「韓国のオンダリフトの平均価格はいくらですか」——渡韓の準備をしている方から、よくいただく質問です。ところが実際に調べてみると、資料によって示される数字がまるで違います。同じ施術名なのに、数倍の開きがあることも珍しくありません。
これは、どれかが間違っているという話ではありません。そもそも平均という数字は、何をどう集めたかで結論が変わる性質のものです。集めた対象が違えば、平均も違います。数えている単位が違えば、比べることすらできません。ですので、平均価格という一つの数字を探しても、探し続けるかぎり答えは出てきません。
この記事では、金額そのものを提示しません。相場の数字も書きません。代わりに、平均という数字がどう作られているのか、なぜ一つに決まらないのか、そして自分の条件に合った「自分用の平均」をどう出せばよいのかを整理します。料金が何によって動くのかという仕組みそのものは韓国のオンダリフトはなぜ安く見えるのかにまとめていますので、そちらとあわせてご覧ください。
なお、前提として押さえておきたいのが、韓国では美容を目的とした施術が税の上でどう扱われているかという点です。これは法令に定めがあり、平均の見え方にも直接効いてきます。

「平均価格」という数字は、どこから生まれているのか
まず、目にする平均がどこから来ているのかを分けておきます。出どころによって、数字の性格がまったく違います。
| 出どころ | 集めている対象 | 数字が動きやすい理由 |
|---|---|---|
| まとめ記事の相場表 | 掲載されている案内の表示価格 | 表示の条件がそろっていません |
| 体験談・ブログ | その方が実際に支払った額 | 一人分の実績で、条件は一人分のものです |
| 交流サイトの書き込み | 記憶に残っている金額 | 時期も内容も書かれていないことがあります |
| 予約サイトの掲載 | そのサイトに掲載された案内 | 掲載されていない条件は含まれません |
この四つは、どれも嘘ではありません。ただ、集めている母集団が違うため、出てくる平均も違います。 表示価格の平均と、実際に支払われた額の平均は、そもそも別の数字です。
そして、日本から見えにくいのがもう一点あります。韓国の美容皮膚科では、案内が固定の一枚看板というより、条件によって組み替えられる形で運用されることが多い、という点です。組み替えられるものの平均を取ると、どうしても幅が大きくなります。
平均が意味を持つための、三つの条件
統計としての平均が判断の役に立つのは、次の三つがそろっているときだけです。逆にいえば、一つでも欠けていれば、その平均は自分の判断材料になりません。
一つ目は、母集団がそろっていることです。 誰の、どの案内を集めた平均なのか。日本語の案内だけを集めたのか、現地向けの案内も含むのか。エリアはどこか。集めた範囲が書かれていない平均は、読みようがありません。
二つ目は、単位がそろっていることです。 一回あたりなのか、複数回の総額なのか。顔全体なのか、部分なのか。ここがそろっていないものを足して割った数字は、平均ではなく、ただの混ざった数字です。
三つ目は、時期がそろっていることです。 案内の内容は変わります。数年前の書き込みと今年の案内を同じ表に並べれば、当然ながら幅は広がります。
この三つのうち、公開されている平均でそろっているものは、実際にはあまり多くありません。ですので、平均という数字を見たら、まずこの三つが書かれているかを確かめてください。 書かれていなければ、その数字は「そういう金額を見た人がいる」という情報として受け取るのが適切です。
そもそも、数え方が固定されにくい施術です
平均が定まらない理由には、この施術そのものの性格もかかわっています。
オンダリフトは高周波を使う機器のひとつで、韓国の美容皮膚科では顔にも体にも使われています。超音波を点で入れていくハイフとは考え方が違い、面で温めていく施術に近い性格を持っています。
この違いが、料金の数え方に直結します。点で入れる施術は「ショット数」という分かりやすい単位を持てますが、面で温める施術では、数える対象が時間・範囲・回数のほうに寄ります。時間や範囲は、ショット数のように一つの数字で言い切れません。同じ範囲でも、当日の設定によって所要時間が変わることもあります。
つまり、案内する側から見ても一つの数字で表しにくい施術なのです。そこに複数のクリニックの案内が混ざれば、平均が定まらないのは当然のことになります。数え方が固定されている施術と同じ感覚で平均を探すと、いつまでも答えが出ません。
ですので、この施術については「平均はいくらか」ではなく、「自分の条件だといくらになるか」を聞く形に切り替えたほうが早く進みます。
単位がそろわない、五つの理由
オンダリフトのように面で温めていく考え方の施術は、点の数で数える施術と違って、案内の単位が固定されにくい性格があります。何が単位を動かしているのかを整理します。
| 動く条件 | 平均を上に引っ張る場合 | 平均を下に引っ張る場合 |
|---|---|---|
