ニキビが気になっていて、韓国のスキンケアなら何とかなるのではないか——そう考えて調べ始めた男性の方に向けて書いています。実際、韓国の店頭には男性向けの商品も並んでいますし、選択肢は日本より多く感じられるはずです。
ただ、男性の方の相談を聞いていると、女性の場合とは違う前提が二つあることに気づきます。ひとつは、毎日ひげを剃っているという事実です。もうひとつは、工程の多いケアは、まず続かないという現実です。この二つを飛ばして「良い商品」だけを探すと、買ったものが洗面台に残るだけで終わってしまいます。
この記事では、商品名を挙げることはいたしません。かわりに、何を基準に選べば続くのか、そして買うもので届かないときに何が選択肢になるのかを、韓国の法令の原文と公式サイトを実際に開きながら整理します。
男性のニキビには、毎日のひげ剃りという前提があります
女性向けの記事をそのまま読んでも、しっくりこない理由がここにあります。男性の顔には、毎日刃物が当たっている面積があります。 頬の下半分、あご、首。ニキビができやすい場所と、毎日剃っている場所は、かなり重なります。
ここで起きることは二つです。ひとつは、できているものを剃ってしまうこと。もうひとつは、剃ったあとの状態のまま何もせずに一日を過ごすことです。前者は炎症を長引かせますし、後者は乾燥と皮脂の両方を招きます。
ですので、男性の場合、「何を足すか」より先に「剃り方と、剃ったあとをどうするか」が効いてきます。 ここを変えないまま高価なものを買っても、条件は変わりません。逆に言えば、ここを変えるだけで動くことがあります。
男性の肌の背景については、韓国の肌管理 男性ガイドに、ひげ剃りによる負担・皮脂・毛穴・赤みといった悩みごとに整理していますので、あわせてお読みいただくと全体像がつかめます。
「スキンケア」を工程数で考えると、続きません
韓国のスキンケアというと、何段階も重ねる手順を思い浮かべる方が多いと思います。実際にそういう組み方もありますが、男性の方が最初からそれを真似すると、まず続きません。 これは根性の問題ではなく、朝の時間と、置き場所と、面倒くささの問題です。
現実的な考え方はこうです。まず、いま毎日やっていることの数を数えます。その数を増やさずに、中身を入れ替えられないかを考えます。一つ増やすなら、その一つを何にするかだけを決めます。
| 段階 | 現実的な目標 |
|---|---|
| いま何もしていない | 洗う・つけるの二つに絞ります |
| 洗うだけしている | つけるものを一つだけ足します |
| 二つやっている | 中身の見直しから始めます |
| 三つ以上できている | 順番と、量の見直しに進めます |
大事なのは、渡韓中に全部を入れ替えないことです。 一度に三つ変えると、合わなかったときにどれが原因なのか分からなくなります。せっかく韓国まで行って買っても、原因が特定できなければ次に活かせません。
複数のものをどう組み合わせるかについては、韓国のスキンケアの組み合わせ方に別途まとめています。
韓国で買うものを選ぶときの、三つの基準
店頭で迷ったときに使える基準を、三つに絞ります。
一つめは、続けられる価格かどうかです。 一度きりで終わるものに意味はありません。次の渡韓までに切れることが分かっているなら、その前提で量を決めます。日本でも手に入るものなのかどうかは、買う前に確認しておく価値があります。
二つめは、工程が増えないかどうかです。 いま使っているものと役割が重なるなら、足すのではなく入れ替えます。役割が重ならないものだけを足します。
三つめは、区分が分かるかどうかです。 韓国では、店頭に並ぶものが化粧品・医薬外品・医薬品といった区分に分かれています。医薬品や医薬外品として承認されているものであれば、韓国の食品医薬品安全処が公開している画面で、製品名から承認の記録を照会できます。医薬品や医薬外品として承認されているものであれば、製品名から承認の記録・許可番号・許可日まで照会できますので、名前だけは控えて帰ることをおすすめします。
そして、まとめ買いは最初の一回では避けてください。 合うかどうかは数日では分かりません。まず一つ買って、次の渡韓で買い足す。これがいちばん損の少ない進め方です。
買うもので届かないときに、何が選択肢になるか
いま炎症が起きているもの、あるいは何年も残っている跡については、店頭で買うものの範囲を越えていることがあります。そのとき何が選択肢になるのかも、制度のうえでは整理されています。
冒頭に載せた画面は、韓国の付加価値税法施行令の条文です。黄色く示された部分に並んでいるのは、色素性母斑・そばかす・黒色点・肝斑の治療術、ニキビ治療術、脱毛術、薄毛治療術、毛髪移植術、刺青術および刺青除去術、ピアッシング、脂肪溶解術、皮膚再生術、皮膚美白術、抗老化治療術および毛穴縮小術——といった名前です。

