「韓国でアートメイクを受けたいけれど、日本語で大丈夫でしょうか」——この質問には、実は前提がもう一つ隠れています。「どの場面の日本語のことですか」という前提です。
アートメイクは、ほかの施術と少し性格が違います。仕上がりを、言葉で決めていく施術だからです。 太さ、形、濃さ、左右のバランス、そして「どのくらい自然にしたいか」。これらは機械が決めるものではなく、こちらの希望を伝えて、相手がそれを形にするという作業になります。ですので、言葉が通じるかどうかが、そのまま仕上がりに関わってきます。
この記事では、「日本語が通じますか」という一つの質問を、場面ごとに分けて考えられるようにすることを目的にします。そのうえで、伝えたいことをどう準備しておけばよいのかまで整理します。準備さえしておけば、通訳が入る形でも、こちらの希望はきちんと届きます。

場面ごとに、必要になる日本語は違います
まず、渡韓してアートメイクを受けるまでの流れを、場面に分けてみます。それぞれで必要になる日本語の性質が違います。
| 場面 | そこで起きること | 必要になる日本語 |
|---|---|---|
| 予約と問い合わせ | 日時とメニューを決めます | 定型のやりとりで足ります |
| 受付 | 書類を書きます | 名前や連絡先の確認です |
| カウンセリング | 希望とできることをすり合わせます | ここがいちばん重要です |
| デザインの確認 | 実際に描いて見せてもらいます | 細かい修正を伝えます |
| 施術中 | 進めながら確認します | 短い言葉が使えれば足ります |
| 施術後の説明 | 過ごし方の指示を受けます | 聞き漏らせない内容です |
| 帰国後 | 経過や次の予定を相談します | 連絡手段が必要です |
予約のときに日本語が通じたからといって、全部の場面で通じるとは限りません。 ここを分けて確認しておくのが、いちばん確実な備えになります。
このうち、こちらが準備しておくことで大きく変わるのは、カウンセリングとデザインの確認の場面です。ほかの場面は相手が決まった手順で進めてくれますが、この二つだけは、こちらが何を伝えるかによって結果が変わります。
仕上がりの希望を、言葉にして持っていきます
いちばんよくある失敗は、「おまかせします」と言ってしまうことです。日本語でもむずかしい注文を、言葉の違う環境で「おまかせ」にしてしまうと、出てきた結果に対して意見を言うのが難しくなります。
ですので、渡韓の前に、次の項目について自分の希望を決めておいてください。日本語で書いておけば足ります。
- 形——上がり気味か、平行に近いか、自然な流れに沿わせたいか
- 太さ——太めか、細めか、いまより変えたいか
- 濃さ——はっきりさせたいか、薄めにしたいか
- 色味——明るめか、暗めか、髪の色に合わせたいか
- 左右差——気になっているところがあるか
- ふだんの化粧——どのくらい描いているか、それをどうしたいか
- 避けたいこと——こうはなりたくない、という形
最後の項目を用意しておく方は多くありません。 ですが、「こうしたい」よりも「こうはしたくない」のほうが伝わりやすい場面があります。両方を持っていくと、すり合わせが早く進みます。
伝えるための言葉の準備については日本語で伝えるための言葉の準備にも整理していますので、あわせてご覧ください。
写真は、言葉の不足を埋めてくれます
言葉で説明しにくいものは、写真を使ってください。通訳が入る場合でも、写真があるほうが確実に伝わります。
用意しておくとよいのは、次の三種類です。
- なりたい仕上がりの写真——こうしたい、という参考です
- 避けたい仕上がりの写真——こうはしたくない、という参考です
- 自分のふだんの状態の写真——化粧をしたときと、していないときの両方です
3番を忘れる方が多いのですが、これがあると話が早くなります。ふだんどうしているのかが分かれば、どこを変えたいのかも伝わりやすくなるからです。
写真は、スマートフォンの中のひとつのフォルダにまとめておいてください。カウンセリングの場で探し始めると、時間が押します。順番に並べておくと、そのまま説明の流れとして使えます。

