たるみが気になってきたときに候補に上がるのが糸リフトです。韓国では「ミント糸」という呼び方でメニューに並んでいることが多く、ハイフや高周波と同じ棚に置かれています。
ただ、糸リフトはこの中でいちばんダウンタイムが重い施術です。渡韓の日程の組み方を間違えると、旅行そのものがつらくなります。この記事では、糸の種類・本数の考え方・持続・ダウンタイム、そしてハイフとの使い分けを、現地から正直に整理します。
糸リフトとは?
医療用の糸を皮膚の下に入れて、たるんだ組織を引き上げて固定する施術です。糸には小さなトゲや凹凸がついていて、それが組織を引っかけて支えます。
押さえておきたいのは、働きが二段構えになっていることです。
| 段階 | 何が起きるか |
|---|---|
| 入れた直後 | 糸が組織を物理的に引き上げます。ここが分かりやすい変化です |
| 数か月かけて | 糸は少しずつ吸収されて消えます |
| 糸が消えたあと | 糸のまわりに反応してできた組織が残り、支えとして働くと言われています |
つまり「糸が溶けたら全部元通り」ではありませんが、「入れた直後の引き上げがそのまま続く」わけでもありません。ここを誤解したまま受けると、数か月後に「戻った」と感じることになります。
糸の種類と本数の考え方
韓国のメニュー表には糸の名前がいくつも並んでいて、金額もばらばらです。違いは大きく二つ、素材と形状です。
素材による違い
| 素材 | 呼ばれ方 | 吸収されるまでの目安 |
|---|---|---|
| ポリジオキサノン(PDO) | ミント糸などとして最もよく使われます | おおむね半年前後 |
| ポリ乳酸(PLLA) | やや長く残るタイプ | 1年前後 |
| カプロラクトン(PCL) | いちばん長く残るタイプ | 1年以上 |
長く残る素材ほど費用は上がります。ただ「長いほうが良い」と単純に決められるものでもなく、初めての方には吸収の早い素材から試す提案がされることもあります。
形状による違い
| 形状 | 特徴 | 主な狙い |
|---|---|---|
| コグ(トゲあり) | 組織を引っかけて引き上げます | フェイスラインのたるみ |
| スクリュー | らせん状に巻きついた形 | ボリュームを出したい部分 |
| モノ(トゲなし) | 細い糸を多数入れます | 肌の質感、細かいハリ |
コグとモノは目的がまったく違います。「糸リフト10本」と言われても、コグ10本とモノ10本では中身も金額も別物です。カウンセリングでは「どの形状を何本ですか」と聞いてください。
本数はどう考えるか
本数は「顔の大きさ」ではなく「どこを、どれだけ引き上げたいか」で決まります。片側だけに入れることはまずないので、基本は左右で偶数になります。
| 目的 | 本数の目安(コグの場合) |
|---|---|
| 部分的に、輪郭を少し整えたい | 片側2〜4本 |
| フェイスライン全体をしっかり | 片側4〜8本 |
| 頬とフェイスラインを分けて入れる | さらに増えます |
実際に、複数のメニューと同日に糸を入れた方の記録があります。
「院内はとても綺麗でほぼ待ち時間もなくカウンセリングから約1時間でボトックス3ヶ所・唇フィラー・ミント糸8本・小顔注射?してもらいました。 麻酔が効きにくい事を最初に伝えていましたが、糸リフトの施術中とても痛くて我慢できずにいると麻酔を足してもらえて声かけもしてくれましたが、最初にもっと言っておくべきだったかもしれません(^_^;)(中略)ただ早かったのと仕上がりには満足です(^^)」
ここには大事な情報が二つ入っています。ひとつは麻酔が効きにくい体質は先に、そして強めに伝えておくということ。この方も「最初にもっと言っておくべきだったかもしれません」と書かれています。もうひとつは、痛みを訴えたら麻酔を足してもらえたということです。我慢しないで言えば対応してもらえます。
持続とダウンタイム
ここは正直に書きます。糸リフトは、たるみ系のメニューの中でいちばん腫れます。
| 経過 | 状態 |
|---|---|
| 施術当日 | 腫れと痛み。麻酔が切れると突っ張る感じが出ます |
| 2〜3日目 | 腫れのピークになる方が多いです。内出血が出ることも |
| 1週間 | 腫れが引いてきます。内出血はまだ残ることがあります |
| 2週間〜1か月 | 引きつれ感が落ち着き、表情が自然になってきます |
この期間、大きく口を開けにくい方が多いです。韓国旅行で焼肉やサムギョプサルを楽しみにしている方は、この点を先に考えておいてください。糸を入れた当日に大きな口を開ける食事は現実的ではありません。