つまり、韓国ではこれらが美容を目的とした処置として整理されていて、治療を目的とした医療とは扱いが分かれているということです。実務上は、費用の考え方が変わります。表示されている金額に税が含まれているかどうかは、その場で確認できることですので、聞いておいてください。
ニキビそのものに対して現地で何が提案されるのかは、韓国のニキビ治療に、圧出・アグネス・レーザーの使い分けとしてまとめています。男性の場合にどのテーマから相談すればよいかは、韓国の美容医療は男性でも受けられるのかのほうが近い内容です。
「やりたい施術が決まっている方ならここのクリニックはお値段も安く通いやすいです。」
この方が書かれているとおりで、決まっている人ほど話が早いというのは、現地では本当にそうです。 逆に、何も決めずに行くと、その場の提案に流されやすくなります。
仕事の予定から、逆算します
男性の方の場合、いちばん現実的な制約が「休めない」ことです。ですので、選ぶ順番は「何が良いか」ではなく「いつまでに元の顔で人に会う必要があるか」から入ります。
そのうえで、時間の見積もりで見落とされがちなのが、麻酔クリームを塗ってから効くまでの待ち時間です。処置によっては、この待ち時間が当日の所要時間の半分近くを占めることがあります。

照会してみると、クリームの形をしたものと、注射の形をしたものが並んで出てきます。塗るタイプの麻酔が承認された製品として存在しているということは、待ち時間が前提に組み込まれているということでもあります。「1時間で終わると思っていたら半日かかった」という誤算は、ここを知らないと起こります。
予約のときに聞いておきたいのは、次の三つです。
| 聞くこと | なぜ必要か |
|---|---|
| 当日の所要時間はどれくらいですか | 前後の予定が組めます |
| 麻酔の待ち時間は含まれていますか | 実際の拘束時間が分かります |
| 翌日の見え方はどうなりますか | 出社の予定が判断できます |
「多少の痛みはありますが…耐えるだけの結果があるので耐えれます!」
一人で行くときに、事前に確認しておけること
男性の方から「一人で行っても大丈夫か」と聞かれることがよくあります。結論から申し上げると、一人で行かれる方は珍しくありません。ただ、一人だと、その場で相談できる相手がいないのは事実ですので、事前に確認できることは確認しておくほうが安心です。
そのひとつが、外国人患者の受け入れ登録です。韓国では、外国から来る患者を受け入れようとする医療機関は登録をすることとされていて、その一覧は公式サイトで誰でも無料で照会できます。

一覧には、状態・商号・代表者名・連絡先・機関区分・地域の列が並びます。状態の欄が「유지」であれば、登録が有効な状態です。 これはサービスの質を保証するものではありませんが、外国から来る人の受け入れを前提に体制を整えている、という手がかりにはなります。
そのうえで、予約の問い合わせを日本語で送ってみてください。返信の速さと具体性が、当日の日本語対応をかなり正確に予告します。
続けるための、現実的な組み立て
最後に、渡韓を前提にした組み立て方を整理します。
一回の渡韓で完結させようとしないでください。 肌の状態は数日では動きません。渡韓中にできるのは、状態を見てもらうことと、続けるものを決めることまでです。
買うものは、次に来るまでの分量で考えてください。 切れてしまえば、そこで途切れます。日本で同じものが手に入るかどうかを先に確認しておくと、判断が変わることがあります。
記録を残してください。 何をいつから使ったか、そのときの状態はどうだったか。写真を同じ場所・同じ明るさで撮っておくだけで、次の相談の材料になります。男性の場合、ひげ剃りの頻度や道具を変えたかどうかも、あわせて残しておくと役に立ちます。
施術を受けた日に、買ったものをそのまま使わないでください。 施術後の肌は普段と状態が違います。何をいつから使ってよいかは、受けたクリニックで確認してください。
洗い方と、剃ったあとの数分について
ここは商品選び以前の話ですが、男性の方の場合、いちばん効きやすいところですので、独立して書いておきます。
洗う回数を増やしても、状況は良くならないことがあります。 皮脂が気になると、つい何度も洗いたくなります。ところが、洗いすぎたあとに乾燥が来て、その反動でまた皮脂が出る、という往復が起きることがあります。まずは回数を増やさずに、洗ったあとに何もしない時間を作らないほうが、条件としては整いやすくなります。