デザインを見せてもらう場面が、いちばんの分かれ目です
多くの場合、施術に入る前に、実際の形を描いて見せてもらう時間があります。ここが、日本語がいちばん効いてくる場面です。
この場面で必要なのは、長い説明ではありません。短い修正の言葉です。
- もう少し細くしてください
- もう少し薄くしてください
- 左のほうを少し下げてください
- ここをもう少し短くしてください
- このままで大丈夫です
これらを、そのまま伝えられる形で用意しておいてください。 通訳が入る場合でも、短い言葉のほうが正確に伝わります。翻訳アプリを使う場合も、一文を短く区切るほうが誤りが減ります。
そして、いちばん大切なことをお伝えします。納得できていない状態で、次に進まないでください。 描いてもらった形に気になるところがあれば、その場で言ってください。始まってからでは直せません。
「元々の施術と大幅に変更したにもかかわらず、私の悩みをしっかり聞いて丁寧に提案してくれました。また、日本語対応ができる方もいて、通訳してくれたので安心しました!」
このように、こちらの希望に合わせて内容を変えてもらえたという声もあります。遠慮して黙ってしまうことのほうが、あとで残念な結果につながります。
施術中に使う言葉は、短くしておきます
施術が始まると、こまかいやりとりは難しくなります。ですので、あらかじめ短い言い方を決めておくと安心です。
| 伝えたいこと | 短い言い方 |
|---|---|
| 痛い | 痛いです |
| 少し休みたい | 少し休みたいです |
| 麻酔を足してほしい | 麻酔をお願いします |
| 確認したい | 鏡を見せてください |
| 大丈夫 | 大丈夫です |
これらを紙かスマートフォンに書いて、手元に置いておいてください。声を出しにくい体勢でも、指させば伝わります。
実際の口コミにも、施術する側から声をかけてもらえたという記録があります。
「初めて利用しました!日本語でカウンセリングを受けられます。対応してくれた男性がとても丁寧に説明してくれました。施術の先生も日本語で痛いですか?とか、気遣ってくださいました。効果が出るのが楽しみです😊」
こうした短いやりとりが日本語でできるかどうかは、当日の安心感をかなり左右します。予約のときに「施術中も日本語で声をかけていただけますか」と聞いておくとよいと思います。
麻酔と痛みについて、聞いておくこと
痛みの感じ方には個人差がありますが、麻酔をどう使うのかは、事前に確認できる項目です。
- 麻酔は使いますか。どういう形のものですか
- 麻酔を待つ時間はどのくらいですか
- 途中で足してもらうことはできますか
- 痛みが強いときは、どう伝えればよいですか
二番目の質問は、当日の所要時間に関わります。麻酔のクリームを塗って待つ時間がある場合、受付から終了までの時間はその分だけ長くなります。 ほかに予定を入れている場合は、余裕を見ておいてください。
三番目については、実際にそうしてもらったという記録が残っています。
「丁寧な施術で、麻酔クリームも足してくれながらなので、痛みも少ないです。」
このように、途中で対応してもらえる場合があります。「途中で言ってもよいのか」を先に聞いておくと、我慢しなくてすみます。
施術のあとの説明は、必ず形に残してください
アートメイクは、施術のあとの過ごし方についての指示があるのが一般的です。ここは聞き漏らせないところです。
聞いておきたいのは、次の内容です。
- 洗顔や洗髪はいつからできますか
- 化粧はいつからできますか
- 触ってよいのはいつからですか
- 気をつけることはありますか
- 色の見え方は、これからどう変わりますか
- 次に確認するのはいつですか
5番は、とくに聞いておいてください。 直後の見え方と、落ち着いたあとの見え方は違うものとして説明されるのが一般的です。ここを聞かずに帰ると、直後の状態を見て不安になってしまいます。
そして、これらの説明を口頭だけで終わらせないでください。 日本語で書いたものをもらえるか、メッセージで送ってもらえるかを聞いてください。当日は情報が多く、覚えきれません。
