「アートメイクは韓国で受けたほうがよいのか、それとも名古屋など住んでいる街で受けたほうがよいのか」——これは、渡韓を考えている方からとてもよく届く相談です。日本国内で受けられるものをわざわざ韓国で受ける意味があるのか、という迷いは自然なものだと思います。
先にお伝えしておきたいのは、この記事ではどちらがよいかを決めませんという点です。金額も挙げません。地元のクリニックにも韓国のクリニックにもそれぞれ前提があり、その前提を知らないまま数字だけを並べても、比較にならないからです。
代わりに書くのは、比べるときに何をそろえればよいかです。ここがそろっていれば、あとはご自身の生活と日程に照らして判断できます。アートメイクは、受けたあとに「直しに行けるかどうか」が効いてくる施術ですので、距離の問題は最後まで残ります。そこも含めて整理します。

比べるときにそろえるべきなのは、金額ではありません
料金の数字を横に並べても、判断材料にはなりません。理由は単純で、その数字が指している中身が違うからです。
たとえば、同じ「眉のアートメイク」でも、次のような違いがあります。
- 一回で終わる想定なのか、二回で一組と数えているのか
- リタッチが含まれているのか、別料金なのか
- リタッチが無料になる期間が決まっているのか
- 麻酔の費用が含まれているのか
- 表示が税込みか税別か
さらに、施術を担当する方の経験によって料金が分かれている場合もあります。同じクリニックのなかに複数の料金帯があり、担当が違うだけで数字が変わる、という形です。料金表の一行だけを見て「ここは安い」と判断すると、この違いを見落とします。
この前提が違えば、金額が違うのは当然のことです。ですので、比べる前に中身をそろえる必要があります。費用の決まり方そのものはアートメイクの費用の決まり方に詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。
①「一回」の数え方が、そろっていません
いちばん最初にそろえるべきなのが、ここです。何を一回と数えているかが違うと、その先の比較がすべて崩れます。
| 確認すること | 聞き方 |
|---|---|
| 何回で完成の想定か | 「完成までに何回来る想定ですか」 |
| 二回目は別料金か | 「二回目の費用は別になりますか」 |
| リタッチの扱い | 「リタッチが含まれる期間はありますか」 |
| 部位の範囲 | 「この金額は、どの部位までが含まれますか」 |
| 左右差の調整 | 「仕上がりを見て微調整する場合、どうなりますか」 |
実際に韓国で受けた方の声にも、この「含まれる範囲」が書かれているものがあります。
「一年以内ならリタッチも無料なのでまたお願いしようと思います。」
この一文で分かるのは、期間が区切られているということです。期間が区切られている以上、その期間内にもう一度行けるかどうかが、そのまま条件の価値を決めます。回数の考え方はアートメイクの回数の考え方にもまとめています。
② リタッチまでの期間と、渡韓の予定の相性
前の項目の続きです。地元で受ける場合と渡韓して受ける場合で、いちばん差が出るのがここです。
リタッチの条件が「一年以内なら無料」だったとして、地元であれば予定を合わせて行けばよいだけの話です。ところが渡韓の場合、もう一度その期間内に韓国へ行けるかという別の問題になります。ここを計算に入れずに条件だけを比べると、実際には使えない条件を評価してしまうことになります。
判断のしかたとしては、次のように考えると整理しやすいと思います。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 年に何度か渡韓する予定がある | リタッチの条件を、そのまま条件として評価できます |
| 次の渡韓が未定 | リタッチ込みではなく、一回で受け取れるものだけで比べます |
| 直近で一度きり | 期間限定の条件は、無いものとして計算しておくほうが安全です |
③ 当日にかかる時間と、旅程の組み方
渡韓して受ける場合、当日の時間の使い方が旅程全体に響きます。ここは地元で受ける場合には起きない問題です。
実際に受けた方の記録を読むと、施術そのものは思ったより短かった、という書き方をされている方が多くいらっしゃいます。ただし、それは施術そのものにかかった時間です。ここに、受付、カウンセリング、デザインの相談、麻酔が効くまでの待ち時間、施術後の説明が加わります。予約の時間に着いて、そのまますぐ終わるわけではありません。
時間を先に伝えておいた、という方の記録もあります。
「スタッフの皆さんすごく優しくて、日本語も最初から最後まで伝わったのですごく居心地がよかったです。出たい時間を伝えていたらその時間までに終わらせてもらえました。」
出たい時間を先に伝えておく、というのは渡韓のときに特に有効です。そのあとの予定が決まっている場合は、予約の段階で伝えておくとお互いに動きやすくなります。
