「韓国でアートメイクを受けたいのですが、費用はどのくらいかかりますか」——渡韓のご相談をいただくなかで、これはとても多い質問です。そして調べはじめた方のほとんどが、同じところで手が止まります。書いてある金額が、記事によってもクリニックによっても、まるでそろわないのです。
先にお伝えしておきます。この記事では、具体的な金額を並べることはしません。金額はメニュー・部位・回数・時期・為替で動きますし、いまここに書いた数字は、読んでいただく頃には変わっている可能性が高いからです。そしてもうひとつ、もっと大事な理由があります。韓国のアートメイクは、そもそも「何を一回と数えるか」がクリニックによって違うため、金額だけを並べても比較にならないのです。
かわりにこの記事では、費用がどういう仕組みで決まっているのかを分解してお伝えします。仕組みが分かっていれば、カウンセリングの場で出てきた見積もりが自分にとって妥当かどうかを、ご自身で判断できるようになります。金額の暗記ではなく、金額の読み方を持ち帰っていただくための記事です。

調べても金額がそろわないのは、情報が間違っているからではありません
同じ「韓国 アートメイク 費用」で検索して出てきた三つの記事が、それぞれ違う金額を書いている。よくあることです。ここで多くの方が「どれが本当なのだろう」と考えてしまいますが、その問いの立て方だと、いつまでも答えが出ません。
金額がそろわない理由は、たいてい次のどれかです。
- 数えている単位が違う——片方は「1回分の料金」を、もう片方は「定着まで含めたセットの料金」を書いている
- 含まれているものが違う——麻酔、デザイン相談、施術後のケア用品、再訪時の費用を含むかどうかが違う
- 時期が違う——オープン記念や季節のキャンペーンの価格を、通常価格として書いている
- 為替の換算日が違う——ウォン建ての表示を日本円に直した日が違えば、同じ金額でも見え方が変わります
- そもそも比べている施術が違う——同じ「眉」でも、手法や仕上がりの考え方が違えば、別のメニューです
つまり、どれかが嘘をついているというより、足並みがそろっていないものを並べて見ているという状態です。ですので最初にやるべきことは、正しい金額を探すことではなく、自分の場合の条件をそろえることになります。
費用を分けている五つの要素
韓国のアートメイクの費用は、おおまかに次の五つで決まります。どのクリニックの見積もりも、この五つのどこかに落とし込めます。
| 要素 | 何が変わるのか | 確認するときの聞き方 |
|---|---|---|
| ① 部位 | 眉・アイライン・リップなど、どこに入れるかで料金の枠組みが変わります | 「この金額はどの部位のものですか」 |
| ② 手法・メニュー名 | 同じ部位でも、クリニックが用意しているメニューの区分によって金額が変わります | 「メニューの違いは何ですか」 |
| ③ 回数の組み立て | 1回で完了とするのか、後日の追加を前提にするのかで総額が変わります | 「この金額は何回分ですか」 |
| ④ リタッチの扱い | 追加分が最初の金額に含まれるのか、別料金なのかが分かれます | 「追加のときは別料金になりますか」 |
| ⑤ 税と付随費用の扱い | 表示が税込みか税別か、麻酔やケア用品が別立てかで総額が変わります | 「この金額は税込みですか。ほかにかかるものはありますか」 |
この五つのうち、日本から調べているあいだに分かるのは①と②までです。③④⑤は、実際にカウンセリングで自分の状態を見てもらってからでないと確定しません。ここが「調べても金額が出てこない」という感覚の正体です。事前に分かるのは枠であって、金額そのものではないのです。
「1回」の意味がクリニックによって違います
アートメイクの費用でいちばん誤解が起きやすいのが、この「回数」です。
アートメイクは、色の入り方に個人差があります。同じように施術しても、定着の具合は人によって違います。そのため、多くのクリニックでは一度で終わりにせず、様子を見てから追加の施術を行うという組み立てを案内します。この「追加」を何と呼び、どう料金に含めるかが、クリニックごとに違うのです。
考えられる組み立てを整理すると、次のようになります。
| 料金の組み立て | 表示される金額の意味 | 総額を出すために必要な情報 |
|---|---|---|
| 1回ごとに料金がつく | 施術1回分だけの金額 | 追加を何回想定するか、その都度いくらか |
| 追加込みのセット | 定着まで含めた金額 | セットに何回まで含まれるか、期限があるか |
| 初回のみ割引価格 | 初めての方向けの金額 | 2回目以降の通常価格はいくらか |
| 期間内のリタッチが別価格 | 一定期間内の追加が割安になる金額 | その期間が何か月か、過ぎたらどうなるか |
ですので「いくらですか」と聞く前に、「この金額は何回分で、追加が必要になったときはどうなりますか」と聞くほうが、はるかに実用的です。 この一言で、上の表のどれに当たるのかが一度に分かります。
実際に韓国で受けた方の声にも、追加の施術を前提にしている様子が出ています。
「また今年中にまた来るのでリタッチよろしくお願いします」
