「渡韓して施術を受けるのは危険ではないか」——こう調べられる方は、実はとても多いと思います。そして、この言葉で検索して出てくる情報は、両極端になりがちです。「まったく問題ない」と書いてあるものと、「やめたほうがよい」と書いてあるものが並んでいて、どちらを信じればよいのか分からなくなります。
この記事では、どちらの立場も取りません。代わりに、「危険」という言葉が指しているものを分解して、そのうち事前に確認できるものと、確認できないものを線引きするという進め方をします。
不安が漠然としているうちは、対処のしようがありません。「何が心配なのか」がはっきりすれば、そのうちのいくつかは出発前に確認できますし、確認できないものについては別の備え方があります。線を引くことそのものが、いちばん確実な備えになります。

「危険」という言葉を、五つに分けます
渡韓の美容医療について「危険」と言われるとき、実際には別々のものが混ざっています。整理すると、おおむね次の五つです。
- 医療機関そのもの——きちんとした体制のところなのか
- 使われる薬剤や機器——正規のものが使われているのか
- 言葉——伝わらないことで、必要な情報が抜けないか
- お金——聞いていた話と違う金額にならないか
- 帰国後——何かあったときに、日本でどうすればよいのか
この五つは、性質がまったく違います。1と2は調べれば分かる種類のもので、3と4は聞き方で減らせるもの、5は事前に段取りしておくものです。一括りに「危険」と考えているあいだは動けませんが、こう分けてしまえば、それぞれに手を打てます。
確認できるものと、できないものの線引き
先に全体像を出しておきます。
| 心配の種類 | 出発前に確認できるか | 確認の手段 |
|---|---|---|
| 外国人患者の受け入れ登録があるか | できます | 韓国政府の公式サイト |
| 使われる薬剤が韓国で承認されているか | できます | 食品医薬品安全処の公式サイト |
| 日本語がどの段階まで通じるか | できます | 予約のやり取りで分かります |
| 支払いの条件・総額 | 当日に確定します | カウンセリングで確認します |
| 施術の効果 | 事前には分かりません | 個人差があります |
| 自分の肌に合うか | 事前には分かりません | 診察で判断されます |
| 帰国後の経過 | 事前には分かりません | 段取りだけ先に決めます |
上の三つは、出発前に無料で確認できます。 下の四つは、性質として事前には分かりません。ここを混ぜて悩んでいると、いつまでも決められません。まず上の三つを片付けて、下の四つは「分からないものとして備える」という順番にしてください。
① 医療機関の登録は、公式サイトで確認できます
韓国には、外国人患者の受け入れについて登録した医療機関の一覧を、政府が公開している仕組みがあります。上に載せた画面がその入口です。韓国保健産業振興院が運営していて、誰でも無料で見られます。
ここで確認できるのは、その医療機関が外国から来る方の受け入れを届け出ているかどうかです。登録があるからといって施術の質が保証されるわけではありませんが、外国人の受け入れを前提にした体制を届け出ている、という一つの手がかりにはなります。
検索の画面はこちらです。

結果の画面では、登録が有効かどうかまで読み取れます。

サイトは韓国語のみですが、押す場所と入れる場所は決まっています。手順は外国人患者の受け入れ登録を確認する方法にまとめてありますので、予約の前に一度確認しておくと、漠然とした不安がひとつ減ります。
② 使われる薬剤や製剤も、承認の有無を調べられます
もう一つ、事前に確認できるのが薬剤です。韓国の食品医薬品安全処が、承認された医薬品の一覧を公開しています。

