「韓国のシミ取りの価格を調べているのですが、どれを信じればいいのか分かりません」——渡韓の準備をしている方から、よくいただくご相談です。実際に検索してみると、金額の幅がとても広く、しかもどの記事にも「安い」と書いてあります。
この状態になってしまう理由は、はっきりしています。シミ取りの価格は、金額そのものより先に「前提」が決まらないと出てこないからです。 そして日本から検索している段階では、その前提がまだ何も決まっていません。決まっていないものの答えを探しているので、いつまでも定まらないのです。
ですのでこの記事では、具体的な金額を並べることはしません。かわりに、価格を比べられる状態にするために、何をそろえればいいのかを書きます。ここがそろえば、カウンセリングで出てきた見積もりが自分にとって妥当かどうかを、ご自身で判断できるようになります。金額の数え方そのもの(個数で数えるのか、時間で数えるのか)についてはシミ取りの相場はどう決まるのかで別に整理していますので、あわせてお読みいただくと全体像がつかめます。

価格が定まらない一番の理由は「シミの種類」です
シミと一口に言っても、クリニックでは複数の種類に分けて診られます。日本語でも、そばかす、肝斑、色素斑といった呼び方を聞いたことがあると思います。そして種類によって、提案される施術の考え方が変わります。
ここが価格の出発点です。同じ「シミ取り」という言葉で検索していても、
- 数が少なく、はっきり境目のあるものを対象にする場合
- 顔全体に広く出ているものを対象にする場合
- 複数の種類が混ざっていて、順番に対応していく場合
では、施術の組み立てそのものが違います。組み立てが違えば、当然、価格の枠組みも違います。ですので「シミ取りはいくらですか」という質問は、実は答えようのない質問なのです。
そして、ご自身のシミがどれにあたるのかは、実際に診てもらわないと分かりません。 写真で相談を受け付けているクリニックもありますが、その場合でも最終的な判断は対面のカウンセリングになります。ここを飛ばして金額だけを探しても、答えにたどり着けないのはこのためです。
価格を比べる前にそろえる六つの条件
複数のクリニックを比べるときは、次の六つをそろえてから並べてください。ひとつでも欠けていると、比較にはなりません。
| 条件 | そろっていないと何が起きるか |
|---|---|
| ① 対象になるシミ | 対象が違えば、そもそも別の施術の価格を比べていることになります |
| ② 施術のメニュー名 | 同じ「シミ取り」でも、クリニックが持つメニューの区分は違います |
| ③ 数え方 | 個数か、時間か、範囲か。単位が違うと金額は比べられません |
| ④ 回数の前提 | 1回分の金額か、必要な回数を通した総額かで、桁が変わります |
| ⑤ 税の扱い | 税込み表示と税別表示が混在します |
| ⑥ 付随費用 | 麻酔、施術後のケア、薬、再診が含まれるかどうかで総額が動きます |
このうち①と②はカウンセリングで決まるもの、③〜⑥は聞けばその場で分かるものです。この区別を持っておくと、いつ何を確認すればよいかがはっきりします。
「機器の名前」だけで比べないでください
韓国のクリニックの料金表には、機器やメニューの名前が並んでいます。日本語の記事でも機器名がよく出てきますので、つい名前で比べたくなります。
ただ、名前が同じでも、条件が同じとはかぎりません。 同じ機器を使う施術でも、
- 何ショット分(何回分の照射)を1回とするか
- 顔のどの範囲を含むか
- 施術後のケアが含まれるか
- 何回を1セットとするか
がクリニックごとに違います。ですので、料金表の一行を見たときは「これは何の名前か」ではなく、「これは何を一回と数えているのか」を見てください。名前ではなく単位を見る、というのがコツです。
実際に複数の施術を組み合わせて受けた方の声を見ると、当日の流れがイメージしやすくなります。
「インモードとピコを受けました。麻酔クリームをしっかり塗って頂けるので痛みは心配要りません。」
このように複数の施術を同じ日に受ける場合、それぞれの料金がどう積み上がるのかを、事前に確認しておくと安心です。個々の照射系の施術の料金の読み方については、レーザーの料金表をどう読むかにもまとめています。
回数の前提がそろっていないと、桁がずれます
シミ取りの価格でいちばん誤差が出るのが、この「回数」です。
シミへのアプローチは、一度で完了するものと、期間をおいて複数回受けることを前提にするものがあります。どちらになるかは、対象になるシミと選ぶ施術によって変わります。そして料金表に載っている金額が「1回分」なのか「セット分」なのかは、表を見ただけでは分からないことが多いのです。
考えられる組み立ては次のとおりです。
| 表示の仕方 | 金額が意味するもの | 追加で聞くこと |
