鼻の相談は、肌の施術の相談とは性質がまったく違います。肌の施術であれば「今回は合わなかったので次は別のものを」と考える余地がありますが、鼻の場合はそう簡単に切り替えられません。だからこそ、カウンセリングの受け方そのものが結果を左右します。
それでも、日本から渡韓される方の多くが、限られた滞在日数のなかでカウンセリングと施術を同じ日に組み込んでしまいます。移動して、相談して、その場で決めて、その日のうちに受ける——この流れになると、判断する時間が物理的に残りません。
この記事では、韓国でのカウンセリングが実際にどういう流れで進むのか、カウンセラーの方と医師の役割がどう違うのか、何を聞けばよいのか、そして日本語でどこまで確認できるのかを整理します。この記事は施術をすすめるものではありません。 決めるための情報ではなく、決める前に確認できることをまとめたものとしてお読みください。

カウンセリングは「決める場」ではなく「確認する場」です
まず、前提を一つ変えていただきたいと思います。カウンセリングは、受けるかどうかを決めに行く場ではありません。決めるために必要な材料を集めに行く場です。
この前提が変わると、当日の行動が変わります。金額を聞いて即答する必要はありませんし、その日に予約を入れなければならない理由もありません。「今日は相談だけと決めてきました」と最初に伝えてしまうのが、いちばん確実な備えになります。
実際の口コミにも、強い営業がなかったという声があります。
「韓国人の友人におすすめされて来店しました。とても綺麗な店内でカウンセリングも丁寧。自分に必要な施術のみで強引な営業とありません。」
「カウンセラーさんは根気強く施術内容の相談に乗ってくださり、嫌な顔もせず色々と提案していただきました!」
一方で、その場の流れで金額が膨らんだという声も存在します。同じ国の、同じような立地のクリニックでも差が出ます。ですので、相手の対応に期待するのではなく、自分の側にルールを持っておくほうが確実です。渡韓前に予算の上限を金額で決めておき、当日はその範囲でしか答えない、と決めておいてください。
当日は、こういう順番で進みます

韓国のクリニックでは、日本とは順番が違うことがあります。おおまかな流れは次のとおりです。
| 段階 | 誰が対応するか | この段階ですること |
|---|---|---|
| 受付 | 受付スタッフ | 問診票の記入、身分証の確認 |
| 撮影 | スタッフ | 正面・横などの写真を撮ることがあります |
| 相談 | カウンセラー | 希望の聞き取り、メニューと金額の説明 |
| 診察 | 医師 | 状態の確認と、医学的な説明 |
| 見積もり | カウンセラー | 金額の提示、日程の相談 |
日本の方が戸惑われやすいのが、最初に出てくるのが医師ではないという点です。韓国では相談担当の方が先に対応し、そのあとに医師が診察に入る流れが一般的です。この流れ自体は珍しいものではありません。
ただし、医師と話す時間がどのくらいあるかはクリニックによって差があります。実際に、こういう声もあります。
「カウンセリング中に医師の方は居なく、日本語が話せるカウンセラーだけ。」
鼻の相談では、ここが決定的に重要になります。金額とメニューの説明だけを受けて帰ってきた場合、医学的な判断について何も確認できていないことになるためです。予約の段階で「当日、医師と直接お話しできる時間はありますか」と確認しておいてください。当日の流れ全般については韓国のカウンセリングの流れにも整理しています。
韓国の法令では、受け入れの要件が定められています
韓国には、外国から来た患者を受け入れる医療機関について定めた法律があります。この法律の第6条に、登録の要件が置かれています。

