「韓国のアートメイクは一回で終わりますか」——渡韓の日程を組む段階で、いちばん多く出てくる質問だと思います。何度も行けるわけではありませんので、一回で完結するのかどうかは、行くかどうかを決める材料そのものです。
ただ、この「一回」という言葉が、実はいくつもの意味で使われています。料金表に書かれた「1회」は施術の回数のことかもしれませんし、来院の回数のことかもしれません。口コミに書かれた「一回で終わった」は、その方が一度の来院で満足したという意味かもしれませんし、リタッチを受けていないという意味かもしれません。同じ言葉なのに、指しているものが違うということが、この話をややこしくしています。
この記事では、回数の目安を数字で断定する代わりに、「一回」という単位が何を指しているのかを分解して、自分の日程に当てはめる方法を整理します。韓国の法令の原文と、韓国の公式サイトで誰でも確認できる画面を使いながら、現地から順に見ていきます。
「一回」という言葉は、少なくとも三つの意味で使われています
まず、この言葉が使われている場面を分けます。
| 使われ方 | 実際に指しているもの | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 料金表の「1回」 | 一度の施術に対する金額 | リタッチが含まれるかどうか |
| 案内の「一回で完成」 | 一度の来院で形が入ること | 定着後の見え方まで含むのか |
| 口コミの「一回で終わった」 | その方が一度で満足した、という感想 | その方の元の状態がどうだったか |
三つは、それぞれ別の話をしています。料金表の「1回」は会計の単位、案内の「一回」は施術の工程、口コミの「一回」は個人の結果です。この三つを同じ意味だと思って読むと、行ってから話が合いません。
とくに一つ目です。同じ「1回」と書かれていても、リタッチを含む価格なのか、含まない価格なのかで、金額の意味がまったく変わります。料金表の組み立て方については韓国のアートメイクの料金が何で決まるかのほうで詳しく扱っています。
韓国の法令では、アートメイクはどう位置づけられているのか

推測ではなく、条文で確認できます。冒頭に載せた画像は、韓国の「付加価値税法施行令(부가가치세법 시행령)」第35条の条文です。
黄色く示された部分に並んでいるのは、次の項目です。色素母斑・そばかす・黒色点・シミ治療術、ニキビ治療術、脱毛術、薄毛治療術、植毛術、タトゥー術およびタトゥー除去術、ピアッシング、脂肪溶解術、皮膚再生術、皮膚美白術、抗老化治療術および毛穴縮小術。
この列挙のなかに「문신술 및 문신제거술(タトゥー術およびタトゥー除去術)」があります。アートメイクは、韓国ではこのグループに位置づけられている、ということが条文から読み取れます。
法令は税の扱いを決めるために書かれたものですので、何回必要かを定めているわけではありません。ただ、美容を目的とした施術として条文に名前が挙がっているという事実は、これが医療機関で提供されるものだという前提を確認するうえで役に立ちます。回数そのものの考え方は韓国のアートメイクは何回必要かのほうにまとめてあります。
一回の来院で、実際に何が起きるのでしょうか

「一回」を考えるうえで、まず当日に何が積み上がるのかを知っておくと、日程が立てやすくなります。おおまかな流れは次のようになります。
| 当日の工程 | 何をするところか |
|---|---|
| 受付・問診 | 体調やアレルギー、飲んでいる薬の確認をします |
| カウンセリング | 形や色の希望を伝え、担当者と決めます |
| デザイン | 実際に顔に下描きをして、鏡で確認します |
| 麻酔 | 塗るタイプの麻酔を使う場合、効くまで待つ時間があります |
| 施術 | 実際に色を入れていきます |
| 確認・説明 | 仕上がりの確認と、その後の過ごし方の説明を受けます |
| 会計・次回の案内 | 支払いと、リタッチの案内があります |
このうち、時間が読みにくいのはカウンセリングとデザインです。 形の希望が固まっていない状態で行くと、ここが長くなります。逆に、事前に写真などで希望を用意しておくと、当日は短く済みます。
実際に受けた方の記録にも、時間の使われ方が表れています。
「時間に制限があったのですが、スタッフみなさんで共有してくださり、複数の施術を希望時間内に終えてくださいました。(平日で空いていたのもあると思います。)」
このように、時間の制約がある場合は先に伝えておくと、進め方を調整してもらえることがあります。ただし混雑状況にも左右されますので、当日の後ろに予定を詰め込まないほうが安全です。
「一回で終わる」と言えるのは、どういう場合でしょうか
ここは断定できない部分です。ただ、判断が分かれる要素は整理できます。
