「韓国の美容皮膚科に行きたいのですが、担当してくれるのが本当に皮膚科の専門医なのかどうか、どうやって確かめればいいですか」——渡韓を考えている方から、この質問をよくいただきます。
日本のクリニックの案内では、学会が認定した皮膚科専門医であることを表示しているところが多いと思います。では韓国ではどうなのか。同じように調べられるのか。そこが分からないまま予約をするのは、たしかに落ち着かないと思います。
この記事では、憶測を書かないようにしました。韓国の法令の原文と、韓国政府が所管する公式サイトの画面を実際に開いて、そこに書かれていることだけを整理しています。先に結論を書きますと、「その医師個人が専門医かどうか」を日本から一発で照会できる仕組みは、この記事で扱う範囲の公式サイトでは見当たりませんでした。ただし、外国人患者を受け入れる医療機関のほうには、法律で専門医に関する要件が課されています。 その登録があるかどうかであれば、誰でも無料で確認できます。

韓国の法令で「専門医」が出てくる場所
まず開いたのは、上の画像の法律です。韓国語の正式名称は「의료 해외진출 및 외국인환자 유치 지원에 관한 법률」、日本語にすると「医療海外進出および外国人患者誘致支援に関する法律」となります。韓国では略して「의료해외진출법」と呼ばれています。
この法律は、韓国の医療機関が外国から来た患者を受け入れるときの決まりを定めたものです。つまり、日本から渡韓して施術を受ける私たちに、直接かかわってくる法律です。
そのなかの第6条が「外国人患者の誘致に対する登録」を定めています。ここに、専門医の話が出てきます。

条文の第1項は、外国人患者を受け入れようとする医療機関は、次の要件をそろえて広域自治体の長に登録しなければならない、という組み立てになっています。読み取れる内容を表にまとめます。
| 区分 | 条文で定められている要件 |
|---|---|
| 医療機関の要件① | 外国人患者を受け入れようとする診療科目ごとに、医療法第77条による専門医を1名以上置くこと(ただし診療科目が大統領令で定める専門科目でない場合は除く) |
| 医療機関の要件② | 保健福祉部令で定める医療事故賠償責任保険、または医療事故の被害救済に関する法律による医療賠償共済組合に加入していること |
| 医療機関以外の誘致業者の要件 | 保健福祉部令で定める保証保険に加入していること/保健福祉部令で定める規模以上の資本金を保有すること/国内に事務所を設置していること |
| 登録の証明 | 広域自治体の長は、登録した医療機関と誘致事業者に登録証を発行しなければならない |
| 有効期間 | 登録の有効期間は、登録日から3年 |
| 更新 | 有効期間が満了したあとも続けて外国人患者を受け入れようとする場合は、満了前に登録を更新しなければならない |
ここで大事なのは、「外国人患者を受け入れます」と掲げる以上、その診療科目に専門医が1名以上いることが登録の条件になっているという点です。日本語のサイトやSNSで「外国人歓迎」と書いてあるかどうかとは、まったく別の話です。法律にもとづく登録があるかどうか、という具体的な話になります。
「登録がある」と「その日の担当医が専門医である」は別の話です
ここは正直に書きます。上の条文が求めているのは、あくまで医療機関としての体制です。診療科目ごとに専門医を1名以上置くこと、という書き方になっています。
ですので、次のように整理するのが正確だと思います。
- 登録がある医療機関は、その診療科目に専門医を置いている体制で登録している
- ただし、当日カウンセリングや施術を担当する医師が、その専門医本人であるかどうかは、条文からは分かりません
大きなクリニックほど、医師が複数在籍しています。「専門医がいる」ことと「今日の私を診てくれるのが専門医である」ことは、同じではありません。ここを混同すると、あとで「話が違う」と感じる原因になります。当日の担当については、あとで書くとおり、カウンセリングの場で直接確認するのが確実です。
クリニックの選び方そのものについてはクリニックの選び方にまとめていますので、あわせて読んでいただけると分かりやすいと思います。
登録は「一度取ったら終わり」ではありません
条文で個人的にいちばん大事だと感じたのが、有効期間の規定です。
第6条第6項に、登録の有効期間は登録日から3年と定められています。そして第7項で、期間が満了したあとも続けて外国人患者を受け入れようとする場合は、満了前に更新しなければならない、とされています。
つまり、この登録は維持し続ける必要があるものです。何年も前に一度登録しただけで、いまは更新していない、という状態がありえます。だからこそ、「登録しているらしい」という伝聞ではなく、いまの状態を自分で見ておく意味があります。
さらに第3項では、この法律に違反して一定の刑を受けた人などは登録ができない、という欠格事由も定められています。第4項では、登録者がその欠格事由にあたることになった場合、登録は効力を失うとされています。登録が生きているかどうかは、それ自体が一つの情報だということになります。
登録されているかどうかを、自分で確認する手順
ここからは実際の画面です。韓国保健産業振興院が運営している公式サイトで、外国人患者の受け入れ登録をしている機関の一覧を、誰でも無料で見ることができます。日本からでも開けます。