持続は素材と本数によりますが、引き上げの実感は数か月から1年程度で薄れていくと説明されることが多いです。実際に、1か月経ってから満足を書かれている口コミもあります。
「2026.5.10親子3代で来院しました。初美容施術の高齢の母はボトックスをしました。あと50代の私はセルディウムを初めてしました。 あとはボトックスにリフトアップ系。20代娘はリフトアップにジュベルック。3人とも1か月が経ち効果に満足していと早速7月にリピートを決定!また渡韓し来院予約しました。母もシワが薄くなって喜んでます。来月!よろしくお願いします。」
1か月経ってから満足を書かれているという点が参考になります。糸リフトは受けた翌日に判断する施術ではありません。
起こりうること
良い面だけ書くのは不誠実なので、リスクも並べます。
- 左右差 — もともとの顔の左右差が、引き上げで目立つことがあります
- 引きつれ・凹み — 糸の入った部分がへこんで見えることがあります。多くは時間で落ち着きます
- 表情の違和感 — 笑ったときに突っ張る感じが出ることがあります
- 糸が触れる・透ける — 皮膚が薄い部位で起こることがあります
- 感染 — 頻度は高くありませんが、腫れや痛みが増していく場合はすぐ連絡してください
帰国後に相談したくなったとき、日本からどう連絡すればよいかを渡韓中に確認しておいてください。これは糸リフトでは特に大事です。
ハイフ・高周波との使い分け
たるみのメニューは似た顔をして並んでいますが、やっていることは違います。
| メニュー | やっていること | 引き上げ感 | ダウンタイム | 向いている状態 |
|---|---|---|---|---|
| 糸リフト | 糸で物理的に引き上げる | 直後から分かりやすい | 重い(1〜2週間) | たるみが進んで、下がった位置が気になる |
| ハイフ | 超音波の熱で深い層を引き締める | 数週間かけてじわじわ | 軽い | 全体のゆるみ、予防的に整えたい |
| オンダリフト(高周波) | 高周波の熱で引き締める | じわじわ | 軽い | ゆるみと脂肪感の両方 |
| インモード | 高周波で引き締める | じわじわ | 軽い | 顔まわりのもたつき |
大きな分け方はこうなります。「下がったものを上げたい」なら糸、「ゆるみを引き締めたい」ならハイフや高周波です。そして韓国では、この両方を同じ日に組むことも珍しくありません。ハイフで土台を引き締めてから糸で上げる、という順番で提案されることがあります。
熱を使う施術は、施術中の熱さのやり取りが発生します。
「待ち時間は殆どなく、店内は広くて、新しく、受付やカウンセラーも日本語が上手です。オンダリフトを受けてみましたが、医師の施術でした。医師は韓国っぽい名前でしたが、日本語ネイティブで熱さや痛みにすぐ対応してくれて、安心して施術を受けられました。とても優しい医師でした。(中略)コーヒーマシンやプリクラが撮れるので、エンタメ的に楽しめます。料金設定が不明瞭だったので、星は三つにしました。」
施術には満足しながら、料金設定が不明瞭だったことで星を下げているのがポイントです。次の章はまさにその話です。
費用はどう決まるのか
糸リフトの費用は「一回いくら」ではありません。次の要素で動きます。
| 変数 | 内容 |
|---|---|
| 糸の素材 | 長く残る素材ほど上がります |
| 糸の形状 | コグはモノより高いのが一般的です |
| 本数 | 1本あたりの単価×本数が基本の考え方です |
| 部位 | 頬、フェイスライン、首で分かれていることがあります |
| 医師の担当か | 誰が入れるかで価格帯が変わるクリニックがあります |
| 同日の組み合わせ | ハイフや注射と組むとセット価格になることがあります |
公開メニューで見かける範囲を、あくまで目安として並べます。
| 内容 | 目安 | 円換算の目安 |
|---|---|---|
| コグ糸 1本あたり | 3万〜8万ウォン | 約3,000〜8,000円 |
| コグ糸 全顔10本前後 | 50万〜150万ウォン | 約50,000〜150,000円 |
| モノ糸(多数) | 30万〜80万ウォン | 約30,000〜80,000円 |
| 長く残る素材の糸 | 上記より高くなります | — |
※上記は公開メニューで確認できた範囲の目安です。キャンペーン、糸の種類、本数、クリニックによって変わります。為替も変動しますので、円換算は10,000ウォンを約1,000円として計算した概算とお考えください。金額はカウンセリングの場で提示してもらってください。
