目の下のクマは、渡韓して美容皮膚科に行こうと考えている方から、いちばん多く相談を受けるテーマのひとつです。ところが実際にカウンセリングに入ると、想像していた話と違う方向に進むことがよくあります。「クマを取りたい」と伝えたのに、返ってきたのが別の部位の話だった、というような場面です。
これは相手が的外れなことを言っているわけではありません。日本語の「クマ」という一語が、実際にはいくつも違う状態をまとめて指しているためです。ですので、相談の場では「クマを取りたい」から先に、もう一段細かい言葉が必要になります。
この記事では、施術の種類ごとの違いそのものは扱いません。そちらは韓国のクマ治療のページにまとめてあります。ここで整理するのは、その手前——カウンセリングに入る前に何を準備し、当日どういう順番で伝えると話が噛み合うのか、という部分です。金額の目安は書きません。かわりに、金額が決まっていく仕組みのほうを書きます。
「クマ」という一語では、相談が始まりません
日本語で目の下の悩みを話すとき、私たちはかなり広い範囲をひとまとめにしています。色の問題、影の問題、皮膚の厚みや張りの問題、そして目の下のふくらみの問題。これらが混ざったまま「クマ」と呼ばれています。
現地のカウンセリングでは、この四つが別々に扱われます。ですので「クマを取りたい」とだけ伝えると、相手はまずどれなのかを確かめる作業から始めることになります。その確認が通訳を挟んで行われると、時間もかかりますし、細かいところが伝わりにくくなります。
先に自分の側で分けておくと、この工程を飛ばせます。分け方は難しくありません。次の節の三つを、渡韓の前に鏡の前で確認しておくだけです。
鏡の前で、三つだけ確認しておく
準備といっても、専門的な知識は要りません。自分の目の下がどう見えるかを、条件を変えて見ておくだけです。
| 確認すること | やり方 | 伝え方の例 |
|---|---|---|
| 明るさで変わるか | 上から光を当てたときと、正面から当てたときで見比べる | 「上からの光では濃くなります」 |
| 引っぱると変わるか | 目の下の皮膚を横に軽く引く | 「引っぱると薄くなります」「変わりません」 |
| 時間帯で変わるか | 朝起きた直後と、夕方を見比べる | 「夕方のほうが目立ちます」 |
この三つの答えを持っていくだけで、カウンセリングの入り口がまったく変わります。相手は状態を確認するための質問をいくつも用意していますが、その答えを先に渡してしまえば、そのぶん提案の話に時間を使えるからです。
もうひとつ、可能であれば写真を撮っておいてください。自分の部屋の照明で撮ったものと、屋外の自然光で撮ったものの二枚です。現地の診察室の照明は、ふだん自分が鏡を見ている環境とは違います。「いつもはもっと目立ちます」という説明を、写真があれば一枚で終わらせられます。
提案が分かれるのは、原因が一つとは限らないからです
同じように見える目の下でも、提案される内容は人によって変わります。これは案内する側の方針の違いだけではなく、見えている状態の成り立ちが違うためです。
色として見えているのか、影として見えているのか、あるいはその両方なのか。影として見えている場合、その影が何によってできているのか。ここが変わると、進め方の考え方も変わります。ですので、他の方の体験談に書かれていた施術名が、自分にもそのまま当てはまるとは限りません。
ここで大事なのは、提案を一つに絞らせないことです。「この方法と、もう一つ選択肢があるとしたら何ですか」と聞いてみてください。二つ出てくれば、それぞれの向き不向きも一緒に説明してもらえます。一つしか出てこない場合は、なぜ一つなのかを聞けば、その理由が判断材料になります。
目元は範囲が狭いぶん、料金の考え方も他の部位と違う組み立てになることがあります。目元まわりの費用の見方はソウルの目元まわりの料金の見方にも整理してあります。
目元は、痛みと麻酔の話を先にしてください
目の下は敏感な場所ですので、痛みの感じ方には個人差が出ます。そして麻酔の効き方にも個人差があります。ここは、施術が始まってからでは伝えにくい部分ですので、必ず前もって話しておいてください。

実際の書き込みにも、麻酔について事前に伝えたという記録があります。
「アイラインのリタッチの施術をして頂きました。麻酔が効きにくいと伝えると、丁寧に要望を聞いていただきました。
ありがとうございます。」
「麻酔が効きにくい体質です」「痛みに弱いです」は、わがままではありません。進め方を調整するための情報です。過去に歯科などで麻酔が効きにくかった経験があれば、それも伝えてください。
痛みについては、こういう記録もあります。
「ヒアルロン酸の施術はかなり痛かったですが、通訳さんが「1番の山場は超えましたよ」と優しく声をかけてくださり、とても安心できました。ピコトーニングとポテンツァも受けましたが、痛みはほとんどなく、施術後はお肌が潤って大満足です。」
