「短い日程で渡韓するのですが、アートメイクは日帰りで受けられますか」。これは、渡韓の相談のなかでもよくいただく質問です。
結論から書きますと、受けること自体は可能な場合が多いのですが、「日帰り」という言葉が指しているものが人によって違うため、そのまま答えると噛み合いません。 ある方は「その日のうちにほかの予定に戻れるか」を聞いていますし、別の方は「泊まらずに同じ日の便で帰国できるか」を聞いています。必要な準備は、この二つでまったく変わります。
そしてもうひとつ、見落とされやすい点があります。当日の時間を食うのは、施術そのものではありません。 前後の工程です。カウンセリング、デザインの相談、麻酔が効くまでの待ち時間、終わったあとの説明。ここが読めないまま予定を詰めると、あとの予定が崩れます。
たとえば麻酔です。アートメイクでは、皮膚に塗るタイプの麻酔が使われることがあります。塗ってから効くまでの時間は、削ることができません。

「日帰り」が指しているものを、先に決めます
同じ「日帰り」でも、必要な余裕がまったく違います。ご自身がどちらなのかを、先に決めてください。
| どちらの「日帰り」か | 当日いちばん効いてくる条件 | 崩れたときに起きること |
|---|---|---|
| その日のうちに、ほかの予定へ戻りたい | 施術が終わる時刻と、そのときの顔の見え方 | 予定していた食事や買い物に、そのままの顔で行くことになります |
| 泊まらずに、同じ日の便で帰国したい | 空港へ向かう時刻から逆算した締め切り | 便に間に合わない、あるいは慌てて説明を聞き逃します |
前者であれば、必要なのは「終わったあとにどう見えるか」の見通しです。後者であれば、必要なのは「何時までに出ればよいか」という締め切りの管理です。
もし後者、つまり同じ日に帰国まで済ませたいという場合、予定はアートメイクを最後に置かないでください。 最後に置くと、少しでも押したときに逃げ場がありません。逆に一日の早い時間に入れておけば、押しても取り返せます。渡韓の日程の組み立て方そのものは渡韓の時間割の作り方にまとめてあります。
当日、時間はこの順番で使われます
クリニックによって細かい違いはありますが、工程の並びはおおむね共通しています。
| 工程 | そこで起きること | 時間が読めるか |
|---|---|---|
| 受付・問診票の記入 | 体調やアレルギーの有無などを書きます | 読めます |
| カウンセリング | 希望と、現状の眉や目もとの状態をすり合わせます | 相談の内容によって変わります |
| デザインの下書き | 実際に描いて、鏡を見ながら合わせます | いちばん読めません |
| 麻酔 | 塗って、効いてくるのを待ちます | 待ち時間はほぼ固定です |
| 施術 | 実際に色を入れていきます | 部位と範囲によって変わります |
| 仕上がりの確認 | 鏡で見て、必要なら微調整します | 短く済むことも、長引くこともあります |
| アフターケアの説明 | 当日から数日の過ごし方を聞きます | ここを削ってはいけません |
この表で見ていただきたいのは、時間が読めない工程が二つあるという点です。デザインと、仕上がりの確認です。
この二つは、こちらの希望が固まっているほど短くなります。逆に「お任せします」で始めると、その場で決めることになり、当然ながら長くなります。日帰りで組むのであれば、希望は渡韓の前に固めておくのが、いちばん効く時短です。
実際、待ち時間なく進んだという声もあります。
「待ち時間もなく施術できました。ドリンクのサービスなどもあり良かったです。施術中も痛みがないかなど聞いてくれて良かったです。施術の経過が楽しみです。」
デザインの工程は、事前の準備で短くできます
デザインは、当日いちばん大事な工程です。ここを急ぐと、あとから直せません。ですので「短くする」というのは、雑に済ませるという意味ではありません。当日その場で考える量を減らすという意味です。
渡韓の前にやっておくと効くのは、次のようなことです。
- なりたい形の写真を、複数枚用意しておく——言葉で説明するより、はるかに早く正確に伝わります
- 避けたい形の写真も用意しておく——「こうはしたくない」は、言葉にしづらい情報です
- 普段の眉の描き方を、写真に撮っておく——普段のメイクに寄せたいのか、変えたいのかが伝わります
- 左右差について、気になっているかどうかを決めておく——気にしていることを伝えないと、そのまま進みます
最後の項目は、実際の声にも出てきます。
「リタッチで伺いました 施術は素早く終わって仕上がりも大満足です 顔の筋肉の左右差も教えていただけたので 次回渡韓した時にまたお願いしたいと思います ありがとうございました♪」
顔の左右差は、多くの方にあるものです。それをどう扱うかは、デザインの段階で相談する話になります。当日その場で初めて聞かれると、判断に時間がかかります。
麻酔の待ち時間は、削れません
