「せっかく渡韓するので、シミ取りを受けてきたいのですが、旅程のどこに入れればいいですか」——この質問をいただくたびに、いちばん大事なところを突いていると感じます。シミ取りは、施術そのものよりそのあとの数日をどう過ごすかのほうが、旅の満足度を左右するからです。
日本語で情報を探すと、「何日で治る」「いくらだった」といった数字がたくさん出てきます。ただ、その数字はそれを書いた方の条件での話です。取る数、取る場所、使う機器、麻酔をどうするか、そもそもどういう種類のシミなのかで、当日も、そのあとも変わってきます。
そこでこの記事では、数字を並べる代わりに「渡韓の予定に組み込むときに何を考えればいいか」を整理します。日程の組み方、当日の流れ、費用が一本の数字にならない理由、そして自分で無料で確認できることまで、順番に書いていきます。
「シミ」とひとくちに言っても、同じものではありません

日本語では「シミ」という言葉ひとつで済ませてしまいがちですが、韓国の法令の条文を見ると、そこには複数の名前が並んでいます。
上の画像は、韓国の付加価値税法施行令の条文で、美容を目的とした施術として課税の対象に分類されるものを列挙している部分です。黄色く示された部分に並んでいるのは、色素性母斑・そばかす・黒色点・肝斑の治療術、ニキビ治療術、脱毛術、薄毛治療術、植毛術、タトゥー術およびタトゥー除去術、ピアッシング、脂肪溶解術、皮膚再生術、皮膚美白術、抗老化治療術および毛穴縮小術です。
注目していただきたいのは、冒頭の部分です。色素性母斑・そばかす・黒色点・肝斑が、それぞれ別の名前で並んでいます。 法令の条文ですらこれだけ分けているということは、現場ではもっと細かく見分けている、ということでもあります。
ここから言えるのは、次のことです。
- 自分が気にしているものが、どの種類にあたるのかは、見てもらわないと分かりません
- 種類が違えば、選ぶ方法も、回数の考え方も変わることがあります
- ですので、日本にいる時点で「これを受ける」と決め切らないほうが現実的です
カウンセリングで見てもらったうえで決める、という前提で日程を組んでおくと、当日に「思っていたのと違う提案が出てきた」と焦らずに済みます。シミそのものへの向き合い方はシミ取りとシミの肌管理にまとめていますので、施術の側から知りたい方はそちらもご覧ください。
渡韓の日程に組み込むときに、いちばん効いてくること
シミ取りが他の施術と違うのは、受けたあとに見た目の変化が残る場合があるという点です。ここが日程の組み方に直結します。
実際の体験の声にも、こう書かれています。
「終わったら無数のかさぶたにびっくりしました😵」
このように、施術の内容によっては見た目に変化が出ることがあります。どのくらい続くかは個人差が大きいため、この記事では日数を書きません。ただ、「出るかもしれない」という前提で日程を組んでおくかどうかで、旅の後半の過ごし方がまったく変わります。
日程を組むときに考えておきたいのは、次のような点です。
| 予定 | 考えておきたいこと |
|---|---|
| 写真を撮る予定 | 撮影が目的の旅なら、撮影の後ろに置くほうが安心です |
| 人と会う予定 | 会食や再会の予定がある場合は、その予定より後ろに置く選択もあります |
| 帰国日 | 最終日ではなく中日に入れると、気になったときに相談できます |
| ほかの施術 | 同じ日に重ねると、どれが原因か自分でも分からなくなります |
| 屋外の観光 | 施術後に避けるよう言われることがある行動を、先に確認しておきます |
「帰国の前日に入れる」のは、いちばん避けたい組み方です。 何か気になることが出ても、相談する時間が残りません。渡韓全体の準備は渡韓の準備にまとめていますので、日程を組む前にあわせてご覧ください。
当日の流れを、時間の内訳で考えます
当日その場でどれくらい時間がかかるのかは、施術時間だけでは決まりません。内訳で考えると、予定が立てやすくなります。
| 段階 | 何が起きるか |
|---|---|
| 受付・問診 | 受付をして、問診票を記入します |
| 施術前の写真 | 施術前の状態を撮影することがあります |
| カウンセリング | 気になっている部分を見てもらい、どうするかを相談します |
| 麻酔の準備 | 麻酔クリームを使う場合、塗ってから効くまで待つ時間があります |
| 施術 | 実際に施術を受けます |
| 施術後の説明 | アフターケアの説明を受けます |
| 会計 | 支払いをします |

実際の体験の声にも、この流れがそのまま書かれています。
「シミ取り放題の施術を行なっていただきました。初めてで不安も多かったですが、日本語で優しく丁寧に対応いただき安心してシミ取り出来ました!麻酔クリーム塗布してましたが、痛みはそこそこありました。沢山取ってもらえたみたいで良かったです。アクセスも良くオススメのクリニックです。」