同じ方が受けた施術でも、痛みの感じ方が全然違うことが読み取れます。つまり「痛いかどうか」は施術ごとに別の質問になります。まとめて聞かず、提案されたもの一つずつについて聞いてください。痛みの伝え方そのものは施術中の痛みの伝え方にもまとめています。
内出血と、帰国日の関係
目の下にかかわる施術では、内出血が出ることがあります。出るかどうか、どのくらい続くかは、方法によっても人によっても違います。ここで大事なのは、出た場合にどうなるかを先に聞いておくことです。
聞くのは三つです。内出血が出る可能性があるか、出た場合はどのくらい続くとされているか、そしてメイクで隠せる状態になるまでどのくらいかかるか。この三つの答えを、帰国日と自分の予定に重ねてみてください。
とくに目の下は、マスクで隠せない場所です。帰国の翌日に人前に出る予定がある場合は、その予定を先に伝えてください。日程が合わないと分かれば、別の方法を提案してもらえることもありますし、次の渡韓に回すという判断もできます。
もうひとつ、帰国後に何かあったときの連絡先も、その場で確認しておいてください。日本語でやりとりできる窓口があるかどうかで、帰国後の安心感がまったく違います。
費用が一つに定まらない理由

目元の相談で、金額の目安を調べても数字がそろわないのには、はっきりした理由があります。金額を動かす条件が複数あり、その組み合わせが人によって違うからです。
| 金額を動かすもの | 確認する言い方 |
|---|---|
| どの方法を選ぶか | なぜこの方法を選ぶのか |
| 使う量、または回数 | この金額は何回分・どのくらいの量か |
| 範囲 | どこからどこまでが含まれるか |
| 初回かどうか | 二回目以降はいくらになるか |
| 税の扱い | この金額は税込みか |
| 表示に入っていないもの | 麻酔、薬、再診が別にかかるか |
この六つがそろうと、はじめて二つの案内を横に並べられます。逆に言えば、どれか一つでも欠けたまま比べると、順番が入れ替わります。最初に安く見えた案内が、追加分を足すと真ん中になる、ということは実際によく起こります。
なお、目の下に注入をともなう案内を受けた場合、使う製剤の名前を聞いておくと、韓国で承認されているものかどうかを自分で調べられます。冒頭に載せた画面のように、成分名で検索すれば製品名・企業名・承認番号・承認日まで公開されています。ヒアルロン酸を使う施術の考え方は韓国のヒアルロン酸のページにまとめています。
その場で決めない、という選択肢
カウンセリングの最後には、たいてい「今日はどうされますか」と聞かれます。ここで決めなければならない、と思い込んでしまう方が多いのですが、そんなことはありません。
「一度持ち帰って考えます」と伝えるのは、まったく問題のない返答です。むしろ、そう言ったときの反応が、そのクリニックを見極める材料になります。落ち着いて説明してくれるところもあれば、その場で決めるよう強く勧めてくるところもあります。
持ち帰る場合は、提案の内容を紙かメモに残してもらってください。施術名、回数、含まれる範囲、金額、税の扱い。この五つが書かれていれば、あとから落ち着いて比べられます。口頭の説明だけで帰ると、記憶が混ざります。
そして、滞在中にもう一度行けるかどうかも確認しておいてください。日程に余裕があれば、二日目に別のところで話を聞いてから決める、という進め方もできます。
持ち帰るかどうかを決める基準も、ひとつだけ持っておくと迷いません。説明を聞いたあとで、その施術を選ぶ理由を自分の言葉で言えるかどうかです。「勧められたから」しか出てこない場合は、まだ判断の材料がそろっていない状態ですので、いったん保留にしておくほうが安全です。逆に、自分の状態と目的に照らして理由を言えるのであれば、その場で決めても後悔しにくくなります。
韓国のメニュー表で、目元まわりによく出てくる言葉
現地では、日本語の案内があっても、実際の料金表や会計の画面は韓国語のままということがあります。目元まわりで出てくる言葉をいくつか知っておくと、その場で指をさして確認できます。

| 韓国語の表記 | 意味 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 눈밑 | 目の下 | どこからどこまでを指しているか |
| 부위 | 部位 | その部位の線引き |
| 1회 | 一回 | 一回に含まれる範囲 |
| 초회 | 初回 | 二回目以降の金額 |
| 부가세 별도 | 税別 | 税を足した総額 |
| 마취 | 麻酔 | 別料金かどうか、種類は何か |
この六つが読めるだけで、料金表の骨格はだいたいつかめます。分からない表記が出てきたら、遠慮せずその場で指をさして「これは何ですか」と聞いてください。外国から来た方の対応に慣れているところほど、こういう質問に丁寧に答えてくれます。
