流れがはっきり出ています。
「AI診断で今の肌の状況も教えていただき、診断結果に合わせて施術の提案や自分の悩みに合わせても丁寧に提案していただきました。」
「アップセルもなく、無理なく自分のしたい施術を選べました。」
このように書かれているとき、金額はカウンセリングの場で本人が選んだ結果です。同じクリニックに行っても、選ぶ内容が違えば金額は変わります。ですので、体験談から受け取るべきなのは金額そのものよりも、どういう順番で内容が決まっていったのかという流れのほうです。
金額が確定するまでの、四つの段階
金額は一気に決まるのではなく、段階を踏んで固まっていきます。いま自分がどの段階にいるのかが分かると、「まだ分からなくて当然」の部分と「もう確認できるはず」の部分が切り分けられます。
| 段階 | そのときに分かる金額 | まだ決まっていないこと |
|---|---|---|
| ① 調べている段階 | 価格表に出ている表示価格。ある条件のときの金額です | 自分に必要な範囲・回数・量 |
| ② 予約や問い合わせの段階 | 希望を伝えたうえでの、おおよその見込み | 当日の肌の状態を見たうえでの調整 |
| ③ カウンセリングの段階 | ★ここで内容が決まり、その日の総額が確定します | 本人が追加を希望した場合の増減 |
| ④ 会計の段階 | 実際に支払う金額 | — |
山場は★の段階です。ここで「今日受ける内容」と「その総額」を、口頭だけでなく数字が見える形で確認できていれば、会計の場で驚くことはほとんどありません。逆に、この段階を飛ばして施術室に入ってしまうと、あとから内訳を確かめる機会がなくなります。
多くの方が「何円かかるのか」を①の段階で確定させようとして、答えが出ずに立ち止まってしまいます。①で分かるのは表示価格までです。それ以上を求めても出てこないというのは、情報が足りないのではなく、まだその段階ではないからです。
価格そのものがどういう要素で組み立てられているのかは、価格が決まる仕組みをまとめた記事で詳しく扱っています。
自分で総額を数えるための、項目の並べ方
紙でも、スマートフォンのメモでもかまいません。次の順番で項目を並べて、分かったところから埋めていくと、ご自身の「何円」が形になっていきます。空欄が残っている項目が、そのまま「まだ誰かに確認していないこと」の一覧になります。
第1層:施術そのもの
- 受ける施術の名前
- 範囲(顔全体なのか、一部なのか)
- 回数(今回の渡韓のあいだに何回受けるのか)
- 量や単位(薬剤の量、照射の回数など、施術によって数え方が違います)
第2層:当日に足されやすいもの
- 麻酔(クリームによるもの、注射によるものなど)
- 施術後のケア(鎮静、パック、塗り薬など)
- 処方される薬
- 経過を見るための再診が必要な場合、その費用
第3層:旅程
- 往復の航空券
- 宿泊
- 現地での移動
- 滞在中の食事や、そのほかの費用
第4層:お金の受け渡しにかかる部分
- 両替や決済にともなう手数料
- 予約金がある場合、その扱い(当日の支払いに充当されるのか、別なのか)
第1層と第2層はクリニックに聞けば分かります。第3層はご自身で決められる部分です。第4層は利用する手段によって変わります。「何円」が一つに決まらないのは、この四つを別々の相手に確認しないと埋まらないからです。 一か所で全部の答えが出ないのは当然だと考えて、確認先を分けて進めるほうが早く終わります。
予算そのものの立て方については、予算の決め方をまとめた記事もあわせてご覧ください。
金額を調べるより、予算を先に決めたほうが早いことがあります
ここまで読んで、遠回りに感じられた方もいらっしゃると思います。実は、順番を逆にするという方法があります。先に「今回はここまで」という予算の枠を決めて、その枠を伝えたうえで内容を組んでもらうやり方です。
金額を調べてから予算を決めようとすると、条件のそろっていない数字を見比べることになり、いつまでも決まりません。一方、枠を先に決めてしまえば、あとは「この枠のなかで、いま優先すべきものはどれか」という相談になります。この相談であれば、その場で答えが出ます。
