韓国の美容クリニックを探していると、あるところで検索の仕方が変わります。最初は「シミ」「毛穴」のように悩みで探していたのが、どこかで具体的なクリニックの名前を知り、そこからはその名前とカウンセリングを組み合わせて調べ始める、という流れです。
この段階で知りたいことは、ほとんどの方に共通しています。そこは本当に外国から来た人を受け入れているのか。カウンセリングは誰が担当するのか。日本語は通じるのか。予算を言っても大丈夫なのか。断ることはできるのか。——つまり「行ってみるまで分からないこと」を、行く前にどこまで減らせるか、という問いです。
この記事では、特定の施設を評価することはいたしません。かわりに、どのクリニックの名前を調べる場合にも使える確認の手順を、韓国の公式サイトと法令の原文を実際に開きながら整理します。名前が変わっても、手順は変わりません。
クリニック名で調べたとき、何が分かって何が分からないのか
先に、期待値をそろえておきます。名前で検索して出てくる情報には、性格の違うものが混ざっています。
| 出てくるもの | 何が分かるか | 何が分からないか |
|---|---|---|
| 公式サイト・公式の案内 | 提供しているメニューの名前、所在地 | カウンセリングの実際の進み方 |
| 日本語の紹介記事 | 概要と雰囲気 | 書かれた時期、いまも同じ体制か |
| 口コミ | 実際に行った人が感じたこと | その人の担当者が、次も同じとはかぎらない |
| 公的な登録簿 | 外国人患者の受け入れ登録の有無と状態 | サービスの質や相性 |

このうち、書き手の主観が入らないのは、いちばん下の登録簿だけです。 反対に、カウンセリングの中身がいちばん濃く出るのは口コミです。両方を、それぞれの限界を分かったうえで使うのが現実的な進め方になります。
まず、公式の登録簿で確認できます
韓国では、外国から来る患者を受け入れようとする医療機関は、登録をすることとされています。その登録の一覧は、韓国保健産業振興院が運営する公式サイトで、誰でも無料で照会できます。冒頭に載せた画面がその入口です。
画面には「유치의료기관 4,322개」「유치사업자 2,805개」「총 유치기관 7,127개」、そして「2025년도 외국인 환자 유치실적 2,011,822명」と表示されていました。日本語にすると、受け入れ医療機関が4,322か所、誘致事業者が2,805か所、合計7,127か所、2025年の外国人患者の受け入れ実績が2,011,822人ということです。
照会の手順は二つだけです。

案内文には「기관명을 입력 하세요. 공란으로 조회 시 전체 유치기관현황이 조회 됩니다.」と書かれています。機関名を入力してください、空欄で照会すると全体が表示されます、という意味です。クリニックの韓国語名が分からない場合は、「피부과」(皮膚科)のように診療科名で照会することもできます。

結果の一覧には、状態(상태)・商号(상호)・代表者名(대표자명)・連絡先(연락처)・機関区分(기관구분)・地域(지역)の列が並びます。いちばん左寄りの「상태」が「유지」であれば、登録が有効な状態です。 機関区分の列には「의원」(医院)のような区分が、地域の列には「서울」「경기」「인천」といった所在地が入ります。
登録の照会そのものについては、登録を確認する手順に手順だけを取り出してまとめています。
登録には、法令上どんな条件があるのか
「登録している」と言われても、それがどれくらいの意味を持つのかが分からないと、確認する気になりません。そこで、根拠になっている法令の原文を開きました。


条文から読み取れる内容を整理します。
| 条文の項 | 定められている内容 |
|---|---|
| 第1項 | 外国人患者を受け入れようとする医療機関は、要件をそろえて広域自治体の長に登録すること |
| 第1項第1号 | 受け入れようとする診療科目ごとに、医療法第77条による専門医を1名以上置くこと |
| 第1項第2号 | 医療事故の賠償責任保険、または医療賠償共済組合に加入していること |
| 第5項 | 登録した医療機関には登録証が発給されること |
| 第6項 | 登録の有効期間は、登録日から3年 |
| 第7項 | 続けて受け入れる場合は、有効期間の満了前に更新すること |
ここから言えるのは、この登録が「届け出れば誰でも通る」ものではなく、要件を満たした医療機関だけが受けられ、しかも3年ごとに更新が必要だということです。だからこそ、状態の欄が「유지」であることに意味があります。