先に画像でお見せしたとおり、韓国で使われる医薬品は、食品医薬品安全処が公開している承認の一覧で確認することができます。製品名・企業名・承認番号・承認日まで公開されていますので、気になる場合は誰でも調べられます。
日帰りの日程を考えるうえで押さえておきたいのは、麻酔の待ち時間は、こちらの都合で短くできないという点です。塗ってから効いてくるまでの時間は、施術者の技術とは別の話だからです。
「急いでいるので麻酔は短めで」とお願いすると、痛みの感じ方が変わってくる可能性があります。時間を詰めたいのであれば、麻酔ではなく、その前のカウンセリングとデザインの段階で詰めるのが筋です。
麻酔の塗り方については、こういう声もあります。
「内装はとても綺麗で、みなさん日本語が上手でわかりやすいです。麻酔も他のクリニックと比べてしっかり塗られています。親切でした」
施術のあと、顔がどう見えるか
日帰りで予定を詰める前に、いちばん確認しておくべきことがここです。終わった直後の見え方です。
アートメイクは、入れた直後がいちばん濃く見えるのが一般的です。そのうえで、部位によっては赤みや腫れが出ることもあります。この状態が、その日のうちにどこまで落ち着くのかは、部位・範囲・体質によって変わります。
ですので、日帰りで組む場合は次のように考えると安全です。
- 人と会う予定を入れているなら——施術を予定の後ろに置かず、前に置きます
- 写真を撮る予定があるなら——同じ日は避けたほうが無難です
- マスクや帽子で隠せる部位かどうか——眉なのか、ほかの部位なのかで変わります
経過の見え方をどう読めばよいかはアートメイクの経過の読み方に別途まとめています。渡韓前に一度目を通しておくと、当日「思ったより濃い」と感じたときに慌てずに済みます。
帰りの移動と、その日のうちに聞いておくこと
同じ日に帰国する場合、いちばんもったいないのはアフターケアの説明を聞き切れないことです。ここは削れません。
当日その場で聞いておきたいのは、次のような内容です。
- 当日から数日、洗顔やメイクをどうするか
- 濡らしてよいのはいつからか
- 何かを塗る必要があるのか、あるとしたら何をどう塗るのか
- 気になる状態になったとき、どこへ連絡すればよいか
- 次の予定(リタッチなど)をどう考えればよいか
最後の項目が、日帰りを考えるうえで重要です。
「一回で終わる」とは限りません

アートメイクは、内容によって複数回に分けて進めることがあります。つまり「日帰りで受けられるか」と「日帰りで完結するか」は別の問いです。
一回目で完結するのか、期間をあけてもう一度必要になるのかは、希望する仕上がりと現在の状態によって変わります。この点はカウンセリングで必ず確認してください。回数の決まり方については韓国のアートメイクは何回必要かに詳しくまとめています。
もし複数回が前提になる場合、次の渡韓の見通しを持ったうえで進めるかどうかを決めることになります。ここを決めずに始めると、「一回目だけ受けた状態」で長く過ごすことになりかねません。
なお、費用の面でも確認が必要です。韓国の付加価値税法施行令では、アートメイクにあたる施術は課税の対象となる分類に入っています。表示されている金額が税を含むかどうかは表示だけでは判断できませんので、カウンセリングの場で確認してください。
費用の確認は、当日ではなく予約の段階で
日帰りの日程では、当日に費用を詰め直す時間がありません。会計の場で「思っていた金額と違う」となると、そこから話し合いになり、予定が崩れます。ですので、費用の確認は予約の段階で済ませておくのが安全です。
韓国では、医療にあたるものすべてが同じ税の扱いになっているわけではありません。治療を目的とした医療と、美容を目的とした施術とで、扱いが分かれています。これは条文で定められていて、原文は誰でも読むことができます。

黄色く示された並びのなかに「문신술 및 문신제거술」があります。日本語にすると、タトゥー術およびタトゥー除去術です。日本でよく言うアートメイクは、条文の言葉ではこの分類にあたります。つまり、美容を目的としたアートメイクは、韓国では課税の対象として扱われるということになります。
そのため、表示されている金額が税を含むものなのか、含まないものなのかによって、実際に支払う金額は変わり得ます。予約の段階で「この金額は税込みですか」と確認しておけば、当日の会計で止まることがなくなります。
あわせて聞いておきたいことが二つあります。ひとつは、今回の一回でいくらになるのか。もうひとつは、もう一度必要になった場合、その分がいくらになるのかです。一回目とその次で扱いが違うことがありますので、両方を聞いておくと予算が立てられます。
予約の前に、受け入れの体制も確認できます
短い日程で行く場合、当日にクリニックを比べ直す余裕はありません。渡韓の前に確認できることは、先に済ませておくと安心です。
