「リジュランは痛い」という話と、「無痛で受けられた」という話。韓国のクリニックを調べていると、この二つが同じくらいの数だけ出てきます。どちらかが嘘を書いているわけではありません。「無痛」という言葉が、クリニックごとに違うものを指しているだけです。
そして、この「無痛」の中身は、そのまま値段にも効いてきます。痛みを抑えるために何を使うのか、どの範囲に、何回に分けて打つのか——痛みの条件を変えると、金額の前提も一緒に動きます。「無痛」と「値段」は、別々の話ではなく、同じ一つの話の裏表です。
この記事では、「無痛」と書かれた案内を読むときに何を確認すればよいのか、そして値段がどういう仕組みで決まるのかを順に整理します。具体的な金額は書きません。金額はクリニックごと、時期ごとに変わるもので、記事に書かれた数字を持って行っても、その場では使えないからです。かわりに、カウンセリングでそのまま使える確認の言葉を残します。

「無痛」という言葉は、四つの違うものを指しています
案内文に「無痛」と書かれているとき、その中身はだいたい次の四つのどれか、あるいはその組み合わせです。
| 「無痛」の中身 | 何をしているのか | 確認しておくこと |
|---|---|---|
| 塗る麻酔を使う | 施術の前にクリームなどを塗り、時間をおきます | 待ち時間はどれくらいか。費用に含まれるか |
| 注入する薬に麻酔の成分が入っている | 打ちながら効かせる考え方です | どの製剤を使うのか。名前を教えてもらえるか |
| 注入の方法を変えている | 機械で打つ、深さを浅くする、などの違いです | 手で打つ場合と何が変わるのか |
| 範囲や量を分けている | 一度に広く打たず、回を分けます | 回数が増えると総額はどうなるか |
この四つは、痛みへの効き方も、金額への効き方もそれぞれ違います。 「無痛です」という一言だけでは、どれを指しているのか分かりません。ですので、聞き返す一言はいつも同じで構いません。「無痛というのは、具体的に何をしていただけるという意味ですか」——これだけで、上の表のどれにあたるのかが分かります。
なお、麻酔に使われる薬も、韓国では承認の情報が公開されています。名前を控えておけば、あとから調べることもできます。

痛みの感じ方は、四つの条件で変わります
同じ施術でも、痛みの感じ方は人によって、また日によって変わります。ただ、変わる理由のほうは、ある程度まで整理できます。
- 打つ場所——皮膚の薄いところと厚いところでは、感じ方が変わります
- 打つ深さ——浅く広く入れるのか、点で入れるのかで違います
- 麻酔の効き具合——塗る麻酔は、置いておく時間が足りないと効きが変わります
- その日の体調——睡眠不足や生理の前後で、感じ方が変わったという声は多く見られます
このうち、当日に自分で動かせるのは麻酔の待ち時間と体調です。予約の時間が詰まっている日は、塗る麻酔の時間が短くなることもあります。「麻酔はどれくらい置いてもらえますか」と先に聞いておくと、この部分は調整できることがあります。
痛みそのものについては施術中の痛みはどう伝えるかにまとめていますので、あわせてご覧ください。ここでは、痛みと金額がどうつながるかに絞って書きます。
「無痛」と書かれていても、痛みがゼロになるとは限りません
ここは、書きにくいところですが、書いておきます。案内に「痛くない」と書かれていても、実際には痛みを感じたという記録があります。
「クチコミが良かったから行ってみたら、クチコミしてくれたらサービスしますよと言われて、やろうとしたら勝手に星5にされて内容までチェックされた
痛くないって言ったのに麻酔あまりきいてなくてめちゃくちゃ痛かった
これやるなら、これも足さないと意味ないと言われてどんどん高くなって予定してた金額より倍以上になってしまった😵」
この記録には、痛みの話と金額の話が同時に出てきます。 これは偶然ではありません。痛みを抑える処置を足す、施術を足す、量を足す——当日に「足す」という判断が起きると、痛みの条件と金額の条件が同時に動きます。
ですので、当日の防ぎ方も一つにまとめられます。「今日は、事前に聞いた内容と金額のままでお願いします」と最初に言っておくことです。 そのうえで、追加の提案を受けたら「今日は決めずに、次回に考えます」と答えて構いません。断ることは失礼ではありませんし、実際、押し売りをしないという評価を書いている方も多くいらっしゃいます。
一方で、痛みに配慮してもらえたという記録も多くあります
同じくらい、いえ、それ以上に多いのが、痛みに配慮してもらえたという記録です。共通しているのは、施術中に声をかけてもらえたという点です。
「カウンセリングから、きれいなお姉さんが肌状態を見て診断してくれます。
施術してくださる先生に痛いのが苦手なことを伝えると、定期的に痛みが大丈夫かの確認をしてくれ、カウンセリング~施術まで大満足です!また、来週行くので楽しみです!」
「初めて利用しましたが、日本語対応できるスタッフが在籍しているため安心して施術を受けることができました。
施術中も痛みに寄り添った声がけしてくださるのもとても良かったです。
そして院内もとても清潔でした!
