「3泊4日で渡韓したら、だいたいいくらかかりますか」——いちばん多く聞かれる質問です。そして、いちばん答えにくい質問でもあります。
答えにくいのは、情報を隠しているからではありません。滞在の日数と、施術の金額が、まったく別の理屈で動いているからです。3泊4日という日数が決めるのは宿泊費と食費だけで、施術の金額のほうは、何を何回受けるか、どの範囲に、どれだけの量を使うかで決まります。同じ3泊4日でも、片方は肌の鎮静だけ、片方は複数の施術を組み合わせる、ということが普通に起こります。
そこでこの記事では、金額そのものは書きません。代わりに、その金額がどうやって決まっているのかという構造だけを整理します。構造が分かれば、カウンセリングで提示された金額が高いのか妥当なのかを、ご自身で判断できるようになります。これは、誰かが出した相場表を覚えるよりも、ずっと役に立ちます。

「3泊でいくら」が成り立たない理由
まず、日数で決まるものと決まらないものを分けます。
日数で決まるのは、宿泊費、現地での食費、移動にかかる費用です。ここは日本国内の旅行と同じ計算で出ます。
日数で決まらないのが、施術の費用です。ここは回数と内容で決まります。 極端に言えば、3泊4日のうち施術を受けるのが1日でも3日でも、宿泊費は変わりませんが施術費はまったく違う数字になります。
さらにもうひとつ、日数と施術費のあいだには逆向きの関係もあります。滞在が長いほど、受けられる施術の選択肢が広がるという関係です。赤みや腫れが出るもの、かさぶたが出るものは、帰国日までに日数が必要になります。つまり「3泊4日だから安い・高い」ではなく、「3泊4日だから選べる範囲がここまで」という考え方のほうが実態に合っています。
日程と施術の組み合わせについては、渡韓美容の日程の組み方に時間割のモデルをまとめてあります。先にそちらで枠を決めてから、費用を考えるほうが順番として正しくなります。
費用を、三つの箱に分けます
計算をする前に、箱を三つ用意してください。ひとつの数字にまとめようとするから、見積もりが立たなくなります。
| 箱 | 中身 | 何で決まるか | 事前に確定できるか |
|---|---|---|---|
| ① 渡航・滞在 | 航空券、宿泊、現地の移動、食事 | 日数と時期 | できます |
| ② 施術 | 施術そのもの、麻酔、アフターケアの処置 | 内容・回数・範囲・量 | カウンセリングで確定します |
| ③ 予備費 | 追加の施術、薬、次回の予約、想定外の出費 | 当日の判断 | できません(枠だけ置きます) |
①は出発前に確定します。②は現地のカウンセリングで確定します。③は最後まで確定しません。
この三つを混ぜて「渡韓費用」と呼んでしまうと、比較ができなくなります。ある方の体験談に書かれた総額が自分より安く見えても、その方は①が安い時期に行っただけかもしれませんし、②の内容が違うだけかもしれません。体験談を読むときも、この三つのどこの話をしているのかを分けて読むと、はるかに参考になります。
多くの方がつまずくのは、②を出発前に確定させようとするところです。カウンセリングを受けるまで、施術の内容は確定しません。 肌の状態を見てから内容が変わることは普通にありますし、それ自体は悪いことではありません。実際に、事前に考えていたものとは違う組み立てを提案されたという記録もあります。
「流暢な日本語で案内していただき、当初予定していたよりも良いプランの提示をいただきました。
思い通りの施術をしていただけました。またぜひ期待です。」
内容が変われば金額も変わります。ですから、出発前にやるべきなのは②を確定させることではなく、②の上限を自分で決めておくことです。「ここまでなら出す」という線を先に引いておけば、カウンセリングの場で迷いません。
施術の金額が動く、六つの変数
②の箱の中身は、次の六つで動きます。価格表を見るときも、見積もりを受け取るときも、この六つを確認すれば内訳が読めます。
| 変数 | 具体的には | 見積もりで確認すること |
|---|---|---|
| 施術の種類 | 何を受けるか | 名前だけでなく、何をする施術かを確認します |
| 回数 | 1回か、複数回のセットか | セットの場合、有効期限と残りの扱いを確認します |
| 量・出力 | 照射数、薬剤の量、出力の設定 | 単位(後述)とその数を確認します |
| 範囲 | 顔全体か、部分か | 「顔全体」に首やあごの下が入るかを確認します |
| 同日の組み合わせ | 複数を同じ日にまとめるか | まとめた場合の合計を確認します |
| 付帯するもの | 麻酔、鎮静、アフターケア、薬 | 本体価格に含まれるかどうかを確認します |
このうち、日本で価格表を見慣れている方がいちばん見落とすのが「量・出力」です。日本の表示は「1回いくら」で完結していることが多いのですが、韓国の価格表では量や出力が金額に直結します。ここを読めるようになると、比較の精度が一段上がります。