トップ画面の左側に、登録の現況が数字で表示されています。撮影した時点では、誘致医療機関が4,322か所、誘致事業者が2,805か所、合計7,127か所でした。あわせて、2025年度の外国人患者の受け入れ実績として2,011,822人という数字も表示されていました。
画面の右上にある「유치기관현황」(誘致機関現況)を押すと、照会の窓が開きます。

案内文には「기관명을 입력 하세요. 공란으로 조회 시 전체 유치기관현황이 조회 됩니다.」と書かれています。日本語にすると「機関名を入力してください。空欄で照会すると全体の誘致機関現況が照会されます」という意味です。
上の画像では、入力欄に「피부과」(皮膚科)と入れた状態にしています。クリニックの韓国語名が分かっていればそれを入れ、分からなければ空欄のまま「조회」を押すと全件が出ます。

結果の一覧には、次の列が並びます。
| 韓国語の列名 | 日本語での意味 | 見るときのポイント |
|---|---|---|
| 상태 | 状態 | 「유지」であれば登録が維持されている状態です |
| 상호 | 商号 | 登録している名称です。日本語の案内サイトの表記と違うことがあります |
| 대표자명 | 代表者名 | — |
| 연락처 | 連絡先 | — |
| 기관구분 | 機関の区分 | 上の画像では、いずれの行も「의원」(医院)と表示されていました |
| 지역 | 地域 | 上の画像では、大邱・仁川・ソウル・京畿と表示されていました |
手順としては三つだけです。①公式サイトを開く、②韓国語名を入れて「조회」を押す、③「상태」の欄を見る。この三つで、登録が生きているかどうかが分かります。
登録の確認そのものについては登録の確認でも扱っていますので、手順をもう一度たどりたい方はそちらもご覧ください。
確認できること・できないことを、はっきり分けておきます
調べた範囲で分かったことと分からなかったことを、正直に分けます。ここを曖昧にすると、読んだ方が誤解したまま渡韓することになってしまいます。
| 項目 | この記事で扱った公式の仕組みで |
|---|---|
| その医療機関が外国人患者の受け入れ登録をしているか | 確認できます(状態の欄で分かります) |
| 登録がいまも維持されているか | 確認できます(「유지」の表示で分かります) |
| 登録の要件として専門医の配置が求められているか | 法令の条文で確認できます |
| 当日の担当医が専門医本人かどうか | 確認できません(カウンセリングで直接聞く必要があります) |
| 医師個人の資格の内容や経歴 | 確認できません(この記事で扱った仕組みの範囲外です) |
| 日本語対応の中身がどの程度か | 確認できません(予約前の問い合わせで確かめる必要があります) |
「登録がある=安心」でも「登録がない=危険」でもありません。登録は、外国人患者の受け入れを前提にした体制を届け出ているかどうかを示すものです。判断材料の一つとして使い、足りない部分はカウンセリングで埋める。この順番で考えるのが現実的だと思います。
カウンセリングで確かめておきたいこと
登録の確認は出発点で、そこから先は現場で聞くしかありません。実際に聞いておくと差が出るのは、次のような点です。
今日の担当はどなたですか。 相談の相手がカウンセラーで、医師の診察は別に入ることもあります。どの段階で医師が出てくるのかを最初に聞いておくと、流れが読めます。
この施術は、医師が行いますか。 施術の内容によって担当が変わることがあります。誰が行うのかを事前に聞くのは、失礼なことではありません。
受けないほうがいい選択肢はありますか。 何を勧めるかだけでなく、何を勧めないかを説明してくれるかどうかは、判断材料になります。実際、こういう声もあります。
「丁寧にカウンセリングしてくれました。 キャンペーンにやりたい施術があるとお得に受けられます。綺麗な店内でみんな親切です。」
当日追加になりうる費用はありますか。 麻酔、アフターケアの薬、再診が必要になった場合など、あとから増えうるものを先に聞いておくと安心です。
一方で、こういう声も残っています。すすめ方に押しの強さを感じたという内容です。
「キャンペーンで受けたい施術があっても色んな理由をつけて断られます。営業もかけてくるので注意した方がいいです。カウンセリングも個室ではなく仕切りがあるだけなのでおすすめできません。」
良い声だけを並べても役に立たないので、こうした声も一緒に置いておきます。カウンセリングの場が個室かどうか、費用の話を落ち着いてできる環境かどうかも、実際には効いてくる部分です。