今後の効果が実感できるのが楽しみです。
また利用させていただきたいです。」
二つの記録に共通するのは、痛みが苦手だと先に伝えていることです。伝えたうえで、確認の声かけがあった、という順番になっています。「無痛」を探すよりも、「痛みが苦手だと伝えたら、どう対応してもらえますか」と聞くほうが、実際には近道です。
値段は、五つの変数で決まります
ここから金額の話に移ります。リジュランの値段は、次の五つが決まってはじめて確定します。逆に言えば、この五つが決まっていない状態で提示された数字は、まだ見積もりではありません。
| 変数 | 何が変わるのか | 聞き方 |
|---|---|---|
| 製剤の種類 | 使う製品によって仕入れの価格が違います | 「どの製剤を使いますか」 |
| 一回に使う量 | 何本(何cc)使うかで変わります | 「今日は何本ぶんを使いますか」 |
| 打つ範囲 | 顔全体か、目もとだけかで変わります | 「どこからどこまでに打ちますか」 |
| 回数の前提 | 一回だけか、複数回をまとめるかで変わります | 「何回を前提にした金額ですか」 |
| 麻酔・アフターケア | 別建てになっていることがあります | 「この金額に麻酔は含まれますか」 |
この五つのうち、「無痛」に関係するのは最後の行だけではありません。 量を減らせば痛みも金額も下がりますし、範囲を広げれば両方とも上がります。痛みの相談と金額の相談は、同じテーブルで一緒にするのが合理的です。
値段の決まり方そのものについてはリジュランの注射はいくらかかるのかに、日本と韓国での考え方の差については日本と韓国のリジュランの値段の見方に、それぞれ整理しています。
当日に金額が動きやすいのは、決まった場面です
想定より金額が上がるのは、たいてい同じ場面です。先に知っておけば、その場で判断できます。
| 場面 | 何が起きているか | 先に聞いておくこと |
|---|---|---|
| 量を増やしたとき | 追加分が加算されます | 追加した場合の単価 |
| 範囲を広げたとき | 部位ごとの金額が加わります | 部位を足したときの金額 |
| 別の施術をすすめられたとき | 組み合わせの金額になります | 単品で受けた場合の金額 |
| 麻酔を強くしたとき | 麻酔が別料金のことがあります | 麻酔の費用が含まれるか |
| 塗り薬などを受け取ったとき | 物品の代金が加算されます | 持ち帰るものがあるか |
実際、その場で提案を受けて金額が上がったという記録もあります。ただ、この方は納得したうえで受けていらっしゃいます。
「アクアピールLDM
アクアピールで予約し診察した結果LDMも一緒にと勧められてうけたので料金が予定よりも高くなりましたが皆さんとても親切で施術も気持ちよく満足です。」
問題になるのは「上がったこと」ではなく、「上がる理由を聞けなかったこと」です。 その場で内訳を聞ければ、受けるか受けないかを自分で決められます。日本語で聞ける状態をつくっておく意味は、ここにあります。
「初回価格」には、条件がついています
料金表でいちばん目に入りやすいのは、条件つきの価格です。条件を確認しないまま比べると、そこだけが極端に安く見えます。
- 初めての来院に限る——二回目以降は別の金額になります
- 回数をまとめることが条件——一回だけでは同じ金額になりません
- ほかの施術と一緒に受けることが条件——単品では対象外です
- 支払いの手段が指定されている——現金のみ、といった条件がつくことがあります
- 期間が区切られている——掲示された時期を過ぎている場合があります
条件つきの価格は、嘘の価格ではありません。条件を満たしたときに成立する価格です。確認すべきなのは金額そのものではなく、自分がその条件に当てはまるかどうかです。
施術の記録を残しておくと、次の判断が早くなります
リジュランは、一度きりで終わりにする方より、間隔をあけて続けることを考える方の多い施術です。そのため、一回目の記録が残っているかどうかで、二回目以降の相談の速さがまったく変わります。
残しておくとよいのは、次の四つです。
| 残しておくもの | 次に効いてくる場面 |
|---|---|
| 使った製剤の名前 | 同じものを続けるのか、変えるのかを相談できます |
| 使った量と範囲 | 前回と比べて増やすのか減らすのかを決められます |
| 痛みの感じ方と、そのときの麻酔 | 次回は麻酔の相談を先にしてもらえます |
| 支払った総額と、その内訳 | 予算を組み直すときの基準になります |
明細に施術名しか書かれていない様式のこともあります。その場合は、会計のときに「数量も書いていただけますか」とお願いしてみてください。その場で頼むのがいちばん確実です。帰国してから問い合わせるのは、言葉の面でも時間の面でも負担が大きくなります。
写真を残しておく方もいらっしゃいます。施術の前と、一週間後、一か月後。同じ場所で、同じ明るさで撮っておくと、次のカウンセリングで見せられます。言葉で説明しにくいことほど、記録が代わりに話してくれます。
料金表の一行を、見積もりの一行に置き換える