費用の内訳そのものの分解は、費用の内訳に詳しくまとめています。
価格表に出てくる単位を、先に覚えます
量や出力は、施術ごとに違う単位で表されます。実際に受けた方の記録にも、この単位はそのまま出てきます。
「今回はシュリンクユニバース300shotを施術致しましたが引き上がれば良いな!と思います。」
「今回はオンダリフト40kjでしたが効果が出るのが楽しみです。ありがとうございました。」
数字の後ろに付いているものが単位です。整理すると、おおむね次のように分かれます。
| 種類 | よく使われる単位 | 意味 |
|---|---|---|
| 照射系のリフト施術 | ショット、ライン、ジュール | 何回照射したか、どれだけのエネルギーを使ったか |
| 注射系のスキンブースター | 本、cc | どれだけの量を注入したか |
| 針を使う施術 | 回数、チップの種類 | 何回受けたか、どの部品を使ったか |
| レーザー系 | 回数、部位 | 何回照射したか、どの範囲か |
| ボトックス系 | 単位、部位 | どれだけの量を、どこに入れたか |
同じ施術名でも、この数字が違えば金額は違います。 ですから「この施術はいくらですか」という聞き方だけでは足りません。「何ショット(何cc)でその金額ですか」まで聞いて、はじめて比較ができる形になります。
逆に言えば、この一言を足すだけで、価格表の読み方がまったく変わります。安く見えた表示が最小の量の金額だった、ということも、その場で分かるようになります。
税込みか税別か——ここは必ず確認してください
韓国の価格表示は、税込みのところと税別のところが混在しています。ここを確認しないまま進むと、会計の場で想定と差が出ます。
前提として、韓国では医療のうち治療を目的とするものには付加価値税がかからず、美容を目的とする施術には課税されるという扱いになっています。どの施術が課税の対象になるかは、法令に具体的な名前で列挙されています。

渡韓して受ける施術の多くは、この一覧に載っている種類にあたります。つまり、課税されることを前提に考えておくほうが安全です。
外国人観光客に向けた還付の制度についてもよく質問をいただきますが、条文上の期限や現在の状況は美容医療の免税はいつまで?で法令の原文にあたって整理しています。費用の計算に組み込む前に、こちらをご確認ください。
確認の仕方は簡単です。カウンセリングで金額を提示されたときに、「この金額は付加価値税を含みますか」と一言聞くだけです。この一言を省いたせいで生まれる差は、決して小さくありません。
初回価格・セット価格を、どう受け取るか
価格表には、初回の方だけの金額や、複数回をまとめた金額が並んでいることがあります。安く見える表示の多くは、このどちらかです。
判断のために確認することは三つです。
- その金額は初回だけのものか——2回目以降の金額も一緒に聞いておきます。次も来るつもりなら、こちらのほうが実際の負担に近くなります
- セットの有効期限はいつまでか——短い滞在で使い切れないセットは、その場では安く見えても意味がありません
- 残った回数はどうなるか——次の渡韓まで持ち越せるのか、返金の扱いがあるのかを確認します
実際に、選択肢の多さで迷ったという記録もあります。
「たくさんメニューもあり安いしまよいました。
ウルセラも安くて日本でするよりよかったです。」
選択肢が多いこと自体は良いことです。ただし、その場で決めなければならない状況をつくらないことが大事になります。上限を先に決めておく、というのはこのためです。
予備費を、どこに置くか
三つ目の箱です。ここを用意していない方が、いちばん困ります。
予備費に入るものを挙げます。
- 追加の施術——カウンセリングで勧められて、納得して足す場合があります
- アフターケアの薬や化粧品——鎮静用のものを案内されることがあります
- 再診——滞在中にもう一度来るよう案内される場合があります
- 想定外の出費——体調、天候、交通の乱れによるもの
予備費は「使うためのお金」ではなく、「使わなくてよいお金」です。 枠があるだけで、カウンセリングの場での判断が落ち着きます。逆に予備費がないと、必要な追加まで断ることになり、結果として満足度が下がります。
金額をいくらに置くかは、ご自身の①と②の規模によって変わりますので、ここでは数字を書きません。ただ、②の箱に対して一定の割合を上乗せしておく、という決め方が現実的です。
もうひとつ、予備費には「使わなかった分をどうするか」も先に決めておいてください。余ったら買い物に回す、と決めておくだけで、施術の場での判断と買い物の判断が混ざらなくなります。カウンセリングの席で追加を勧められたときに迷うのは、たいていこの二つが同じ財布のなかで混ざっているときです。
見積もりの受け取り方——そのまま使える確認の言い方