- 元の状態です。 もともと毛や色が残っている場合と、ほとんどない場合では、入れる量が変わります
- 希望する濃さです。 自然に薄く入れる場合と、しっかり見せたい場合では、工程の重ね方が変わります
- 肌の側の条件です。 色の入り方や定着には個人差があります
- 過去に入れたものがあるかどうかです。 残っている色があると、その扱いが先に必要になる場合があります
このうち自分で事前に分かるのは、上の二つです。ですのでカウンセリングでは、「私の状態で、一回でどこまでいきますか」と、自分の状態を前提にして聞くほうが、正確な答えが返ってきます。一般論として「何回ですか」と聞くと、一般論の答えしか返ってきません。
施術のあとに色がどう変わっていくかの見方はアートメイクの経過の読み方のほうで扱っています。
渡韓一回で完結させたい場合の、組み立て方
現実的には、「日本から何度も通えない」という前提で考える方がほとんどだと思います。その場合の組み立て方を整理します。
| 渡韓の形 | 現実的な考え方 |
|---|---|
| 二泊三日 | 初日に受けて、翌日に見え方を確認できる形にします |
| 三泊四日 | 初日か二日目に受け、残りの日で経過を見られます |
| 帰国翌日に予定がある | 直後の見え方が濃く出ることを前提に日程を決めます |
| 次の渡韓が決まっている | その時期を先に伝えて、リタッチの計画に含めてもらいます |
四つ目が使えるなら、いちばん整理しやすい形です。次にいつ来られるかを最初に伝えておくと、それを前提にした提案になります。 逆に、次の予定を伝えないままだと、一般的な間隔での案内になります。
なお、施術の直後は濃く見えることが一般的に案内されます。帰国翌日にどうしても人に会う予定がある場合は、その旨をカウンセリングで先に伝えてください。
料金表の「1回」が、何を含んでいるかを確認する

会計での行き違いは、この一点から起きます。確認したいのは次の項目です。
- リタッチが料金に含まれているか、別に数えられるか
- 含まれている場合、いつまでに受ける必要があるか
- デザインの相談料や麻酔の費用が別になっていないか
- 表示されている金額が税込みかどうか
- 部位が複数の場合、それぞれ別に数えられるのか
二つ目は、渡韓の方にとって特に重要です。リタッチが含まれる料金であっても、期限が決められている場合があります。 その期限内にもう一度渡韓できるかどうかで、その料金の意味が変わります。
「今回アートメイクとアイラインのリタッチでお伺いしましたが、予約も前日でもすぐ取れてよかったです。とても自然にキレイに仕上げてくださるのでオススメです」
このように、リタッチを別の機会に受ける形は実際によくあります。一回目の時点で、二回目をどう扱うのかまで聞いておくと、あとで迷いません。
予約の段階で、決めておくとよいこと
当日にカウンセリングの時間を短くするために、先に決めておける項目があります。
| 決めておくこと | なぜ先に決めるのか |
|---|---|
| 部位 | 眉だけなのか、目のまわりも含めるのかで所要時間が変わります |
| 希望の濃さ | 自然に薄くか、しっかりかで工程が変わります |
| 参考にしたい形の画像 | 言葉だけでは伝わりにくい部分を埋められます |
| 次に渡韓できる時期 | リタッチの計画がそこから逆算されます |
| 予算の上限 | その範囲で組んでもらえます |
三つ目については、「こうしたい」画像だけでなく「こうはしたくない」画像も用意すると、より正確に伝わります。形の好みは言葉にしづらい部分ですので、画像で示すのがいちばん確実です。
また、当日に体調やアレルギー、飲んでいる薬について聞かれます。日本語で説明できるようにメモを用意しておくと、問診がスムーズに進みます。
費用について、この記事で書けること
金額は書きません。書けない理由があります。アートメイクの料金は、次の条件の組み合わせで決まりますので、一つの数字として並べることができないためです。
- 部位です。眉なのか、目のまわりなのか、唇なのかで変わります
- 技法です。案内されている手法の種類によって変わります
- 回数の数え方です。リタッチ込みか、別かで意味が変わります
- 担当する方の区分がある場合、それによって変わることがあります
- 表示が税込みかどうかで、支払う額が変わります
「一回」の金額だけを見て比べると、この五つのどれが違うのかが分からないまま比べることになります。比べるときは、同じ条件にそろえてから比べてください。
「初めてのクリニックでしたが、カウンセリングも施術もスムーズでした!お店もキレイで満足です!また韓国に来た際はお願いしたいです🩵」
満足された方の記録でも、金額そのものではなく、話が通じたかどうかが書かれていることが多いです。