| 回数 | 複数回の総額が一件として入ったとき | 一回分だけの案内が入ったとき |
| 範囲 | 顔全体に首やあご下を含めたとき | 部分だけの案内が入ったとき |
| 組み合わせ | 他のメニューとの合計が入ったとき | 単品の案内が入ったとき |
| 初回かどうか | 二回目以降の案内が入ったとき | 初回限定の案内が入ったとき |
| 税の扱い | 税込みの表示が入ったとき | 税別の表示が入ったとき |
同じ施術名の案内を集めているつもりでも、実際にはこの五つが混ざります。混ざったまま平均を取れば、数字は動いて当然です。 そして厄介なのは、公開されている平均のほとんどが、この五つのどれをどう扱ったかを書いていないことです。
とくに回数は影響が大きい条件です。韓国では複数回をひとまとめにした案内が一般的で、その総額が一回分の金額のように読まれてしまうことがあります。逆に、一回分の案内だけを見て、実際には数回受ける前提だったという行き違いも起こります。比較の前に、その数字が何回分なのかを必ず確認してください。
税込みか税別かで、平均は動きます
税の扱いは、条件のなかでもとくに見落とされやすい項目です。韓国では、美容を目的とした施術は課税の対象になります。これは法令に施術名まで列挙されており、誰でも原文を確認できます。

黄色く示された部分に施術名が並んでいます。個々のメニューがこのうちどれにあたるかは医療機関の判断によりますが、美容目的の施術が課税される前提で価格が組まれているという点は共通しています。
つまり、税別で表示している案内と、税込みで表示している案内が同じ表に並んでいれば、その平均は実態より低く出ます。中身が同じでもです。医療費の考え方全体については韓国の美容医療の価格の考え方にまとめています。
確認の言葉は簡単です。「この金額は税込みですか」。カウンセリングの場でも、会計の前でも、そのまま聞いて構いません。
外れ値を、どう扱うか
平均を歪めるもう一つの要素が、条件つきの案内です。初回限定、期間限定、来店特典。どれも不当なものではありませんが、平均を作る材料としては扱いが難しくなります。
こうした案内には条件がつきます。条件を満たせない立場から見れば、その金額は存在しないのと同じです。実際、案内を見て行ったものの、条件に当てはまらずその内容では受けられなかった、という書き込みは珍しくありません。逆に、その場で別の内容をすすめられたという声もあります。
こうした書き込みから読み取っておきたいのは、案内されている金額と、自分が実際に受けられる金額は、別のことがあるという点です。ですので、条件つきの案内を平均の材料に入れるなら、その条件を自分が満たせるかどうかを先に判定してください。満たせないなら、その数字は自分の平均から外します。
外れ値として扱うか、材料に入れるか。判断の基準は「自分がその条件を満たせるか」の一点で十分です。
自分用の平均を出す、五つの手順
ここからが実務です。公開されている平均を探すのをやめて、自分の条件に合った平均を自分で作ります。難しい計算は必要ありません。
手順1:単位を先に決めます。 一回あたりで比べるのか、渡韓一回の滞在中の合計で比べるのか、一年分で比べるのか。ここを最初に決めます。決めないまま数字を集めると、また混ざります。
手順2:候補ごとに、総額と回数を聞きます。 「この金額は何回分ですか」と聞き、総額と回数の両方を控えます。
手順3:範囲をそろえます。 顔全体か、部分か。首やあご下を含むか。含む範囲が違えば、割り戻しても比べられません。
手順4:税の扱いをそろえます。 税込みに統一するのが分かりやすいです。「この金額は税込みですか」と確認します。
手順5:手順1で決めた単位に割り戻します。 総額を回数で割れば一回あたりになります。滞在中の合計で見るなら、滞在中に受ける回数分を足します。
この五つを通すと、候補が二つでも三つでも、同じ土俵に並びます。そこではじめて「高い・安い」の判断ができます。 値段がいつ確定するのかという場面ごとの整理は、韓国の美容クリニックの値段は、いつ確定するのかにまとめています。
平均に近いことは、満足に直結しません
ここまで平均の話をしてきましたが、最後に前提そのものを見直しておきます。平均に近い金額を支払えたことと、受けてよかったと感じることは、別のことです。
金額に納得していても、結果に納得できなかったという声はあります。
「リードルブースター4ccしたけど、全く効果なし。
結構高かったから他のクリニックで色々出来たなと思い後悔。
カウンセラーもあてにならない。
二度と行かない。」
この方が悔やんでいるのは、金額そのものというより、その金額で他に何ができたかという比較です。支払った額に対して得られたものが釣り合わなかった、という受け止め方です。平均という数字は、この釣り合いについては何も教えてくれません。
一方で、金額の話が出ないことが安心につながっている例もあります。
「院長も他のスタッフの方もみなさん優しくて日本語も通じて、プラスのおすすめも全くされないので安心して利用できます!」