|---|---|---|
| 1回あたりの料金 | その日の施術1回分だけ | 何回くらい想定されるか |
| 回数券・パッケージ | 決められた回数分をまとめた金額 | 有効期限、途中でやめた場合の扱い |
| 初回価格 | 初めての方だけの金額 | 2回目以降の通常価格 |
| 取り放題のような表示 | 一定の範囲・時間をまとめた金額 | 何を上限とするか |
渡韓の場合は、この「回数」がとくに重いです。 複数回が前提の施術を選ぶと、そのたびに渡航が必要になります。1回分の金額が安く見えても、渡航費と日程を足すと話が変わります。逆に、渡韓の期間中に受けられる回数には限りがありますから、日程から逆算して施術を選ぶという考え方も必要になります。
「安い」と感じたときに確認する三つのこと
金額を見て「安い」と感じたときは、次の三つを確認してみてください。だいたいここで理由が分かります。
- 単位が小さくないか——1回分、1個分、狭い範囲だけの金額かもしれません
- 期間限定ではないか——キャンペーンやオープン記念の価格である可能性があります
- 含まれていないものはないか——麻酔、薬、施術後のケアが別立てになっているかもしれません
この三つのどれかに当たっていれば、その金額は「安い」のではなく「条件が違う」だけです。逆にいえば、この三つを確認したうえでまだ安いのであれば、それは本当に条件の良い価格ということになります。安さを疑うのではなく、条件をそろえて確かめる、という順番が大事です。
そしてもうひとつ、日本から見たときの「安い」には為替が乗っています。ウォン建ての表示を日本円に直した数字は、換算した日によって変わります。記事に書かれている日本円の金額は、その記事が書かれた時点の換算です。支払いはウォン建てで行われますので、比較するときはウォンの金額のほうを見ておくと、あとでずれません。 カード払いの場合は、決済のレートや手数料の扱いもクリニックやカード会社によって違いますので、気になる方は事前にご確認ください。
見積もりが動くタイミングを知っておく
価格は、次の五つの段階を経て確定していきます。どの段階で何が決まるのかを知っておくと、不安がかなり減ります。
- 調べる段階——枠だけが分かります。金額は確定しません
- 問い合わせの段階——希望と日程を伝え、目安の案内を受けます
- カウンセリングの段階——実際に診てもらい、対象と施術と回数が決まります。ここではじめて金額が具体的になります
- 同意の段階——内訳を確認し、追加が発生する条件を確認します
- 会計の段階——税込みかどうか、支払い方法を最終確認します
③で金額が変わることは、珍しくありません。事前の目安より高くなることも、逆に「そこまで必要ない」と言われて下がることもあります。大事なのは、変わったときにその理由を説明してもらえるかどうかです。
「これまで韓国で色んなクリニックへ行きましたが、こちらが一番丁寧なカウンセリングと施術でした!」
「細かく要望を聞いてから施術してくれるので安心です。」
要望を聞いたうえで提案が組み立てられているなら、金額が動いた理由も説明できるはずです。逆に、理由の説明がないまま金額だけが上がる場合は、その場で確認してください。
支払いの段階で確認しておくこと
会計の場面で慌てないために、事前に確認しておきたい項目を並べます。
| 確認すること | なぜ必要か |
|---|---|
| 表示価格が税込みかどうか | 韓国では美容目的の施術は課税の対象として扱われます |
| 支払い方法(現金・カードの可否) | 当日の準備が変わります |
| 施術後の薬やケア用品の費用 | 別料金のことがあります |
| 再診が必要な場合の費用 | 日程と総額に関わります |
| 途中でやめた場合の扱い | 回数券を購入する場合に必要です |
記事の冒頭に載せた法令の原文には、シミ治療術・ニキビ治療術・毛穴縮小術・皮膚再生術といった項目が並んでいます。韓国では、美容を目的とした施術はこのように課税の対象として整理されています。表示価格が税込みかどうかは、カウンセリングの場で一言確認しておくのが確実です。

渡韓の日程から逆算するという考え方
日本国内で受ける場合と、渡韓して受ける場合とで、いちばん大きく違うのが「次にいつ来られるか」です。ここを先に決めておくと、選ぶ施術も、見積もりの読み方も変わってきます。
たとえば、次の渡韓の予定が当分ない方であれば、滞在中に完結する組み立てを優先するという考え方があります。逆に、年に何度か渡韓される方であれば、期間をおいて複数回受ける組み立ても選択肢に入ります。同じ予算でも、日程の条件が違えば最適な使い方は違うのです。
日程を伝えたうえで相談すると、話がとても早く進みます。問い合わせの段階で、次の三つを先に伝えてみてください。
- 滞在の期間(何日目の何時ごろに行けるか)
- 帰国日(施術のあと、何日あるか)