条文から読み取れることを整理します。
- 外国人患者を受け入れようとする医療機関は、市・道知事に登録しなければならないとされています
- 登録の要件として、診療科目ごとに専門医を1名以上置くことが挙げられています
- あわせて、医療事故賠償責任保険などへの加入が要件とされています
- 登録した医療機関には登録証が発行されます
- 登録の有効期間は3年で、継続する場合は期間満了前に更新しなければならないとされています
このうち、鼻の相談をされる方に意味があるのは二番目と三番目です。専門医の配置と、賠償責任保険への加入が要件として書かれている、という事実は知っておいて損がありません。もちろん、登録があることは日本語対応の質や施術の結果を保証するものではありません。あくまで、外国から来る患者を受け入れる前提で体制を整えているという一つの手がかりです。
当日、これを聞いてください
限られた時間で何を聞くかを決めておくと、当日の密度がまったく変わります。そのまま使える形でまとめます。
| 聞くこと | そのまま使える聞き方 |
|---|---|
| 提案の理由 | 「なぜこの方法を私にすすめてくださるのか、理由を教えてください」 |
| ほかの選択肢 | 「ほかに選択肢はありますか。それぞれの違いを教えてください」 |
| 受けない選択肢 | 「今回は受けないという選択をした場合、どうなりますか」 |
| リスク | 「起こりうることと、その頻度について教えてください」 |
| 修正の扱い | 「あとで修正が必要になった場合、どういう扱いになりますか」 |
| 担当する医師 | 「当日、施術を担当されるのはどなたですか」 |
| 経過 | 「日常生活に戻れるまでと、落ち着くまでの目安を、それぞれ教えてください」 |
| 帰国後の連絡 | 「帰国後に不安が出たとき、日本語で連絡できる窓口はありますか」 |
このなかで、三番目の「受けないという選択をした場合」を必ず入れてください。この質問への答え方には、そのクリニックの姿勢がよく表れます。受けない場合の説明も落ち着いてしてくださるところと、話を進める方向に戻すところとでは、相談相手としての性格が違います。
そして六番目も重要です。相談した方と、当日に担当される方が同じとは限りません。鼻の相談では、ここを曖昧にしたまま進めないほうが安全です。
もう一つ、聞いておくと役に立つのが「今日いただいた説明を、あとで見返せる形でいただけますか」という一言です。提案された方法の名前、金額の内訳、経過の目安を紙か画面で残してもらえれば、帰ってから落ち着いて比べられます。口頭で聞いた内容は、その日の夜には細部が思い出せなくなるものです。
写真やシミュレーションを見せられたとき
相談の場で、撮影した写真をもとにした画面を見せられることがあります。これは説明のための道具として使われるもので、仕上がりを約束するものではありません。
見せられたときは、次のように聞いてみてください。
- 「これは仕上がりの保証ではなく、説明のためのものという理解でよろしいですか」
- 「実際にはこの画面とどのくらい差が出る可能性がありますか」
- 「この画面のとおりにならなかった場合、どういう対応になりますか」
この三つに落ち着いて答えてくださるかどうかが、判断の材料になります。画面を見て気持ちが動いたときこそ、その日は決めないという自分のルールを思い出してください。
費用の話が出たときに、確認すること

金額はクリニック・方法・時期によって動きますので、この記事では数字を書きません。代わりに、何が金額を動かしているのかをお伝えします。
- 麻酔の費用が本体価格に含まれているか
- 検査の費用が別に必要か
- 処方される薬の代金が含まれているか
- 帰国前の再診が有料か無料か
- あとで修正が必要になった場合の費用がどうなるか
- 表示金額が税込みか税別か
韓国では、美容を目的とする施術は付加価値税(日本の消費税にあたる税金)の課税対象として扱われます。ですので、税込みかどうかの確認は必ず入れてください。 桁が大きくなるほど、この差は無視できません。
もう一点。当日その場で決めることを前提にした割引を提示されることがあります。金額として魅力的に見えても、判断する時間を失うほうが損失は大きいと考えていただくほうが安全です。「一度持ち帰って考えます」と言えるようにしておいてください。
そのクリニックが登録されているかは、無料で確認できます
先ほどの法律にもとづいて登録した医療機関は、韓国保健産業振興院が運営する公式サイトで誰でも無料で照会できます。日本にいるあいだに確認できますので、渡韓前に済ませておかれると安心です。

