「韓国の薬局でポテンツァは買えますか」——この形の質問を見かけることが増えました。日本語の口コミで施術名としていちばん多く出てくる名前ですので、渡韓のついでに手に入るなら買って帰りたい、と考えるのは自然なことだと思います。
ただ、この検索には二つのまったく違う探しものが混ざっています。 一つは「塗るタイプの製品を薬局で買いたい」という探しもの、もう一つは「施術そのものを安く受けられる場所はないか」という探しものです。前者は買い物の話で、後者は医療の話ですので、答えの出し方が変わります。
この記事では、商品名や金額を並べる代わりに、薬局で手に入るものと、医療機関でしか受けられないものの線引きを整理します。韓国の法令の原文と、韓国の食品医薬品安全処が公開している承認の一覧を実際に開いて確認した内容を、現地から順に載せていきます。

「韓国の薬局でポテンツァ」という検索は、何を探しているのでしょうか
まず、この言葉で探されているものを分けてみます。実際に見かけるのは、次の三つのどれかです。
| 探しているもの | 実際に指しているもの | 手に入る場所 |
|---|---|---|
| 塗るタイプの製品 | 「塗るポテンツァ」という通称で紹介されている美容液やクリーム | 薬局・化粧品店・オンラインなど |
| 施術のあとに使うもの | 施術後のケア用として渡される、あるいは勧められるもの | 医療機関、または指定の売り場 |
| 施術そのもの | 機器を使って行う、医療機関での施術 | 医療機関のみ |
三つ目については、はっきりしています。機器を使って行う施術は、薬局では受けられません。 韓国でも医療機関で行われるものですので、「薬局で安く」という探し方では見つかりません。
一つ目と二つ目については、売り場で見かけることがあります。ただし名前が似ているだけで、施術そのものとは別のものです。この呼び名がどこから来たのかについては「塗るポテンツァ」という呼び名の整理のほうで扱っています。
ポテンツァという言葉が、日本語の口コミでどう使われているか
この名前は、日本語で書かれた韓国の美容皮膚科の口コミのなかで、施術名としてとても多く登場します。ですので「韓国で受けるならこれ」という印象を持って渡韓される方が多いのだと思います。
日本語の紹介では、針を使う施術として説明されることが多い名前です。一方、同じ名前を冠した塗るタイプの製品も紹介されていますので、同じ言葉が、機器の名前としても、塗るものの通称としても使われているという状態になっています。
この二つを混ぜたまま検索すると、出てくる情報が噛み合いません。施術としての内容や費用の考え方は韓国のポテンツァの費用と回数の考え方のほうにまとめてありますので、そちらと分けて読むことをおすすめします。
韓国の法令では、皮膚にはたらきかける施術は医療として分類されています
ここは推測ではなく、条文で確認できます。韓国の「付加価値税法施行令(부가가치세법 시행령)」の第35条です。

黄色く示された部分に並んでいるのは、次の項目です。色素母斑・そばかす・黒色点・シミ治療術、ニキビ治療術、脱毛術、薄毛治療術、植毛術、タトゥー術およびタトゥー除去術、ピアッシング、脂肪溶解術、皮膚再生術、皮膚美白術、抗老化治療術および毛穴縮小術。
このなかに「피부재생술(皮膚再生術)」と「모공축소술(毛穴縮小術)」があります。皮膚にはたらきかける施術は、韓国では美容目的の医療として扱われているということが、条文から読み取れます。医療である以上、それは医療機関で、診察を経て提供されます。薬局の棚で完結する話ではありません。
「その製品は韓国で承認されているのか」は、自分で確認できます
薬局で何かを手に取ったとき、「これは韓国で正式に認められているものなのか」と気になることがあると思います。人に聞かなくても、公開されている画面で確かめる方法があります。
冒頭に載せた検索画面が、それにあたります。左側に「제품명(製品名)」「업체명(企業名)」「성분명(成分名)」といった入力欄が並び、その下に「품목구분(品目区分)」の選択肢があります。ここに出てくるのは「의약품(医薬品)」「의약외품(医薬部外品)」「생물의약품」「마약류」「첨단바이오」などで、化粧品はこの選択肢に含まれていません。
つまり、この画面で確認できるのは医薬品などの承認であって、化粧品はここでは調べられない、ということが画面から分かります。薬局で売られているからといって、すべてがここに載るわけではない、という点をまず押さえておくと混乱しません。
実際に、美容の文脈でよく名前を見る成分で検索してみます。