そのひとつが、外国から来る方の受け入れを前提にした体制があるかどうかです。韓国では、外国人患者を受け入れる医療機関は登録することになっており、その状況は公式サイトで誰でも無料で確認できます。

入力欄にクリニックの韓国語名を入れて照会すると、状態・商号・機関の区分・地域が一覧で表示されます。「상태」の欄が「유지」であれば、登録が有効な状態です。
これは「良いクリニックかどうか」を示すものではありません。外国から来る方の受け入れを前提にした体制があるかどうかの、手がかりのひとつです。日帰りのように余裕のない日程では、こうした前提が整っている場所のほうが、当日の進行が読みやすくなります。
前日と当日の朝に、やっておくこと
日帰りで組む場合、当日の朝までにできることをやっておくと、現地での時間の使い方が変わります。
- 希望の形の写真を、スマートフォンのお気に入りに入れておく——その場で探す時間がなくなります
- 避けたい形の写真も、同じ場所に入れておく——伝えづらい情報ほど、画像が効きます
- クリニックの場所と、そこから空港までの経路を確認しておく——同じ日に帰国する場合は必須です
- 当日の予定を、施術のあとに詰めすぎない——押したときの逃げ場を残します
- 体調が万全でないと感じたら、早めに連絡する——当日その場で判断するより、前日に相談したほうが選択肢が残ります
最後の項目について補足します。日帰りの日程は、体調が崩れたときに調整の余地がありません。「せっかく来たのだから」と押し切ると、当日の判断が雑になります。前日の時点で不安があるなら、その時点でクリニックに伝えておくのが、結果的にいちばん損が少ない進め方です。
日本語では、どこまで確認できるのか
アートメイクは、言葉の精度が仕上がりに直結する施術です。ほかの施術以上に、日本語が通じるかどうかが結果に効いてきます。
理由ははっきりしています。デザインの相談が、言葉のやりとりだからです。「もう少し細く」「この角度で」「ここは残したい」。この微妙な調整が伝わらないと、こちらの意図と違うものが定着してしまいます。
日本語対応と書かれていても、中身には幅があります。確認したいのは、デザインの相談の場面に、日本語が入るかどうかです。
- 通訳がデザインの工程にも同席する——その場で細かい調整を伝えられます
- カウンセリングまでは日本語、施術中は通じない——下書きの段階で決めきる必要があります
- 翻訳アプリでの対応——写真を用意していく重要度が上がります
実際の声にも、この差は出ています。
「初めての施術でしたが、とても丁寧に対応してくださりました。日本語が通じるのか不安でしたが、都度通訳をしてくださるので安心でした。」
「都度」というのが要点です。最初にまとめて説明を受けるのではなく、工程ごとに確認が入る状態です。デザインを詰める施術では、この形がいちばん安心できます。
予約の段階で聞いておくとよいのは、次の一言です。「デザインを決めるときも、日本語で相談できますか」。単に「日本語は通じますか」と聞くより、答えの精度が上がります。アートメイクの日本語対応の確かめ方はアートメイクを日本語で受けられるかにもまとめています。
よくある質問
Q. 渡韓した当日に、そのまま受けることはできますか。
予約の空き状況によります。当日の枠が残っているかどうかはクリニックによって違いますので、日程が決まった時点で予約しておくのが確実です。日帰りの日程では、当日に空きを探す時間そのものが負担になります。
Q. 施術の当日に、飛行機に乗っても問題ありませんか。
体調や施術の内容によって判断が変わるため、この記事では一律の答えを書きません。当日の便で帰国する予定であることを、カウンセリングの時点で伝えてください。そのうえで注意点があるかどうかを、施術を担当する方に確認していただくのが確実です。
Q. 当日、全部でどのくらい時間がかかりますか。
クリニックと施術の内容によって変わります。予約のときに「受付から出るまで、どのくらいを見ておけばよいですか」と聞いておくと、その日の予定を組みやすくなります。施術の時間だけを聞くと、前後の工程が抜けてしまいますので、出るまでの時間で聞くのが要点です。
Q. 眉のメイクをしていっても大丈夫ですか。
クリニックによって案内が異なります。普段の眉の形を見てもらいたい場合と、素の状態から相談したい場合とで、望ましい状態が変わるためです。予約のときに確認しておくと、当日迷いません。
Q. 一回で終わらせたいのですが、可能ですか。
希望する仕上がりと現在の状態によって変わりますので、カウンセリングで確認してください。「今回の渡韓で完結させたい」という希望があること自体は、最初に伝えておいて構いません。そのうえで何が可能で何が難しいのかを聞くほうが、話が早く進みます。
※ 本記事は2026年8月31日時点で確認できた情報と、現地での実務の整理にもとづくものであり、医学的な助言ではありません。施術の可否・所要時間・当日の注意点・費用の条件については、必ず受診されるクリニックにご確認ください。