最後に、カウンセリングの場で使える確認の言い方をまとめます。日本語でそのまま伝えられるよう、短くしてあります。
| 確認したいこと | そのまま使える言い方 |
|---|---|
| 総額 | 「今日の合計金額を教えてください」 |
| 税 | 「この金額は付加価値税を含みますか」 |
| 量 | 「何ショット(何cc)でこの金額ですか」 |
| 範囲 | 「この金額に含まれる範囲はどこまでですか」 |
| 付帯 | 「麻酔とアフターケアの費用は含まれていますか」 |
| 追加 | 「今日、これ以外に費用がかかる可能性はありますか」 |
| 初回 | 「2回目以降の金額も教えてください」 |
| 記録 | 「この内訳を書いたものをいただけますか」 |
最後の一行が重要です。口頭で聞いた金額は、あとから確認できません。 内訳を紙か画面で受け取っておけば、帰国後に見返すこともできますし、次の渡韓のときの比較の材料にもなります。
これらは、値切るための質問ではありません。提示された金額が何に対するものかを、お互いに同じ理解にするための質問です。きちんと説明してくれるところであれば、この質問を嫌がることはまずありません。逆に、量や範囲の質問に答えが返ってこないようであれば、その時点で一度立ち止まる材料になります。
支払いをいつ行うのか、施術の前なのか後なのかについては支払いのタイミングにまとめています。
日本語では、どこまで確認できるのか
費用の話は、施術の説明よりも一段むずかしい話題です。金額、税の扱い、含まれる範囲、セットの条件——どれも、少しの行き違いが結果に直結します。
日本語対応をうたっているクリニックでも、対応の中身には段階があります。
- 常勤の日本人スタッフや通訳がいる——内訳も税の扱いも、その場で日本語で詰められます。費用について確認したいことが多い方は、この形を選ぶのが安全です
- 日本語の窓口が予約対応のみ——事前のやり取りはできても、会計の場では通じないことがあります
- 翻訳アプリで対応——施術の説明は伝わっても、「この金額に麻酔は含まれますか」のような条件を詰める場面では行き違いが起きやすくなります
実際に受けた方の声を見ると、費用の説明まで日本語で受けられたときの安心感は、はっきりと言葉に出ています。
「初めて行かせていただきました!
中は大変綺麗で、お菓子なども用意されていてとても居心地がよかったです。」
予約の段階で確認しておくとよいのは、「会計のときも日本語で確認できますか」という一言です。施術中の説明は日本語でも、会計は韓国語だけ、という形になっているところもあります。この質問への答え方で、そのクリニックの日本語対応がどの段階までのものかが、かなり分かります。
よくある質問
Q. 3泊4日の渡韓で、費用の目安を教えてください。
この記事では金額を書きません。滞在費は日数で決まりますが、施術費は内容と回数と量で決まるため、同じ3泊4日でも金額の幅が非常に大きくなるからです。目安として出回っている数字は、その人が受けた内容の金額であって、ご自身に当てはまるとは限りません。代わりに、費用を三つの箱に分けて、②の上限をご自身で決めておく方法をおすすめします。
Q. 事前に総額を確定させることはできますか。
渡航と滞在にかかる部分は確定できます。施術の部分は、カウンセリングで肌の状態を見てから内容が決まるため、出発前に完全に確定させることは基本的にできません。事前に問い合わせて概算を聞いておくことはできますが、当日に内容が変わる可能性は残ります。上限を決めておく、という考え方のほうが現実的です。
Q. 価格表に書いてある数字と、実際の金額が違うのはなぜですか。
理由はいくつか考えられます。表示が初回だけの金額である場合、表示が最小の量に対する金額である場合、表示が税別である場合、麻酔やアフターケアが別料金である場合です。どれも珍しいことではありません。だからこそ、量と税と付帯の三つを確認する必要があります。
Q. 滞在を1日延ばすと、受けられる施術は増えますか。
増える場合があります。赤みや腫れ、かさぶたが出る可能性のある施術は、帰国日までの日数が確保できるかどうかで判断が変わるからです。ただし、日数が増えれば滞在費も増えます。何を受けたいかが先にあって、そのために必要な日数を確保する、という順番で考えてください。
Q. 支払いはどの方法でもできますか。
使える支払いの方法はクリニックによって違います。予約の段階で確認しておくのが確実です。会計の場で使えないと分かると、その場で対応する必要が出てきますので、事前に一言聞いておくことをおすすめします。
※ 本記事は費用が決まる仕組みを整理したものであり、特定の金額や相場を示すものではありません。掲載した利用者の声は実際に投稿されたものをそのまま引用しています。税の扱いや制度は改正される場合がありますので、実際の金額・内訳・支払い方法については、必ず受診されるクリニックにご確認ください。