入力欄にクリニックの韓国語名を入れて「조회」を押すと、登録の状態が一覧で表示されます。状態の欄が「유지」であれば、その登録が維持されている状態を指します。手順は登録の確認方法で画面ごとに説明しています。
相談の前に、日本で決めておくとよいこと
当日の時間は限られています。現地で考えることを減らしておくほど、判断そのものに時間を使えます。日本にいるあいだに、次の四つを決めておかれることをおすすめします。
一つめは、気になっているところを言葉にしておくことです。 「なんとなく気に入らない」という状態のまま相談に行くと、相手の提案がそのまま自分の希望になってしまいます。正面から見たときなのか、横から見たときなのか、写真に写ったときなのか。どの場面で気になるのかまで書き出しておくと、話が具体的になります。
二つめは、予算の上限を金額で決めておくことです。 「安ければ」ではなく、数字で決めてください。その場で提示された金額と比べる基準がないと、判断がその場の空気に流されます。
三つめは、渡韓の日程に相談日と決定日を分けて置くことです。 相談した日に決めない、と最初から日程に組み込んでおけば、迷う必要そのものがなくなります。
四つめは、行こうとしているクリニックが登録されているかを確認しておくことです。 これは日本にいるあいだに、無料で確認できます。方法は次の章でお伝えします。
通訳を介するときに起きやすい行き違い
日本語での対応がある場合でも、行き違いが起きやすい場面があります。あらかじめ知っておくと、その場で気づけます。
一つめは、要望が要約されて伝わる場面です。こちらが三つ言ったことが、通訳を介する過程で一つにまとまってしまうことがあります。大事な希望は、番号をつけて一つずつ伝えてください。「一つめは、二つめは」と区切るだけで、伝わり方が変わります。
二つめは、医師の説明が短くまとめられる場面です。医師が長く話しているのに、日本語になった説明が一文だった、ということが起こります。そういうときは「いま先生がお話しされた内容を、もう少し詳しく教えていただけますか」と聞いてください。遠慮する必要はありません。
三つめは、金額の条件が省略される場面です。含まれるものと含まれないものは条件の話ですので、口頭だけでは残りません。紙か画面で、項目ごとに見せてもらってください。 写真を撮らせてもらえるかどうかも聞いておくと、あとから確認できます。
日本語では、どこまで確認できるのか
ここまで挙げた質問は、どれも日本語で正確にやり取りできないと成立しません。 特に鼻の相談では、リスクの説明や修正の扱いといった、行き違いが起きてはいけない内容が中心になります。
日本語対応と書かれていても、実際の体制には段階があります。
- 常勤の日本人スタッフや通訳の方がいる——医師の説明も、費用の条件も、その場で確認できます
- 日本語の窓口が予約対応のみ——予約は取れても、当日の診察や会計では通じないことがあります
- 翻訳アプリで対応——おおまかな内容は伝わりますが、リスクや条件を詰める場面では行き違いが起きやすくなります
口コミには、通訳を介して決められたという声もあります。
「すごくきれい。日本語ができるスタッフが通訳して施術を決められます。」
見分けるための質問を一つ挙げるとすれば、「医師の説明も、日本語で通訳していただけますか」です。カウンセラーの方との会話が日本語でできることと、医師の説明が日本語で伝わることは、別の話です。ここを分けて確認しておくと、当日の状況が想像しやすくなります。通訳の頼み方については通訳の頼み方、予約時の問い合わせ文は問い合わせ文の例にまとめています。
よくある質問
Q. カウンセリングだけを受けに行くことはできますか。
クリニックによって扱いが違いますので、予約の際に「相談だけでも大丈夫でしょうか」と確認してください。相談のみで料金が発生するかどうかも、あわせて聞いておくと当日に慌てずに済みます。
Q. その日のうちに受けたほうが、費用は安くなりますか。
当日に決めることを前提にした案内が出ることはあります。ただ、判断する時間を確保できないことのほうが影響は大きいと考えています。金額の条件は、持ち帰って考えたうえで改めて確認されることをおすすめします。
Q. 医師と直接話せないまま、話が進むことはありますか。
そういう声も実際にあります。予約の段階で「当日、医師と直接お話しできる時間はありますか」と確認しておいてください。この質問への答え方で、当日の進み方がかなり見えます。
Q. 複数のクリニックで相談してもよいのでしょうか。
問題ありません。むしろ、提案の理由が説明できるかどうかを比べる材料になります。ただし比べるときは、金額だけでなく、含まれる範囲・再診の扱い・修正の扱いをそろえてから比べてください。
Q. 渡韓前に日本でできる準備はありますか。
聞きたいことを日本語で書き出しておくこと、予算の上限を決めておくこと、行こうとしているクリニックが登録されているかを公式サイトで確認しておくこと、この三つは日本にいるあいだにできます。当日の時間を、判断そのものに使えるようになります。
※ 本記事は制度と確認事項の整理であり、医学的な助言ではありません。また特定の施術をすすめるものでもありません。施術の適否、効果、リスクについては必ず医師の診察を受けてご判断ください。掲載した法令および公的サイトの内容は執筆時点で確認できたものであり、制度は改正される場合があります。