実際に、この順番で進めた方の口コミがあります。
「カウンセリングも丁寧に行なっていただきました。 必要な施術を明確に教えていただいたり、予算内で検討していただけて助かりました。また、日本語の上手なスタッフさんもいて困ることもなかったです。院内も清潔でした。」
予算内で収まったのは、先に予算があって、その中で内容を組んだからです。伝え方としては、次のような言い方がそのまま使えます。
- 「今回の予算はここまでです。この範囲で優先順位をつけてもらえますか」
- 「今日受ける分の総額を、先に紙か画面で見せてください」
- 「この金額に含まれていないものがあれば、先に教えてください」
高い施術をすすめられるのではないかという不安については、次のような声もあります。
「予約した施術より高額な施術をお勧めされるか怖かったんですが、そんなこともなかったです!」
不安に感じること自体はごく自然です。ただ、枠を先に伝えておけば、提案する側もその枠のなかで組み立てます。伝えないまま相談を始めると、提案の幅が広くなり、判断がむずかしくなります。

まとめて受けるか、分けるか——旅程の費用が動きます
同じ内容を受けるとしても、一回の渡韓にまとめるか、複数回に分けるかで総額の見え方が変わります。まとめれば旅程にかかる費用は一回分で済み、分ければダウンタイムの期間を短く区切れます。
まとめて受けたことで、経過を見る期間が一度で済んだという声は少なくありません。旅程にかかる費用も、赤みや腫れが出る期間も、一回分にまとまるからです。ただし、まとめられるかどうかは肌の状態と施術の組み合わせによります。同じ日に受けないほうがよい組み合わせもありますので、「まとめたい」という希望はカウンセリングで先に伝えて、可能かどうかを判断してもらってください。逆に、分けたほうがよいと言われた場合は、その理由も一緒に聞いておくと、次の渡韓の日程を組むときの材料になります。
このとき、判断の材料になるのは金額だけではありません。帰国日までに何日あるのか、当日と翌日の予定が空いているのか、赤みが出ても差し支えない時期なのか。ここまで含めて考えると、「何円か」ではなく「今回の渡韓でどこまでやるか」という問いに変わります。こちらのほうが、答えの出やすい問いです。
表示価格に税が含まれているかどうかで、支払う金額が変わります
韓国では、美容を目的とした施術は課税の対象として扱われています。付加価値税法施行令の第35条には、シミ治療術・ニキビ治療術・毛穴縮小術・皮膚再生術・皮膚美白術・抗老化治療術といった施術名が並んでおり、これらは課税される医療として分類されています。記事の冒頭に載せた画像が、その条文の原文です。
そのうえで、価格表の表示が税込みなのか税別なのかは、クリニックによって違います。ここを確認しないまま総額を計算すると、当日の会計でずれが出ます。「この金額は付加価値税を含みますか」という一言を、カウンセリングの場で必ず入れてください。
なお、外国人観光客が美容目的の医療を受けたときの付加価値税の還付については、韓国の租税特例制限法の条文に期限が定められています。条文上の期限は2025年12月31日で、2026年8月時点で確認できる最新の条文にも、それ以上の延長の規定は見当たりません。還付があることを前提に予算を組むことは、いまはできない状態です。条文の原文にあたった内容は免税(付加価値税の還付)を条文で確認した記事にまとめています。
帰国後に「結局いくらだったか」を残しておきます
いちばん役に立つ「何円」の資料は、ご自身の前回の記録です。次の渡韓のとき、これがそのまま見積もりになります。帰国前に、次のものを手元に残してください。
- 受けた施術の名前(韓国語の表記も一緒に控えておくと、次の相談のときに正確に伝わります)
- 範囲と回数、量や単位
- 支払った金額と、その内訳
- 明細書や領収書
- 次回はいつごろが目安と言われたか
この五つがそろっていれば、次回は①の段階を飛ばして③に近いところから相談を始められます。渡韓を重ねている方が金額で迷わなくなるのは、価格に詳しくなったからではなく、自分の記録を持っているからです。