ひげ剃りの直後は、肌にとって特別な数分です。 剃ったあとに何もつけずに出かける習慣がある方は、ここに一つだけ足すところから始めてみてください。工程を増やしたくない方でも、この一つは負担が小さいはずです。
道具を変えたら、記録に残してください。 刃を替えた、機種を変えた、剃る向きを変えた——こうした変更は、肌の状態と連動していることがあります。何かを変えたときは日付を控えておくと、あとから振り返ったときに原因の見当がつきます。
強くこすらないでください。 ざらつきが気になるとこすりたくなりますが、炎症が起きている場所を物理的に刺激すると、跡が残りやすくなる方向に働きます。ここは、我慢したほうが結果的に早いところです。
そして、これらはすべてお金がかからない変更です。韓国で何かを買う前に、まずここを一巡させておくと、買ったものの効き目を判断しやすくなります。何も変えないまま新しいものを足すと、良くなっても悪くなっても理由が分からないままになります。
日本語では、どこまで確認できるのか

日本の方にとって、ここがいちばんの不安だと思いますので、正直に書きます。
まず、店頭とクリニックでは、日本語の通じ方が違います。 街の店舗では、日本語のできる方がいるかどうかは運によります。一方、外国人患者の受け入れを前提にしているクリニックには、日本語の話せるスタッフや通訳が在席していることが多く、状態の説明から費用の確認まで日本語で進められる場合があります。
「日本語のできるスタッフが何人もいて安心できました。」
「スタッフの方が日本語で丁寧に対応してくれたので安心しました。」
ただし、対応には段階があります。
- 常勤の日本人スタッフや通訳がいる——肌の状態も、費用の内訳も、当日の所要時間も日本語で確認できます
- 日本語の窓口が予約対応のみ——当日の説明や会計では通じないことがあります
- 翻訳アプリでの対応——雰囲気は伝わりますが、条件を詰める場面では取りこぼしが出ます
男性の方の場合、「聞き返しにくい」ことが不利に働く場面があります。分からないまま進んでしまい、あとで確認できなくなる。これを防ぐには、最初に「分からないときは止めて聞きます」と伝えてしまうのがいちばん簡単です。一言伝えておくだけで、その場の空気が変わります。
予約のときには「肌の状態の相談も日本語でできますか」「会計のときも日本語で確認できますか」の二つを聞いておいてください。この二つへの答え方で、当日の見通しがかなり立ちます。
よくある質問
Q. 男性向けと書かれた商品を選んだほうがよいのでしょうか。
男性向けかどうかより、いまの肌の状態に対して役割が合っているかどうかのほうが重要です。男性向けと書かれたものは、さっぱりした使い心地に寄せてあることが多く、それが合う方もいれば合わない方もいます。表示を写真に撮っておき、合わなかったときに何が違ったのかを確かめられるようにしておいてください。
Q. ひげ剃りは、しばらくやめたほうがよいですか。
この記事で一律に申し上げることはできません。仕事の都合もありますので、現実的には「やめる」より「当たり方を変える」ほうが取り組みやすいはずです。処置を受けた場合の再開の時期については、受けたクリニックの指示に従ってください。
Q. 渡韓中にクリニックに行くなら、何日目がよいですか。
帰国日の直前は避けたほうが安全です。 内容によっては当日の見え方が普段と変わりますし、翌日以降に確認したいことが出ることもあります。相談だけであれば初日でもかまいませんし、初日に相談して滞在中に決めるという組み方もできます。
Q. 男性でも入りにくくないでしょうか。
男性の来院は珍しくありません。気になる場合は、予約の問い合わせのときに「男性でも大丈夫ですか」と一言聞いておけば、その返し方で雰囲気が分かります。待合の作りが気になる方は、個室での対応があるかどうかも聞いておくとよいと思います。
Q. 韓国のものは日本より安いのですか。
この記事で金額の比較を申し上げることはできません。同じ名前のメニューでも、回数・範囲・初回価格かどうか・税込みかどうかで金額は変わります。比べるときは、同じ条件にそろえてから比べてください。 見積もりを受け取ったら、その場で「これは何回分ですか」「税金は含まれていますか」と確認しておくと、あとで食い違いません。
※ 本記事は、韓国の公的機関が公開している情報と法令の原文を実際に確認して整理したものであり、特定の製品や医療機関を推薦するものではありません。また、診断・治療・使用に関する助言ではありません。ご自身の肌の状態や使用の可否については、必ず医師または薬剤師にご相談ください。制度や運用は変更される場合があります。