リタッチのことも、初回のうちに聞いておきます
アートメイクは、あとから手を入れることを前提に案内される場合があります。渡韓して受ける場合、この点は初回のうちに確認しておく必要があります。
- 追加で手を入れる場合、いつごろが目安になりますか
- そのときは、また来院が必要ですか
- 費用はどうなりますか
- 期間が空いてしまった場合、どう扱われますか
日本語の口コミにも、時間をおいて再訪した記録が残っています。
「綺麗な眉毛とアイラインが復活して嬉しいです!」
次の渡韓がいつになるか分からない状態で受けるのであれば、期間が空いた場合の扱いを先に聞いておくと、計画が立てやすくなります。カウンセリング全体の流れはカウンセリングの流れにまとめています。
予約の段階で、内容そのものを日本語で確認しておきます
日本語がいちばん効くのは当日ですが、当日を楽にするのは、予約の段階のやりとりです。 ここで内容を固めておくほど、現地で決めることが減ります。
予約のときに聞いておきたいのは、次の項目です。
| 聞くこと | なぜ聞くのか |
|---|---|
| 施術にかかる時間の目安 | 当日ほかの予定を入れられるか決まります |
| 麻酔を待つ時間が含まれるか | 所要時間の見積もりが変わります |
| デザインを確認する時間があるか | ここが確保されているかは重要です |
| 当日に決めることと、事前に決めることの区別 | 準備するものが変わります |
| 施術を担当するのはどなたか | 当日の想定がはっきりします |
| 日本語で対応する方は同席するか | 場面ごとの体制が分かります |
四番目の項目は、意外と抜けやすいところです。 メニューを当日に決める前提なのか、事前に決めておく前提なのかで、こちらの準備がまったく変わります。写真を用意していく必要があるのかどうかも、ここで決まります。
やりとりは、あとから見返せる形で残しておいてください。メッセージのやりとりであれば、そのまま画面に残ります。当日に「聞いていた話と違う」と感じたときに、確認する材料になります。
当日の持ち物と、時間の使い方
準備しておくと当日が落ち着くものを、まとめておきます。
- 写真をまとめたフォルダ——なりたい形、避けたい形、ふだんの状態です
- 希望を書いた日本語のメモ——形、太さ、濃さ、色味、左右差です
- 短い言い方を書いた紙——施術中に指させる形にしておきます
- ふだん使っている薬やサプリメントの一覧——診察の前に伝える内容です
- 鏡——手元で確認したいときに使えます
- 帽子や前をあけられる服——当日の移動が楽になります
三番目と四番目は、忘れやすいわりに効きます。 薬の名前は訳そうとせず、パッケージの写真を撮っておくほうが正確に伝わります。
時間の使い方についても、少しだけ考えておいてください。当日は、受付、カウンセリング、デザインの確認、麻酔を待つ時間、施術、施術後の説明、という順で進みます。このうち、こちらが時間をかけてよいのは、カウンセリングとデザインの確認です。 ここを急いでしまうと、あとから直せません。
ですので、当日は前後に予定を詰めないでください。 時間に追われていると、気になるところがあっても「このままで大丈夫です」と言ってしまいがちです。余裕をつくっておくことも、準備の一つだと思います。
受ける場所について、予約の前に確認できること
日本語の体制と同じくらい、先に確認しておきたいのが「どこで受けるのか」です。ここは、現地に行く前に自分で調べられる部分があります。
韓国では、外国から来た方の受け入れについて登録している医療機関を、公的なサイトで検索できるようになっています。上の画面がその入口です。行こうとしている医療機関が登録されているかどうかは、誰でも無料で確認できます。 医療機関の名前を入力して照会するだけですので、渡韓の前に一度見ておくとよいと思います。
登録があることは、外国から来る方の受け入れを前提にしている、という一つの手がかりになります。ただし、それが日本語対応の有無を意味するわけではありません。 二つは別の話ですので、分けて確認してください。