二つの数字を並べる前に、そろえておく条件
「こちらのほうが安い」と判断する前に、次の条件がそろっているかを確認してください。ここがそろっていない数字を並べても、金額の差ではなく条件の差を見ていることになります。
| そろえる条件 | そろっていないと、どうずれるか |
|---|---|
| 施術の範囲 | 顔全体と一部では、そもそも受ける量が違います |
| 回数と単位 | 一回分の金額と、複数回をまとめた金額が混ざります |
| 薬剤の量や照射の数 | 数え方が施術ごとに違うため、同じ名前でも中身が変わります |
| 麻酔やアフターケアの扱い | 含まれている側と、別料金の側を比べてしまいます |
| 税の扱い | 税込みの数字と税別の数字が並びます |
| 旅程を含むかどうか | 施術の代金と、旅費込みの総額が混ざります |
六つのうち一つでも空欄があるうちは、比べる段階に入っていません。空欄が残っているということは、まだ聞いていない相手がいるということです。埋めてから並べれば、判断は一度で終わります。
この作業はむずかしそうに見えますが、実際に手を動かすのは一度だけです。一度ご自身の型ができると、次の渡韓からは同じ表に当てはめるだけになります。渡韓を重ねている方が金額の話で迷わないのは、この型を持っているからです。
日本語では、どこまで確認できるのか
費用の話は、施術の説明よりも一段むずかしい話題です。数字の条件を詰める場面では、単語が分かるかどうかではなく、「含む・含まない」「今日の分・次回の分」といった条件のやりとりができるかどうかが問われます。
日本語対応をうたっているクリニックでも、対応の中身には幅があります。
- 常勤の日本人スタッフや通訳がいる場合——費用の内訳や税の扱いまで、その場で確認できます
- 日本語の窓口が予約対応のみの場合——当日の会計の場では通じないことがあります
- 翻訳アプリで対応する場合——施術の説明はできても、金額の条件を詰める場面では行き違いが起きやすくなります
予約の段階で「カウンセリングと会計のときも、日本語で確認できますか」と聞いておくことをおすすめします。この一言に対する答え方で、そのクリニックの日本語対応がどの段階までのものか、かなり分かります。
よくある質問
Q. 渡韓の肌管理は、だいたい何円くらいと考えておけばよいですか。
事前に一つの数字でお答えすることはできません。同じ施術名でも範囲・回数・量によって金額の前提が変わり、必要な内容はカウンセリングで決まるためです。この記事でご紹介した四つの層に項目を並べて、分かったところから埋めていくやり方をおすすめします。
Q. 価格表に出ている金額を、そのまま予算にしてよいですか。
表示価格は「ある条件のときの金額」です。範囲や回数が自分の希望と同じかどうか、麻酔やアフターケアが含まれているかどうか、税込みかどうかを確認したうえで使ってください。
Q. 予算を先に伝えると、その金額いっぱいまで提案されてしまいませんか。
不安に感じられる点だと思います。伝え方を「この予算のなかで、いま優先すべきものはどれですか」という形にすると、枠の使い方についての相談になります。提案を受けたあとで、その場で減らすこともできます。
Q. 現地で追加をすすめられたら、断ってもよいのでしょうか。
断って差し支えありません。「今日は最初に決めた内容だけにします」と伝えれば十分です。判断に迷う場合は、その場で決めずに「次回に考えます」と言って持ち帰る方法もあります。
Q. 日本の金額と比べるときは、何をそろえればよいですか。
施術名だけでなく、範囲・回数・量・含まれているアフターケア・税の扱いをそろえてください。この五つがそろっていないまま並べると、金額の差ではなく条件の差を見ていることになります。
※ 本記事は2026年8月31日時点で確認できた情報にもとづく整理であり、特定のクリニックや施術をすすめるものではありません。金額は施術の内容・時期・医療機関によって異なります。実際の費用については、必ず受診されるクリニックにご確認ください。