ここで注目していただきたいのは、同じ成分でも、注射の剤形とクリームの剤形が、それぞれ別の品目として承認されているという点です。一覧のなかには「주(注射)」で終わる製品名と、「크림(クリーム)」で終わる製品名の両方が並んでいます。企業名も承認番号も承認日も別々です。
これは、この記事のテーマにそのままつながる事実です。塗るものと注入するものは、成分の名前が同じでも、別の品目として扱われているということです。名前が同じだから同じもの、とは言えません。
なお、この一覧が示しているのは「承認されているかどうか」であって、「効くかどうか」や「自分に合うかどうか」ではありません。そこから先は診察の領域ですので、この記事では踏み込みません。
塗るタイプと、機器を使う施術は、比べる軸が違います
「塗るもので済むなら、そのほうが良いのでは」と考えるのは自然だと思います。ただ、二つは同じ物差しに乗りません。
| 比べる軸 | 塗るタイプ | 医療機関で受ける施術 |
|---|---|---|
| 手に入れ方 | 自分で選んで購入します | 診察を受けたうえで提案されます |
| 使う頻度 | 毎日、続けて使うことが前提です | 間隔をあけて、回数を重ねます |
| ダウンタイム | 基本的には日常に影響しません | 施術の内容によって変わります |
| 判断する人 | 自分です | 医師や担当者と一緒に決めます |
| 記録の残り方 | 自分の記憶と写真だけです | 施術の履歴が医療機関に残ります |
| 渡韓との関係 | 買って帰れば続けられます | 渡韓の日程に縛られます |
塗るタイプの強みは、帰国後の毎日にそのまま組み込めることです。一方で、変化が出ているかどうかを判断するのが自分だけになります。買って帰る前と後で、同じ場所・同じ明るさの写真を残しておくことをおすすめします。
似た性格の製品の見方は肌に使う製品の選び方のほうでも扱っています。
薬局やドラッグストアで買うときに、確認しておきたいこと
渡韓中に売り場で判断することになりますので、実務的な点を書いておきます。
これは化粧品か、医薬品かを確認してください。 区分によって、持ち帰れる数量の扱いが変わります。売り場のスタッフに聞くのがいちばん早い方法です。
パッケージの裏面を写真に撮っておいてください。 帰国してから成分や使い方を確認したくなることがあります。一枚撮っておくだけで、あとから調べられます。
施術を受けた当日には、新しいものを使い始めないでください。 施術の当日に新しい製品を重ねると、赤みが出たときにどちらが原因か分からなくなります。医療機関から指示が出ている場合は、そちらが優先です。
同じ名前でも、内容量が違えば単価が変わります。 旅行用の小さいものと通常サイズでは、比べる意味が変わります。買う前に容量を見てください。
売り場ごとの見方については韓国で人気の製品を見るときの視点のほうにもまとめてあります。
口コミを読むときは、この三つを分けて見てください
同じ名前で語られているものが三通りある以上、口コミもそのまま比べることができません。読むときは次の点を分けて見ると、情報が整理されます。
| 見る点 | 確認したいこと |
|---|---|
| 何を受けた、または何を使ったのか | 施術なのか、塗るものなのかが書かれているか |
| どこで手に入れたのか | 医療機関なのか、売り場なのか |
| いつの話なのか | 書かれた時期。案内や取り扱いは変わります |
とくに一つ目です。施術の感想と、塗るものの感想が、同じ名前のもとに並んでいることがあります。痛みやダウンタイムの記述があれば施術の話ですし、毎日の使い心地の記述があれば塗るものの話です。ここを見分けるだけで、読み違いがかなり減ります。
渡韓の日程と、買い物のタイミング
売り場で買って帰る場合も、日程の組み方で楽さが変わります。
- 重いものやかさばるものは、最終日にまとめるほうが移動が楽になります
- 医薬品にあたるものは、持ち込みの数量に決まりがあります。買う前に区分を確認してください
- 施術を受ける予定がある場合は、施術より前に買っておくと、当日に売り場を回らずに済みます
- 液体のものは、手荷物と預け荷物のどちらに入れるかを先に決めておくと、空港で慌てません
三つ目については、施術後に「これを使ってください」と指示が出ることもありますので、先に買ったものを勝手に重ねないという前提だけは守ってください。
費用について、この記事で書けること

金額は書きません。書けない理由があります。
塗るタイプの製品は、売り場によって値づけが違いますし、内容量も違います。施術のほうは、次の条件で金額が動きますので、一つの数字として並べられません。
- 施術の回数と、当てる部位の範囲
- 使う消耗品の種類や量
- 一緒に行う前後のケアが含まれるかどうか
- 初回かどうか、まとめて申し込む形があるかどうか
- 表示が税込みかどうか
最後の点は必ず確認してください。韓国の価格表示は、税込みのところと税別のところが混在しています。「この金額は税込みですか」と一言聞くだけで、会計での認識がそろいます。
カウンセリングで、名前ではなく中身を確認する