ここで押さえておきたいのは、麻酔クリームの待ち時間は「施術時間」に数えられていないことが多いという点です。案内に書かれている所要時間だけを見て次の予定を入れると、間に合わなくなることがあります。予約のときに「受付から会計まで、どれくらいみておけばいいですか」と聞いておくと確実です。
痛みの感じ方についても、上の声のように「そこそこありました」と書かれているものもあれば、思ったより大丈夫だったという声もあります。個人差が大きい部分ですので、当日その場で「痛いです」と伝えられる状態にしておくことのほうが大切だと思います。
予約の取り方そのものはシミ取りの予約にまとめています。
費用が「一本の数字」にならない理由
シミ取りの費用を調べると、書かれている金額の幅が大きくて驚くと思います。これは情報が間違っているからではなく、金額の決まり方が一つではないからです。
金額を左右するのは、たとえば次のような条件です。
| 条件 | どう効いてくるか |
|---|---|
| 数え方 | 個数で数えるのか、時間で区切るのか、範囲でまとめるのかで、金額の意味が変わります |
| 取る数・範囲 | 数や範囲が変われば、当然、金額も変わります |
| 部位 | 顔だけなのか、ほかの部位も含むのかで変わります |
| 回数 | 一回で終わる前提か、複数回を前提にするかで総額が変わります |
| 使う方法 | 選ぶ方法によって金額の組み立てが変わります |
| 初回の案内かどうか | 初回限定の案内は、二回目以降の条件が別に決まっていることがあります |
| 付加価値税 | 税込みか税別かで、支払う総額が変わります |
このうち最後の項目については、記事の冒頭に載せた条文が根拠になります。韓国では治療を目的とした医療には付加価値税がかからず、美容を目的とした施術は課税の対象として扱われます。シミにかかわる施術名は、その課税対象の条文にはっきり並んでいます。 ですので、提示された金額が税込みかどうかを確認する意味があります。
この記事では具体的な金額は書きません。ただ、上の表の条件を自分の場合に当てはめて聞けば、その場で自分にとっての金額が分かります。 他人の金額を探すより、そのほうが確実です。
施術とあわせて案内されるものを、自分で確認する
シミの相談をすると、施術だけでなく、飲むものや塗るものを一緒に案内されることがあります。そのとき、それが韓国で承認された製剤なのかどうかは、自分で調べられます。

上の画像は、成分名で検索した結果の一例です。製品名・企業名・許可番号・許可日まで、すべて公開されています。カプセルの形のものも、注射の形のものも、同じ一覧のなかに並びます。
やり方はかんたんです。案内された製品名または成分名を韓国語で控えておき、韓国の食品医薬品安全処が運営する医薬品等情報検索の画面で調べるだけです。この画面は誰でも無料で使えますし、日本からでも開けます。
大事なのは、調べて「良し悪しを判断する」ことではありません。そもそも何を案内されたのかを、自分の手元に記録として残しておくことです。記録があれば、帰国後に日本の医療機関で相談するときにも役立ちますし、次に渡韓するときの比較材料にもなります。
行き先を決める前に、無料で確認できること
もう一つ、予約の前にできる確認があります。外国人患者の受け入れ登録をしている医療機関かどうかは、韓国の公式サイトで誰でも無料で調べられます。

一覧には、状態・商号・代表者名・連絡先・機関の区分・地域の列が並びます。状態の欄が「유지」であれば、登録が維持されている状態です。上の画像では、いずれの行も機関の区分が「의원」(医院)と表示され、地域の欄には大邱・仁川・ソウル・京畿と表示されていました。
これは「登録があるから安心」「ないから危険」という話ではありません。外国から来た人の受け入れを前提にした体制を届け出ているかどうかを示す、判断材料の一つです。日本語対応の中身や、費用の条件は、これとは別に確認する必要があります。
帰国後をどう過ごすか、先に決めておきます
渡韓の予定は入念に組んでも、帰国後のことは決めずに行ってしまう方が多いように思います。シミ取りの場合、ここを決めておくと安心感がまったく違います。
連絡の手段を確認しておくことです。 帰国後に気になることが出たとき、どこに連絡すればいいのか。日本語で連絡できるのか。何を使うのか。これを当日のうちに聞いておきます。
アフターケアの説明を、形に残して持ち帰ることです。 口頭の説明は、飛行機に乗るころには半分忘れています。日本語の書面や画面でもらえるかどうかを、予約のときに確認しておくとよいと思います。