はじめから次の来訪を織り込んで考えている、という書き方です。渡韓してアートメイクを受ける場合、この「次にいつ来られるか」が費用の組み立てに直結します。
「初回価格」は安さではなく、条件です
韓国のクリニックの料金表には、初めての方向けの価格が別に用意されていることがあります。オープン記念や季節のキャンペーンとして案内されることもあります。
「初回料金やキャンペーンでお得に施術ができると思います。」
これは事実として、そういう価格設定があるという話です。ただ、費用を考えるうえでは「安い」ではなく「条件つき」と受け取っておくほうが安全です。確認しておきたいのは次の点です。
- その価格は初回だけなのか、期間中は何度でもなのか
- 2回目以降の通常価格はいくらなのか
- リタッチが必要になったとき、初回価格が適用されるのか、通常価格になるのか
- 予約時と当日で、価格の扱いが変わることはないか
アートメイクは、多くの場合その場で完結せず、後日の追加までを見て考える施術です。初回だけの価格で判断すると、総額の見通しがずれます。 通常価格まで聞いておいて、はじめて比較ができます。
料金表の読み方そのものについては、料金表の内訳をどう読むかでも整理していますので、あわせてご覧ください。
表示価格に何が含まれているのかを分解する
もうひとつの分かれ目が、表示されている金額にどこまで含まれているかです。同じ施術でも、含まれるものが違えば総額は変わります。カウンセリングで確認しておきたい項目を並べます。
| 項目 | 含まれることがあるもの | 別料金になることがあるもの |
|---|---|---|
| デザインの相談 | カウンセリングと一体で無料 | 時間をかけたデザイン相談が別立て |
| 麻酔 | 施術料金に込み | 使用する量や種類によって追加 |
| 施術後のケア用品 | 数日分が付属 | 購入をすすめられる |
| 追加の施術 | 一定期間内は込み | 期間を過ぎると通常料金 |
| 付加価値税 | 税込み表示 | 税別表示で会計時に加算 |
とくに最後の税の扱いは、渡韓の場合に見落としやすいところです。韓国では、美容を目的とした施術は課税の対象として扱われます。記事の冒頭に載せた法令の原文がそれで、条文には色素母斑・そばかす・黒色点・シミ治療術、ニキビ治療術、脱毛術、薄毛治療術、植毛術、タトゥー術およびタトゥー除去術、ピアッシング、脂肪溶解術、皮膚再生術、皮膚美白術、抗老化治療術および毛穴縮小術といった項目が並んでいます。
ご自身が受けようとしている施術がどの区分にあたるのか、そして表示価格が税込みかどうかは、受けるクリニックに直接確認するのがいちばん確実です。 「この金額は税込みですか」の一言で足ります。金額の確認の仕方については、クリニックで金額を確認する順番にもまとめています。
見積もりが確定するまでの順番
費用の話は、次の順番で固まっていきます。この順番を知っておくと、どの段階で何を聞けばよいかが分かります。
- 調べる段階——公開されている料金表やメニュー名から、おおよその枠を知る。ここで分かるのは枠だけです
- 問い合わせの段階——希望する部位と、渡韓の日程を伝える。ここで「何回必要になりそうか」の目安が返ってくることがあります
- カウンセリングの段階——実際に見てもらい、部位・手法・回数が決まる。ここではじめて金額が具体的になります
- 同意の段階——提示された内訳を確認し、追加が発生する条件を確認する
- 会計の段階——税込みかどうか、支払い方法、追加分の扱いを最終確認する
多くの方が①と③のあいだで悩んでしまいます。 調べても出てこない金額を探し続けてしまうのですが、③まで進まないと確定しないものを、①で確定させることはできません。①でやるべきなのは、金額を当てにいくことではなく、③で何を聞くかを決めておくことです。
カウンセリングの場でしっかり答えてもらえるかどうかは、クリニックによって差が出ます。
「自分に必要か不必要な施術か最適なものをきちんと答えて下さります。他メニューの強要などもありません。」
必要なものと不要なものを分けて答えてもらえるかどうかは、費用の面でも大きな差になります。すすめられたメニューについては、「それはいま必要ですか」「後日でも構いませんか」と聞いてみてください。答え方に、そのクリニックの姿勢がよく表れます。
価格を比べるときに、そろえておく条件
複数のクリニックを比べるときは、次の五つをそろえてから並べてください。ここがそろっていない比較は、どれだけ丁寧に表を作っても意味を持ちません。
- 部位——眉だけなのか、アイラインも含むのか
- 回数——1回分なのか、追加まで含めた総額なのか
- 税——税込みか税別か
- 付随費用——麻酔・ケア用品・デザイン相談を含むか
- 時期——通常価格か、期間限定の価格か
この五つをそろえたうえで、はじめて「どちらが高いか」という比較が成り立ちます。逆にいえば、この五つを聞き出せる相手かどうかが、そのクリニックを選ぶかどうかの判断材料にもなります。
安さだけで決めたときに起きやすいこと
費用を抑えたいというのは自然な気持ちですし、それ自体は何も悪いことではありません。ただ、アートメイクはやり直しに手間と費用がかかるという性質があります。ここは事前に知っておいていただきたい点です。