成分名や製品名を入れて検索すると、その製剤が韓国で承認されているかどうかが分かります。

この確認が効いてくるのは、カウンセリングで製剤名を聞いたあとです。事前に全部調べておく必要はありません。「今日使うものの名前を教えてください」と聞いて、その名前をあとから照会する、という順番でも十分です。
もっとも、確認させてもらえるかどうかも一つの目安になります。施術の前に薬剤を見せてくれた、という声もあります。
「ずっと気になっていたシャインビームに行きました!駅からすぐ近くで店内もきれいで落ち着いた雰囲気でした。
日本人のスタッフの方もいるので、日本語で通じたところも良かったです。カウンセリング前に行なったらAI肌診断が、今まで行なった肌診断よりもすごく詳しく診断されてとても驚きました。内容は別途メールで受け取れるので後で確認も可能です⭕️
今回は、ポテンツァ+赤ちゃん注射6ccを受けました。施術前に薬剤とチップの確認させてくれたのもよかったです。
施術はやっぱりポテンツァは痛かったですが、麻酔クリームもしっかり塗ってくれたので耐える事が出来ました。
効果が出るのが楽しみです♪」
「施術前に薬剤とチップの確認をさせてくれた」という部分が、まさにここで言っている確認にあたります。こちらから「見せていただけますか」と聞いてよい場面です。
③ 言葉——危険の多くは、ここから生まれます
五つのうち、実際にいちばん多くの行き違いを生んでいるのは、言葉です。
施術そのものの安全性より、必要な説明が届いていないことのほうが問題になりやすい、という言い方もできます。ダウンタイムがどれくらい出るのか、当日に避けることは何か、次はいつごろ受けるのがよいのか——こうした情報は、通じていなければ存在しないのと同じになってしまいます。
不安を減らすという意味では、次の三つの場面で日本語が通じるかどうかを見ておくと確実です。
- カウンセリング——何を受けるか、範囲と回数を決める場面
- 施術中——痛みの確認と、中断してほしいときの合図
- 施術後の説明——避けること、次回の目安、異常が出たときの連絡先
場面ごとに、通じなかったときに何が抜けるのかを並べると、優先順位がはっきりします。
| 場面 | 通じないと抜けるもの | 抜けたときに起きること |
|---|---|---|
| 予約 | 日時・施術名・条件 | 当日に内容が食い違います |
| カウンセリング | 回数・範囲・代替案 | 想定と違う施術になります |
| 施術前 | 使う薬剤・所要時間 | あとから確認できなくなります |
| 施術中 | 痛みの合図・中断の依頼 | 我慢したまま進みます |
| 施術後 | 避けること・次回の目安 | 帰国後に判断できなくなります |
| 会計 | 総額・内訳・税の扱い | 金額の行き違いが起きます |
このなかで、いちばん取り返しがつきにくいのは施術後の説明です。カウンセリングの内容は事前に文字でやり取りできますが、施術後の注意事項はその場で聞くしかありません。日本語対応を確認するときは、この場面を基準にしてください。
施術中に痛みの確認をしてもらえたことを挙げる声は、非常に多く見られます。
「アートメイクリペアを受けましたが、結果として大満足でした。自分に合ったデザインや色味にて施術を受けることができました。
施術中も痛みの確認をしながら進めてくださり、仕上がりは想像以上に自然で、自分の眉毛のような美しいデザインになりました。」
痛みの確認は、快適さの話であると同時に安全の話でもあります。声をかけてもらえる体制かどうかは、予約の段階で「施術中も日本語で確認していただけますか」と聞けば分かります。
④ お金の行き違いは、順番で防げます
金額をめぐる不安も、「危険」という言葉に含まれていることが多い部分です。ただ、これは施術の危険というより、確定の順番の問題です。
先に総額を確定させてから施術に入る、という順番にしておけば、会計の場で驚くことはほとんどなくなります。確認しておきたいのは次の四点です。
- 今日受ける施術の名前と、回数・範囲
- その内容で、今日支払う総額
- その金額は税を含むかどうか
- 追加で発生しうるものがあるか(麻酔・薬・アフターケア用品)
この四つを施術前に文字で残しておけば、あとから食い違うことは起きにくくなります。支払いの場面がいくつに分かれるのかは支払いはいつ・何に対して発生するのかに整理しています。
なお、外国から来る方向けの案内が整っているかどうかは、こうした点にも表れます。
「案内から施術までとても対応が良くて、外国の方でも安心して施術を受けられる環境でした。予約も簡単に出来て、予定も立てやすいです。」
⑤ 帰国後のことは、出発前に段取りだけ決めておきます
事前には確認できないものの代表が、施術後の経過です。効果の出方も、赤みや腫れの引き方も、個人差があります。ここは「分からないもの」として扱ったうえで、段取りだけを先に決めておくのが現実的な備えになります。
決めておきたいのは、次の三つです。
一つめは、連絡先です。 帰国後に気になることが出たとき、どこにどうやって連絡すればよいのか。日本語で受け付けてもらえるのか。会計のときに聞いておいてください。
二つめは、記録です。 受けた施術の名前、使われた薬剤の名前、回数と範囲。日本の医療機関で相談することになった場合、この三つがあるかないかで話の進み方がまったく違います。