受け入れの登録は、公式サイトで確認できます
予約の前に、自分で確認できることがあります。行こうとしている医療機関が、外国人患者の受け入れ登録をしているかどうかです。韓国の公式サイトで、誰でも無料で調べられます。


登録があることは、日本語が通じることを保証するものではありません。ただ、外国から来る方の受け入れを前提にした体制があるかどうかを見るときの、材料の一つにはなります。
カウンセリングで、そのまま使える聞き方
日本語で伝えるとき、次のように聞くと話が噛み合いやすくなります。
- 「私の状態だと、一回でどこまでいきますか」
- 「この料金には、リタッチは含まれていますか」
- 「含まれている場合、いつまでに受ける必要がありますか」
- 「次に韓国に来られるのは半年後ですが、その前提で提案してもらえますか」
- 「今日の直後は、どのくらい濃く見えますか」
四つ目のように、自分の事情を先に出すほうが、提案が現実的になります。日本から通えないという前提は、こちらから言わなければ伝わりません。
「韓国語が話せないのですが、あいこさんというカウンセラーの方がとても親切で、通訳としても入ってくださり緊張が解けました✨ナ室長さんにカウンセリングをしていただいたのですが、おすすめはしてくださるのですが押し売りはなく、また再訪したいクリニックになりました!」
このように、通訳の方が入って進む形は多く見られます。緊張したまま黙っていると希望が伝わりませんので、遠慮せずに「迷っています」と言ってしまうほうが、結果的に良い方向に進みます。
日本語では、どこまで確認できるのか
アートメイクは、形と色という「好み」を伝える施術です。ですので、日本語で細かいニュアンスを伝えられるかどうかが、そのまま仕上がりに関わります。
日本語対応には段階があります。
- 常勤の日本人スタッフや通訳がいる場合 — デザインの相談も、リタッチの条件も、その場で確認できます
- カウンセリングにだけ通訳が入る場合 — 施術中は韓国語になることがあります
- 予約の窓口だけ日本語の場合 — 当日の細かいやり取りは別の手段になります
形の相談は、言葉だけでは伝わりにくい部分です。写真を用意していくことを強くおすすめします。 「こういう感じにしたい」という画像が一枚あるだけで、言葉の壁がかなり下がります。逆に「こうはしたくない」という画像も持っていくと、より正確になります。
当日、確認しておきたいのは次の点です。
- 今日の直後は、どのくらい濃く見えますか
- 何日くらいで落ち着きますか
- 洗顔やメイクはいつからできますか
- リタッチはいつごろが目安ですか
- 何かあったときは、どこに連絡すればよいですか
最後の項目は、帰国後に効いてきます。日本語で連絡できる窓口があるかどうかを、施術の前に確認しておくと安心です。日本語対応そのものの確かめ方は韓国のアートメイクと日本語対応のほうにまとめてあります。
よくある質問
Q. 韓国のアートメイクは、一回で終わりますか。
一律には決められません。元の状態、希望する濃さ、色の入り方の個人差によって変わります。ただ「私の状態だと、一回でどこまでいきますか」とカウンセリングで聞けば、その場での見立ては受け取れます。一般論として何回かを聞くより、自分の状態を前提に聞くほうが実用的です。
Q. 料金表の「1回」には、リタッチが含まれていますか。
含まれる場合と含まれない場合の両方があります。含まれている場合でも、いつまでに受ける必要があるかという条件が付いていることがあります。渡韓で受ける場合は、その期限内にもう一度行けるかどうかが判断の分かれ目になりますので、必ず確認してください。
Q. 一回の来院で、どのくらいの時間がかかりますか。
時間が読みにくいのはカウンセリングとデザインの部分です。希望の形が固まっていない状態で行くと、ここが長くなります。事前に希望の写真を用意しておくと短く済みます。当日の後ろに予定を詰め込まないほうが安全です。
Q. 韓国の法令では、アートメイクはどう扱われていますか。
韓国の付加価値税法施行令第35条の列挙のなかに「문신술 및 문신제거술(タトゥー術およびタトゥー除去術)」という項目があり、アートメイクはこのグループに位置づけられています。これは税の扱いを定めた条文ですので、回数や方法を定めたものではありません。
Q. 次に渡韓できるのが半年後でも、受けて大丈夫ですか。
その事情を先に伝えてください。次にいつ来られるかが分かっていれば、それを前提にした提案になります。伝えないままだと、一般的な間隔での案内になってしまい、条件が合わなくなることがあります。
※ 本記事は2026年8月31日時点で確認できた韓国の法令原文と公開情報にもとづく整理であり、診断や施術内容の助言ではありません。仕上がりや必要な回数には個人差があります。実際の判断は、医療機関でご確認ください。