日本で受けたあと、韓国でやり直した方の声があります。
「以前、日本でやり形がイマイチだったので院長先生にやり直してもらい大満足しました。」
この方は結果に満足されていますが、やり直しには、最初の施術とは別に費用と時間がかかっています。 つまり、最初の一回をどこで受けるかは、総額に直接影響します。
もうひとつ、渡韓の場合は「近くない」という条件が加わります。日本国内であれば気軽に再訪できますが、韓国の場合は追加の施術のたびに渡航費と日程が必要になります。費用を比べるときは、施術料金だけでなく、追加のために何回渡韓する想定なのかまで含めて考えると、実態に近い数字になります。
予約の前に確認しておきたいこと
最後に、問い合わせや予約の段階で聞いておくと、当日あわてずにすむ項目をまとめます。
| 確認すること | なぜ必要か |
|---|---|
| 希望の部位の料金と、その金額が何回分か | 総額の前提が決まります |
| 追加の施術が必要になった場合の料金と期限 | 渡韓の日程に関わります |
| 表示価格が税込みかどうか | 会計時の差を防げます |
| 麻酔・ケア用品が別料金かどうか | 見積もりの精度が上がります |
| 支払い方法(現金・カードの可否) | 当日の準備が変わります |
| 日本語での説明がどの段階まで受けられるか | 費用の確認は言葉の精度が要ります |
このうち最後の項目は、費用の話をするうえで実はいちばん効いてきます。次の章でくわしく書きます。
なお、行こうとしているクリニックが外国から来た方の受け入れを前提にしているかどうかは、公式に確認する方法があります。手順は登録されているかを自分で確認する方法にまとめました。

日本語では、どこまで確認できるのか
費用の話は、施術そのものの説明よりも一段むずかしい話題です。「この金額は何回分ですか」「追加は別料金ですか」「税込みですか」という質問は、単語だけでは伝わらず、条件つきの言い回しになります。ここが日本語で通じるかどうかで、当日の安心感がかなり変わります。
日本語対応をうたっているクリニックでも、その中身には幅があります。おおまかに三つの段階に分かれます。
- 常勤の日本人スタッフや通訳がいる——カウンセリングでも会計でも、費用の条件をその場で詰められます
- 予約や問い合わせのみ日本語対応——当日の会計の場では通じないことがあります
- 翻訳アプリでの対応——施術の説明はできても、金額の条件を確認する場面では行き違いが起きやすくなります
実際に利用した方の声を見ると、この差ははっきり出ています。
「カウンセリングのジュンヒョンさんは、特に日本語が堪能で、肌に合った施術をご提案いただいたり、施術前に不安なことがないかなど、とても丁寧にカウンセリングいただきました。」
このように、提案の理由まで日本語で聞ければ、費用の妥当性も自分で判断できます。予約の段階で「会計のときも日本語で確認できますか」と一言聞いておくことをおすすめします。 この質問への答え方で、そのクリニックの日本語対応がどの段階までのものか、かなり分かります。日本語対応の段階の見分け方は、日本語対応がどの段階まであるかにもまとめています。
よくある質問
Q. 事前に総額を知ることはできますか。
おおよその枠は分かりますが、確定した総額はカウンセリングを受けるまで出ません。部位・手法・必要な回数が、実際に見てもらってから決まるためです。問い合わせの段階では「希望する部位」と「渡韓の日程」を伝えておくと、目安の案内を受けられることがあります。
Q. 「初回価格」で判断してもよいですか。
初回価格は条件つきの価格です。2回目以降の通常価格と、追加の施術に初回価格が適用されるかどうかまで確認したうえで判断されることをおすすめします。アートメイクは後日の追加まで見て考える施術なので、初回だけの金額では総額の見通しがずれます。
Q. 表示されている金額は税込みですか。
クリニックによって、税込み表示と税別表示が混在します。韓国では美容を目的とした施術は課税の対象として扱われますので、カウンセリングの場で「この金額は付加価値税を含みますか」と確認しておくと、会計時の差を防げます。
Q. 追加の施術のために、もう一度渡韓する必要がありますか。
必要になる場合があります。回数の組み立てはクリニックとメニューによって違いますので、予約の前に「追加が必要になったときの料金と、いつまでに受ければよいか」を確認しておくと、渡航の日程を立てやすくなります。
Q. 日本で受けた分のやり直しはお願いできますか。
対応の可否や料金は、状態を見てからの判断になります。事前に写真を送って相談できるクリニックもありますので、問い合わせの段階で「以前に受けたものがある」と伝えておくと、話が早く進みます。金額も通常のメニューとは別の扱いになることがあります。
※ 本記事は費用が決まる仕組みを整理したものであり、特定のクリニックや金額を案内するものではありません。料金・メニュー・回数の考え方はクリニックによって異なり、時期によっても変わります。実際の費用や施術の可否については、必ず受けるクリニックに直接ご確認ください。医療上の判断についても、医療機関にお問い合わせください。