三つめは、日程の余裕です。 帰国日の直前に施術を入れると、何かあったときに現地で相談する時間が取れません。ダウンタイムが出る可能性のある施術ほど、滞在の前半に寄せておくと安心です。
帰国後に備えて残しておく情報を、目的別に整理すると次のようになります。
| 残すもの | 何のために使うか | いつ受け取るか |
|---|---|---|
| 施術名(日本語・韓国語) | 日本で説明するとき | カウンセリング後 |
| 薬剤・機器の名前 | 承認の照会・次回の指定 | 施術前 |
| 回数と範囲 | 次回の続きを頼むとき | カウンセリング後 |
| 会計の明細 | 費用の記録・回数券の管理 | 会計時 |
| 連絡先と受付言語 | 帰国後に相談するとき | 会計時 |
このうち薬剤や機器の名前だけは施術前でないと聞きにくいので、順番に注意してください。あとの四つは、会計のときにまとめて受け取れます。
繰り返し通われている方の声を見ると、この段取りが自然にできている様子が分かります。
「11ヶ月後にリタッチで伺いました。
丁寧な施術で、麻酔クリームも足してくれながらなので、痛みも少ないです。
綺麗な眉毛とアイラインが復活して嬉しいです!」
一回目で記録と連絡先を残しておくと、二回目以降はこのように「前回の続き」として話が進みます。
確認しても、なくならない不安との付き合い方
ここまでの手当てを全部しても、不安がゼロになることはありません。それは当然のことで、医療である以上、結果を事前に約束できるものではないからです。
その前提のうえで、判断の材料としてお伝えできることが二つあります。
一つめは、「決めない」という選択がいつでも残っているという点です。 カウンセリングを受けてから、受けずに帰ることもできます。予約したから受けなければならない、ということはありません。説明を聞いて納得できなければ、そこで止めてかまいません。
二つめは、範囲を小さく始められるという点です。 初めての渡韓で、いきなり複数の施術をまとめて受ける必要はありません。ダウンタイムの少ないものから一つ試して、次の渡韓で広げる、という進め方ができます。後悔しない進め方については渡韓の美容医療で後悔しないためににもまとめています。
不安が強い場合の対処としては、この二つを覚えておいていただくのが実際的だと思います。
日本語では、どこまで確認できるのか
安全に関わる情報ほど、日本語で受け取れるかどうかが効いてきます。効果の話は多少あいまいでも取り返しがつきますが、避けること・異常が出たときの連絡先・次に受けてよい時期は、伝わっていないと困る種類の情報です。
日本語対応には段階があります。
- 予約のやり取りだけ日本語——当日の説明は別の手段になることがあります
- カウンセリングに通訳が同席する——内容と条件は確認できます
- 常勤の日本人スタッフがいる——施術後の説明と会計まで日本語で進みます
- 翻訳アプリで対応——単語は通じますが、条件や注意事項の確認では抜けが起きやすくなります
不安を減らすという目的から見て確認しておきたいのは、「施術のあとの注意事項も、日本語で説明していただけますか」という一点です。ここに具体的に答えてもらえるかどうかで、対応の段階がかなり分かります。場面ごとの違いは日本語対応はどの場面まで届くのかに整理しています。
よくある質問
Q. 韓国で美容医療を受けるのは、日本より危険なのですか。
一律に比べられる性質のものではないと考えています。医療機関ごとの体制の差のほうが、国による差より大きいためです。この記事で挙げたように、外国人患者の受け入れ登録や薬剤の承認は公式サイトで確認できますので、まずそこを確認したうえで判断されることをおすすめします。
Q. 予約の前に、そのクリニックについて何を調べればよいですか。
外国人患者の受け入れ登録があるかどうか、日本語がどの場面まで通じるか、支払いの条件がどう説明されるか。この三つは予約前に確認できます。登録は韓国政府の公式サイトで、日本語対応と支払いの条件は予約のやり取りのなかで分かります。
Q. 使われる薬剤の名前は、聞いてもよいのでしょうか。
聞いてかまいません。施術の前に「今日使うものの名前を教えてください」と伝えるだけで十分です。名前が分かれば、韓国の食品医薬品安全処の公式サイトで承認の有無を照会できます。
Q. 施術後に不調が出たら、どうすればよいですか。
まず、施術を受けた医療機関に連絡してください。そのために、会計のときに連絡先と日本語で受け付けてもらえるかを確認しておくことをおすすめします。日本の医療機関に相談する場合に備えて、受けた施術名・薬剤名・回数と範囲の記録も残しておいてください。
Q. 初めてなので、何から減らせばよいか分かりません。
受ける施術の数を減らすところから始めるのがおすすめです。一度に複数を組み合わせると、何が原因で何が起きているのかが分かりにくくなります。ダウンタイムが短いものを一つだけ受けて、経過を見てから次を決めるという進め方であれば、確認できない部分をかなり小さくできます。
※ 本記事は、渡韓して美容医療を受ける際に事前に確認できる公的な情報と、確認できない範囲を整理したものです。特定の医療機関や施術の安全性を保証するものではありません。施術の可否や体調に関する判断は、必ず診察を受けたうえで医療機関にご確認ください。