次の予定を立てるかどうかを決めておくことです。 複数回を前提にする提案を受けた場合、次はいつ来られるのかを自分の側で考えておく必要があります。次の渡韓が難しいなら、その前提で相談することもできます。
写真を残しておくことです。 施術前の写真をクリニックが撮ることがありますが、自分でも撮っておくと、あとから自分の目で比べられます。同じ場所・同じ明るさで撮るのがコツです。窓際の自然光か、洗面所の同じ照明か、どちらかに決めて毎回そこで撮ると、色の見え方が揃います。
そしてもう一つ、その日に何をしたのかを短くメモしておくことをおすすめします。受けた施術の名前、案内された飲み薬や塗り薬の名前、避けるように言われたこと、次に来るとしたらいつかという話。この四つを書き留めておくだけで、次の渡韓のときに「前回は何をしたんだったか」を思い出す手間がなくなりますし、日本の医療機関で相談するときにも、そのまま材料として使えます。渡韓のたびに条件が少しずつ変わっていくものですので、記録が残っているかどうかで、判断の精度がまったく違ってきます。
日本語では、どこまで確認できるのか
シミ取りは、当日その場での判断が多い施術です。「どれを取るか」「今日はどこまでにするか」を、見てもらいながら決めていくことになります。ですので、日本語が通じるかどうかが、そのまま結果に効いてきます。
日本語対応には段階があります。
- 常勤の日本人スタッフや通訳がいる——どれを取るか、今日はどこまでにするか、費用がどう変わるかまで、その場で確認できます
- 日本語ができるのは予約の窓口だけ——予約は日本語でも、施術中や会計の場面では通じないことがあります
- 翻訳アプリで対応——短い確認はできても、その場で条件が動く場面では行き違いが起きやすくなります
実際の声を見ると、日本語で対応してもらえたことがそのまま安心感につながっているのが分かります。
「初めてのほくろ取りでしたが、日本語の上手な方が多くて、とても安心して施術できました。また機会があれば利用したいです。」
「とても綺麗で、日本語わかる人が対応してくれてよかったです。痛いですか?と気遣ってくれて施術することができました。また行きたいです。」
予約の段階で聞いておくとよいのは、次の二つです。「施術中も日本語で希望を伝えられますか。」「施術後の注意事項を、日本語の書面か画面でいただけますか。」この二つに具体的に答えてもらえるかどうかで、日本語対応がどの段階までのものか、かなり分かります。
よくある質問
Q. 渡韓の何日目に入れるのがいいですか。
一律の正解はありませんが、最終日ではなく中日に入れておくと、気になることが出たときに相談する余地が残ります。写真を撮る予定や人と会う予定がある場合は、その予定より後ろに置くという考え方もあります。
Q. 施術のあと、見た目に変化は出ますか。
内容によって変わるため、この記事では断定しません。体験の声のなかには、施術後の見た目の変化に驚いたという内容もあります。どの程度になりうるかは、カウンセリングの段階で、ご自身の予定を伝えたうえで確認してください。
Q. 費用はどれくらいみておけばいいですか。
この記事では金額を書きません。数え方(個数・時間・範囲)、取る数、部位、回数、使う方法、初回の案内かどうか、税込みか税別かで、提示される金額の意味が変わるためです。ご自身の条件を伝えたうえで、その場で確認するのが確実です。
Q. 一回で終わりますか。
種類や状態によって考え方が変わるため、一律にはお答えできません。複数回を前提にした提案を受けることもありますので、次に渡韓できる時期を自分の側でも考えたうえで相談されるとよいと思います。
Q. 案内された飲み薬や塗り薬が、韓国で承認されたものか調べられますか。
調べられます。韓国の食品医薬品安全処が運営する医薬品等情報検索の画面で、製品名または成分名を韓国語で入力すると、製品名・企業名・許可番号・許可日まで確認できます。日本からでも無料で開けます。
この記事の情報源
この記事のうち、法令にかかわる部分、医薬品の承認にかかわる部分、登録の確認にかかわる部分は、韓国の公的な情報を直接確認して書いています。掲載した画像は、いずれもその画面です。
- 付加価値税法施行令 第35条/美容目的として課税の対象に分類される施術の列挙部分
- 韓国語の法令名:「부가가치세법 시행령」
- 医薬品等情報検索(韓国 食品医薬品安全処)/「트라넥삼산」で検索した結果の画面
- 外国人患者の受け入れ機関の現況照会画面(韓国保健産業振興院)
※ 本記事は2026年8月31日時点で確認できた情報の整理であり、医療上の助言ではありません。施術の可否、当日の内容、施術後の過ごし方については、必ず医療機関の指示に従ってください。体感や経過には個人差があります。