そのうえで、予約の前に聞いておきたいことがあります。
- 施術を担当するのはどなたですか
- カウンセリングを担当するのはどなたですか
- 施術を受けるのは、どういう場所になりますか
- 施術後に気になることが出た場合、どこに連絡すればよいですか
一番目と二番目を分けて聞いておくのが大切です。 カウンセリングと施術で担当が変わる場合、伝えたことがそのまま引き継がれているかを、施術の前にもう一度確認する必要があるためです。
こうした確認は、聞きにくいことのように思えるかもしれません。ですが、受け入れに慣れている医療機関であれば、どれも普通に答えてもらえる内容です。 答え方そのものが、判断の材料になります。
日本語では、どこまで確認できるのか
ここまで見てきたとおり、アートメイクで日本語が必要になるのは、カウンセリングとデザインの確認、そして施術後の説明の三つです。この三つが日本語で進められるかどうかを、予約の前に確認してください。
日本語対応の形にも種類があります。
| 形 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 日本人のスタッフが対応する | こまかい言い回しまで伝わります | デザインの相談に向いています |
| 日本語ができる韓国のスタッフ | 施術の内容にも詳しい場合があります | 全体を通して安心です |
| 通訳が入る | 内容を正確に伝えてもらえます | カウンセリングで有効です |
| 翻訳アプリを使う | 定型のやりとりはできます | 短いやりとり向けです |
どれがよいということではなく、どの場面に入ってもらえるのかが大切です。 通訳の考え方については通訳はどう考えればよいのかにも整理しています。
予約の前に送る一文としては、次のような形が使いやすいと思います。
カウンセリングとデザインの確認のとき、日本語で相談できますか。また、施術後の過ごし方の説明も、日本語でいただけますか。
問い合わせの文面については予約の問い合わせ文はどう書くかに例をまとめています。
「眉毛アートで利用しました。日本語で応対してくれるので安心して施術を受けられました。受付、カウンセリングから終了まで45分程度で終了してスムーズでした。」
このように、受付から終わりまで日本語で進んだという記録もあります。確認しておけば、こういう形にできるということでもあります。
よくある質問
Q. 日本語がまったく話せなくても受けられますか。
日本語で対応してもらえる体制があるかどうかによります。ですので、予約の前に、どの場面で日本語が使えるのかを確認してください。とくにカウンセリングとデザインの確認は、通訳が入る形を確保しておくことをおすすめします。
Q. 翻訳アプリだけで足りますか。
短いやりとりであれば使えます。ただし、デザインの細かい修正や、施術後の過ごし方の説明は、往復のやりとりが必要になります。アプリだけで進めるのは負担が大きいと思います。
Q. 希望をうまく言えるか不安です。
言葉で説明しようとせず、写真を用意していってください。なりたい形、避けたい形、ふだんの状態の三種類があると、言葉の不足を補えます。短い修正の言い方を用意しておくのも有効です。
Q. デザインが気に入らなかった場合、断れますか。
描いて見せてもらう段階であれば、修正をお願いできます。納得できていない状態で次に進まないでください。言いにくい場合は、あらかじめ用意した短い言い方を使うと伝えやすくなります。
Q. 帰国してから気になることが出たら、どうすればよいですか。
出発前に、連絡先と連絡手段、日本語で連絡してよいかを確認しておいてください。写真を送って相談できるかどうかも、あわせて聞いておくと安心です。
※ 本記事は、渡韓の前に確認しておきたい項目と、その確認の仕方を整理したものであり、医学的な助言ではありません。施術の内容や適応、施術後の過ごし方については、必ず施術を受ける医療機関にご確認ください。掲載した日本語の口コミは、実際に投稿された文章をそのまま引用しています。