ただし、登録があることは、カウンセリングが丁寧であることや、日本語が通じることを保証するものではありません。登録は「外国から来る人を受け入れる前提で体制を整えている」という一つの手がかりであって、それ以上でも以下でもない、という距離感で使ってください。
カウンセリングは「誰が担当するか」で体験が変わります
韓国の美容クリニックでは、最初に長く話すのが医師ではないことがあります。カウンセラー(室長と呼ばれることもあります)が悩みと予算を聞き、メニューを組み、そのあとで医師の診察に入る、という順序です。日本のクリニックを想像していると、ここで戸惑う方が多い部分です。
この流れそのものについては韓国のカウンセリングの実際の流れに詳しくまとめていますので、初めての方はそちらを先にお読みいただくと理解が早くなります。この記事では、名前で調べる段階で確認しておけることに絞ります。
確認しておきたいのは、次の三つです。
- カウンセリングを誰が担当するのか——カウンセラーか、医師か、両方か
- 通訳がどの場面に入るのか——カウンセリングだけか、診察と会計まで入るのか
- その日のうちに施術まで進むのか——相談だけで帰れるのか
三つめは見落とされがちですが、当日の時間の組み方に直結します。相談だけのつもりで行ったのに、そのまま施術の流れになって断りづらかった、という声は実際にあります。「今日は相談だけにしたい」と最初に言っておけば、たいていはその前提で進みます。
「通訳さんもいて、カウンセリングは予算や肌悩みに合わせてメニューを組んでもらえました!」
「カウンセリングエリアも沢山ありますスムーズに案内してもらえました」
口コミから、カウンセリングの部分だけを取り出して読む
口コミは情報量が多い反面、そのまま読むと印象に流されます。カウンセリングについて調べているときは、施術の満足度ではなく、次の三点が書かれている部分だけを拾ってください。
| 拾う情報 | 口コミのどこに出るか |
|---|---|
| 誰が担当したか | 「室長」「カウンセラー」「先生」「通訳」といった言葉 |
| 言葉が通じたか | 「日本語」「通訳」「翻訳」という言葉の前後 |
| 提案の出方 | 「予算」「すすめられた」「変えた」という言葉の前後 |
そして、評価の高い声と低い声を、必ず両方読んでください。 同じ施設について、正反対のことが書かれていることは珍しくありません。
「院内は綺麗でカウンセラーや日本語訳の方も丁寧でとても安心感があったので、今回また利用させていただきました。」
「内容は満足ですが、施術の際になんの声掛けもなくはじまり、いま何をされているのかもわからず、不安がありました。」
「スタッフ多すぎてびっくり。カウンセリングの女性態度激悪。大したカウンセリングもやらず通訳の男性態度悪くて驚いた。」
この三つを並べて読むと、担当者によって体験の幅が大きいことが見えてきます。これは施設の善し悪しというより、規模の大きいところでは避けにくい構造です。だからこそ、当日に「分からないことはその場で聞く」と決めておくことが、いちばん確実な自衛になります。口コミは、良い声と悪い声を同じ数だけ読むと、実像に近づきます。
予約前の問い合わせで、確認しておきたいこと
ここまでで公式の登録と口コミを見たら、最後は直接聞くのがいちばん早いです。問い合わせの文面に入れておくとよい項目を挙げます。
| 聞くこと | なぜ聞くのか |
|---|---|
| カウンセリングは日本語で受けられますか | 対応の段階が分かります |
| 通訳の方は、診察と会計にも入りますか | いちばん大事な場面で通じるかが分かります |
| 相談だけで帰ることはできますか | 当日の心理的な負担が減ります |
| 提示していただく金額は税込みですか | あとで食い違いません |
| 当日の所要時間はどれくらいですか | 日程が組めます |
文面の作り方そのものは、問い合わせ文の書き方にそのまま使える例をまとめています。返信の速さと具体性は、それ自体が日本語対応の実力を示す情報になります。 質問に一つずつ答えが返ってくるか、定型文が返ってくるかで、当日の見通しがかなり立ちます。
当日、カウンセリングの場で決めておくこと
予約前の確認が終わったら、あとは当日です。カウンセリングは「話を聞く場」であると同時に、その日の内容と金額が確定する場でもあります。ここで曖昧にしたまま進むと、あとから確認する手段がなくなります。決めておきたいことを整理します。
その日にやる範囲を、言葉で確定させてください。 「顔全体」なのか「気になるところだけ」なのか、部位の呼び方は人によって幅があります。どこに何をするのかを、鏡を見ながら指で示して確認しておくと、行き違いが起きません。