見積もりをもらうときは、「糸の名前・形状・本数・部位」の4点が書かれているかを確認してください。この4点が揃っていない見積もりは、あとで金額が動く余地があります。
予算とダウンタイムを先に伝えて、その中で組んでもらったという口コミもあります。
「トリプルトーニングとオンダンリフトを受けました。自分の予算と肌悩みやダウンタイムの期間等に合わせて施術内容を相談しながら決めることができました。施術は痛みもほとんどなく良かったです。」
予算と、ダウンタイムに使える日数。この二つを最初に言葉にして渡すのが、韓国のカウンセリングでいちばん効きます。
日本語は通じますか?通訳とカウンセラー(室長)
糸リフトは施術中の痛みのやり取りが多く、しかも入れる本数と位置という金額に直結する会話が発生します。言葉が通じるかどうかが、そのまま体験の差になります。
先ほどの口コミの続きに、そのままの状況が書かれています。
「(前略)あと先生しか部屋に居らずひたすら英語で話しかけられます。笑 予約はLINEで日本語・割と即レスでカウンセリングも韓国美女カウンセラーさんでしたが、通訳さんも居ましたし無理な勧誘はなかったです。」
予約とカウンセリングは日本語だったのに、施術室では英語だけになったという状況です。これは実際によくあります。予約の段階で「施術中も日本語で声をかけてもらえますか」と一言確認しておくと、この差を避けられます。
一方で、通訳が常駐していて安心できたという声もあります。
「予約がLINEで取りやすいです。日本語の可能な通訳さんも常駐しており、安心感があります。レーザーやボトックス、糸リフトなど施術メニューが幅広いので旅行のついでに立ち寄りやすいと思います。」
カウンセラー(室長)が先に出てくる流れ
韓国では、医師の診察の前にカウンセラー(室長と呼ばれます)が相談に入るのが一般的です。悩みと予算をここで聞かれ、そのうえでメニューが組まれます。日本のクリニックしか知らないと戸惑いますが、韓国では通常の流れです。
糸リフトの場合、この場で本数が決まることがあります。だからこそ、上限を先に言葉にしておいてください。
予約時に日本語で送っておくとよいこと
- 糸の名前・形状・本数・部位を含めた見積もりが欲しい
- 施術は医師が担当するか
- 麻酔が効きにくい体質かどうか(該当する方は必ず)
- 施術中も日本語で声をかけてもらえるか
- 帰国日と、そのあとに人前に出る予定があるか
- 帰国後に相談したいときの連絡方法
向いていない方・よくある質問
次に当てはまる方は、今回は見送るという判断もあります。
- 滞在が2〜3日で、帰国翌日に予定がある方 — 腫れが引く前に帰国日が来ます
- 旅行中に写真をたくさん撮る予定の方 — 腫れと内出血が出ます
- 食事を楽しみにしている方 — 数日は大きく口を開けにくくなります
- たるみではなく、ゆるみが悩みの方 — ハイフや高周波のほうが合っている可能性があります
- 一度で永久に変わることを期待している方 — 糸は吸収されて消えます
Q. どのタイミングで受けるのがよいですか? 渡韓の初日、できるだけ早い時間をおすすめします。腫れのピークが滞在中に来ても、帰国までに少し引きます。
Q. 痛みはどれくらいですか? 麻酔をしますが、糸を通すときの感覚はあります。麻酔が効きにくい体質の方は、必ず最初に伝えてください。施術中に痛ければその場で言えば、麻酔を足してもらえます。
Q. 何本入れればよいのか分かりません。 本数は「どこを上げたいか」で決まります。上げたい場所を鏡の前で指で持ち上げて、その位置を写真に撮っていくと、言葉が通じなくても伝わります。
Q. ハイフと同じ日に受けられますか? 組み合わせて提案されることはあります。ただし順番と間隔には理由がありますので、その日の組み方は医師とカウンセラーに決めてもらってください。
Q. アフターケアで気をつけることは? 数日は大きく口を開ける動作、うつ伏せ寝、強いマッサージを避けるよう案内されることが多いです。具体的な期間はクリニックによって違いますので、渡韓中に確認しておいてください。
まとめ
- 糸リフトはたるみ系メニューの中でいちばんダウンタイムが重い施術です
- 腫れのピークは2〜3日目。渡韓の初日に受けるのが基本の組み方です
- 糸は素材と形状で別物になります。「何本」ではなく「どの糸を何本、どこに」で確認してください
- 見積もりは糸の名前・形状・本数・部位の4点が揃っているかを見てください
- 「下がったものを上げる」なら糸、「ゆるみを引き締める」ならハイフや高周波です
- 予算とダウンタイムに使える日数を、カウンセリングの最初に伝えてください
- 施術中も日本語が続くかどうかを、予約の段階で確認しておくと安心です