もうひとつ気をつけたいのが、案内の紙と会計の画面で名前が違うことです。日本語の案内では分かりやすい呼び方に置き換えられていて、会計では正式なメニュー名が出てくる、という順序になります。金額を照らし合わせたいときは、名前ではなく項目の数と数字で見比べてください。項目が増えていれば、そこに何かが足されています。
当日は、どのくらい時間を見ておけばよいのか
目元まわりの施術は、施術そのものの時間よりも、その前後にかかる時間のほうが長くなることがあります。予定を詰めてしまうと、ここで慌てることになります。
当日の流れは、受付、問診票の記入、カウンセラーとの相談、医師の診察、必要であれば麻酔、施術、そして会計という順番が一般的です。塗るタイプの麻酔を使う場合は、効いてくるまで待つ時間が入ります。この待ち時間は自分では短くできません。
ですので、目元の施術を入れる日は、その前後に予定を詰めないでください。とくにその日の夜に食事の約束を入れてしまうと、赤みや腫れが残っていた場合に困ります。時間の余裕は、そのまま選択肢の余裕になります。
もし当日、思っていたのと違う提案を受けて考える時間が欲しくなったとき、次の予定が迫っていると落ち着いて判断できません。「今日は時間に余裕があります」という状態で臨むことが、実は一番の準備です。
帰国してからのことを、その場で聞いておく
帰国後に何かあったとき、現地に戻ることはできません。ですので、帰る前に確認しておくことがいくつかあります。
聞いておきたいのは四つです。いつからメイクをしてよいか、日焼けについて何か気をつけることがあるか、腫れや内出血が続いた場合はどうすればよいか、そして日本語で連絡できる窓口があるか。この四つを、施術の直後ではなく、会計の前に聞いてください。施術の直後は落ち着かず、聞いたことを覚えていられないことがあります。
答えはメモに残してください。可能であれば、日本語で書いたものをもらうか、その場でスマートフォンに打ち込んでおくと確実です。帰国してから「たしかこう言われた気がする」という記憶だけが残っている状態が、いちばん不安になります。
日本語では、どこまで確認できるのか

目元の相談は、他の部位よりも細かい言葉のやりとりが必要になります。どこがどう見えるか、いつから気になるか、痛みはどうか。どれも感覚の話ですので、翻訳アプリだけでは伝えきれない場面が出てきます。
日本語対応と書かれていても、その中身には段階があります。
- 常勤の通訳や日本語を話すスタッフがいる——施術の最中にも状態を伝えられます
- 予約の窓口だけ日本語——当日の細かいやりとりでは通じないことがあります
- 翻訳アプリで対応——大枠は伝わっても、感覚の説明では行き違いが起きやすくなります
実際の書き込みには、医師本人が日本語を話す場合の記録もあります。
「先生もスタッフの方も親切で優しかったです。
女性の院長先生は日本語もすごくお上手で、施術も確かでした!」
また、施術そのものより先に、日本語で話せたことに安心したという声も多く残っています。
「リフティング施術を受けました!
日本語対応のスタッフさんがいて安心できました」
予約の段階で「施術の最中も、日本語で状態を伝えられますか」と聞いてみてください。目元の施術では、この一言が実際の安心感を大きく左右します。
よくある質問
Q. 目の下のクマは、一回で変わりますか。
状態と方法によって変わります。一回で様子を見るという進め方もあれば、間隔を空けて続けることを前提に案内される場合もあります。初回の説明の場で、想定される回数と間隔をあわせて聞いておくと、日程を立てやすくなります。
Q. 何を持っていけばよいですか。
明るさや時間帯で見え方が変わるかどうかのメモ、自宅と屋外で撮った写真、これまでに受けた施術と時期、いま使っている薬や塗り薬です。薬の名前が分からない場合は、写真を撮っておけば足ります。
Q. 内出血が出たら、どのくらいで消えますか。
方法によっても人によっても違いますので、一律には言えません。施術を決める前に「出る可能性があるか」「出た場合はどのくらいか」「メイクで隠せるようになるまでどのくらいか」の三つを確認してください。
Q. 麻酔が効きにくい体質でも受けられますか。
まず、その旨を先に伝えてください。伝えたうえで進め方を調整してもらえた、という記録もあります。過去に麻酔が効きにくかった経験があれば、その場面もあわせて話しておくと伝わりやすくなります。
Q. カウンセリングだけ受けて帰ってもよいのですか。
問題ありません。持ち帰って考えたい旨を伝えれば済みます。その際は、施術名・回数・範囲・金額・税の扱いの五つを書いた形で残してもらってください。口頭だけでは、あとで比べられなくなります。
※ 本記事は、相談の準備と伝え方を整理したものであり、特定のクリニックや施術をおすすめするものではありません。適応・回数・進め方は個人の状態によって異なります。実際の判断は、必ず医療機関でご相談ください。