日本語では、どこまで確認できるのか
ここが、日本から行く方にとって最大の関心事だと思います。専門医の話も、登録の話も、結局はその場で日本語で確認できるのかという問題に行き着きます。
日本語対応をうたっているクリニックでも、その中身には段階があります。
- 常勤の日本人スタッフや通訳がいる——担当医のこと、施術の内容、費用の条件まで、その場で確認できます
- 日本語ができるのは予約の窓口だけ——予約は日本語でも、当日の診察や会計では通じないことがあります
- 翻訳アプリで対応——施術の説明はできても、「今日の担当はどなたですか」のような細かい確認では行き違いが起きやすくなります
実際の声を見ると、この差はかなりはっきり出ています。
「日本語を話せるスタッフの方々がほとんどで、日本語で会話ができる点が安心でした。」
「今日はノさんにカウンセリングをしてもらいました!日本語もとても上手で、とても素敵な方でした(^_^)またぜひお願いします。」
こうした声からも分かるとおり、カウンセリングを日本語で受けられるかどうかが、そのまま安心感につながっています。逆に言えば、日本語が通じない場面が一つでもあると、そこだけ確認が抜け落ちます。
予約の段階で聞いておくと確実なのは、次の一言です。「カウンセリングと会計のときも、日本語で確認できますか。」この質問への答え方——即答できるか、条件つきか、曖昧に流れるか——で、日本語対応がどの段階までのものか、かなり分かります。
日本語対応の見分け方は日本語対応と日本語対応の書面でも扱っていますので、あわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 韓国の医師が皮膚科の専門医かどうかを、日本から個人単位で調べられますか。
この記事で扱った公式の仕組みの範囲では、医師個人の資格を照会する画面は見当たりませんでした。確認できたのは、外国人患者を受け入れる医療機関に対して、診療科目ごとに専門医を1名以上置くことが登録の要件として定められている、という点です。医師個人については、カウンセリングの場で直接お尋ねください。
Q. 登録がない医療機関では、施術を受けないほうがいいですか。
この記事は、登録の有無で良し悪しを判断するためのものではありません。条文から言えるのは、外国人患者を受け入れようとする医療機関には登録が求められている、ということだけです。登録は判断材料の一つとして使い、日本語対応や費用の条件は別に確認するのが現実的だと思います。
Q. 「상태」が「유지」以外の表示になっていることはありますか。
確認した画面では、表示された行はいずれも「유지」でした。それ以外の表示については、この記事で実際に確認できていないため、書きません。照会した時点の表示をそのままご覧ください。
Q. クリニックの韓国語名が分からない場合はどうすればいいですか。
入力欄を空欄のまま「조회」を押すと、全体の一覧が表示されます。画面の案内文にもそのように書かれています。地域の列を手がかりに探す方法もあります。
Q. 登録の有効期間が切れていたら、その場で分かりますか。
条文では、登録の有効期間は登録日から3年で、続ける場合は満了前に更新しなければならないと定められています。照会画面で見えるのは現在の状態の表示ですので、更新の時期そのものが表示されるわけではありません。気になる場合は、予約の問い合わせのときに直接お尋ねになるのが確実です。
この記事の情報源
この記事の内容は、韓国の国家法令情報センターで公開されている法令の原文と、韓国保健産業振興院が運営する公式サイトの画面を直接確認して書いています。掲載した画像は、いずれもその画面です。
- 医療海外進出および外国人患者誘致支援に関する法律 第6条/掲載時点で表示されていたのは2027年5月27日施行の版(法律第21693号、2026年5月26日一部改正)
- 韓国語の法令名:「의료 해외진출 및 외국인환자 유치 지원에 관한 법률」
- 外国人患者の受け入れ機関の現況照会画面(韓国保健産業振興院)
- 撮影時点の表示:誘致医療機関4,322か所・誘致事業者2,805か所・合計7,127か所、2025年度の外国人患者受け入れ実績2,011,822人
※ 本記事は2026年8月31日時点で確認できた法令の条文と公式サイトの画面にもとづく情報の整理であり、特定の医療機関や医師を推奨するものではありません。制度や画面の表示は変更される場合があります。個別の判断については、医療機関に直接ご確認ください。