回数と間隔を、先に決めてください。 1回で終わる前提なのか、続けることを前提とした提案なのかで、費用の考え方がまったく変わります。続ける前提の提案であれば、次にいつ来ることになるのかまで聞いておきます。渡韓のたびに来ることが現実的かどうかは、その場で判断できます。
金額は、税込みかどうかまで確認してください。 韓国のクリニックの価格表示は、税込みのところと税別のところが混在しています。カウンセリングの場で「この金額は税金を含みますか」と一言聞くだけで、想定外の差を防げます。あわせて、麻酔代やアフターケアの薬代が別になるかどうかも確認しておくと安心です。
アフターケアの説明は、その場で受け取ってください。 帰国後にどう過ごすか、何をいつから使ってよいかは、帰ってから聞き直すのが難しい情報です。日本語の紙で受け取れるか、それが難しければ、説明を聞きながらご自身でメモを取ることをおすすめします。
断ることは、失礼ではありません。 提案された内容を全部受ける必要はありませんし、その場で決めなくてもかまいません。「今日は決めずに持ち帰ります」と伝えるのは、現地でも普通のことです。予算の上限を先に伝えてあれば、そもそも大きく外れた提案は出にくくなります。
日本語では、どこまで確認できるのか
日本の方にとって、ここがいちばんの関心事だと思いますので、正直に整理します。
日本語対応は「ある・ない」の二択ではなく、段階があります。
- 常勤の日本人スタッフや通訳がいる——カウンセリングから診察、会計まで日本語で通ります
- 日本語の窓口が予約や問い合わせのみ——当日の現場では通じないことがあります
- 日本語のできるスタッフが不定期——曜日や時間帯によって当たり外れが出ます
- 翻訳アプリでの対応——雰囲気は伝わりますが、条件を詰める場面では行き違いが起きます
見分け方は難しくありません。予約の問い合わせのときに、日本語で三つ質問を送ってみることです。 三つとも個別に答えが返ってくるなら、当日も同じ体制である可能性が高くなります。逆に、質問の一部しか返ってこない場合は、当日も同じところで止まると考えておいたほうが安全です。
日本語対応そのものの見極め方は、日本語対応の見極め方に別途まとめています。
そして、当日いちばん効くのは、「分からなかったら、その場で必ず聞き返す」と最初に決めておくことです。先ほどの「声掛けもなくはじまり」という声は、聞き返せる空気を作れていれば防げた可能性のある不安です。遠慮は、あとで後悔に変わります。
よくある質問
Q. クリニックの韓国語名が分からないと、登録簿は調べられませんか。
韓国語名があると確実ですが、なくても照会はできます。案内文にあるとおり、空欄のまま照会すると全件が表示されます。「피부과」(皮膚科)のような診療科名や、地域で絞り込む方法もあります。予約の問い合わせのときに、韓国語の正式名称を教えてもらうのがいちばん早い方法です。
Q. 登録がないクリニックは、行ってはいけないのですか。
そのようには申し上げられません。登録は外国人患者の受け入れについての制度であり、医療機関としての適法性とは別の話です。ただし、登録があるところは外国から来る人の受け入れを前提に体制を整えている、という手がかりにはなります。判断材料の一つとしてお使いください。
Q. カウンセリングだけを受けて、帰ってもよいのですか。
かまいません。ただし、そのつもりであれば予約の時点と、当日の最初に伝えておくことをおすすめします。何も言わないと、そのまま施術に進む流れで話が組まれることがあります。先に伝えておけば、提案の出方も変わります。
Q. カウンセリングは有料ですか。
施設によって扱いが違いますので、この記事で一律には申し上げられません。問い合わせのときに「カウンセリングに費用はかかりますか」と一言確認しておくと確実です。あわせて、費用が施術を受けた場合に充当されるのかどうかも聞いておくと、当日迷いません。
Q. 予算はいくらと伝えればよいのでしょうか。
金額の目安をこの記事で申し上げることはいたしません。ただ、上限を先に伝えておくほうが、話は確実に早く進みます。 予算を言うと高いものをすすめられるのでは、と心配される方が多いのですが、実際には逆で、上限が分かってはじめてそこに収まる組み方が出てきます。当日に内容を削って調整することも、現地では普通に行われています。
※ 本記事は、韓国の公的機関が公開している情報と法令の原文を実際に確認して整理したものであり、特定の医療機関を推薦・評価するものではありません。制度や運用は変更される場合があります。実際の手続きや個別の判断については、医療機関または関係機関にご確認ください。掲載した画像は、いずれも公開されている画面をそのまま撮影したもので、個人や事業者が特定される部分は加工しています。