施術を受ける場合、名前で指名するよりも、悩みで伝えたほうが提案が正確になります。次のような聞き方が使いやすいと思います。
- 「毛穴が気になっているのですが、今日の私の肌にはどれが向いていますか」
- 「今日使う機器は、どういうものですか」
- 「今日は何回、どの範囲に当てますか」
- 「これは一回で終わるものですか、重ねるものですか」
- 「今日いただくものは、施術の費用に含まれていますか」
最後の質問は、この記事のテーマにそのまま関わります。渡されたものが施術に含まれているのか、別に数えられているのかは、会計のときに初めて分かることがあります。
実際に受けた方の声にも、カウンセリングの進み方が表れています。
「すごく丁寧にカウンセリングをしてくれて、肌悩みを聴きながらすごくいい施術内容を提案してくれました。とても綺麗な待合室でリラックスしながら待つことができました!」
「施術にかなり迷いがありましたが丁寧に対応して頂きました。日本語も通じたので安心できました院内も綺麗で気持ちよく過ごせました!」
迷っている状態のまま行っても構いません。むしろ「迷っている」と伝えたほうが、その場で整理してもらえます。
日本語では、どこまで確認できるのか
薬局での買い物と、医療機関での施術では、日本語の通じ方が変わります。ここを分けて考えておくと、当日の想定が立てやすくなります。
売り場では、日本語の表示がある店もありますし、翻訳アプリで足りることも多いです。ただ「これは医薬品ですか、化粧品ですか」のような区分の質問は、単語の言い換えが必要になりますので、韓国語で「의약품(医薬品)」「화장품(化粧品)」と書いたものを見せるほうが早いことがあります。
医療機関では、日本語対応に段階があります。
- 常勤の日本人スタッフや通訳がいる場合 — 施術の内容も費用の内訳も、その場で確認できます
- カウンセリングにだけ通訳が入る場合 — 施術室に入ると韓国語になることがあります
- 予約の窓口だけ日本語の場合 — 当日の細かい確認は別の手段になります
二つ目の形は実際によくあります。ある方の記録には、その様子がはっきり書かれています。
「初の施術でほくろ除去を施行していただきました。 予約して伺いましたが、事前のカウンセリングも日本語通訳さん同席で分かりやすかったです。価格が手頃で施術もスムーズでとても満足しています。」
「親切な相談でありがたかったです。施設も清潔です。施術も丁寧で、二三日後が楽しみです。日本語対応頂けて安心してのぞめました。親切にありがとうございました」
一つ目の声は、とても正確な観察だと思います。カウンセリングでは通訳が入るが、施術中は通じないことがあるという状態です。ですので、確認したいことはすべてカウンセリングの段階で済ませておく、という組み立てが安全です。予約の段階で「施術中も日本語で確認できますか」と聞いておくと、当日の想定が立ちます。
よくある質問
Q. 韓国の薬局で、ポテンツァの施術は受けられますか。
受けられません。機器を使って行う施術は医療機関で提供されるものです。韓国の付加価値税法施行令の条文でも、皮膚再生術や毛穴縮小術は美容目的の医療として分類されています。
Q. 「塗るポテンツァ」は薬局で買えますか。
その通称で紹介されている製品を売り場で見かけることはあります。ただし、施術と同じものではありません。買う前に、それが化粧品なのか医薬品なのかを売り場で確認しておくと、持ち帰りの扱いも含めて判断しやすくなります。
Q. 買おうとしている製品が韓国で承認されているかは、どう調べますか。
韓国の食品医薬品安全処が公開している医薬品の情報検索で、製品名や成分名を韓国語で入力すると、製品名・企業名・承認番号・承認日まで確認できます。ただし品目区分に化粧品は含まれていませんので、化粧品はここでは調べられません。
Q. 塗るものと注入するもので、成分が同じなら同じものですか。
承認の一覧では、同じ成分でも注射の剤形とクリームの剤形が別々の品目として並んでいます。企業名も承認番号も承認日も別です。名前が同じでも、別の品目として扱われているということになります。
Q. 施術を受けた日に、買ってきた製品を使い始めてもよいですか。
おすすめしません。同じ日に重ねると、赤みなどが出たときにどちらが原因か分からなくなります。医療機関から指示が出ている場合は、その指示が優先です。使い始める時期についても、カウンセリングの場で確認しておくと安心です。
※ 本記事は2026年8月31日時点で確認できた韓国の法令原文と、韓国の食品医薬品安全処が公開している情報にもとづく整理であり、診断や治療の助言ではありません。個別の製品や施術が自分に合うかどうかは、医療機関または売り場でご確認ください。