ここまでの内容を、実際の手順に落とします。料金表に書かれている一行は、そのままでは見積もりになりません。足りない情報を埋めて、はじめて比べられる形になります。
| 料金表の表示 | 埋めること | 見積もりの一行 |
|---|---|---|
| 「リジュラン 一回」 | 何本ぶんか、どの範囲か | 製剤名・量・範囲・金額 |
| 「無痛リジュラン」 | 無痛の中身は何か、費用に含まれるか | 麻酔の方法・費用の扱い |
| 「三回コース」 | 一回あたりの内容と、間隔の目安 | 回数・間隔・総額 |
| 「初回限定」 | 二回目以降の金額 | 今回の金額と、次回の金額 |
| 表示価格 | 税込みか税別か | 支払う総額 |
右の列まで埋まったものが、本当の意味での見積もりです。 ここまでそろえば、複数のクリニックを並べて比べることもできますし、日本で受ける場合との比較もできます。逆に、右の列が空いたままの数字をいくつ集めても、比較にはなりません。
表示価格が税込みかどうかで、最後に差がつきます
韓国のクリニックの価格表示は、税込みのところと税別のところが混在しています。数え方をそろえたあと、最後にここで差が出ます。
聞き方は一言で足ります。「この金額は、付加価値税を含んでいますか」
美容を目的とした施術は、韓国では課税の対象として扱われています。ですので、税の扱いをどう表示しているかは、クリニックごとの方針の違いとして残ります。見積もりは、支払う総額で受け取っておくのが安全です。
予約の前に決めておく、三つのこと
当日に迷わないために、予約の段階で自分の側の条件を決めておくと、話が早く進みます。
| 決めておくこと | 決めておくと何が変わるか |
|---|---|
| 今回の予算の上限 | 追加の提案を受けたときに、その場で判断できます |
| 痛みの許容範囲 | 麻酔の相談を先にしてもらえます |
| 次に韓国へ来られる時期 | 複数回の前提にするかどうかを決められます |
この三つを紙に書いて持って行く方もいらっしゃいます。言葉が通じにくい場面でも、書いたものは残ります。
日本語では、どこまで確認できるのか
痛みと金額は、どちらも「その場で伝わらないと意味がない」話題です。日本語対応をうたっているクリニックでも、対応の中身には幅があります。
- 常勤の通訳や日本人スタッフがいる——麻酔の相談も、追加分の単価も、その場で確認できます
- 日本語の窓口が予約対応のみ——施術中や会計の場では通じないことがあります
- 翻訳アプリでの対応——説明はできても、痛みを伝える場面では間が空きます
痛みは、伝えるまでの数秒が長く感じられるものです。施術中に「痛いです」「もう少しゆっくりお願いします」と言える相手がいるかどうかは、予約の前に確認しておく価値があります。
聞き方は、次の一言で足ります。「施術中も日本語で伝えられますか。会計のときも日本語で確認できますか」 施術中と会計は別の場面ですので、両方を聞いておくと、対応の段階がはっきりします。日本語対応の段階の見分け方は日本語対応はどの段階まであるのかに整理しています。
よくある質問
Q. 「無痛」と書いてあるクリニックを選べば、痛みはありませんか。
「無痛」という表示が何を指しているかは、クリニックによって異なります。塗る麻酔のことを指している場合、注入する薬の内容を指している場合、注入の方法を指している場合があります。表示だけで判断せず、カウンセリングで「無痛というのは具体的に何をしていただけますか」と確認してください。
Q. 痛みが苦手だと伝えると、追加の費用がかかりますか。
麻酔を追加する場合は費用が発生することがあります。含まれているのか、別建てなのかはクリニックによって異なりますので、伝えるときに一緒に「その場合、費用は変わりますか」と聞いておくと、当日に驚くことがありません。
Q. 量を減らせば、痛みも金額も下がりますか。
量は金額に直結しますが、目的に対して足りるかどうかは別の判断になります。減らしたい理由(痛みが苦手、予算の都合など)をそのまま伝えて、提案を受けてください。理由を伝えるほうが、代わりの方法を出してもらいやすくなります。
Q. 何回受ければよいのか、記事には書いていないのですか。
回数の目安は、肌の状態や目的によって変わるもので、記事に書いた数字がそのまま当てはまるものではありません。カウンセリングで「今日の状態だと、どれくらいの間隔で何回を考えますか」と聞き、その答えを持ち帰って予算と日程を組んでください。
Q. 日本で受けるのと、韓国で受けるのとで、痛みは変わりますか。
使う製剤や麻酔の方法が同じであれば、痛みそのものが国によって変わるわけではありません。違いが出やすいのは、痛みを伝えられるかどうか、待ち時間をどれくらい取ってもらえるかといった運用の部分です。ここは事前の確認で埋められます。
※ 本記事は、韓国の美容クリニックにおける施術の痛みへの対応と、料金の決まり方の構造を整理したものであり、特定の金額や効果を示すものではありません。使用する製剤・麻酔の方法・費用は医療機関ごとに異なります。実際の判断は、受診される医療機関に直接ご確認ください。掲載した口コミは、日本語で投稿された原文をそのまま引用しています。