- 次に渡韓できそうな時期(未定なら未定とお伝えください)
この三つがあると、クリニック側も「この日程ならこの組み立て」という提案がしやすくなります。予算の話より先に日程を伝えるほうが、結果として見積もりの精度が上がります。 滞在中の予定の組み立て方については、渡韓の日程をどう組むかにもまとめています。
カウンセリングでそのまま使える聞き方
条件をそろえるための質問を、実際の言い方の形で並べておきます。カウンセリングの場でそのまま使っていただけます。通訳の方に伝える場合も、この形なら訳しやすいはずです。
| 確かめたいこと | そのまま使える聞き方 |
|---|---|
| 対象 | 「私のこれは、どの種類にあたりますか」 |
| 単位 | 「この金額は、何を一回と数えていますか」 |
| 回数 | 「全部で何回くらい必要になりますか」 |
| 期限 | 「回数券に有効期限はありますか」 |
| 税 | 「この金額は付加価値税を含みますか」 |
| 追加 | 「施術のあとに追加でかかるものはありますか」 |
| 変更 | 「今日の状態で、内容が変わることはありますか」 |
七つ全部を聞く必要はありません。ご自身が気になっているものから、二つか三つで十分です。 そして、聞きにくいと感じる必要もありません。金額の前提を確認するのは、受ける側として当然のことですし、答える側も慣れています。 大事なのは、金額そのものではなく金額の前提を聞く、という形にすることです。この形で聞くと、答えられるクリニックかどうかもそのまま分かります。
日本語では、どこまで確認できるのか
ここまで書いてきた確認事項は、どれも条件つきの質問です。「この金額は何回分ですか」「税込みですか」「これは含まれていますか」という聞き方は、単語だけでは伝わりません。ですので、日本語がどの段階まで通じるかが、そのまま費用の納得度に直結します。
日本語対応には、おおまかに三つの段階があります。
- 常勤の日本人スタッフや通訳がいる——カウンセリングでも会計でも、条件を詰められます
- 予約や問い合わせだけ日本語——当日の説明や会計では通じないことがあります
- 翻訳アプリでの対応——施術の説明はできても、金額の条件を詰める場面では行き違いが起きやすくなります
利用された方の声を見ると、通訳がついた場合の安心感がよく分かります。
「初めての施術で緊張しましたが、日本語が話せるスタッフもいて安心して施術することが出来ました。」
「カウンセリングのジュンヒョンさんは、特に日本語が堪能で、肌に合った施術をご提案いただいたり、施術前に不安なことがないかなど、とても丁寧にカウンセリングいただきました。」
シミ取りの場合、「自分のシミが何なのか」「なぜその施術なのか」という説明を理解できるかどうかが、価格の妥当性の判断そのものになります。予約の段階で「カウンセリングと会計のときも日本語で確認できますか」と聞いておくことをおすすめします。シミの悩み別の考え方はシミが気になるときの肌管理にもまとめています。
よくある質問
Q. 事前におおよその金額を知ることはできますか。
枠は分かりますが、確定した金額はカウンセリングを受けるまで出ません。対象になるシミと施術と回数が、実際に診てもらってから決まるためです。問い合わせの段階で気になる箇所の写真を送れるクリニックもありますので、目安を知りたい場合は相談してみてください。
Q. 記事によって金額がまったく違うのはなぜですか。
数え方、回数の前提、含まれるもの、税の扱い、書かれた時期がそろっていないためです。どれかが間違っているというより、条件の違うものを並べて見ている状態です。比べるときは、この記事で挙げた六つの条件をそろえてから並べてください。
Q. 1回で終わりますか。
対象になるシミと選ぶ施術によって変わります。複数回を前提とする組み立ての場合、渡韓のたびに受けることになりますので、日程と総額を合わせて考える必要があります。カウンセリングで「何回くらい想定されますか」と確認してください。
Q. 表示価格は税込みですか。
クリニックによって税込み表示と税別表示が混在します。韓国では美容を目的とした施術は課税の対象として扱われますので、「この金額は付加価値税を含みますか」と確認しておくと、会計時の差を防げます。
Q. 施術後に薬やケア用品の費用がかかりますか。
かかる場合があります。施術料金に含まれるクリニックと、別料金のクリニックがあります。見積もりを受け取るときに「施術のあとに追加でかかるものはありますか」と聞いておくと、総額の見通しが立ちます。
※ 本記事は価格が決まる仕組みを整理したものであり、特定のクリニックや金額を案内するものではありません。施術の適否や必要な回数は個人の状態によって異なり、判断は医療機関が行います。実際の費用や施術内容については、必ず受けるクリニックに直接ご確認ください。