追加の提案がなかったことが、この方にとっては評価の理由になっています。当日に金額が動かないということ自体が、価値として受け取られている例です。平均を調べるより、当日に総額が動かない状態を作るほうが、満足に近いことがあります。
そこで、順序を逆にするという方法があります。平均を調べる目的が「予算内に収めたい」ということであれば、先に予算を伝えて、その範囲で提案してもらうという進め方のほうが確実です。
「カウンセリングは通訳の方がつきます。
ですのでしっかりと伝わります。
予算を伝え大体予算通りの提案をしてくれます。
施術にはいると日本語は通じません。
英語は伝わります。」
この方の書き込みは、実務としてとても参考になります。予算を伝えれば、その範囲での提案が返ってくる。そして、通訳が入るのはカウンセリングの場面であって、施術中は状況が変わることがある。言葉が通じる場面と通じない場面が分かれているという点まで書かれています。
予算を先に伝えることには、もう一つ利点があります。提案の内容が予算に合わせて組み替えられるため、何を削って何を残したのかという説明が受けられることです。この説明は、そのまま優先順位の情報になります。
見積もりを受け取るときに、そろえて聞く項目
最後に、実際に聞く項目を一覧にします。候補ごとに同じ項目を聞けば、それがそのまま比較表になります。
| 聞く項目 | 言い方の例 |
|---|---|
| 回数 | 「この金額は何回分ですか」 |
| 範囲 | 「顔のどこまでが含まれますか。首は入りますか」 |
| 単品かセットか | 「単品だといくらになりますか」 |
| 初回かどうか | 「二回目以降も同じ金額ですか」 |
| 税の扱い | 「この金額は税込みですか」 |
| 含まれるもの | 「麻酔やアフターケアは含まれますか」 |
| 当日の総額 | 「この日に支払う合計はいくらですか」 |
いちばん最後の項目が、実はもっとも確実です。内訳を一つずつ確認するより、支払う合計を先に出してもらったほうが早く、当日の追加も起きにくくなります。
リフトアップ系の施術は候補が複数あることが多いので、機器の系統ごとの違いも押さえておくと選びやすくなります。韓国のリフトアップの選び方に整理しています。
日本語では、どこまで確認できるのか
平均や金額の話は、施術の説明よりも一段むずかしい話題です。数字と条件が同時に動くため、言葉が正確に届かないと、そのまま誤解になります。
| 段階 | 金額の確認について |
|---|---|
| 予約の問い合わせだけ日本語 | 当日の見積もりは別の手段で確認することになります |
| カウンセリングに通訳が入る | 回数・範囲・税の扱いまで詰められます |
| 施術中も日本語が通じる | 途中で内容が変わったときに確認できます |
| 会計まで日本語 | 支払う直前に総額を確認できます |
先ほどの口コミにもあったとおり、カウンセリングでは通訳が入っても、施術に入ると状況が変わることがあります。 これは珍しいことではありません。ですので、金額に関することは施術に入る前にすべて確定させておくのが基本です。
予約の段階で、次のように聞いておいてください。
「カウンセリングと会計のときに、日本語で金額の確認はできますか」
この質問への答え方で、その日本語対応がどの段階までのものかが、かなり分かります。
よくある質問
Q. 結局、韓国のオンダリフトの平均価格はいくらですか。
この記事では金額を示していません。平均という数字は、集めた対象・数えている単位・時期がそろってはじめて意味を持ちますが、公開されている平均のほとんどはその三つが書かれていないためです。ご自身の条件で候補を並べ、記事中の手順で割り戻して比べていただくのが、いちばん確実です。
Q. 一回あたりで比べるのと、総額で比べるのは、どちらがよいですか。
渡韓して受ける場合は、滞在中の合計で比べるほうが実態に近くなります。回数を重ねる前提の提案であれば、次に渡韓できる時期まで含めて考えることになります。まず単位を決めてから数字を集めてください。
Q. 案内の金額が税別かどうかは、どう聞けばよいですか。
「この金額は税込みですか」と、そのまま聞いて問題ありません。韓国では美容を目的とした施術は課税の対象になりますので、税込みか税別かで支払う額が変わります。
Q. 初回限定の案内は、平均の材料に入れてよいですか。
その条件をご自身が満たせるかどうかで判断してください。満たせるなら材料になりますが、続けて受ける前提であれば、二回目以降の金額も一緒に聞いておかないと計算が合わなくなります。
Q. 見積もりを比べるとき、金額以外に何を見ればよいですか。
所要時間、待ち時間、麻酔の待機が必要かどうか、そして通う場合の間隔です。滞在の日数は限られていますので、時間も金額と同じ資源として扱ってください。
※ 本記事は、価格が決まる条件と比較の手順を整理したものであり、具体的な金額や相場を示すものではありません。特定の医療機関や施術をすすめるものでもありません。実際の費用については、必ず医療機関にご確認ください。