移動については、こういう記録もあります。
「初の韓国皮膚科、タクシーの目的地入れ間違えて20分遅刻したのにライン上連絡したらすぐ返信いただけたし、着いてからもすぐ案内してもらえて大変助かった。」
慣れない街で移動する以上、遅れる可能性は前提に入れておいたほうが安全です。連絡手段を先に確保しておくことが、そのまま保険になります。
予約を取ったら、当日に連絡できる手段を一つ決めておいてください。電話がつながらない状況でも、文字で連絡できる手段があれば、遅れそうなときにその場で伝えられます。渡韓中は現地の通信環境に左右されますので、宿を出る前に接続を確認しておくと安心です。
また、当日の予約時間は午前に置くと余裕が生まれます。カウンセリングやデザインの相談が長引いた場合でも、その日の残りの予定を組み直す余地が残るためです。午後の遅い時間に入れてしまうと、長引いたときにそのあとの予定をすべて諦めることになります。
④ 直しに行ける距離、という現実的な差
アートメイクは、仕上がりを見てから調整したくなることがある施術です。ここで効いてくるのが距離です。
- 地元で受ける場合 — 見て気になったら、比較的すぐに相談に行けます
- 渡韓して受ける場合 — 次に行ける日まで、そのままの状態で過ごすことになります
もうひとつ、時間の経過とともに見え方が変わっていく施術でもあります。入れた直後と、しばらく経ってからでは印象が違いますので、直後の見た目だけで判断しないほうがよい、という点は地元でも渡韓でも変わりません。ただ、渡韓の場合は「気になってきた頃には、もう相談に行けない」という順番になりやすいので、その分だけ当日の確認が重くなります。
これは良し悪しの話ではなく、選ぶときに計算に入れておく条件です。渡韓して受けると決めた場合は、当日のデザイン確認により時間をかける、という形で埋めることになります。仕上がりを鏡で確認する時間を取ってもらえるか、その場で左右を見比べる時間があるか。ここを予約時に聞いておくと、当日に慌てずに済みます。
⑤ 麻酔について、聞いておきたいこと
アートメイクでは麻酔クリームを使うのが一般的です。渡韓の場合、使われるものが日本と違う可能性がありますので、体質に不安のある方は先に確認しておいてください。

韓国では、医薬品の承認情報が公開されていて、日本にいるうちからでも確認できます。過去に麻酔で具合が悪くなったことがある方、アレルギーのある方は、次のように伝えておくと話が早く進みます。
- 「麻酔で具合が悪くなったことがあります」
- 「どの麻酔を使いますか。塗るタイプですか」
- 「麻酔が効くまで、どのくらい待ちますか」
⑥ 韓国では、施術の分類が法令に書かれています
記事の冒頭に載せた画面が、韓国の付加価値税法施行令の条文です。黄色く示された部分に、施術名が並んでいます。

このなかに「문신술 및 문신제거술」——日本語にするとタトゥー術およびタトゥー除去術——という項目があります。ここに分類されるものは、韓国では美容を目的とした施術として扱われ、課税の対象になります。
つまり、韓国のクリニックで見る料金表の数字は、税込みか税別かで実際に支払う金額が変わるということです。日本の料金表と横に並べて比べる前に、どちらの表示なのかをそろえてください。 カウンセリングで「この金額は付加価値税を含みますか」と一言確認するだけで済みます。
なお、日本国内で受ける場合の条件や取り扱いについては、受けるクリニックに直接ご確認ください。この記事は韓国側で確認できることを整理したもので、日本国内の制度を説明するものではありません。
⑦ デザインの相談は、言葉にいちばん依存する場面です

アートメイクで難しいのは、仕上がりの好みを言葉にしないと伝わらないという点です。施術そのものは短時間でも、その前のデザインの相談は、こみ入ったやりとりになります。
「もう少し細く」「もう少し薄く」「もう少し眉尻を長く」——こうした微調整は、言葉が通じないと伝わりません。実際に、その場で伝えて調整してもらえた方の記録もあります。
「眉尻をもう少し長くしてください、とお願いしたらすぐにしてくれて満足です。」
この一文は、当日にその場で伝えられたという点が大事です。事前に希望を固めておくこと、そして当日にその場で言えることの両方が必要になります。
準備としては、なりたい形の写真を何枚か用意しておくのがいちばん確実です。言葉で説明するより早く、行き違いも起きにくくなります。あわせて、「これは避けたい」という写真も一枚持っていくと、方向がはっきりします。好みは、望むものだけでなく望まないものを示したほうが、相手に伝わりやすいからです。当日にどんな言い方をすればよいか、写真をどう見せるか、鏡での確認をどうお願いするかについては、アートメイクで日本語が必要になる場面に場面ごとにまとめていますので、あわせてご覧ください。
比べるための一枚を、先に作っておきます
ここまでの項目を、一枚の表にまとめておくと迷いが減ります。記事を行き来しながら記憶で比べようとすると、必ずどこかが抜け落ちるからです。
左に項目、右に二つの列を置いて、片方に地元の候補、もう片方に韓国の候補を書いていきます。埋める順番は次のとおりです。
| 順番 | 項目 | 埋め方 |
|---|---|---|
| 1 | 完成までの回数 | 何回で完成の想定かを書きます |
| 2 | リタッチの条件 | 含まれる期間があるか、別料金かを書きます |
| 3 | 次に行ける時期 | 自分の予定として、いつ行けるかを書きます |
| 4 | 直しに行ける距離 | 気になったときに何日で行けるかを書きます |
| 5 | 当日の所要時間 | 受付から会計までの目安を書きます |
| 6 | 麻酔の扱い | 何を使うか、費用に含まれるかを書きます |
| 7 | 税の表示 | 税込みか税別かを書きます |
| 8 | 言葉 | どの場面まで日本語で進むかを書きます |
| 9 | 金額 | いちばん最後に書きます |
金額を最後に置くことが、この表の要点です。金額を先頭に置いてしまうと、前提の違う数字を見比べて、安いほうを選ぶことになります。それは比較ではなく、ただ数字の小さいほうを選んでいるだけになってしまいます。
三番目の「次に行ける時期」は、クリニックに聞くものではなく、ご自身の予定として書く項目です。ここが空欄のままだと、二番目のリタッチの条件を評価できません。逆に言えば、この一行が埋まると、判断はかなり楽になります。
日本語では、どこまで確認できるのか
デザインの相談が言葉に依存する以上、日本語がどこまで通じるかは、そのまま仕上がりに関わります。ここは「対応あり」と書かれているかどうかではなく、どの場面まで通じるかで見てください。
- 予約のやりとりだけ日本語
- カウンセリングまで日本語、施術中は身振り
- 施術中も含めて、ずっと日本語で伝えられる
三つ目であれば、微調整を伝えられます。二つ目までだと、デザインを決めたあとの調整が難しくなります。実際に受けた方の声には、同席してもらえたことを安心材料として挙げているものがあります。
「韓国旅行中に1人で伺いましたが、日本人スタッフの方が常に同席してくださるので安心です。」
予約の段階で、次のように場面を分けて聞いておくと、答えが具体的になります。
- 「デザインを決めるとき、日本語で相談できますか」
- 「施術中に希望を伝えたい場合、どうすればよいですか」
- 「仕上がりを確認する時間はありますか」
クリニックの選び方そのものについては眉のアートメイクを選ぶ基準にもまとめています。
よくある質問
Q. 名古屋など地元で受けるのと、韓国で受けるのでは、どちらがよいですか。
どちらがよいかは、次に渡韓できる時期と、直しに行ける距離をどう見るかで変わります。年に何度か渡韓される方と、直近で一度きりの方では、同じ条件でも価値が変わります。この記事の項目を埋めたうえで、ご自身の予定に照らして判断してください。
Q. 金額はどのくらい違うのですか。
金額は、部位・回数の数え方・リタッチの扱い・税の表示によって前提が変わりますので、この記事では挙げていません。数字だけを比べても中身が違うため、比較になりません。まず「何回で完成の想定か」「リタッチは含まれるか」をそろえてから、金額を並べてみてください。
Q. リタッチのために、もう一度韓国へ行く必要がありますか。
リタッチの条件はクリニックによって異なりますので、予約の前にご確認ください。期間が区切られている場合、その期間内に渡韓できるかどうかが条件の価値を決めます。次の渡韓が未定であれば、リタッチを含めない形で比べておくほうが安全です。
Q. 当日はどのくらい時間を見ておけばよいですか。
施術そのものの時間だけでなく、受付、カウンセリング、デザインの相談、麻酔が効くまでの待ち時間、施術後の説明が加わります。所要時間はクリニックによって差がありますので、予約の際に「全部でどのくらいかかりますか」と確認し、そのあとの予定は余裕を持って組んでください。
Q. 施術のあと、すぐに帰国しても大丈夫ですか。
受けたあとの過ごし方は、施術内容と体質によって案内が変わります。帰国日が近い場合は、予約の段階で日程を伝えて「この日程で受けて大丈夫ですか」と確認しておいてください。あわせて、帰国後に気になることがあった場合の連絡先と、日本語で連絡できるかどうかも聞いておくと安心です。
※ 本記事は、韓国で公開されている法令および医薬品の承認情報を確認したうえで、比較の観点を一般的に整理したものです。医学的な助言ではなく、特定の医療機関をおすすめするものでもありません。日本国内で受ける場合の条件については、受けるクリニックにご確認ください。施術の適否や体質にかかわる判断は、必ず医療機関にご相談ください。